紅葉の季節、心に刻む高ボッチ高原の絶景

朝焼けから星空まで。高ボッチ高原での長時間にわたる撮影を支えたJackeryのポータブル電源とソーラーパネル。ネイチャーフォトグラファーの柏倉陽介氏が、その魅力を実感した。

360度の眺望を手に入れるために。
自動車でアクセスできる理想の景観

中央自動車道で都内から約3時間。長野自動車道を塩尻ICで降りて10分ほど、左右に広がる丘陵の緑を楽しみながら緩やかなワインディングロードを進むと、高ボッチ高原への登山口にたどり着く。そこからさらに約20分。車1台分程度の山道は、すれ違いが困難な箇所もあるものの、待避スペースが数十メートルおきにあるので問題ない。

何よりも標高1600メートル超の山頂付近まで車で行くことができるのは、ありがたい。パーキングに到着し窓を開けると、パリッと乾燥した冷たい空気が車内に流れ込んできた。そう、この空気感こそ、私が撮影地として高ボッチ高原に何度も足を運んできた第一の理由。晩秋から冬にかけての澄んだ空気は、北アルプスの山々から諏訪湖、南アルプス、富士山までを一望にできる山頂からの景色を、よりクリアに美しく見せてくれるのだ。

山頂から西には早くも雪に覆われた北アルプスが連なる。PHOTOGRAPH BY YOSUKE KASHIWAKURA

夜明けの高ボッチ高原。手前に見えるのが諏訪湖、奥には富士山。PHOTOGRAPH BY YOSUKE KASHIWAKURA

高ボッチ高原というユニークな地名の由来は、「だいだらぼっち」「でいだらぼっち」という巨人が腰をおろして一休みした場所であるという説、アイヌ語で巨人や巨大なものをボッチということから、大きな山をあらわしているという説、高いところにある「窪地(ボッチ)」から転じたという説などがあるようだ。山頂に佇むと周囲には遮るものが何もなく、その素晴らしい景観は、多くの漫画やアニメ映画のモチーフや舞台となっている。

遠い彼方までを見渡していると、まさに巨人になったかのような気分を味わえる。日の出から夕景、夜には満点の星空まで、目の前で繰り広げられる絶景は、どれも逃すわけにはいかず、全てを捉えるには何日かかけての撮影が望ましい。これまでは車中泊で撮影に臨んできたが、最大の問題は撮影関連機器の電源だった。充電のためだけに山を下り、宿泊先のホテルまで戻るとなると時間がもったいないし、せっかくの景色を撮り逃してしまうことにもなりかねなかった。

八ヶ岳中信高原国定公園 高ボッチ高原は、塩尻市の東部に位置し、長野自動車 塩尻ICから自動車で約30分。塩尻ICまでは首都圏からは中央自動車道で約3時間、中京圏からは約2時間で到着することができるため、関東だけではなく関西・中京圏から訪れる観光客も多い。

展望台から撮影した夜の諏訪湖方面。家々の明かりが宝石箱のように瞬いていた。PHOTOGRAPH BY YOSUKE KASHIWAKURA

太陽が昇るとともにオレンジ色に焼けた空が少しずつ白く明るくなっていった。PHOTOGRAPH BY YOSUKE KASHIWAKURA

野営の安心と充実を叶える
ポータブル電源とソーラーパネル

これまで高ボッチ高原は長きにわたってキャンプ行為が禁止されていたため、夜景や早朝の雲海を撮影するには日帰りか車中泊しか選択肢がなかった。2022年4月に洗い場やトイレ、Wi-Fiなどを完備した高ボッチ高原キャンプ場が正式にオープン。

今回の旅ではテントを張り野営の準備とともに、まずJackery ポータブル電源 1000 Pro とソーラーパネル Jackery SolarSaga 80を接続、テントでの電源環境を構築した。何より驚いたのは1000 Proの充電時間の短さだ。家庭用コンセントでフル充電するのにかかった時間は、わずか1.8時間。過去に撮影でポータブル電源を使用した経験から、フル充電には半日はかかるというイメージを持っていただけに驚くべきスピードだ。ACケーブルだけでなくUSB-A/USB-Cケーブルを直接接続でき、ソーラーパネルを接続することで電源の消費も抑えられるなら、もう電源問題が撮影の制約になることはない。

