再生エネルギーのある暮らし 株式会社小笠原グリーン 横山浩一さん
「ライフスタイル×Jackery」をテーマに、自分らしいライフスタイルを楽しむ人と、そこで活躍するJackery製品にスポットを当てる連載企画。
今回の舞台は、世界自然遺産にも認定されている小笠原諸島。そこで自然環境や生態系の保全、観光施設や公共施設の管理、森林や緑地の管理などを行う企業・小笠原グリーン株式会社に所属し、自らも小笠原諸島の父島で家族と生活している横山浩一さんにインタビュー。島での生活や、現地で実践しているというJackeryポータブル電源の意外な活用方法などを伺いました。
離島・小笠原諸島での生活を、ポータブル電源が快適にアップデート
離島・小笠原諸島での生活を、ポータブル電源が快適にアップデート
横山さんが働く小笠原グリーン株式会社(以下:小笠原グリーン)は、東京都からの業務委託を受け、世界自然遺産に認定される小笠原諸島の島々にある、豊かな自然やそこに根付く生き物、文化を維持管理する会社。世界自然遺産である離島での仕事というのは一般にあまり馴染みのない業務ですが、具体的にどのようなことを行っているのでしょうか?
横山氏「大きく分けて3つの事業を行っており、ひとつは私が担当する世界自然遺産の保守安全事業。具体的には、小笠原諸島に数ある無人島で動植物の外来種駆除を行いながら本来の姿を再生させる環境保全です。また、公園や遊歩道の維持管理や建物管理も行っています。建物管理では医療施設や東京都の小笠原支庁舎や国の庁舎など、そして小笠原ビジターセンター、小笠原世界遺産センターといった観光機能がある施設も管理させていただいています。基本的に自然環境から建造物まで小笠原内のあらゆるコンテンツをメンテナンスしています。
残りの事業に関しては、居住区がある父島と母島にひとつずつある発電所の運転業務とグリーンヴィラという宿泊施設を運営しています。」
千葉県房総半島を南に約1000km 、沖縄県那覇市とほぼ同じ緯度に位置し、東京の東京港(竹芝桟橋)から貨客船「おがさわら丸」で約24時間という環境にある小笠原諸島では、その貴重な自然環境を守ることはもちろん、島民の生活や観光産業の維持においてもサポートが不可欠。その重要な役割を担っているのが小笠原グリーンなのだそう。そして横山さんも、現在は仕事の拠点でもある小笠原諸島の父島に移住し、生活を送っているそうです。
横山氏「私が父島に来たのは16年ほど前。それまでは保険会社や不動産会社で働いていたのですが、身を削って始発から終電まで働くような環境がもう嫌だなと思っていたら、小笠原で働かないか? というお話を親戚から頂いて。それで思い切って家族と移住してきました」
当時はバリバリのビジネスマンとして働いていた横山さんですが、縁故採用で小笠原グリーンに就職。疲れた心を癒やす意味でも、都会から遠く離れた小笠原諸島に生活の拠点を移すことに決めたそう。しかし、海に囲まれた離島での生活は、船で本土から入ってくる物資を頼らなければならず、何かと不便なことも多いそう。そんな横山さんの生活で活躍しているのが、Jackeryのポータブル電源なのです。
横山氏「モノが手に入りにくい父島での生活では、いつでも食料を確保しておくために大型の冷凍庫を使う必要があります。しかし、この冷凍庫が非常に電気を喰うんですね。さらに夏場はエアコンが必要だったり、湿気が多い環境でも洗濯物を乾かすことができる乾燥機だったりと、何かと電気代がかかってしまいます。そんな状況で大いに役立ってくれたのが、Jackeryのポータブル電源 2000 Plusでした」
横山氏「私の家の屋根にはソーラーパネルが設置されていて、天気のいい季節(4月)であれば1日の総発電量が約30kWhにもなります。でも、系統連系されている蓄電池の容量が16kWhしかなく、これまでは蓄電池がフル充電された後に発電した分を無駄にしていたんですね。その無駄にしていた分を、いまはJackeryのポータブル電源に充電し活用しているんです」
ご自宅の屋根に設置されたソーラーパネルが発電した電気を無駄にしないよう、蓄電池のほかにJackeryのポータブル電源にも充電しているという横山さん。この仕組みを実用化するためには、難しい工事などはいらないそうです。
横山氏「屋根のソーラーパネルはもともと家中のコンセントに連携されているので、ただコンセントにJackeryのポータブル電源を挿しておくだけで、太陽光発電の電気をそっちにも活用できる。この手軽さもポータブル電源を導入した理由の1つです。しかも、蓄電池は設置型なので動かすことができませんが、ポータブル電源はコンセントを外せば持ち歩くことができるので、色々な使い方もできますよね」
そもそも、横山さんがJackeryのポータブル電源を知ったのは、2023年に小笠原諸島で開催された音楽イベント『BONIN ISLAND JAZZ(ボニンアイランドジャズ)』でのこと。イベントに協賛企業として参加していた同社のポータブル電源を試用した際に、その可能性を感じたそうです。
