ポータブル電源にソーラーパネルは必要?ソーラーパネルの基本知識(仕組みやスペック)とともに紹介

ポータブル電源にソーラーパネルは必要?ソーラーパネルの基本知識とともに紹介

キャンプや車中泊には必需品のポータブル電源は長時間使えないという欠点がありました。しかしソーラーパネルと併用することでポータブル電源の欠点を補えるようになっています。そこでポータブル電源にソーラーパネルと併用することでえられるメリットや注意点を基本知識とともに紹介します。

ポータブル電源とソーラーパネルを併用する理由

ポータブル電源は自由自在に電源を持ち運びでき、キャンプや撮影現場などの幅広い場面で活躍します。その反面、本体を充電しないと使えないという課題がありました。

また、長時間の停電や想定以上の電力を利用するとポータブル電源だけで電力を賄うことができなくなり、バッテリー切れになることは少なくありません。そういった欠点を補えるのがソーラーパネルになります。

住宅に太陽光発電を導入するのと比べ、ポータブル電源用のソーラーパネルはコンパクトなサイズで、手の届く金額で購入することができます。そして太陽光さえあればポータブル電源が充電でき、バッテリーの残量を心配せずに使うことができます。

ポータブル電源を使わない日は電気貯金で楽しむことができます。晴れの日にソーラーパネルを置いて電気が自給自足できると、コツコツ貯金をしているような感覚で日常に楽しみを増やすことができます。

ソーラーパネルをポータブル電源と併用することで、ポータブル電源の強みを最大限発揮したり、日常に彩を飾ってくれる魅力があります。

ソーラーパネルが発電する仕組み

ソーラーパネル付きのポータブル電源を購入する前にソーラーパネルの基本的な知識を踏まえておくと万全です。しっかりと実用するためにもソーラーパネルの発電メカニズムや性能の見方を押さえておきましょう。

ソーラーパネルとは太陽光のエネルギーを吸収して電気に変えるエネルギー変換素子です。

ソーラーパネルの素材には「シリコン系」「化合物系」「有機系」といった種類があり、発電量などに違いが出てきます。現状、ソーラーパネルの素材として高いシェアを握るのは「シリコン系」になり、安定した発電効率と高出力が評価されています。

シリコン系などの半導体で作られたソーラーパネルでは2種類の性質が異なる半導体(p型、n型)が重ね合わされ、半導体に光が当たることで正孔がp型半導体側(裏側)へ、電子はn型半導体側(表面)へ移動します。こういった働きによって電流が流れ太陽光から発電できるようになります。

ソーラーパネルのスペックの見方

ソーラーパネルのスペックの見方

ソーラーパネルがどれほど発電できるか?を表す指標が2パターンあり、モジュール変換効率とセル変換効率で表示されます。

ソーラーパネルの性能はモジュール変換効率で示すことが一般的になります。モジュール変換効率とはソーラーパネルの1㎡あたりの変換効率のことを指し、以下の公式で求めることができます。

モジュール変換効率=(モジュール公称最大出力(W)×100)÷(モジュール面積(m2)×1000(W/m2))

生産されているソーラーパネルの多くはモジュール変換率14〜20%が平均的な数値になります(シリコン系ソーラーパネルのモジュール変換率は理論上29%が限界)。

しかしソーラーパネルメーカーによってはセル変換効率で示す場合も少なくありません。セル変換効率とはソーラーパネルのセル1枚あたりの変換効率を表し、以下の公式で求めることができます。

セル変換効率=出力電気エネルギー÷太陽光エネルギー×100

モジュール変換率よりもセル変換効率の方が数値が高くなります。

ソーラーパネルの性能を表す数値だけを見るのではなく、どちらの指標で表しているのか確認するようにしましょう。

ソーラーパネルの変換効率は20%

太陽光発電の変換効率は他の発電と比較してどれほどのレベルなのでしょうか?

再生可能エネルギーの中で比較すると水力発電が一番変換効率が高く80%、風力発電(25%)と太陽光発電(20%)が同じレベルの変換効率で低く、20%前後になります。

・水力発電  80%

・風力発電  25%

・太陽光発電 20%

なぜ変換効率がこれほどまで下がってしまうのでしょうか?そもそもエネルギーは変換する時に様々なエネルギーに変化し、分散してしまうのです。そのため特定のエネルギーだけに変換することは不可能になります。

エネルギーのロスはあるもののソーラーパネルは『防災グッズとして使える』『環境配慮の取り組みになる』といった魅力が多くの人に浸透し、広く普及しています。

ソーラーパネルの発電量が左右される要因とは?

ソーラーパネルが日射量によって発電量が左右され、落雷によって発電できなくなってしまうことは周知のとおりです。しかし他にもソーラーパネルの発電量が左右される要因が3点あります。ソーラーパネルの発電量によってポータブル電源にかかる充電時間が左右されます。発電量を左右する要因はしっかりと抑えておきましょう。

・塩害

・温度(高温)

・ホットスポット

●塩害

ソーラーパネルには耐塩器具を使用した塩害対策が施されたソーラーパネルもありますが、ほとんどのソーラーパネルが塩害に強いわけではありません。

海辺から2キロ周辺は塩害地域とされ、その地域や周辺でソーラーパネルを使用すると塩害の被害を受けることになります。

塩はソーラーパネルの電子機器の破損を促してしまうため、塩害地域での利用は塩害対策を講じているソーラーパネルの利用か、利用場所の変更をしなくてはなりません。

●温度(高温)

