台風の階級とその災害 備えをしっかりと
昨今の台風は巨大化し、暴風や大雨による被害も以前と比べてひどくなっていますね。夏から秋にかけては、特に台風シーズンなので災害に対する“備え”が是非とも必要です。
では、まず台風・ハリケーン・サイクロンの違いや、台風の階級から見ていき、台風災害への対策を見ていきたいと思います。
台風・ハリケーン・サイクロンの違い
◎ 台風
日本に来る台風は、東経180°より西側の北西太平洋及び南シナ海で発生する熱帯低気圧で、最大風速が秒速17m以上のものを指します。
つまり、熱帯低気圧が17m/s以上になると「台風」と名称が変わります。
範囲としては日本列島より北側も入りますが、殆どは日本列島の遥か南の熱帯で発生します。
そして、熱帯の海で発生した台風は、最初は貿易風に乗って西に進みながら北上し、その後は偏西風に乗って東に進みながら北西に進むので、丁度日本列島を縦断するような動きとなるのです。
台風は、日本、中国、韓国、そして東南アジアの国々を襲う嵐です。
また、嵐は北半球では左回り、南半球では右回りで進むので、台風は常に左回りで進みます。
◎ ハリケーン
ハリケーンは北大西洋、カリブ海、メキシコ湾及び西経180°より東の北太平洋で発生する熱帯低気圧で、最大風速が秒速33m以上のものを指します。
南北アメリカとヨーロッパを襲う嵐で、かなり広い範囲となります。
ハリケーンは北半球で発生したものは左回り、南半球で発生したものは右回りで進みます。
◎ サイクロン
サイクロンは、ベンガル湾やアラビア海などの北インド洋上で発生した熱帯低気圧のうち、最大風速が秒速17m以上のものを指します。
インドやパキスタン、インドネシア、アラビア半島、アフリカ東岸、オーストラリア西岸を襲う嵐です。
サイクロンは南半球のみで発生するので、右回りで進みます。
世界地図で見るとわかりやすいですね。
日本での台風の階級分け
次に、日本での台風の階級分けを見ていきましょう。
日本の気象庁は、台風を「強さ」と「大きさ」で階級付けています。
まず、強さから見ていきましょう;
階級 | 風速 |
弱い |
最大風速17m/s以上25m/s未満 |
並みの強さ |
最大風速25m/s以上33m/s未満 |
強い |
最大風速33m/s以上44m/s未満 |
非常に強い |
最大風速44m/s以上54m/s未満 |
猛烈な |
最大風速54m以上 |
次に、大きさによる階級です。
大きさは風速15m/s以上である、台風を表す円の半径ことを言います。
階級 | 半径 |
ごく小さい |
200㎞未満 |
小型(小さい) |
200㎞以上~300㎞未満 |
中型(並みの大きさ) |
300㎞以上~500㎞未満 |
大型(大きい) |
500㎞以上~800㎞未満 |
超大型(非常に大きい) |
800㎞以上 |
「強さ」と「大きさ」で台風を表すので、「小型で強い台風」とか「大型で非常に強い台風」といった言い方をします。
「小型で強い台風」とは、強風域の半径は300㎞未満ですが、中心付近の最大風速は33~43m/sあるので、台風の中心付近では暴風雨に注意しなければならない台風だということです。
また「大型で非常に強い台風」は、強風域の半径が500~800㎞未満もあり、更に中心部の最大風速は44~54m/sもあるので、人が風で飛ばされる程の大きくて危険な台風ということになります。
台風が発生すると、天気図上に台風の暴風域が円で表されます。この円内では暴風や突風が吹く可能性がありますから気を付けましょう。
台風で起こり得る災害
近年日本を襲う台風は、大雨による被害が増えています。もちろん、台風ですから暴風による被害も見逃せません。
では、台風では大雨や暴風によってどのような災害が起こるでしょうか。
