バイオマスとは?バイオマス発電とその種類・メリット・デメリットを解説

バイオマスとは?種類、メリットとデメリットを解説

近年、世界中で地球環境に取り組む流れが生まれています。その中の一つが、再生可能なエネルギー、「バイオマス」です。

本記事では、バイオマスとは何かをわかりやすく説明し、メリットやデメリット、さらにバイオマスの種類について紹介します。

バイオマスとは?基本を解説

バイオマスとは動物や植物から生まれる生物資源のことです。再生可能で、生物資源であり化石資源以外の資源を、バイオマスと定義しています。

主なバイオマス資源には、木材や生ごみ、動物の糞尿などがあります。

バイオマス資源は燃やすことでエネルギーを発生させますが、その際に排出される二酸化炭素は、バイオマス資源となった植物などが成長する段階で吸収したものとされるため、二酸化炭素が増えるわけではないといわれています。このような資源のことを「カーボンニュートラル」と呼びます。

世界中で再生可能なエネルギーが重要視される中、バイオマス資源は注目を集めています。

バイオマス資源はさまざまな場所で利用されており、今後も活躍の幅を広げていくことが予想されます。

バイオマスの種類を紹介

一口にバイオマスといっても、その種類は多岐に渡ります。バイオマス資源の種類を確認していきましょう。

●未利用バイオマス

未利用バイオマスとは、まだ使われていない資源のことを意味します。

バイオマスには、本来であればゴミとなるはずだったものや、別の用途に使用された残りなどがありますが、未利用バイオマスは資源目的以外には使われない資源です。

麦わらやもみがら、稲わら、さらに林地の使われなかった木材などが未利用バイオマスにあたります。

林業の活動を盛んにできるというメリットがある一方、収集や運搬、管理に手間とコストがかかるという課題を抱えています。

●廃棄物系バイオマス

廃棄物系バイオマスは、本来なら捨てられるだけだった廃棄物を資源として再利用したものです。

動物の排泄物や、食品のはいきぶつ、さらに下水の泥、し尿の泥なども廃棄物系バイオマスに分類されます。

建築や工場で生じた木材などを廃棄物系バイオマスとして利用することもあります。

廃棄物系バイオマスを利用することで、ゴミの量を減らし、ゴミを処理する際の二酸化炭素を減らせるというメリットがあります。

●資源作物

資源作物は、製品を作るために栽培された植物を指します。

サトウキビなどから採取される糖質、とうもろこしなどから採取されるでんぷん、なたねなどから採取される油脂などを、バイオマス資源として活用します。

注目のバイオマス発電とは?

バイオマス資源を燃やしたり、ガス化したりして電気を発電させるのが、バイオマス発電です。従来の火力発電は、石油や石炭を利用しており、燃やす際に二酸化炭素が出てしまいます。

地球の残り少ない資源を大量に使うことにもなり、近年こういった石油燃料由来の火力発電を減らそうという動きが活発になっています。バイオマス発電は再生可能な資源を使っているため限りある資源を無駄づかいすることはありませんが、火力発電よりもコストがかかるため、なかなか広まりにくいという課題もあります。

さらに、バイオマス発電の種類を詳しく見ていきましょう。

・直接燃焼方式

直接燃焼方式は、バイオマス資源をそのまま燃やして発電する方法です。

木くず、木質ペレット、木質チップなどが使われることが多く、家庭から集められた可燃ごみを用いることもあります。

ゴミ処理場のそばに発電所を設置することで、輸送や管理のコストを大幅にカットできます。

直接燃焼方式で利用されるバイオマス資源は、比較的運搬、管理しやすいという特徴もあります。発電までの過程も少ないため余計なコストがかからず、バイオマス資源の中でも比較的導入しやすい方法です。