テントの前に「Jackery SolarSaga 80」を広げ、「Jackery ポータブル電源 1000 Pro」とつないで充電環境を万全に。(上)PHOTOGRAPH BY RYO HANAOKA
一眼レフ用バッテリー、ドローン、スマートフォン、モバイルバッテリー、パソコンと、フォトグラファーの必須ギアを一度に充電。(下左)PHOTOGRAPH BY RYO HANAOKA
空からのダイナミックな風景を撮影できるドローン。これまでは電池の消耗が激しいことがネックだったが、「Jackery Solar Generator 1000 Pro」の活用で可能性が広がった。(下右)PHOTOGRAPH BY RYO HANAOKA

テントの前に「Jackery SolarSaga 80」を広げ、「Jackery ポータブル電源 1000 Pro」とつないで充電環境を万全に。(1枚目)PHOTOGRAPH BY RYO HANAOKA
一眼レフ用バッテリー、ドローン、スマートフォン、モバイルバッテリー、パソコンと、フォトグラファーの必須ギアを一度に充電。(2枚目)PHOTOGRAPH BY RYO HANAOKA
空からのダイナミックな風景を撮影できるドローン。これまでは電池の消耗が激しいことがネックだったが、「Jackery Solar Generator 1000 Pro」の活用で可能性が広がった。(3枚目)PHOTOGRAPH BY RYO HANAOKA

特にドローン撮影では専用バッテリーを3つ持っていくのだが、丸一日の撮影では圧倒的に足りない。ドローン機が新しくなればバッテリーも刷新されることが多いので、そのたびに専用バッテリーを買い直していくことは経済的ではない。主電源としてJackery ポータブル電源があれば、どんなバッテリーでも交互に素早く充電していくことが可能になる。

一眼レフにしても予備の電池は4つ持っていくが、写真に加えて映像撮影などの必要があれば電池消費が非常に早くなるのが不安だった。ポータブル電源とソーラーパネルがセットになった「Jackery Solar Generator 1000 Pro」によってこれらの問題が解消すると、“良い画を撮る”ことに集中できそうだ。

PHOTOGRAPH BY RYO HANAOKA

展望台へと続く道の途中にて。夕陽に照らされたススキが黄金色に輝く世界を前にシャッターを切った。PHOTOGRAPH BY YOSUKE KASHIWAKURA

夕刻の撮影を終えると遠赤外線ストーブで温められたテントの中での夕食タイムだ。卓上IH調理器にストウブや鉄フライパンをかけて調理した鍋料理や鶏のステーキを堪能し、ゆったりと寛いだ気分になる。

今回の撮影では諏訪在住の写真家・花岡凌氏にアシスタントをお願いした。花岡氏とは、2019年、冒険家 荻田泰永氏と若者たちの600kmに渡る北極圏遠征に同行した仲。テントの中での話題は、自然と電源の確保に苦労した撮影の思い出話になる。

十数年前、アメリカ合衆国のアラスカ州フェアバンクスから北極海までを南北に縦断するダルトンハイウェイの旅で、車中泊をしながら1週間ほどかけてオーロラ撮影をしたことがある。家一軒ない極寒の道が延々と続き、猛吹雪の中、給油のためにガソリンスタンドまで200kmを往復した日もあった。バッテリーが上がるのを防ぐためにエンジンを切って、冷え切った車の中でセーターやジャケットを何枚も重ね着して震えながら待機したこともあった。快適なテントの中で照明や暖房器具を使いながら、あの時に大容量で充電時間の短いバッテリーがあったら…と振り返る間にも、昼間の撮影で消耗した機材はしっかりと充電されていた。

Jackery ポータブル電源 1000 Proで調理を楽しむ柏倉陽介氏と花岡凌氏。温かい食事は何よりの活力になる。テント内では遠赤外線ストーブも使用。PHOTOGRAPH BY YOSUKE KASHIWAKURA

