1.AC出力が可能なモバイルバッテリーが注目される4つの理由
AC出力が可能なモバイルバッテリーが注目される理由は、大きく4つに分けられます。いずれも、利用者にとって魅力的に感じる項目です。それぞれ注目される理由を、確認していきましょう。
①コンパクトで持ち運びが可能
AC出力が可能なモバイルバッテリーの多くは、重量が500グラムから1kgの間に収まります。出力端子がUSBのみのモバイルバッテリーよりは重いですが、持ち運びは十分可能な重さです。サイズも小さい製品はスマートフォンよりやや大きめ、大きい製品でもA5サイズ程度であり、コンパクトであることは魅力です。
②USBとAC出力を使った電源の供給を同時に行える
モバイルバッテリーの多くは、USBにより給電する機能を備えています。AC出力が可能な機器でも、この機能が失われることはありません。コンセントが必要な家電はAC出力で、USBによる給電が可能な機器にはUSBにより、電力を供給できることは強みです。
但し製品によっては、USBとACの出力を同時に使えない場合があります。取扱説明書をWebで公開しているメーカーもありますから、事前に確認しておくとよいでしょう。
③航空機への持ち込みがしやすい
モバイルバッテリーは小容量の製品が多いため、航空機への持ち込みがしやすいことも理由の一つに挙げられます。国土交通省ではリチウムイオン電池について、以下の要件を満たせば機内への持ち込みが可能としています。
・ワット時定格量が100Wh以下(個数の制限は無い)
・ワット時定格量が100Whを超え160Wh以下の予備電池は、2個まで
持ち込む際には端子に絶縁テープを貼るなど、短絡防止の措置を取ることが必要です。また預け入れ手荷物の中にモバイルバッテリーを入れることはできません。
航空会社によっては、上記よりも厳しいルールを定めている場合があります。ご利用予定の航空会社の公式サイトを事前にご確認ください。
④少ない出費で入手可能
モバイルバッテリーはAC出力がついた製品でも、ポータブル電源と比べて少額で購入できる場合が多いです。この点も、注目されるポイントといえるでしょう。
実際に、1万円台で購入できるモバイルバッテリーもいくつかあります。「突然の停電でもしばらくの間ノートパソコンを動かしたい」といった要望にこたえられることも、AC出力のついたモバイルバッテリーの魅力です。
関連人気記事:ポータブル電源とモバイルバッテリーの違いとは
2.AC出力対応モバイルバッテリーの4つのデメリットや注意点
①使える家電が限られる|消費電力が高いの機器は非対応が多い
AC出力対応のモバイルバッテリーは、消費電力が高い家電製品には使用できない場合があります。たとえば、Anker PowerHouse 100の最大出力は97.2Wのため、以下のような家電製品には対応ができません。
● 電子レンジ(800W〜)
● ドライヤー(1200W〜)
● 炊飯器(300W〜)
使用できるのは主に以下のような小型家電製品です。
● ノートPC
● カメラ
● 小型扇風機
● LEDライト
モバイルバッテリー最大出力は100W前後であるため、使用できる家電は100W以下の機器に限られてきます。調理家電や暖房器具を使いたい場合は、高出力の「ポータブル電源」が必要です。
②正弦波に非対応の製品が多い|精密機器では注意が必要
多くのAC出力モバイルバッテリーは修正正弦波(疑似正弦波)を採用しており、家庭用電源の純正弦波とは波形が異なります。2つの弦波の違いを確認しましょう。
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項目 |
修正正弦波(疑似正弦波) |
純正弦波(正弦波) |
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波形の特徴 |
角ばった階段状態(簡易的) |
滑らかなカーブの波形(家庭用コンセントと同等) |
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電力の質 |
やや不安定 |
安定しており高品質 |
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対応機器 |
多くの家電・充電器、精密機器の一部は不向き |
ほぼすべての電化製品(精密機器も可) |
精密機器やマイコン制御の家電で動作不良や故障のリスクが生じる可能性があります。
一方、純正弦波対応製品なら、家庭用コンセントと同品質の電力を供給できるため、ほとんどの精密機器でも安全に使用可能です。購入時は波形の種類を必ず確認しましょう。
③出力ポート数が少ない|複数機器の同時使用に不向き
AC出力対応モバイルバッテリーは一般的にACポートが1つのみで、複数の家電を同時に使用できません。キャンプでライトと扇風機を同時に使いたい場合や、複数のACアダプターが必要な機器を使う際は不便に感じるでしょう。
同時複数の家電に給電したい場合、AC出力ポート数の多いポータブル電源を検討してください。
④容量が小さく電池切れしやすい|長時間の使用には不向き
AC出力モバイルバッテリーは容量が限られているため、長時間の連続使用には適していません。
例えば、100Whのモバイルバッテリーなら、MacBook Air 13インチは1回ぐらいしか充電できません。一泊二日のキャンプや長時間の屋外作業では、途中で充電が必要になる可能性が高いでしょう。
また、複数機器を同時使用すると稼働時間はさらに短くなります。長期間の電力確保が必要な場合は、大容量のポータブル電源がおすすめです。
3.AC出力バッテリーならポータブル電源がおすすめ!モバイルバッテリーとの違いも解説
同じAC出力機能を持つ製品でも、モバイルバッテリーとポータブル電源では性能や使い勝手に大きな差があります。両者の違いを確認していきましょう。
※AC出力できるモバイルバッテリーのおすすめ製品を見たい方はこちらを直接クリックしてください。
①出力と容量の違い|使える家電の幅が変わる
AC出力モバイルバッテリーとポータブル電源では、定格出力と容量に差があります。2つの出力や容量の違いを一覧表にまとめましたので、ご確認ください。
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製品名 |
容量 |