・熱分解ガス化方式

熱分解ガス化方式は、集めたバイオマス資源をそのまま燃やすのではなく、ガス化する方法です。ガスを燃やすエネルギーで発電を行います。

熱分解ガス化方式で利用されるバイオマス資源は、木くずや木質性の資源の他、食品廃棄物も多く利用されます。

直接燃焼方式で利用されるバイオマス資源よりも水分を多く含む場合が多く、こういった資源は燃やすよりもガス化した方が効率的に発電できます。

木材をガス化して発電する方法は古くから世界中にありましたが、近年はバイオマス資源にこの方法が採用されています。

・生物化学的ガス化方式

生物化学的ガス化方式は、排泄物や生ごみ、下水の泥などを微生物の力で発酵させ、その際に発生したガスを利用して発電する方法です。

生物化学的ガス化方式ではメタンガスが発生しますが、このメタンガスは燃えやすく、発電しやすいという特徴を持っています。

木屑など燃えやすい資源とは違い、水気を多く含んでいますが、ガス化させることで効率的に発電できるのが特徴です。

さらに、生物化学的ガス化方式で利用した資源の燃えカスは、肥料として農業や林業などに再利用できます。

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バイオマス発電のメリット・デメリット

バイオマス発電のメリット・デメリット

バイオマス発電のメリット、デメリットを見てみましょう。バイオマス発電にはメリットが多数ある一方で、デメリットもあり、今後デメリットをどのように解決していくかが重要な課題です。

●メリット

①地球に優しいエネルギーを使える

バイオマス発電のメリットとして挙げられることが多いのが、地球に優しいエネルギーを使える、という点です。

石油や石炭など、地球に昔からある化石燃料を必要とせず、本来ならごみとして廃棄されるだけだったものを資源として有効活用します。

昨今、地球環境への取り組みが重要視されています。

また、ロシアへの経済制裁として、ロシアからの化石燃焼の輸入をストップしている国は世界中にたくさんあります。その分燃料費は高騰しており、今後もバイオマス発電の需要は高まっていくでしょう。

②発電量が安定する

再生可能エネルギーを利用した発電方法は、バイオマス資源によるもの以外にもたくさんあります。太陽光発電、風力発電、水力発電などがあたります。これらの発電方法は自然の力を利用した発電方法で、地球に優しいのが特徴です。

一方で、発電量が安定しないというデメリットもあります。日照量や風量、水量が少ない時期には発電量が減ってしまいます。

また、日射量が少ないエリアでは発電所を設置できない、風力発電機の騒音が大きな問題となるなど、解決しなければならない問題もたくさんあります。

一方で、バイオマス発電は、資源を燃やしたりガス化したりすれば発電できるため、いつでも発電量が安定します。

常に一定の電力を提供できるため、今後一般家庭にもバイオマス発電による電力が一般家庭にも普及されていくでしょう。

③CO2総量が変化しない

バイオマス発電は二酸化炭素の総量が、発電前と後で変わらないという特徴があります。

バイオマス発電は、木材を燃やしたりガス化したりして電力を生み出します。その際に二酸化炭素が発生することには変わりありません。

ですが、バイオマス資源として利用される木材などは、成長過程で二酸化炭素を吸収しています。その結果、バイオマス発電によって二酸化炭素が発生しても、地球全体における二酸化炭素の総量は変化しない、と考えることが可能です。

石油や石炭を燃やして大量に二酸化炭素を発生させるより、地球環境に優しい発電方法です。

●デメリット

①さまざまなコストがかかる

バイオマス発電のデメリットとして、資源の調達方法や運送、管理のコストがかかるという点があります。

バイオマス資源は一か所から集めるのではなく、各地からちょうたつしなければなりません。少しずつ資源を集めることになるので、その分輸送費もかかってしまいます。

また、生ごみや糞尿などは匂いの問題もあり、保管場所や保管期間が限られるという問題もあります。

解決策として、バイオマス資源を収集できる場所のちかくに発電所を設置する方法がありますが、それでもすべての問題を解決できるわけではありません。

②発電工率は悪い

バイオマス発電の発電効率は10~20%と、他の再生可能エネルギーと比較しても非常に低いです。

ちなみに、風力発電は40%程度、水力発電は80%程度です。太陽光発電と地熱発電の発電効率は、バイオマス発電と同程度です。

地球環境に影響があるものの一般的に広く普及している火力発電の発電効率は55%程度、原子力発電の発電効率は33%程度なので、今後バイオマス発電の普及率を高めるためにはこれらの数値に近い発電効率を目指さなければなりません。

