「日常生活の中で、無理のない防災対策を提唱していく」防災アドバイザー・永田宏和氏

「日常生活の中で、無理のない防災対策を提唱していく」防災アドバイザー・永田宏和氏

「地震はモシモではなくイツモ」というコンセプトの「地震イツモノート」の企画者であり、NPO法人プラス・アーツの理事長で、様々な企業や自治体の防災アドバイザーも務める永田宏和(ながた ひろかず)氏。防災の専門家に日頃からの備えをどうしたらいいのかをお伺いしました。

被災者の声をもとに本当に役立つ防災情報を発信

被災者の声をもとに本当に役立つ防災情報を発信

―ご自身の災害の経験について教えてください

永田氏「私は阪神淡路大震災の時も、東日本大震災の時も直接被災地でシビアな体験をしたわけではありません。阪神淡路大震災の時は、関西にいて当時は大手ゼネコンに勤めていたので、神戸の復旧の仕事に携わりたいと志願しました。しかし会社に受け入れられず、大学時代に都市計画や街づくりを学んでいたのに、被災地の役に立てない喪失感を強く感じました。退職後独立し、神戸市内で子ども向けのプロジェクトをいくつか手掛けていた関係で、子どもを主対象とした防災教育プロジェクトのオファーをいただきました。阪神淡路大震災から10年経っていましたが、今度こそという想いで、お受けして、まず被災者にヒアリングを行うことにしました」

―その時に得た教訓はありますか

永田氏「ヒアリングをしていちばん感じたのは、被災者から聞いた話と世の中に流通している防災関連の情報にギャップがあるということ。例えば防災グッズとして懐中電灯を用意しましょう、とよく聞きますが、実は懐中電灯よりも両手が使えるヘッドライトや被災後の家の中で広い範囲を照らせるLEDランタンがほしかったという声があったことや、軍手では怪我をしたので皮の手袋のほうがいいと教えてもらったり、被災者しか知らない情報がたくさんあることに気づきました。それを大勢の人に伝えることを自分の役目として考えるようになり、日常生活の延長線上で無理なく災害に備えておくことの大切さを伝えています。その一例として、普段好きで食べている物を多めに買っておいて食べながら補給して一定量を備蓄する『ローリングストック法』などを提唱しています」

永田宏和氏おすすめの災害時に役立つグッズ

永田宏和氏おすすめの災害時に役立つグッズ

防災に備えて水や食糧は準備している方も多いと思いますが、専門家である永田氏におすすめのアイテムを聞きました。

大判ハンカチ

大判ハンカチ

「大地震のあとは粉塵が舞うので、マスクは必需品です。50cm角程度の大判ハンカチだったら頭の後ろで結べて、マスクの代わりになります。また、大判ハンカチを止血帯や包帯の代わりに使ったり、地震の時に部屋の中に閉じ込められたら、石などを包んで窓ガラスを叩き割るハンマー代わりに使うこともできます。普段から持ち歩いておくと、いざという時にとても頼りになります」

NPO法人プラス・アーツによる在宅避難用最新防災グッズ12選

この他に、永田氏は講演会などで防災グッズを紹介する際に、実際に使って試してみて選び抜いた在宅避難向けの最新防災グッズをリストにして紹介しています。

その一覧が以下になります。こちらは日用品と区別せずに置いておき、普段から使いながら補給する「ローリングストック法」を推奨しています。なお、各グッズの推奨個数は4人家族を想定したものです。また、各商品の価格が変動したり、廃盤になっている可能性もあるため、あくまで参考商品としてご参照ください。

NPO法人プラス・アーツによる在宅避難用最新防災グッズ12選①
NPO法人プラス・アーツによる在宅避難用最新防災グッズ12選②
NPO法人プラス・アーツによる在宅避難用最新防災グッズ12選③

上記の中でも特にオススメの防災グッズについてご紹介いただきました。

携帯トイレ

「最近は避難所よりもストレスの少ない『在宅避難』が推奨されています。在宅避難で大事なのがトイレです。災害時には排泄ができなくなったり、我慢して体調を壊す人が続出します。リストではシートタイプとタブレットタイプを紹介しています。災害時は水が流れない可能性があるので、携帯トイレを1人につき最低7日分は準備しておきましょう」

口腔ケア用ウェットティッシュ・液体はみがき

「災害時、水道が止まると口腔ケアは疎かになりやすく、感染症などにもかかりやすくなります。口腔ケア用ウェットティッシュは介護用品ですが、アルコールが入っていないタイプで、口の中に入れて口腔内を洗浄するウェットティッシュになります。手や体も拭けるので色々と使い道があります。また水が無くても使える、液体はみがきもおすすめです。5年間保管ができる点も防災グッズにぴったりです」

永田宏和氏にJackery Solar Generatorの活用法を聞く

永田宏和氏にJackery Solar Generatorの活用法を聞く

最後に永田氏に、Jackeryのポータブル電源とソーラーパネルを組み合わせたJackery Solar Generator(以下、SG)について話を伺いました。

―ポータブル電源とソーラーパネルは、防災の観点で見た場合、どの点が魅力でしょうか

永田氏
「ポータブル電源は、家庭のコンセントや車のシガーソケットから充電できるのが魅力ですね。災害時の電気の復旧は2日~1週間程度はかかるため、ポータブル電源のみで3〜4日程度まかなえるのは心強いですね。ソーラーパネルがあると、さらに安心です」

―では災害時にSGがあったらどんなことに活用したいですか?

永田氏「これまでの常識では災害時は我慢の連続というのが当然でした。特に被災直後の数日間が一番辛い時期ですが、その時期にポータブル電源があれば電子レンジが動かせたり、電気ケトルでお湯が沸かせたりできるので、食べ物を温めたり、フリーズドライ食品をお湯で戻すこともできます。夏場はエアコンをつけられるのがベストですが、台風が来ていて窓を開けられない時、扇風機を回せるだけでも体感温度はかなり下がります。ソーラーパネルも含めてSGがあると、災害時でもだいぶ楽になると思いますね」

 

 

利用イメージで最適なモデルを考える

日常防災ページはこちら


コメント

このサイトはreCAPTCHAによって保護されており、Googleプライバシーポリシーおよび利用規約が適用されます。


new-customer-close
送信