ソーラーパネルからバッテリーに充電するには?そのまま繋ぐのは絶対NG!
「ソーラーパネルから車などのバッテリーを充電したい!」と考えて、この記事にたどり着いたのではないでしょうか。注意点として、ソーラーパネルからバッテリーにそのまま繋ぐ行為はNGです。機器の故障をはじめとしたトラブルになる可能性があります。
そこで今回は、ソーラーパネルからバッテリーに充電する手順についてまとめました。また便利にバッテリーを充電できるアイテム「ポータブル電源」についても見ていきましょう。
ソーラーパネルからバッテリーに充電するにはチャージコントローラーが必要
ソーラーパネルからバッテリーに充電するには、下記3つの理由で「チャージコントローラー」という機器が必須となります。
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●過充電の防止
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●過電流の防止
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●逆流の防止
繰り返しになりますが、ソーラーパネルからバッテリーに充電する際に直接ケーブルを繋いではいけません。なぜチャージコントローラーが必要なのか、しっかりと理解しておきましょう。
●チャージコントローラーが必要な理由①:過充電の防止
バッテリーが耐えられる電圧には上限があります。ソーラーパネルを直接バッテリーに繋ぐと満充電になっても電圧が上がり続けてしまい、やがて電池の正極を劣化させてしまいます。正極が劣化するとバッテリーの電流量が減るほか、容量の減少や寿命の短縮などを引き起こしてしまうのです。この現象を「過充電」といいます。
直接つながずにチャージコントローラーを経由すれば、バッテリーの上限電圧を超えないようにコントロールしてくれるため、過充電を防止してくれるというわけです。チャージコントローラーは、過充電によるバッテリーの劣化を防ぐ役割を担ってくれます。
●チャージコントローラーが必要な理由②:過電流の防止
バッテリーは電圧だけでなく、流れる電流の量にも上限があります。もしチャージコントローラーなしで、ソーラーパネルの電流量がバッテリーの耐えられる電流量の上限を超えると、充電時にバッテリー内部で発生するガスが増えて膨張や爆発のリスクが発生してしまうのです。
その点チャージコントローラーがあれば、バッテリーに流れる電流の量をしっかりと制限できます。耐えられない量の電流が流れ、バッテリーが膨張・爆発するリスクはありません。
●チャージコントローラーが必要な理由③:逆流の防止
もうひとつ、チャージコントローラーには「逆流」を防止する能力もあります。ソーラーパネルとバッテリーを直接つないで充電した場合、太陽光発電しているソーラーパネル側から大きな電圧が発生するため、バッテリー側へと電流が流れます。
しかし日が沈んで充電がストップしてしまうと、電圧が高いのは「充電されたバッテリー」の側に。つまりバッテリーからソーラーパネルから電気が逆流してしまうわけです。しかしチャージコントローラーがあれば電圧が逆転したタイミングで回路を切断してくれるので、逆流の心配はありません。
一般的なソーラーパネルからバッテリーに充電する手順
それではソーラーパネルから、一般的な「12Vバッテリー」に充電する7つの手順を解説していきます。
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●チャージコントローラーを準備する
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●ケーブルをバッテリーに繋ぐ
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●バッテリーに繋いだケーブルの逆側をチャージコントローラーに繋ぐ
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●チャージコントローラーに「MC4コネクタ」を繋ぐ
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●MC4コネクタの逆側をソーラーパネルに繋ぐ
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●チャージコントローラーの表示を確認する
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●充電されるのを待つ
製品によっては若干手順が異なるので、知識のない方は事前に関連メーカーに問い合わせたり取り扱い説明書を確認したりするのが良いでしょう。手順を間違えると、チャージコントローラーやバッテリーに大きな負荷がかかってしまう場合があるので注意してください。
●手順①:チャージコントローラーを準備する
まずはチャージコントローラーを準備しましょう。とはいっても特段の準備はありません。下記3点を満たした好きな場所に設置してください。
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●水濡れしない