③資源が不足する可能性がある

バイオマス発電には木屑など、一般的には処分されるはずだった資源を利用します。

ですが、バイオマス発電の普及が進むと、木屑など廃材の供給が追いつかなくなってしまう可能性があります。

また、バイオマス発電に利用される資源は木材だけでなく、とうもろこしやなたねなど、食品として利用されるものも多いです。

食料を燃料として使うことは、飢餓が深刻な国、地域もある中で、問題視されている面でもあります。何を燃料とするか、何を食料とするか、明確な判断基準を設けることも求められています。

自宅でできる再生可能エネルギーの種類は?

自宅でできる再生可能エネルギーの種類は?

自宅でもさまざまな再生可能エネルギーを利用した発電方法を反り入れられますが、なかでも有名なのが太陽光発電です。

ですが、太陽光発電以外にも、家庭でできる発電方法はあります。太陽光発電や風力発電、地熱発電と、それぞれの種類と取り入れる方法をチェックしましょう。

●太陽光発電

一般家庭で取り入れられることが多い再生可能エネルギーが、太陽光発電です。

太陽光パネルに太陽光をあてて、その熱をエネルギーに変換する方法です。

太陽光パネルは住宅の屋根に取り付けるのが一般的で、発電のための場所を取らない、発電時の騒音などが気にならないというメリットがあります。

太陽光発電の発電効率は20%と高くはありませんが、家庭で使用する程度の電力であれば、ある程度補うことが可能です。

●風力発電

風力発電といえば、山の頂上で多くの風車がならんでいる様子を思い浮かべる方が多いのではないでしょうか。

ですが、一般家庭でも風力発電を取り入れることが可能です。風力発電は発電効率が40%程度と、太陽光発電と比較すると非常に効率的なのが特徴です。

太陽光発電とは違い、太陽が出ていなくても風が吹いていれば発電が可能です。一方で、発電量が風速に大きく左右されるというデメリットもあります。

大きな風車を設置しなければならず、定期的なメンテナンスも必要です。

また、太陽光発電より認知度が低く、製品のバリエーションが少ない点にも注意しなければなりません。

●地熱発電

地熱発電とは、地球の熱を利用して発電する方法です。地下5m程度の穴を掘ってパイプを通し、地中の熱を使ってエアコンの代わりに利用します。

地中の熱は、地上の気温に影響されず、一年を通して気温が安定しています。エアコンがなくても、夏は涼しく、冬は暖かく過ごせるというメリットがあります。天候や風力に左右されないという点も魅力の一つです。

反対に、設置費用がかかること、細かな温度設定はできず、結局エアコンを稼働させなければならないこともあるというデメリットにも注意しなければなりません。

気軽に取り入れるなら太陽光発電がおすすめ

お気軽に取り入れられる太陽光発電

一般家庭で取り入れられる再生可能エネルギーは多数ありますが、やはり取り入れやすいのは太陽光発電です。

太陽光発電は、ソーラーパネルを設置するのが一般的ですが、Jackeryのポータブルソーラーパネルを活用したSolar Generatorを利用すれば、設置工事不要で自宅で気軽に太陽光発電による電力を取り入れられます。発電効率が24%と非常に高く、コンパクトでありながら効率的に電力を生み出せます。

折りたたみ式で、使わないときは収納しておけるだけでなく、持ち運んでアウトドア時に電力を利用したいときにも活躍します。

屋根にパネルを設置するのに抵抗がある、マンションや賃貸で屋根にパネルを設置できないという方は、ぜひこのようなポータブル式のソーラーパネルを取り入れてみましょう。

●工事不要で自宅でも簡単に取り入れられる太陽光発電製品一覧

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再生可能エネルギーのこれからに注目しよう

再生可能エネルギーとして注目を集めているバイオマスについて解説しました。バイオマス資源は、本来であれば処分されるはずだったごみを再利用したものです。

課題は残るものの、今後も導入されるシーンが増えていくでしょう。自分でも地球のために何かできることをしたいという方は、太陽光発電から取り入れてみてもいいでしょう。