テント泊登山の5つの魅力とは?初心者が必要な持ち物リストや注意点も紹介
登った先で寝床につくテント泊は、登山する人の憧れでもあります。衣食住全てを背負い、好きなタイミングで休める。行動範囲が広がるので、登山の魅力をふんだんに味わえることでしょう。
この記事では、テント泊登山の魅力について解説します。テント泊登山に必要な持ち物や初心者が心得ておくべき注意点も紹介するので、ぜひ参考にしてみてください。
登山でテント泊をする5つの魅力
指定された場所にテントを張って宿泊するテント泊。登山でテント泊をすることで、大自然を贅沢に満喫できるようになります。登山でテント泊をする魅力は、以下の通りです。
● 緑に囲まれた大自然を味わえる
山の中でのテント泊では、あたり一面緑で覆われた大自然を感じられます。テントの薄い生地で外と中を隔てているだけなので、全身で自然を味わえることでしょう。
また、テント泊登山ではより奥地へと足を踏み入れられるので、人の手が入っていないありのままの自然が見られるのも大きな魅力です。日が暮れる前に下山するという制限がないので、大自然の中で自由な時間が過ごせます。
● 行動範囲が広がる
登山をするからには山頂まで行きたいものです。しかし、日帰りの場合は日没までには下山する必要があり、行ける範囲が制限されます。テント泊登山では、帰りの時間を気にする必要がなく、日帰りでは行けない範囲まで活動領域を伸ばせます。
テント泊登山でしか見られない景色は、以下の通りです。
・山頂から見下ろす雲海
・神々しいご来光
・アルプス山脈の頂付近
日帰り登山を頻繁にしている方やキャンプなどでテント泊に慣れている方は、ぜひテント泊登山でしか行けない領域に足を踏み入れてみてください。
●山越しの日の出が見られる
高い山の上から望む日の出「ご来光」は、テント泊登山ならではの絶景と言えます。夜明けの時間になると、今か今かと日が出る方向を向いて待機します。太陽が顔を出したその瞬間、登山の疲れが吹き飛ぶほどの達成感と高揚感に満たされることでしょう。
特に、日本一高い富士山で見るご来光は格別です。雲海から顔を出すご来光の絶景に魅了されます。富士山では、五合目にある小屋でテント泊ができるので、ぜひ利用してみてください。
● 満天の星空が見える
テント泊登山の特権とも言えるのが、夜に見える満点の星空です。人がいない山の中で美しい星空の絶景を独り占めできます。山の中は以下のような星が見える条件が整っているのです。
・周囲に灯りが少ない
・空を遮る建造物がない
・空気が澄んでいる
空を遮るような建造物がなければ、周りに灯りもありません。車の排気ガスなどの不純物もないので、空気が澄んでいます。最高の条件で輝く星々を見るためだけに、テント泊登山をしても良いほど、一見の価値はあるでしょう。
● マイペースに楽しめる
自由に登山を楽しめるのも、テント泊登山の魅力です。日帰り登山では下山までのタイムリミットがあるので、自由度は欠けます。寄り道をすることなく、目的の場所まで辿り着くのが第一目標です。
その一方、テント泊登山はテントを設営する小屋にさえ辿り着けば良いので、寄り道もでき、時間に余裕があります。明け方も体調によって出発を遅らせても良いですし、マイペースに登山が楽しめます。
初心者必見!登山でのテント泊に必要な持ち物リスト
テント泊登山において、テントは最も重要なアイテムです。登山用のテントがキャンプ用と異なる点として、収納サイズがコンパクトであることが挙げられます。また、無理なく背負えるように軽量化も図られています。
テント泊登山で使用するテントのおすすめの選び方は、以下の通りです。
・人1kg前後の重さがある
・体全体が収まる移住空間の広さがある
軽量なテントほど持ち運びには便利ですが、その分強度は劣るので1人1kg前後はあるテントを選ぶと良いでしょう。また、体全体が収まり、十分寝返りをうてる広さがあると翌日に疲れを持ち越しません。
● シュラフ
テント泊での寝具としてシュラフも欠かせません。登山で使用するシュラフは、軽量化つコンパクトであることが最も重要な要素です。重さは1kg〜2kgを目安に、折り畳んで2Lペットボトルくらいの大きさになるものを選びましょう。
