【徹底解説】バッテリー(電池)を長持ちさせるための方法|ポータブル電源
ポータブル電源のバッテリーにはリチウムイオン二次電池という充電電池が使用されていますが、この充電電池は充電回数や使用環境、時間経過に伴い劣化していき、使い方によっては充電量が大幅に下がってしまうことがあります。
今回はこのバッテリーを長持ちさせる方法について解説しますが、この方法はポータブル電源に限らずスマートフォンやパソコンなどに使用されているリチウムイオン二次バッテリー全般について言えることでもあるので、ぜひ参考にしてください。
バッテリー電池が劣化する原因
原因1:満充電と過放電
充電量による電池の劣化は主に二つのケースです。それは、充電完了後も充電し続けることと、電気を使い切って充電量を空にしてしまった場合です。これらは満充電と過放電と呼ばれていますが、充電が完了しても充電器に繋いだままにしておくことと、バッテリー切れを起こした後に長期間放置してしまうことにより劣化が起こります。
満充電と過放電を起こすとリチウムイオン二次電池が劣化してしまう原因は、これらの状態になるとバッテリー内に使用されている電極やリチウムイオン、電解質などが化学変化を起こしてしまい内部の状態が変化してしまうためです。この化学変化は不可逆的ですので、一度変化してしまうともう元に戻らず、劣化してしまうというわけです。このため、バッテリーを長持ちさせるためには適度な充電量が大事となります。
原因2:使用及び保管の際の温度
バッテリー劣化するもう一つの要因は使用及び保管の際の温度にあります。
一般的に化学反応は高温になるほど活発になりますので、リチウムイオン二次電池が高温に弱いことは想像しやすく、実際に高温下で使用するとバッテリーの劣化が早くなります。
直射日光の当たる車内にスマートフォンを放置していたらバッテリーが膨らんだ、という話を聞いたことがある方もいらっしゃると思いますが、これは高温になりすぎてバッテリー内でガスが発生して膨張してしまったためです。
一方で、低温になると化学変化が起こりにくく安定するかといえばそうでもなく、温度が低すぎると今度はバッテリー内部の電解質の粘度が上がり粘り気が出るためにリチウムイオンが上手く流れず、バッテリーの容量や出力が低下してしまいます。
これだけなら温度を上げると元に戻りますが、この環境下で急速充電をすると低温で流れにくくなったリチウムイオンを電解質内で無理やり流すことで金属リチウムが負極側のグラファイト上に析出(固体以外の状態にある物質が固体として現れる現象)しだします。このリチウムの電析が起こるとバッテリーが劣化してしまいます。
つまり、バッテリーは高温下での使用のみならず、低温下での使用でも劣化してしまうのです。
ポータブル電源を長持ちさせるための使い方
・バッテリーの充電量を考慮した使い方
一般的にリチウムイオン二次電池を使用している機器にはバッテリーの保護回路が組み込まれていますので、満充電や過放電にならないように充電量が制御されています。
しかし、ポータブル電源を長期間充電用アダプタに繋いで充電した状態にしておくと、保護回路があってもわずかに満充電になってしまいますのでポータブル電源バッテリーの劣化は避けられません。このため、満充電になることを避けるために、ポータブル電源の充電が完了したら充電用のACアダプタや太陽光パネルをポータブル電源からこまめに切り離すことが大切です。
充電量が下がった場合にも保護回路が動作しますので、バッテリーが完全に放電してしまうことを避けることができます。
しかし、ポータブル電源やバッテリーは自然放電を起こしますので、時間とともに少しずつ放電してしまい、やがて過放電の状態になってしまいます。このため、できる限りポータブル電源の充電量をゼロにしないことが大切です。電気が残っている状態で充電する継ぎ足し充電に関しては問題なくできますので、ポータブル電源の過放電状態を避けるためにも充電量が無くなる前にこまめに継ぎ足し充電を行ってください。
・推奨の温度内でポータブル電源を使う
使用温度ですが、Jackeryのポータブル電源の推奨充電温度は0℃から40℃、推奨動作温度は-10℃から40℃の間となっています。
充電温度も動作温度もどちらも最高温度は40℃となっていますので、充電及び使用の際には最大温度が40℃を超えないように気を付けることが大切です。
