意外と知らない素朴な疑問「台風とは?」被害に巻き込まれない行動と対策を紹介
天気予報で台風情報が流れるようになると、「またこの季節が来たんだな」と思う方もいらっしゃるのではないでしょうか。今回も被害が出ないように祈る方は多いと思います。
台風のことは知っているけれど、深くは知らなくて素朴な疑問を抱えている方に、今回は台風とは何なのか、天気予報でよく台風、台風備えに取るべき行動などについてお答えします。台風被害に対する防災対策も含めてまとめていますので、なかなか対策に踏み込めていない方は参考になりますよ。
素朴な疑問①「台風とは何なのか」
ここでは、そもそも「台風って何?」というところからくわしく解説していきます。台風は何となくイメージできていたとしても、いざ「何?」と聞かれるとわからないことって結構ありますよね。そんな素朴な疑問について踏み込んでいきます。
●台風とは熱帯低気圧が発達したもの
台風とは、簡単に言えば「熱帯低気圧」が発達したものです。熱帯低気圧とは、熱帯の海上に発生する低気圧のことですね。海の上は場所によってふく風の影響で上空に水蒸気がたまりやすいです。やがて溜まった水蒸気が集まると、雲になります。
雲同士がくっつきながら次第に渦を巻き、大きな雲のかたまりになっていきます。この渦をまいた雲の早さが「1秒間に17m進む速さ」になったものを台風と呼びます。
●台風とはどこに発生するのか
台風ができやすい場所は、北太平洋南西域の熱帯地方です。熱帯地方の暖かい海は、海水の蒸発がさかんで、低気圧に吹き込む空気には水蒸気がたくさん含まれています。雨雲ができやすい地域でもあるんですね。ちょうど日本の南に広がる太平洋の、赤道付近。ここが台風の発生しやすい地域になります。
「日本ってよく台風来るな…」
と感じている方もいらっしゃるのではないでしょうか。これは、発生しやすい場所が日本の近くにあって、台風の通り道に日本があることが大きな理由です。
●台風が消滅する理由って何?
台風は、発生した時点で熱帯低気圧以上の勢力を持っています。そして、より上昇気流などによってどんどん水蒸気を蓄え発達していきます。その発達していく過程で生まれたエネルギーは、移動していく中で海面や大陸の摩擦によって消耗していくのです。
人が歩いていると疲れてくるのと同じで、台風も移動することで疲れていくのです。
「台風が勢力を拡大した」
など、天気予報で聞くことがありますが、これは「移動の途中で水分補給して元気になった」状態ですね。
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素朴な疑問②「天気予報で聞く台風」
私たちは、天気予報で台風の存在を知ります。どれくらいで日本に近づくのか不安になりつつ予測進路を確認したりしています。テレビで見たり、天気予報士が教えてくれる内容の中でわからないことってありますよね。何気に感じる天気予報によくでてくる「素朴な疑問」をいくつか取り上げてみました。
●天気予報に出てくる「hPa(ヘクトパスカル)」って?
「この台風の中心気圧は975ヘクトパスカル」
など、天気予報士が台風情報を伝えてくれることがあります。このヘクトパスカルは何となく台風の強さ、大きさだという認識を持つ方は多いと思います。このヘクトパスカルの数値が小さいと、台風の勢力は大きいと言えますね。
ヘクトパスカルは、台風の中心の気圧を単位であらわしたものです。1992年12月以前は、ミリバールという単位が使われていましたが、国際基準の単位に統合されることになりヘクトパスカルが使われるようになりました。
台風の中心気圧と周囲の気圧の差が大きいほど、たくさんの風が流れ込みやすく勢力の大きい台風となります。だから、中心気圧の低い方が周囲との差ができてしまうため、数値の低い方が台風の勢力が強いことになります。
●台風の強さの基準ってどうやって決めてるの?
では、台風の強さ、大きさに関して天気予報士が伝えてくれる
「強い」
「非常に強い」
などの表現の基準については、きちんとした基準があります。
〇台風の強さの階級分け
強い |
最大風速33m/s~44m/s |
非常に強い |
最大風速44m/s~54m/s |
猛烈な |
最大風速54m/s以上 |
〇台風の大きさの階級分け
大型(大きい) |
風速15m/s以上の圏内が 500km以上~800km未満 |
超大型(非常に大きい) |
風速15m/s以上の圏内が 800km以上 |
上記の階級によって、天気予報士は表現を変えて我々にわかりやすく伝えてくれているのです。また、風速25m/s以上の風が吹く可能性のある圏内を「暴風域」と言い、警戒が必要な圏内であることを伝えてくれています。
●台風の名前や番号はどうやってつけてるの?