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●ケーブルにつまずく可能性がない
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●地面に落とすリスクがない
水濡れや落下によりチャージコントローラーが破損し、バッテリーの劣化や発熱を引き起こす可能性があるので注意しましょう。
●手順②:ケーブルをバッテリーに繋ぐ
チャージコントローラーを設置したら、プラス端子・マイナス端子で構成されたケーブルをバッテリーに繋ぎます。必ず「プラス→マイナス」の順で接続してください。また使い終わって外すときは、反対に「マイナス→プラス」の順で外しましょう。
●手順③:バッテリーに繋いだケーブルの逆側をチャージコントローラーに繋ぐ
続いて、先ほどの「プラス端子・マイナス端子で構成されたケーブル」の逆側をチャージコントローラーに繋いでください。ゴミや汚れがはさまらないことを確認しながら、奥までしっかりと挿し込みましょう。
●手順④:チャージコントローラーに「MC4コネクタ」を繋ぐ
バッテリー側を繋ぎ終えたので、次はソーラーパネル側のケーブルです。チャージコントローラーに「MC4コネクタ」と呼ばれる、ソーラーパネル接続専用のコネクタを接続しましょう。同じく、ゴミなどがはさまらないよう注意して挿し込んでください。
●手順⑤:MC4コネクタの逆側をソーラーパネルに繋ぐ
接続作業はこれで最後です。MC4コネクタと逆側のケーブルをソーラーパネルに接続しましょう。もし先にソーラーパネルを接続してからチャージコントローラーを繋ぐと、過剰な電圧がかかって機器の破損を引き起こす可能性があります。必ずこの工程は最後に行ってください。
●手順⑥:チャージコントローラーの表示を確認する
接続作業が完了したら、チャージコントローラーの電圧表示を確認してください。12Vバッテリーの場合、12~14Vの範囲の電圧となっているのが一般的です。もし12Vを大幅に下回っている場合は、接続に問題があるかソーラーパネルへの入射量が不足しています。繋ぎ直したり、ソーラーパネルの位置・向きを変えたりしてみてください。
●手順⑦:充電されるのを待つ
チャージコントローラーの表示が適正であることを確認したら、あとはひたすら充電されるのを待ちましょう。過充電や過放電、逆流はチャージコントローラーが防止してくれるので、特に作業をする必要はありません。
ソーラーパネルから「ポータブル電源」を充電しておけばチャージコントローラーは不要
ソーラーパネルからポータブル電源に充電する手順
当社の「Jackery ポータブル電源 1000 Pro」を例に、ソーラーパネルからポータブル電源に充電する下記3つの手順を解説します。
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●ソーラーパネルを置いて角度を調整する
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●ポータブル電源のDC入力ポートにケーブルをつなぐ
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●ケーブルをソーラーパネルにつなぐ
順にみていきましょう。
●手順①:ソーラーパネルを置いて角度を調整する
まずはソーラーパネルを置いて角度を調節します。当社のソーラーパネルには背面にスタンドがついているので、角度調節はラクラクです。「太陽の光の入射角がパネルの面に対して90°」くらいを意識して設置してみましょう。
●手順②:ポータブル電源のDC入力ポートにケーブルをつなぐ
続いてポータブル電源の「DC入力ポート」にケーブルを繋いでいきますが、ソーラーパネルの枚数に応じて配線方法が変動します。1~4枚の場合をそれぞれ見ていきましょう。
ソーラーパネルが1枚の場合:通常のケーブルを使用
ソーラーパネルが1枚の場合は、通常の充電ケーブルを直接ポータブル電源のDCポートに繋いでください。
ソーラーパネルが2枚の場合:通常のケーブル2本または直列アダプターを使用
ソーラーパネルが2枚の場合は、下記2つの方法で接続できます。
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●2つのDCポートに通常のケーブルを繋ぐ
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●1つのDCポートに「直列アダプター」を繋ぐ
直列アダプターは別売りとなっているので、こだわりがなければ「通常のケーブル2本」で接続するのがおすすめです。
ソーラーパネルが3枚の場合:通常のケーブルと直列アダプターを使用
ソーラーパネルが3枚の場合は、直列アダプター1個と通常のケーブル1本をDCポートに繋いでください。
ソーラーパネルが4枚の場合:直列アダプターを2つ使用
ソーラーパネルが4枚の場合は、直列アダプターを2個をDCポートにそれぞれ接続してください。
●手順③:ケーブルをソーラーパネルにつなぐ
最後にソーラーパネル側のケーブルを繋いで充電スタートです。「直列アダプター」を使った箇所には2枚のソーラーパネルを接続しましょう。Jackery ポータブル電源 1000 Proの場合、100Wのソーラーパネル1枚なら13.5時間ほど、2枚なら7時間ほどでフル充電が完了します。