定格出力 |
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Anker PowerHouse 100 (モバイルバッテリー) |
97.2Wh |
100W |
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256Wh |
300W |
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512Wh |
500W |
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1,070Wh |
1,500W |
主要家電の稼働時間目安:
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家電 |
消費電力 |
PowerHouse 100 |
Jackery 240 New |
Jackery 500 New |
Jackery 1000 New |
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LEDライト |
5W |
約15時間 |
約21時間 |
約38時間 |
約82時間 |
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扇風機 |
30W |
約1時間 |
約5時間 |
約10.5時間 |
約20時間 |
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Iphone11 |
18W |
約7回 |
約11回(Iphone13) |
約26回 |
約50回 |
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電気毛布 |
55W |
約1.5時間 |
約4時間 |
約7時間 |
約12時間 |
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PC |
80W |
約1回 |
約3回 |
約6回 |
約13回 |
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炊飯器 |
300W |
使用不可 |
約0.7時間 |
約1.4時間 |
約2.8時間 |
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電子レンジ |
960W |
使用不可 |
使用不可 |
使用不可 |
約0.8時間 |
Anker PowerHouse 100は100W出力のため、電子レンジや炊飯器など300W以上の家電は使用できません。一方、Jackeryの大容量ポータブル電源であれば、ほぼすべての家電製品に対応可能です。容量のバリエーションが豊富で、長時間の使用にも対応できるモデルが揃っています。
②使用時間と充電スピードの違い|長時間使うならどっち?
使用可能な時間が長いため、ポータブル電源の方が利便性に優れています。キャンプや災害時など数日間の電力確保が必要な場面では、大容量のポータブル電源が頼りになります。
充電スピードは、Jackeryポータブル電源1000Newは大容量(1,070Wh)ながら、最短1時間でフル充電可能です。一方、容量97.2WhのAnker PowerHouse 100(モバイルバッテリー)は約3時間かかります。
Jackeryのポータブル電源は、大容量でありながら充電スピードが優れている点も魅力です。
③価格帯とコスパの違い|必要なスペックに応じて選ぼう
AC出力対応のモバイルバッテリーとポータブル電源では、価格帯に大きな差があります。モバイルバッテリーはお手頃な価格で購入できますが、容量や出力に限界があります。
一方で、ポータブル電源は初期費用が高くなりがちですが、1Whあたりのコストで見ると割安になる傾向です。価格帯とコスパの内容は以下のとおりです。
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製品名 |
通常価格 |
容量(Wh) |
1Whあたりの単価目安 |
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モバイルバッテリー |
約20,000円 |
約100Wh |
約200円 |
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Jackery 500New |
59,800円 |
518Wh |
約115円 |
本格的なアウトドアや防災用途を考えるなら、ポータブル電源の方がコスパがよいでしょう。
④寿命の違い|長く使いたいならポータブル電源がおすすめ
バッテリー寿命も、ポータブル電源が大きく上回ります。2つのバッテリー寿命の違いは以下のとおりです。
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項目 |
充電サイクル(目安) |
毎日使用した場合の寿命目安 |
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モバイルバッテリー |
約300〜500回 |
約1〜3年 |
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ポータブル電源(Jackery製) |
~約4,000回 |
約10年以上 |
初期費用は高額ですが、長期的に考えるとポータブル電源の方が経済的といえるでしょう。頻繁に使用し長期間安心して使いたい方には、ポータブル電源をおすすめです。
⑤アフターサポートの違い|ポータブル電源は修理や回収サービスも
アフターサポート体制は、ポータブル電源メーカーの方が充実しています。Jackery(ジャクリ)などの専門メーカーは、製品保証期間が3〜5年と長く、故障時の修理サービスや使用済み製品の無料回収サービスも提供しています。
一方、AC出力モバイルバッテリーは1年程度の保証期間が一般的で、故障時は買い替えが前提となる場合が多いです。長期間安心して使用したい方は、サポート体制の充実したポータブル電源を選択しましょう。