現在市販されている卓上IH調理器は火力が1400Wのものが多いが、最大出力を1000Wにセーブできるものを使用した。PHOTOGRAPH BY YOSUKE KASHIWAKURA

最新の充電ツールから広がる
アウトドアライフの可能性

翌朝、目を覚ますと、外には小雪がちらついていた。あたりは数メートル先も見えないほどの霧に覆われていたが、バッテリーの心配なく何泊か腰をすえての撮影を組むことができるので焦ることはない。

Jackery ポータブル電源 1000 Proと電気ケトルがあれば、短時間でお湯を沸かすことができるため、いつでも温かいコーヒーが楽しめる。PHOTOGRAPH BY RYO HANAOKA

朝食はホットサンド。鉄フライパンと卓上IH調理器でベーコンと卵を炒め、チーズと山盛りのキャベツをパンに挟んで焼いた。PHOTOGRAPH BY RYO HANAOKA

電気ケトルで沸かした湯でコーヒーを煎れ、朝食は卓上IH調理器に鉄フライパンをのせてアツアツのホットサンドイッチをゆっくりと楽しむことができるのは、ちょっとした贅沢な時間だ。食後はパソコンを電源につないで昨日撮影した写真のデータを整理。こうした作業もこれまでは車の中で行っていたが、エンジンをかけっ放しの状態よりもソーラーパネルでの発電とポータブル電源からの充電の方が環境に優しいのは言うまでもない。静かな環境で仕事がはかどるのも嬉しい。

そうこうしているうちに霧が晴れてきたので、ドローンを飛ばして紅葉を撮影。日一日と冬が近づく中、この後、数日間の滞在中に木々の色も少しずつ色濃くなっていくことだろう。

少しずつ紅葉が色づき始めた高ボッチ高原周辺の森。PHOTOGRAPH BY YOSUKE KASHIWAKURA

10月から11月にかけて高ボッチ高原周辺では霧や雲海が多く発生する。ドローンで霧に包まれた神秘的な森を空撮。PHOTOGRAPH BY YOSUKE KASHIWAKURA

大学時代に探検部に所属していたことがきっかけでネイチャーフォトグラファーとなり、20年以上にわたって国内外の自然を撮影してきたが、Jackery Solar Generator 1000 Proがこれからの旅で相当に重宝することを実感した。野営にはもちろん、電源を十二分に確保できない環境でもソーラーパネルで充電できるポータブル電源は頼もしい。北海道の礼文島に構えている撮影拠点での1カ月の灯油代が、このソーラーパネルとポータブル電源に替わることでどれだけコストカットになるかも思わず試算してしまった。もっと言うなら都会でも災害に備えて自家発電のできる機材を確保しておくことは必要なのかもしれない。

天気が良ければ今日は太陽が沈んだ直後のふわっとした薄い光に照らされた風景を撮影したい。明日は雲海に出会えるだろうか。Jackery Solar Generator 1000 Proをパートナーに高ボッチ高原での野営は、まだしばらく続くことになりそうだ。

プロフィール

プロフィール

柏倉 陽介(かしわくら ようすけ)

1978年、山形県生まれ。主な撮影分野は自然風景、人物、野生動物、環境保護など多岐にわたる。ナショナル ジオグラフィック国際フォトコンテストやレンズカルチャーアースアワード、ワイルドライフフォトグラファーオブザイヤーほか数多くの国際写真コンテストに入賞。作品は国連気候変動枠組条約締約国会議やロンドン自然史博物館、米国立スミソニアン自然史博物館などに展示されている。

花岡 凌(はなおか りょう)

1993年生まれ。長野県下諏訪町出身、下諏訪町在住。会社を辞め、北極冒険家 荻田泰永氏と写真家 柏倉陽介氏、12人の若者で北極を600km歩いて旅をした。その中で自然の美しさとそれを伝える写真の面白さを知った。現在、八ヶ岳エリアを中心に作品を撮りためながら真冬のアイスランド中央部での撮影を目指している。

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