そこで、自宅の屋根に設置してあるソーラーパネルで発電された電気を無駄にしないよう、Jackeryのポータブル電源を活用することを思いついたという横山さん。ポータブル電源 2000 Plusに加え、拡張バッテリー(Jackery Battery Pack 2000Plus)を2つ追加することで、計6kWh分をポータブル電源に充電しながら生活で使っているそうです。そのおかげで、嵩んでいた電気代も大幅に減らすことができたと話します。
横山氏「ポータブル電源 2000Plusを導入してからまだ日が浅いのですが、今のところ電気代は80~90%減りました。また、小笠原は台風が多く停電のリスクもあるのですが、ポータブル電源を備えておけばいざというときに頼りになる。そういった部分でも安心できるようになりました。もっと言ってしまうと、小笠原はプロパンガスしかないのでガス代も高い。だから今後はポータブル電源の数をもう少し増やしてIHを入れたり、太陽熱をそのまま利用できる太陽熱温水器などを導入してみるのもおもしろいかなって思っているところです」
無人島での保全活動でも本領を発揮するポータブル電源
無人島での保全活動でも本領を発揮するポータブル電源
ご自身のライフスタイルにおいて、ポータブル電源 2000 Plusを上手く活用しているという横山さんですが、実は小笠原グリーンの仕事現場でも同様に、Jackeryのポータブル電源が活躍しているのだそうです。
横山氏「何もない無人島に食料や工具、資材、生活道具などを持ち込み、基本的には泊まりながら作業をするのですが、電源の確保は非常に重要。だからこそ、ソーラーパネルさえあれば充電できるJackeryのポータブル電源が使えるんじゃないかと思い、Jackery ポータブル電源 1000を導入しました。これまでは電源を確保するために発電機を使っていましたが、大量のガソリンを運ばなければならず、父島ではガソリンを確保するのも大変。それをポータブル電源に変えることで、安全に使えて、荷物もコストも減らすことができたのです」
同社が行っている世界自然遺産の環境保全活動では、電気も何もない無人島に泊まり込みながらの作業も多く、活動のための電源確保として、現在は、Jackeryポータブル電源1000を使っているそうです。
実際にJackeryのポータブル電源を活用して活動をしているという担当の黒崎さんにもお話を伺ったところ、次のような答えが返ってきました。
黒崎氏「私たちは現在、無人島でのさまざまな活動にJackeryポータブル電源1000を導入し、活用させてもらっています。前はガソリンを使用する15kWhの発電機を使っていたのですが、1週間活動するためには20Lのガソリン缶がいくつも必要だったので、運搬も大変でしたし、燃料を補充するオペレーションも大きな手間となっていました。でも、ポータブル電源に変えてからは、燃料の心配も無いので、運搬も非常にラクになりましたし、ソーラーパネルがあればその場で電力を補充できるのもとてもありがたいです」
黒崎氏「ガソリン式の発電機は稼働時のエンジン音も問題でした。無人島でのキャンプでは、その静寂のなかで楽しむ自然の音も醍醐味なのですが、エンジン音のせいでそれが台無しになっていた。でも、ポータブル電源は音が一切しないので、静かな環境で疲れた体をしっかりと休めることができる。テントなどの室内に持ち込んで使うこともできので、本当にいろいろな使い方ができるようになりました」
運搬、燃費、そして静音性や安全性という意味でも便利だという黒崎さん。加えて、こんな意見も聞かせてくれました。
黒崎氏「私たちは小笠原の森林再生や樹木資源を使った木工体験のイベントなども行っているのですが、そこでもJackeryのポータブル電源を使わせてもらっていますし、いまではさまざまな活動に欠かせないものになりました。でも、無人島に持っていく場合には船を使って機材を搬入しなければならないですし、イベント時にも急なスコールが怖いので精密機器であるポータブル電源の扱いには注意をしていますが、今後防水性がさらに向上したり、炎天下での作業でも使えるUVカット機能や、塩害に強い仕様になってくれたら、こうした離島での活動でもっともっと活躍してくれると思います」
ポータブル電源が拡げる、離島での業務の可能性
横山さんのご自宅をはじめ、小笠原グリーンが行う無人島での活動やイベントなど、さまざまな場面で活躍するJackeryのポータブル電源。実際に使用するなかで、横山さんは離島での活動における使用の幅広い可能性を感じていると話します。