日本では台風に番号をつけて「台風〇号」と呼んでいます。しかし、ニュースで世界のどこかで大きな台風被害にあった場所が報道されたときには、台風にはきちんと名前がついているのを聞いた方は多いことでしょう。
たとえば、2016年の台風には「ライオンロック」という名前がついていました。番号をつけて呼称するのは日本特有の名前の付け方です。気象庁では毎年1月1日以降に最も早く発生した台風を順に番号を付けています。もし、一度発生した台風の勢力が弱まって「熱帯低気圧」になったとしても、それがまた台風に昇格しても同じ番号を付けています。
実は、台風に名前を付ける委員会があります。「ESCAP」というアジア太平洋経済社会委員会です。「WMO(世界気象機関)」によって設立された委員会で、情報の共有・研究・研修などを目的とした活動をしている期間です。日本もこの期間に加盟している国の1つとなります。
日本は比較的台風が多い理由
台風情報が天気予報で伝えられると、「また台風が来たの?」と感じる方もいらっしゃるのではないでしょうか。あなたが感じている通り、日本は台風がよく接近してくる地域といえるでしょう。
これは、日本が台風の発生しやすい場所の近くにあり、台風の通り道になっているからです。その点を踏まえて、「なんでこんなに台風がよく来るの?」という疑問についてくわしく解説していきます。
●日本に台風が来る理由は高気圧と偏西風
台風の進路は風の影響によって変わります。日本にやってくる台風は、日本の南東にある赤道付近で発生した熱帯低気圧が発達したものです。中国大陸から流れてくる偏西風と、日本の東にある高気圧の影響を強く受けています。
そこから高気圧を避けて、偏西風によって軌道を変えながら日本にやってくる通り道ができてしまっていることが、日本に台風が接近する可能性が高い大きな理由です。
たとえば、夏は高気圧が日本の東に接近しているため、台風は日本の西側を通過することが多いですね。しかし、9月ごろから高気圧が東の太平洋に移動していくため、台風は日本を縦断する形で進路を取ってしまうことになります。
季節によって台風の軌道が違うのは、この高気圧の位置が深く関係しているためです。
●日本は台風上陸国ランキング3位だった
日本がどれだけ台風が上陸している国なのか。世界と比べると以下の通りのランキングになります。
〇台風上陸国ランキング(2014年度調査)
1位 |
中国 |
2位 |
フィリピン |
3位 |
日本 |
4位 |
オーストラリア |
5位 |
アメリカ |
6位 |
ベトナム |
7位 |
メキシコ |
8位 |
インド |
9位 |
マダガスカル |
10位 |
ラオス |
上記のランキングを見ると、日本は3位に位置していて、世界と比べても上陸する可能性が高い国となっています。ちなみに、日本では「台風」と呼んでいますが、実は発生地域によって名前が違っています。たとえば、アメリカのニュースでよく耳にしたこともある「ハリケーン」です。他にもいくつか種類があります。
・台風:東経180度より西の北西太平洋及び南シナ海で発生したもの
・ハリケーン:北大西洋、カリブ海、メキシコ湾地域で発生したもの
・タイフーン:北大西洋西部で発生したもの
・サイクロン:ベンガル湾、北インド洋付近で発生したもの
と地域によって4種類の呼び方があります。
台風上陸上位国だからこそ備えは必要
日本は台風がよく接近する国なことはおわかりになって頂けたと思います。最近は自然災害が次第に増えてきた傾向にある中で、台風による被害も頻繁にニュースで見かけるようになっています。もしものことを考えて、少しずつでも備えをしていくことは大切です。ここでは、台風被害を受けた時の備えとして、3つをご紹介していきます。
●ハザードマップで危険個所はチェックしておく
●防災グッズは準備しておいて損はない
●停電による被害にはポータブル電源が大活躍
台風による被害では、大雨や強風による被害があります。危険な場所の把握や避難経路など事前に知っておく情報と、備えるものをくわしく解説していきます。
●ハザードマップで危険個所はチェックしておく
ハザードマップとは、災害が発生したときに危険と思われる場所と避難場所をくわしくまとめたものです。国土交通省のポータルサイトから自分の住所を入力すると、地図上に洪水による浸水想定域や土砂災害の危険区域を知ることができます。
自治体のHPなどでも確認することができるので、危険区域や避難経路は事前にハザードマップで調べておくと良いです。災害にあったときは、冷静な判断ができない状況になっているかと思います。まとめたメモを災害グッズの中に入れておくと、そのメモのおかげで冷静さも取り戻せることもあるのでおすすめです。
●防災グッズは準備しておいて損はない
●台風による停電時にポータブル電源が大活躍