関連人気記事:無償回収・リサイクルサービス|Jackery Japan
4.AC出力バッテリーとしておすすめのポータブル電源3選
リン酸鉄リチウムイオン電池を採用したNewシリーズなら10年以上の長寿命を実現し、防災製品等推奨品マークも取得しています。業界最軽量クラスのコンパクト設計や、62種類の保護システムによる高い安全性も備えており安心です。
ここでは、AC出力のバッテリーをお探しの方におすすめのポータブル電源を紹介します。コンパクトで持ち運びやすい機種から、長時間使える大容量タイプまで充実のラインナップです。あなたの用途に最適な1台を見つけてください。
●Jackery ポータブル電源 240 New|リュックに入れるコンパクト
従来モデルから50%も出力が向上し、ノートPCやスマホの高速同時充電も可能な1台。重量わずか3.6kgの軽量コンパクト設計で、女性でも片手で持ち運べる手軽さが魅力です。
緊急充電モードなら最短60分でフル充電でき、突然のアウトドアや災害時にも素早く対応できます。
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容量 |
256Wh |
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定格出力 |
300W (瞬間最大300W) |
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充電速度 |
ACコンセント充電:2.5時間 |
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出力ポート数 |
AC出力×1(最大10A) |
●Jackery ポータブル電源 500 New|防災にもアウトドアにもちょうどいい中容量
500Whクラス最軽量の5.7kgを実現した中容量モデルです。A4サイズより小さな薄型ボディで収納場所に困らず、定格出力500WでPCから炊飯器まで幅広く対応します。
最速1.3時間の高速充電で短時間でも十分な電力を確保でき、6,000回の充電サイクルで10年以上の長期使用が可能です。車中泊や1〜2日のキャンプ、1~2人の防災に最適な容量と携帯性を両立しています。
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容量 |
512Wh |
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定格出力 |
500W (瞬間最大1,000W) |
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充電速度 |
ACコンセント充電:1.3時間 |
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出力ポート数 |
AC出力×2 |
●Jackery ポータブル電源 1000 New|価格・サイズ・機能性のバランスの良いモデル
1000Whクラス最軽量の10.8kgで持ち運びやすい、コンパクト設計の1台です。テストするモノ批評誌『MONOQLO』でMVP1位を受賞するなど、高く評価されています。
大きな容量と高い出力で、長期キャンプや防災対策に理想の1台です。2~3人程度の友人・家族とのキャンプにもおすすめします。
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容量 |
1,070Wh |
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定格出力 |
1,500W (瞬間最大3,000W) |
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充電速度 |
ACコンセント充電:1.7時間(緊急充電モードなら1時間) |
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出力ポート数 |
AC出力×3、 |
5.AC出力が使えるモバイルバッテリーおすすめランキング
AC出力対応モバイルバッテリーのなかでも、性能や安全性に優れた4つの商品をピックアップしました。それぞれの特徴を詳しく解説します。
EWEMOSI モバイルバッテリー 27000mAh|AC&PD対応の大容量バッテリー

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メーカー |
EWEMOSI |
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価格 |
11,999円(税込) |
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重さ・サイズ |
・930g ・長さ17 x 幅7 x 厚み7(cm) |
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バッテリー容量 |
27000mAh/98Wh |
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評価点数 |
★ 3.8/5.0 |
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以前被災したことがあり、スマホのバッテリーが減っていくことへの恐怖を味わったので モバイルバッテリーは複数所有。ACコンセント付きは初めてだったのですごく心強いです。基本的に、パソコンやスマホ、ポケットWIFI用で想定しているのでこれで十分。ケース付きなので、合うケースを探す手間とストレスがない点もポイント高いです。できるだけ長持ちさせるために適切な使い方&保存の仕方を心がけたいと思います。 |
27,000mAhの大容量バッテリーを搭載し、スマホやノートPCなど幅広いデバイスに対応します。ACコンセントやPD65W急速充電ポートを備え、多台同時充電も可能です。重さ約930gのコンパクト設計で、持ち運びも可能です。
KINGBERIWI モバイルバッテリー 20000mAh|大容量でコンパクト

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メーカー |