横山氏「私たちが行う世界自然遺産・小笠原諸島の保守保全事業というのは、広い島内を常に維持管理していく必要があり、現在は島内に柵を作って外来動物の生息域の拡大防止やモニタリングを行っています。現状は人が各島に上陸して行っているのですが、例えば無人島にJackeryのポータブル電源を使った24時間稼働の基地を置き、話題のスターリンク(どこでもネット回線にアクセスできる衛生インターネットアクセスサービス)やドローンを活用してモニタリングすることができれば、作業の効率化を図れるのではないかと思っています」
本体とソーラーパネルさえあれば、どこでも電源を確保できるJackeryのポータブル電源と最新のテクノロジーを併せて活用することで、無人島への人の行き来や作業自体を減らすことも可能になるという横山さん。さらに、小笠原グリーンが行っているそのほかの事業にも、Jackeryのポータブル電源を活かせるのでは? と続けます。
横山氏「そのほかにも、弊社では小笠原で伐採した余分な樹木を加工し、木材として再利用するというウッドリサイクル事業を行っているのですが、チェーンソーで木を切り倒す、切り倒した木を車両で運搬し製材するにはガソリンを使用するのでCO2が排出されます。また、製材した木材を2次加工するには大きな電力が必要ですが父島のベースロード電源は火力発電なので発電時に多くのCO2を排出してしまう。当然、火力発電するための重油も本土から輸送されるので、そこでもCO2を排出してしまう。
ですので、将来的には2次加工をおこなう『木工fab』にソーラーパネルや大容量蓄電池を導入し「エネルギー生産&貯留機能」を持たせることで、伐採から製材までに使用するチェーンソーや運搬車両などを電動化したり、製材から先の作業は木工fabの蓄電システムとポータブル電源を併用させることでもっと効率化することができます。樹木は伐採されるまでの間はCO2を吸収してくれますし、伐採後にもCO2を排出させずに木材供給する仕組みを生み出せればCO2の給排出量取引である『カーボンクレジット付き』木材としてブランディングできるかな?とも考えています。
さらには、小笠原島内に電気を使って葉物野菜を作るような水耕栽培施設を作ってもいい。ポータブル電源の活用方法については、本当に幅広い可能性を感じています」
横山氏「そしてもっとも重要なのが、ポータブル電源はソーラーパネルと併せて使うことで、CO2を排出せずに充電ができるところ。さまざまな業務に積極的に取り入れることで、CO2排出量削減に大きく貢献ができます。最終的にはオール電化にすることでCO2排出量を0にすることも夢ではありませんし、小笠原が循環型社会のいい見本になることができるのではないでしょうか。これは他の離島や過疎化した地方も同じだと思っていて、そういった問題をポータブル電源を活用することで解決することができれば、人にも自然にもうれしい新たな循環システムが構築できるんじゃないかなって思っています」
今回取材した横山さんがご自宅で使っているのは、2042Whの大容量と規定出力3000Wという高出力を誇るJackery のポータブル電源 2000 Plus。この機種は、同時に複数の電化製品に電力供給ができるだけでなく、2時間でフル充電できるという充電の速さを誇り、毎日使用しても10年以上使えるという長寿命バッテリーを搭載。アプリと連動させることで、BluetoothとWiFiのデュアル通信により、オンオフのコントロールや電池残量の確認をスマホでできるのも魅力です。
家庭での電気代節約に貢献し、災害時の復旧にも役立つなど、さまざまな場面で活躍してくれるJackeryのポータブル電源。横山さんのように離島で生活していなくても、ライフスタイルを便利にする1つのツールとして、ぜひ導入してみてはいかがでしょうか。
Jackery ポータブル電源 2000 Plus
項目 | 数値 |
容量/定格出力 | 2042.8Wh/3000W |
満充電時間 | ACコンセント充電:2時間、ソーラーパネル:2時間(200Wのソーラーパネルを6枚使う場合)、シガーソケット:251時間 |
出力ポート数 | AC出力×4、USB-C出力×2、USB-A出力×2、シガーソケット出力×1 |
保証期間 | 5年間 |
<プロフィール>
小笠原グリーン株式会社 世界遺産・保守保全事業部 部長 横山 浩一さん
新卒で保険会社に入社した後、不動産会社を経て、小笠原グリーンに入社。転職とともに小笠原諸島・父島に生活拠点を移す。小笠原グリーンでは、世界遺産・保守保全事業部の部長として、世界自然遺産に登録される小笠原諸島の環境保全をはじめ、公園や遊歩道、公共施設の管理や観光施設などの管理を行っている。その他にも、小笠原の木材を使用した木工事業や小笠原諸島の自然保護を行ってきた経験をもとに、本土の大学などでの講演も行う。プライベートでも、父島の自宅にJackeryのポータブル電源を導入し、離島での不自由な生活の中で、電気を効率よく使用する工夫を凝らしている。
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