台風被害で考えられるのは大雨による土砂崩れや川の氾濫以外にも、停電による被害があります。ひょっとしたら、土砂崩れによって道路が遮断されて「陸の孤島」になってしまう恐れだってあります。こうなると、自宅周辺から身動きがとれなくなってしまいかねません。こんなとき、ポータブル電源があれば、家庭用の電源が確保できるのでとても便利です。
・ポータブル電源とは?台風による停電時のメリット
・すすめのポータブル電源
この2つに関してまとめました。
●ポータブル電源とは?台風による停電時のメリット
ポータブル電源は、モバイルバッテリーにはない大きな容量と、AC電源が出力できるメリットがあります。これさえあれば、スマホの充電はもちろん必要最低限の電力は数日確保できます。
ポータブル電源のメリットは以下の3つです。
・家電器具が使える
・体温調節ができる
・持ち運びができる
電気が使えなくなるだけで、かなり不便さを感じてしまいませんか?照明や調理器具など日常的に電気を使ったものに囲まれて生活をしているため、それが使えなくなるとガラリと変わってしまいます。
ポータブル電源があれば、ポットやIH調理器具など家庭用コンセントから使用している家電を小型のものなら動かせるようになります。寒いときには電気毛布、暑いときには扇風機や簡易クーラーなど使えるようになるのでとても便利です。持ち運びができる点でも場所を選ばず使用できるので、様々な用途に使えるポータブル電源はあって損はありません。
●すすめのポータブル電源「Jackery Solar Generator 2000 Plus」
ポータブル電源で信用できるものと言えば「Jackery(ジャクリ)」製品を選ぶと安心です。なぜなら、世界的に有名で、200社以上から推奨されているメーカーブランドだからです。安全性はもちろん耐久性にも優れているので、防災目的に適した製品でもあります。
おすすめは、「Jackery Solar Generator 2000 Plus」です。
Jackery Solar Generator 2000 PlusはJackeryポータブル電源2000Plusとソーラーパネル200Wをセットにした製品です。ソーラーパネル付きなので、太陽光発電でポータブル電源に充電することもできます。台風など災害時の停電では復旧の見込みがなかなか立たないことがあり数日間停電に悩まされなければなりません。「ポータブル電源の電力を使い切ってしまった」であれば便利さを継続できなくなるので、太陽光で充電できるソーラーパネルがあるとAC電源がなくてもポータブル電源に充電して家電を使えます。
「Jackeryポータブル電源2000 Plus」では定格出力が3000wもあるため、ほぼ全ての家電をつかうことができます。約4,000回繰り返し使える高寿命なので、1台購入すれば10年以上使えます。バッテリー保護システムや難燃性、安全性にも優れていることもあり、災害時の状況でも難なく使える仕様になっています。一家に一台あればとても重宝するのがポータブル電源です。
製品名 | Jackery ポータブル電源 2000 Plus |
容量 |
2042.8Wh(最大12kWhまで拡張可能) |
定格出力 |
3000W/正弦波(最大瞬間出力:6000W) |
出力ポート数 |
ACⅹ5、DCⅹ1、USBⅹ4 |
充電時間 |
AC充電:2時間 |
保管温度 |
1年間:0℃~25℃;3ヶ月:0℃~45℃;1ヶ月:-20℃~45℃ |
寿命/サイクル数 |
約4000回サイクル |
保証期間 |
5年間 |
まとめ:台風被害を見越した防災グッズは揃えておこう
台風は、予期せぬ自然災害をもたらします。大雨による川の氾濫や土砂崩れ。土砂崩れによっては道路が遮断され交通網が麻痺することもありますよね。落雷による停電も考えられる災害と言えるでしょう。強風によって家屋が倒されたり、屋根が飛んでしまっているのもニュースで見かけることもありました。
自分自身が危険な状況に陥ったり、家族が周囲と孤立したとき、何といっても役立つのは事前対策による防災グッズです。普段の生活に対して余分なことは、後回しにしてしまいがちです。
しかし、少しずつでも備えていくことはこれからの自然災害への漠然的な不安を考えればやっていくべきでしょう。今の生活に関係しているものからで構いません。
「普段の生活の一部になるもの」
「あれば何かと便利なもの」
という観点から防災グッズを揃えていくことで、「気づいたら揃っていた」ことに繋がっていきます。まずは行動に起こしてみる。意識を持つことから始めて、調べてみるから行動を起こしてみてはいかがでしょうか。そして。1つ1つ揃えていくと、次第に生活環境も変わっていきます。
そこから揃えていく楽しみに変われば、防災グッズを揃えることはもちろん知識や情報も蓄えていくことができます。
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