2023年日本が抱えているエネルギー問題とは?わたしたちにできる3つの対策を解説
「よく聞くエネルギー問題って何?」「エネルギー問題を解決するためにできることはある?」日本は諸先進国の中でも、深刻なエネルギー問題を複数抱えている国として知られています。しかし日常生活で実感する機会は少なく、詳しいことを知らない人も少なくありません。
今回は日本が抱える3つのエネルギー問題と、解決のためにやるべきことを紹介します。わたしたちにできる対策も紹介するので、ぜひ実践してみてください。
日本が抱えているエネルギー問題は主に3つ
日本のエネルギー問題①:エネルギー自給率が低い
引用元:資源エネルギー庁『日本のエネルギー 2021年度版「エネルギーの今を知る10の質問」』
アメリカ・イギリスなどを含む先進国の多くは30位以内にランクインしており、日本の自給率の低さがうかがえます。2011年の東日本大震災の影響で自給率が大幅に下がってしまい、徐々に回復傾向ではあるもののいまだ低水準を保ち続けているのも問題点です。
引用元:資源エネルギー庁『日本のエネルギー 2021年度版「エネルギーの今を知る10の質問」』
続いて、エネルギー自給率が低いと何が問題なのか、なぜエネルギー自給率が下がってしまったのか順にみていきましょう。
①国際情勢の影響を受けやすく安定供給に懸念がある
エネルギー自給率が低いと、国際情勢の影響を受けやすいため安定供給に懸念が生まれてしまいます。万が一燃料・資源を提供してもらっている国との国交に問題が発生したら、エネルギーの確保が難しくなってしまう可能性があるからです。
最近ではロシア・ウクライナ情勢の影響により「ロシアから輸入していた天然ガスが足りない」という問題があらわになりました。特に天然ガスを大量に使って製品をつくる「半導体」の業界が大打撃を受けたのが話題となったのは、記憶に新しい方も多いでしょう。
今回のように供給が不安定になれば、国内市場にも大きな影響を与えてしまいます。そのため、少しでもエネルギー自給率を上げるのは、日本経済のためにも重要なポイントといえます。
②原子力発電所の停止もエネルギー自給率に影響
2010年ごろまで、日本のエネルギー自給率は20%を超える水準でした。しかし2011年の東日本大震災により、東電福島第一原発事故が大規模なメルトダウン事故を起こした影響で、全国的に原子力発電所がストップしてしまいます。2023年6月現在も、当時は60基もあった原子力発電所が10基しか動いていません。
引用元:資源エネルギー庁「原子力発電所の現状」
稼働の有無で10~20%の自給率変動が考えられるため、今後の原子力発電所の扱いは非常に重要なポイント。原発を再稼働させて自給率を上げるのか、再生可能エネルギーなど自国で完結できる発電方法を増やすのか。日本は大きな岐路に立たされているといえます。
日本のエネルギー問題②:化石燃料に依存している
源エネルギー庁『日本のエネルギー 2021年度版「エネルギーの今を知る10の質問」』
より詳しい日本の化石燃料依存の現状や、生活への影響などを見ていきましょう。
①原油の約90%が中東依存
発電等に使われる化石燃料の中でも、大きな比重を占めるのは「原油」です。日本はこの原油の約90%を、サウジアラビアやアラブ首長国連邦などの中東地域からの輸入でまかなっています。
引用元:資源エネルギー庁『日本のエネルギー 2021年度版「エネルギーの今を知る10の質問」』
何らかの理由で万が一中東地域との国交に問題が生じれば、原油の輸入にも影響が出るのは明らかです。また国交そのものに問題がなくても、各国の情勢によって供給が減少・ストップする可能性は十分に考えられるでしょう。
②化石燃料への依存は燃料価格・電気代高騰に直接影響している
化石燃料の依存は燃料価格の高騰にも影響しています。化石燃料の価格が上がれば、それに付随するガソリンなどの燃料・電気の単価が上がってしまうからです。下記は天然ガス・石炭の価格を示したグラフですが、2020年度以降大幅に上昇していると分かります。
引用元:資源エネルギー財団「化石燃料価格の高騰のなかで電力需給はどう変わったか」
「レギュラーガソリン価格が上がり続け、2023年内に200円/Lを超えそう」「電気代が2023年6月から各社値上がりした」こうした価格高騰の原因は、主に化石燃料への依存が原因でしょう。
日本のエネルギー問題③:再生可能エネルギーがなかなか普及しない
もうひとつの日本のエネルギー問題として、再生可能エネルギーの普及がなかなか進まない点が挙げられます。再生可能エネルギーの割合は年々増加傾向にあり、2021年には初めて20%を超える水準となりました(※)。しかし、増加のスピードは緩やかで、関連設備がなかなか普及しません。その2つの原因について見ていきましょう。