個々の災害の他に、それらが複合して起こる災害もあるので、十分な注意が必要です。
◎ がけ崩れ
短期間に大雨が降ると、山の木々が水分を含む(貯水量)限界を超えてしまいます。そして、地盤が緩むことによってがけ崩れを起こします。
山の斜面上の土砂や石等が崩落することを「がけ崩れ」と呼びます。
がけ崩れは山を切り開いて作った住宅地や、湧水が多い地域で起こることが多いです。
がけの下にある家は、がけ崩れに巻き込まれたり、家の中に土砂が入り込んだりといった被害を受けます。
◎ 土石流
山や谷に大雨が降り、水を含んだ土砂が猛烈なスピードで流れ落ちることを言います。山津波ということもあります。
流れ落ちる途中に土砂や家や様々な物を巻き込んで押し流していく位、その力は強大で恐ろしいものです。
特に山や谷の勾配が20℃以上の場所や、普段は水量が少ない川に短期間で大雨が降ると土石流が起こりやすくなります。
◎ 暴風害
風速15~20m/sの風で、人間は歩行が困難になり高速道路での車の運転も危険となります。
それ以上の風速になると、農作物が被害を受けたり風で飛んで来たもので電線が切れて停電を起こし、人々の生活に支障をきたします。
更に、風速が40m/sを超えると電柱が倒れることもあります。
◎ 高潮害・波浪害
台風の風が強いと、海面の上を吹く風が波のうねりを大きくし、津波と同じ水害を起こします。
一番怖いのは、陸から離れた海上で大きなうねりが生じ、それがいきなり陸地近くに伝播してくるものです。
台風が近付いている時は、出来るだけ海や川に近付かないようにしましょう。
台風に備える方法とは
台風は毎年やってきます。
また、いつ避難しなければならないような大きな台風が来るかわかりません。ですから、日頃から台風に対する備えをして、その日が来ても慌てないようにすることが肝腎です。
◎ 日頃から調べておくこと
がけの下に建っている家では、自宅付近が「土砂災害危険個所」に指定されているかどうか、役所に問い合わせて確認しておきましょう。
また、住んでいる地域で過去に起きた水害や風害について調べておくと、避難の目安ともなり、参考になります。
役所から配布されるハザードマップにも時々目を通しておきましょう。
◎ 避難は早めに
台風は普通の大雨とは違います。
警戒レベルが3になったら、すぐに日頃準備していた非常袋等を持って避難所に行きましょう。特に小さなお子さんやお年寄りがいる家庭は、雨や風が激しくなったり床下浸水したりする前に早めの避難を心掛けましょう。
◎ 断水した時に備える
断水に備えるには、水を「1人1日3リットル×家族の人数分×3日分」というのが目安です。
その後は給水車が来るようになるでしょう。
しかし、水は飲むだけでなく、トイレに使ったり手を洗ったりする必要が出てくることもあるので、多めに用意しておくと安心です。
◎停電に備える
停電は生活上最も困ります。
まずは、懐中電灯や、ポータブル電源、小型のラジオをすぐに使える場所に置くようにしておきましょう。
暗闇は危険ですし、今は携帯が必需品です。また電池や手回しで充電出来るラジオがあれば、台風の最新状況を知ることが出来ます。
しかし、現在の生活は何でも電気で動いています。
その為、台風だけでなく地震やその他の災害時にもとても役に立つ家庭用電源を準備しておくことがお薦めです。
例えば、Jackery ポータブル電源。
こちらは、一般的な家庭用電源よりも容量が大きく、幅広い家電製品に使えるので便利で安心です。
まとめ
近年、度重なる災害に備えて、発電機を購入する家庭が増えています。
電気は私達の生活に欠かせないものですから、水と共に備えておくと安心です。
台風だけではなく、地震や大雨による被害が甚大になる一方の昨今の日本ですから、災害への備えも万全にしておきましょう。