例えば真夏のビーチやキャンプ場などでは気温が35℃を超える場合がありますが、ポータブル電源に直射日光が当たると内部のバッテリー温度が40℃を超えてしまう恐れがあります。このため、気温が高く天気の良い日は直射日光が当たらないように常に日陰でポータブル電源を使用することをお勧めします。
また、車内でも炎天下では40℃を超えてしまうことが多々あるために、使用する際に気を付けるのみではなく、炎天下の際にポータブル電源を車内に放置したままにしておくことは必ず避けてください。
一方で、最低温度は推奨充電温度が0℃、動作温度が-10℃となっていますので、充電の際には屋内など暖かい場所で充電するとともに、真冬の寒冷地など-10℃以下になるような極寒の地ではなるべく暖かい場所で使用することが推奨されます。
関連人気記事:ポータブル電源の安全使用方法、メンテナンス
ポータブル電源を長持ちさせるための保管方法
・ポータブル電源の充電量を高くして保管する
リチウムイオン二次電池の最も劣化しにくい充電量は40%程度であると言われています。
バッテリーは自然放電を起こしてしまい、毎日少しずつ充電量が低下していき、自然放電により半年で最大60%程度低下してしまうため、40%の充電量で保管しておこうとすると充電量が少なくていざというときに使えず、不安になってしまいます。
ポータブル電源は災害時にも役立つ電源ですのでできるだけ充電量を高くして保管することが望ましく、適切な充電量は何パーセントなのか気になります。
Jackeryが推奨するポータブルバッテリー保管時の充電量は80%から60%となっていますので、災害に備えるためには80%の充電量を目安に保存するとよいでしょう。
また、自然放電がありますので定期的に充電量を確認してポータブル電源の充電量が低下したら継ぎ足し充電を行うことも大切です。これに加えてちょっとした気遣いですが、ポータブル電源保管の際には余計な放電や端子の破損を避けるために充電用のケーブルやコンセントなどは全て抜いた状態で保管することにより、ポータブル電源の寿命も伸ばせます。
・温度の安定した場所でポータブル電源を保管する
リチウムイオン二次電池は暑すぎる場所も寒すぎる場所も苦手ですので、ポータブル電源を保管する際は極端に温度が上がる場所や下がる場所は避けて風通しの良い涼しい場所に保管することが望ましいです。つまり、ご家庭で最も温度が安定しているのはエアコンのある部屋ですので、ガレージなど温度変化が激しい場所に置かずに、リビングの隅や押し入れに入れて保管するのがよいでしょう。
よくあるケースが炎天下の屋外に置きっぱなしにしたり、車内に置き忘れたりすることです。また、キッチンや暖炉など火を使用する場所も温度が上がりやすく、このような場所でポータブル電源を保管してしまうと思わぬバッテリーの劣化につながってしまう可能性もありますので、できる限り避けてください。
バッテリー寿命の長いおすすめのポータブル電源
上記で説明した使い方と保管方法によってポータブル電源・バッテリーの寿命を長くさせることができる一方で、そもそもバッテリー寿命の長いポータブル電源を購入することも大切です。ここでは、寿命が長く、安心してお使いいただけるJackery ポータブル電源をご紹介いたします。
Jackery ポータブル電源は過充電や過放電を防止するためのBMS(バッテリーマネージメントシステム)を搭載しており、かつPSE、UN38.3など安全に関する認証や防災マークを取得しており、安全性と長寿命化を実現しております。自然放電が少ないため、停電時や災害時の非常用電源として大活躍しています。用途に合わせた寿命の長いポータブル電源をたくさん用意してあるので、ぜひJackeryポータブル電源一覧を一度ご確認してみてください。
関連人気記事:ポータブル電源の寿命とは?寿命を延ばす方法を解説
まとめ
ポータブル電源のバッテリーを長持ちさせるためには使用温度と保管温度、さらに充電量に気を付けることが大切です。バッテリーは高温と低温の両方に弱いので、使用のみならず保管の際にも温度に気を付けてください。充電の際にも満充電や過放電を避け、80%の充電量をキープするように心がければバッテリーが劣化しにくくなり、長期間にわたってお使いいただけます。
大変役に立ちました。ありがとうございました。
コメント