ソーラーパネルは高温にとても弱く、高温下では発電効率が著しく小さくなります。もともとソーラーパネルの性能を表すモジュール変換効率は25℃で観測された数値をもとに表示されています。

そのため真夏のように25℃以上になる場合や高温の車内では、発電効率の数値ほどソーラーパネルは働いていません。

参考までに25℃を超えた場合、1℃温度が高くなるごとにソーラーパネルの発電効率は0.5%ずつ減少すると考えられています。太陽光の強さと温度は別に捉え、最適な温度範囲での発電を心掛けなくてはなりません。

●ホットスポット

屋外でソーラーパネルを使用すると落ち葉や泥などでパネルに汚れが付くことがあります。

そういった汚れの下はホットスポットという『発電がとまり、ソーラーパネル全体の発電を阻害する』部分になってしまいます。特にアウトドアや工事現場でソーラーパネルを使用するとホットスポットができやすくなります。

そのためソーラーパネルに汚れを確認したら拭き取るよう心掛け、ホットスポットを作らないようにしましょう。

ポータブル電源に使えるソーラーパネルの条件

ポータブル電源に使えるソーラーパネルの条件

実際にポータブル電源の充電としてソーラーパネルを使う場合、どういった条件のソーラーパネルを用意すればいいのでしょうか?

ポータブル電源とセット販売されているものであれば問題はありませんが、所有しているソーラーパネルが使えたりするのでしょうか?

ポータブル電源を充電するためにはソーラーパネルの出力も相応に高くなくてはいけません。さらに自作用のソーラーパネルを手持ちのポータブル電源の充電に使いたい場合は端子が会うのかを確認しなくてはなりません。

一方でソーラーパネルとセット販売されるポータブル電源はDCポートで充電ができるようになっています。

ソーラーパネルでのポータブル電源の充電にはDCポートが一般的なので、自作用のソーラーパネルを利用する際はMC4端子に対応しているポータブル電源を購入してください。

ポータブル電源と同じメーカーのソーラーパネルを購入することをおすすめします。なぜかというと、ポータブル電源とソーラーパネルのメーカーが違う場合、製品間に互換性がなく相性が悪いので、せっかく購入したソーラーパネルがポータブル電源に上手く充電できません。

ポータブル電源にソーラーパネルは必要なのか?

ソーラーパネル付きのポータブル電源は必要なのか?真髄に迫ります。ポータブル電源はキャンプ、撮影現場、DIYなどの幅広い場面で活躍します。自由自在に電源の場所を移動でき、充電できる便利さを知ってしまうとポータブル電源にはまってしまうことでしょう。

しかし充電できる量が限られており、全ての家電製品を存分に使うことはできません。そんな悩みを解決してくれるのがソーラーパネルの併用になります。

ソーラーパネルがあるとどこでも充電ができるため、バッテリーの残量を気にすることなく使うことができます。またアウトドア以外でも、日常的にソーラーパネルでこまめに充電する電気貯金を楽しむこともできます。

SDGsを身近に始めたい、効果を体感できる環境配慮をしたいという方にもソーラーパネルとポータブル電源のセット利用はおすすめです。

ソーラーパネル付きポータブル電源のおすすめ商品

「グリーンエネルギーをあらゆる⼈に、あらゆる場所で提供する」というビジョンのもと、Jackery(ジャクリ)は誕生し、2016年にアウドトア⽤ポータブル電源を発売しました。さらに2年後にはブランド初のポータブルソーラーパネルを開発し、軽量・高出力・高い安全性を備えた製品の販売を日々追求しています。実際にJackery社の商品をもとにおすすめソーラーパネル付きポータブル電源を紹介していきます。

●Jackery Solar Generator 1000 Pro 80W

Jacekryの人気モデル「ポータブル電源 1000」に高速充電が可能なProモデルとソーラーパネル「Jackery SolarSaga 200」を組み合わせたセット商品です。

最速1.8時間で、ソーラーパネル、コンセントを使って高速フル充電が可能になりました。ソーラーパネルは折り畳み式のため、収納や持ち運びもスムーズに行えます。

●Jackery Solar Generator 1500 Pro

Jacekryの大容量・高出力モデルの「ポータブル電源 1500」に高速充電を実現するUltra-Charging Systemを搭載したProモデルとソーラーパネル「Jackery SolarSaga 200」を組み合わせたセット商品です。

停電時でも冷蔵庫や電子レンジが使用できるほどのパワフルさで、自然放電が少なく、80%の電池残量で472日間保管することができるため、非常用電源としても活躍します。

●Jackery Solar Generator 2000 Pro

Jackery最高クラスの2160Whの大容量と定格出力2200Wのポータブル電源 2000 Proと最速2.5時間で充電ができるソーラーパネルSolarSaga 200を組み合わせたセット商品。

大人数でのキャンプや連泊キャンプでも、ソーラーパネルを使えば太陽光で電気を作りだすことができるため電力不足の心配がありません。

日常使いとしても非常事態にも家電を選ばず使えるのも魅力です。

Jackeryソーラーパネル活用のポイント:

まとめ

ポータブル電源とソーラーパネルの併用するメリットや注意点を紹介しました。ソーラーパネルの性質を抑えて、適切に使うことでポータブル電源との相性は抜群です。ポータブル電源を長時間使いたい方やバッテリーの充電を気にしたくない方はソーラーパネルの併用を検討してみてはいかがでしょうか?