※環境エネルギー政策研究所「2022年の自然エネルギー電力の割合(暦年・速報)」より
①コストが高い
再生可能エネルギーは設備・装置のコストが高く、なかなか日本国内での普及が進みません。再生可能エネルギーの普及を促すため、日本は電力会社が電気を固定価格で買い取るのを義務化させる「FIT制度」を導入しました。FIT制度により設備投資にかかったコストの回収は容易になり、太陽光発電を中心に数が増え始めます。
しかしその弊害として、国民は「再生可能エネルギー開発促進賦課金」によって負担が増えることに。再生可能エネルギー開発促進賦課金とは、FIT制度普及のために月々の電気代に追加で課されるお金です。国民負担を考慮すると賦課金を上げ続けるわけにもいかない点は、なかなか再生可能エネルギー関連設備が進まない原因といえるでしょう。
②今の電力系統が再エネ向けではない
現在の電力系統(電気を運ぶ経路)が、再生可能エネルギーに向けたものではないのも理由です。各電力会社の電力系統は、火力・原子力などの大規模発電所からの送配電に適したつくりとなっています。再生可能エネルギーは気候などの条件により必要な電力系統が変わってしまうため、根本的な見直しが必要です。
エネルギー問題を解決するために日本がやるべきこと
エネルギー問題解決のために日本がやるべき主なことは、下記の3つといわれています。
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●再生可能エネルギー・脱炭素技術の普及
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●火力発電の脱炭素化
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●原子力発電所の再開についての議論
それぞれ見ていきましょう。
日本がやるべきこと①:再生可能エネルギー・脱炭素技術の普及
エネルギー自給率の上昇・化石燃料への依存度低下のためには「再生可能エネルギー」と、化石燃料を使わない発電などの技術を示す「脱炭素技術」の普及が必要です。具体的には、企業規模での太陽光発電の導入や、ガソリン車からEV車への移行などが挙げられます。国際情勢の影響を小さくし、国内で安定的に需要を満たせる環境づくりが必要です。
日本がやるべきこと②:火力発電の脱炭素化
脱炭素技術の中でも、とりわけ「火力発電の脱炭素化」が重要視されています。火力発電には大量の化石燃料を使用するため、エネルギー自給率を上げ、化石燃料依存度を下げるために早期の見直しが必要です。2050年までに下記のことを目指すとしています。
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●燃料を水素・アンモニアに転換する
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●排出されるCO2を回収・貯蓄・再利用する
燃料を水素やアンモニアに転換できれば、化石燃料への依存度を大幅に下げられるでしょう。しかし、現状は発電効率の低さなどが問題視されており、全面的な普及にいたる見込みはまだありません。今後の技術革新に期待しましょう。
また排出されるCO2を回収・再利用する仕組みを構築し、環境にやさしい火力発電の実現も同時に目指しています。実現すれば、地球温暖化を食い止めるための大きな一歩となるかもしれません。
参考:日本原子力文化財団「日本のエネルギー政策〜2030年、2050年に向けた方針〜」
日本がやるべきこと③:原子力発電所の再開についての議論
もうひとつ急務となっているのが「止まっている原子力発電所をどうするのか」という点に関する議論です。福島第一原発事故によりリスクがあらわになり、世間的に「脱原発」と騒がれるきっかけとなりました。
しかし化石燃料を使わず、エネルギー自給率を上げるために原子力発電の有無は重要なポイントといえます。すでに廃炉が決まっている原発もありますが、残りの原発を再開するかどうかは早急に決断する必要があるでしょう。
エネルギー問題解決のためにわたしたちができる3つの対策
エネルギー問題解決は国を挙げて取り組むべきことですが、同時にわたしたち一人ひとりの対策も重要です。わたしたちにもすぐに始められる3つの対策について見ていきましょう。
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●節電・節水を意識する
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●車移動を減らす
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●自宅に太陽光発電を導入する
わたしたちができる対策①:節電・節水を意識する