KINGBERIWI |
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価格 |
9,999円(税込) |
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重さ・サイズ |
・750g ・長さ22.5 x 幅9 x 厚み9.5(cm) |
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バッテリー容量 |
20000mAh/75Wh |
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評価点数 |
★ 3.9/5.0 |
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持ち運ぶにはやや重量感がありますが、アウトドアにひとつあるとかなり重宝します。 主に釣り場での使用ですが、生餌用のポンプや害虫除けライト、携帯の充電にハンディファンとかなり使い勝手良し。本格的なポタ電は重いしデカいので、我が家の使い方ならこのくらいが丁度いい。充電量も速度も申し分ないです。 災害時にも必須になってくるかと思います。コンパクトなので場所も取らず、予備として置いておくのも良いかもしれませんキャンプにも持っていく予定。使いやすく文句なしの商品でした。 |
65W PD急速充電やAC出力に対応し、多台同時充電も可能です。コンパクトで持ち運びやすく、防災や旅行先でのバックアップ電源としても使用できます。高輝度LEDライトや安全機能も備え、信頼性の高い1台です。
サンワダイレクトモバイルバッテリー|小型でノートPCも充電可能

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メーカー |
サンワダイレクト |
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価格 |
16,920円(税込) |
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重さ・サイズ |
・900g ・長さ21.7 x 幅9.6 x 厚み3.4(cm) |
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バッテリー容量 |
22800mAh/83.22Wh |
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評価点数 |
★ 3.8/5.0 |
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ポータブル電源が欲しくて買いました。想像よりも重かったですが、自分の用途には最適でした。最近、ポータブル電源などのトラブルをよく聞くので、安全・安心は必要だと思いサンワを選びました。買ってよかったです。 |
AC出力とUSB出力に対応し、ノートPCやスマホ、タブレットなど多彩な機器を充電可能です。機内持ち込みもできるコンパクト設計で、外出・出張・災害時の備えにもなります。残量LED表示やアルミボディで機能性とデザイン性も兼備した1台です。
EWEMOSI モバイルバッテリー 31200mAh|幅広い家電をカバーする安心の波形出力

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メーカー |
EWEMOSI |
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価格 |
11,599円(税込) |
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重さ・サイズ |
・1.47kg ・長さ7.1 x 幅21.8 x 厚み7.1(cm) |
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バッテリー容量 |
31200mAh/112Wh |
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評価点数 |
★ 3.7/5.0 |
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タイトル通りです。車内でAC電源の家電が使えます。災害が多く、避難場所の確保が出来ない、コロナ禍で避難所生活に対して抵抗がある等昨今の状況を考えたら想像に難しくないでしょう。かと言ってなんでも電池やモバイルバッテリーからの電源供給で使えるものを揃えるのも限りがあり、使わない時は仕舞い込んでしまいます。 なので、普段使うものをそのまま持ち出せて車内で使うことが出来るというのはこれ以上ないメリットだと感じ購入しました。携帯製は悪いです笑 項目別評価に軽さとありましたが、正直全く軽くありません。車内に置いとくのが当たり前になりそうです。 |
大容量31,200mAh・120W出力に対応した高性能モデルです。ACコンセントと3つのUSBポートを備え、多様な機器を同時に急速充電可能です。軽量・コンパクトで持ち運びに便利で、旅行や災害時のバックアップ電源としても活躍します。
まとめ:AC出力するならモバイルバッテリーよりもポータブル電源をおすすめ
AC出力が可能なモバイルバッテリーは便利そうに見えますが、定格出力が小さい、容量が限られる、正弦波を出力する製品が少ないなどのデメリットがあります。さまざまな機器に電力を供給できないことは、大きなデメリットです。
せっかくAC出力が可能なバッテリーを購入するなら、Jackery のポータブル電源をおすすめします。モバイルバッテリーよりも定格出力が大きく、容量も多く、出力ポートの数や種類が豊富な製品を取り揃えています。予算と用途にあわせて、あなたに合った機種を選ぶことが可能です。
特に調理家電や暖房用の家電を使えることは、モバイルバッテリーでは実現できない魅力です。この機会に、Jackery製ポータブル電源の購入をぜひご検討ください。


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