また、シュラフにはマミー型と封筒型があり、保温性と重さがトレードオフの関係にあります。寒い冬の時期にはマミー型、暑い夏の時期には封筒型がおすすめです。
●マット
登山のテント泊ではマットの存在が大きいです。テントの中にマットを敷くことで地面からの影響をほとんど受けません。冷気や凹凸を遮断できるので、寒さや背中の痛さを軽減できます。
登山で使用するマットを選ぶ基準は、以下の通りです。
・断熱性を示すR値が3.3以上ある
・クッション性・収納性に優れたインフレータブル方式
マットの断熱性を示すR値は、春〜秋は1.0以上、冬は3.3以上あると安心です。マットの種類は、インフレータブル方式とクローズドセル方式がありますが、収納性に優れたインフレータブル方式が良いでしょう。
●防寒着
標高が高くなると気温は一気に冷え込みます。キャンプ泊のつもりでテント泊登山にチャレンジしたら、寒すぎて十分に寝られないでしょう。重ね着しているレイヤーごとに、登山用に適した防寒着の特徴を紹介します。
レイヤー |
登山用に適した特徴 |
ベースレイヤー |
体温が奪われづらいメリノウール素材 |
ミドルレイヤー |
保温性と通気性のバランスが取れているフリース |
アウターレイヤー |
防水性と防風性に優れているダウンジャケット |
● レインウェア
テント泊登山では、日帰りよりもさらに性能に優れたレインウェアが必要です。ゴアテックス素材は、防水性と透湿性を兼ね備えています。テント泊登山では長期間の登山で汗をかいているので、放置していると体温を奪います。
雨が降っている状況では防水性が重要ですが、透湿性も備えていることで、汗を発散させることが可能です。
● LEDランタン
テント泊登山では、夜の照明としてLEDランタンが必要です。ガスやオイルを使うランタンはテント内で使用できません。LEDランタンは電気を燃料とするので、テント内でも使用でき、火事や火傷の心配も不要です。
また、LEDランタンには登山向きの以下のようなメリットがあります。
・軽量化かつコンパクト
・長時間の連続点灯ができる
・光量を自由に調節できる
● ヘッドライト
泊まりを伴う登山では、あらゆる状況でヘッドライトが重宝します。ヘッドライトが必要になる場面は、以下の通りです。
・予期せぬトラブルで小屋に着く時間が遅くなる時
・ご来光を見るために夜明け前に行動する時
・小屋内でトイレやシャワーに向かう時
テントを張る目的地に行くまでに時間を要してしまい、日が落ちてしまったら、辺りが真っ暗な中、山中を移動することになります。生命線としてもヘッドライトは重要です。
● コンパス
登山において、コンパスは重要なアイテムです。奥地に入って行くと電波は繋がらず、コンパスと地図だけが頼りになります。地図の情報とランドマーク、地形によって現在地を把握できます。
登山にはフィールドコンパスがおすすめです。地図の縮尺に合わせた目盛りや進行方向の矢印など、登山に欠かせない機能が付いています。
● ファーストエイドキット
登山の途中で負傷したとしても、すぐに病院には行けません。ファーストエイドキットを持っていると応急処置が行えます。ファーストエイドには、以下のような物が入っていると安心です。
・包帯
・三角巾
・傷テープ
・アルコール消毒
・ハサミ
・ホイッスル
・ピンセット
● ポータブル電源
テント泊登山の必需品とも言えるアイテムが、ポータブル電源です。ポータブル電源とは、モバイルバッテリー以上の大量の電気をバッテリーに蓄電し、電化製品に給電できる機器を指します。テント泊登山にポータブル電源があるメリットは、以下の通りです。
・コンパスが壊れても、スマホのコンパス機能がいつでも使える
・ホットサンドメーカーや電気ケトルなどの家電で、簡単に調理ができる
・電気毛布をシュラフに入れ、快適な温度で就寝できる
・非常時の連絡用の無線機を常にフル充電にしておける
ポータブル電源があることで、テント泊登山の快適性が上がるだけでなく、非常事態のライフラインとしても活躍します。
初めてのテント泊を楽しむための注意点5選