節電・節水を意識してみてください。電気を作るためには大量の化石燃料が使われています。また水の汲み上げ・浄水などの過程にも、大量の電気が使われているのです。わたしたち全員が節電・節水を意識すれば、エネルギー問題の改善につながります。
使っていない家電のコンセントを抜いたり、お風呂のお湯を10L減らしたりするだけでも良いでしょう。電気代・水道代の節約にも繋がるので、ぜひできることから始めてみてください。
関連人気記事:家電別の簡単な節電方法20選!すぐできる節電アイデアで家計を守ろう
わたしたちができる対策②:車移動を減らす
自家用車での移動を減らして、電車やバスなどの公共交通機関を使ったり、徒歩・自転車で移動したりするように心掛けてみましょう。車の燃料となるガソリンは化石燃料です。走らせれば走らせるほど、エネルギー自給率の低下と化石燃料への依存を引き起こしているといえます。
少しの距離は自転車で、遠距離は電車で移動するなどして、ぜひ自家用車での移動を極力減らしてみてください。ガソリン代も浮くので、家計にもやさしいでしょう。
わたしたちができる対策③:自宅に太陽光発電を導入する
ぜひ自宅に太陽光発電を導入してみてください。太陽光発電といっても、多くの人がイメージする屋根に取付するタイプだけではありません。モバイルバッテリーに簡易的なソーラーパネルがついたものから、ベランダや庭に置いて発電できるものまでさまざまです。節電効果も得られて、災害時の非常用電顕としても使えます。
中でもおすすめなのが「Jackery Solar Generator」という太陽光発電製品です。Jackery Solar Generatorは、折り畳みソーラーパネルとポータブル電源がセットになったモデル。ポータブル電源は大容量・高出力が可能で、家庭のコンセント穴と同じAC100V電源がついています。モバイルバッテリーの上位互換のようなアイテムです。
ソーラーパネルを庭やベランダに設置し、ケーブルでポータブル電源に接続するだけで太陽光発電がスタート。設置工事もいらないのですぐに始められます。家庭でできる省エネを始めたい人は、ぜひ「Jackery Solar Generator」を用意しましょう。豊富なラインナップがあるので、目的に合わせて選んでみてください。
●おすすめポータブル電源・ソーラーパネルセット一覧
Jackery Solar Generator 2000 Plus
(ポータブル電源2000PLUS+ソーラーパネル200W)
容量:2042Wh
定格出力:2000W
フル充電:14時間(Solarsaga 200W×1枚)
Jackery Solar Generator 2000 Pro
(ポータブル電源2000Pro+ソーラーパネル200W)
容量:2160Wh
定格出力:2200W
フル充電:7.5時間(Solarsaga 200W×2枚)
Jackery Solar Generator 1500pro
(ポータブル電源1500Pro+ソーラーパネル200W)
容量:1,512Wh
定格出力:1800W
フル充電:11時間(Solarsaga 200W×1枚)
Jackery Solar Generator 1000 Pro
(ポータブル電源1000Pro+ソーラーパネル100W)
容量:1002Wh
定格出力:1000W
フル充電:13.5時間(Solarsaga 100W×1枚)
Jackery Solar Generator 1500
(ポータブル電源1500+ソーラーパネル100W)
容量:1,534Wh
定格出力:1800W
フル充電:11時間(Solarsaga 100W×2枚)
Jackery Solar Generator 1000
(ポータブル電源1000+ソーラーパネル100W)
容量:1002Wh
定格出力:1000W
フル充電:13.5時間(Solarsaga 100W×1枚)
Jackery Solar Generator 708
(ポータブル電源708+ソーラーパネル100W)
容量:708W
定格出力:500W
フル充電:11時間(Solarsaga 100W×1枚)
まとめ
日本にとってエネルギー自給率が低く、化石燃料に依存している点は非常に大きな問題です。それを解決するためのひとつの鍵となる、再生可能エネルギーがなかなか普及しないのも問題点といえるでしょう。国際情勢の影響を受けない社会実現のために、脱炭素技術の普及などが必要です。
わたしたちも普段から節電・節水を意識し、車移動を減らすなどの対策をしてみましょう。手ごろな設置型の太陽光発電を導入するのもおすすめです。節電・防災対策にもなるので、ぜひ「Jackery Solar Generator」を用意してみてください。
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