テント泊登山に初めて挑戦する方は、事前に心得ておくべき注意点があります。突然の豪雨で予定が狂ったり、テント場に着くまでに日が暮れたりと、テント泊登山にはトラブルがつきものです。身の安全を守るために、以下の注意点を忘れないようにしましょう。
● 気温や天候を調べておく
登山では、事前に確認した天候や気温に合わせた装備をした上で、雨にはいつでも対応できる準備が必要です。登山をしていると突然の気候変動に悩まされることがあります。特に夏の登山では、以下の理由から通り雨に遭う機会が多いです。
・地表と上空の温度差が大きくなり、大気が不安定になりやすい
・夏の空気に含まれる水分量が多い
● テントの設営方法を理解しておく
テントは、事前に設営方法を確認しておくのが望ましいです。テント場に着いて、いざテントを設営しようとしても、一度も設営したことがないテントだと時間を要する可能性があります。日も暮れてきて、さらに設営の難易度が上がる事態にもなりかねません。
テント泊登山のために買ったテントは、前日以前に説明書を読み、一度設営してみるのが良いでしょう。
●日没前にテント場に到着する
せっかくのテント泊登山、時間に余裕を持って楽しみたいですよね。日没前にはテント場に着いているつもりで、登山計画を立てるのがおすすめです。テント場に着くまでに日が落ちると、遭難の危険も高まります。
日没前にテント場に着いていると、ゆっくり調理をしたり、星空鑑賞をしたりと山中で過ごすテント泊を堪能できます。
● ゴミは全て持ち帰る
山行中に出したゴミは、自分で持ち帰るのが登山の基本ルールです。そのため、ゴミ袋は必ず持参しましょう。お菓子などの包装紙は風に飛ばされやすいので、ポケットには入れず、すぐにゴミ袋に入れる習慣を身につける必要があります。
また、不要なゴミが出る物を持ち込まない工夫も重要です。物を減らせば軽量化でき、体への負担も軽減できます。
●指定地でテントを張る
初めてテント泊登山をする方は、好きな場所でテントを張って良いと考えている方も多いでしょう。しかし、テントを張れるのは指定地に限ります。
特に特別保護地区では、指定された場所以外でテントを張ることは違法です。違反すると以下のいずれかが課せられることになります。
・6ヶ月以下の懲役
・50万以下の罰金
テント泊登山におすすめのJackeryポータブル電源
99Whの容量かつ最大128Wを備えているので、コンパス代わりになるスマホや連絡用の無線機の充電に便利です。
■商品の特徴
・USB-C、USB-Aを備えているため、複数の機器を同時に給電できる
・手のひらサイズのため、荷物が多くなる登山でも負担にならない
・6つの保護機能と耐火性、耐衝撃性により、安全に使用できる
・ソーラーパネルを使うと、2時間でフル充電できる
製品名 | Jackery Explorer 100 Plus |
容量 |
99.2Wh |
USB-A 出力 |
最大18W, 5V⎓3A, 9V⎓2A, 12V⎓1.5A |
USB-C1/C2 出力 |
最大100W, 4.5V⎓5A, 5V⎓3A, 5V⎓4.5A, 9V⎓3A, 12V⎓3A, 15V⎓3A, 20V⎓5A |
PPS |
5-21V⎓5A, 最大100W |
電池タイプ |
リン酸鉄リチウムイオンバッテリー |
充電温度 |
0°C~40°C |
動作温度 |
-10°C~40°C |
●Jackery Solar Generator 300 Plus 100W
●Jackery Solar Generator 1000 Plus
初めてテント泊登山を楽しむ方は、事前の準備が欠かせません。必要な道具を揃えるのは勿論のこと、指定地でのテント張りやゴミの持ち帰りなどのルールを心得ておく必要があります。
この記事で紹介したアイテムを携え、時間に縛られない快適なテント泊登山をお楽しみください。
ご参考になるブログサイト:登山と周辺情報ブログ 登山百景
登山百景は、北アルプスや八ヶ岳などのの山々の魅力や登山の楽しみを紹介するウェブサイトです。 実際に登った山の良さや周辺情報をまとめて、美しい風景を写真で掲載しています。 初心者から経験者まで楽しめる情報を提供し、身近な環境や自然の素晴らしさを伝えることを目指しています。
コメント