モバイルバッテリーを正しく使う3つのメリット
モバイルバッテリーは、スマートフォンやタブレット端末の充電を主な目的として活用する機器です。家庭用100V電源(AC100V)の出力ポートを備えていない製品が多いため、コンセントで動く家電は使えない場合が多いです。一方で軽いため携帯性に優れており、容量が少ないため飛行機に持ち込めることはメリットに挙げられます。
モバイルバッテリーは本体に充電し、機器へ給電する機能が主体です。正しく使うことで、以下に挙げるメリットを得られます。
スムーズに充電でき、故障のリスクも下がる
取り扱いを正しく行うことは、スムーズな充電と故障のリスク低減につながります。例えばスマホを急いで充電したい場合は、モバイルバッテリーを充電したいスマホ専用にすることで、より短い時間で充電を完了できます。
温度の高い場所に放置しない、落としたり曲げたりしないことは、故障を防ぐうえで重要です。ていねいに扱えば、故障するケースは初期不良や経年劣化に限られます。取り扱いの不備による故障を避けられることは、正しく使うメリットの一つです。
モバイルバッテリーや機器が長持ちする
モバイルバッテリーを正しく使うことは、寿命を伸ばすことにつながります。加えてスマホなど、モバイルバッテリーから給電する機器を長持ちさせるメリットももたらします。内蔵されているリチウムイオン電池は、充電方法を工夫することで寿命を伸ばせるためです。
実際に充電方法を「電池残量が25%になったら満充電する」から「電池残量が25%になったら75%まで充電する」に変えることで、寿命が2倍になった結果も公表されています。
使いたいときに使える
使いたいときにモバイルバッテリーを使えることも、見逃せないメリットに挙げられます。モバイルバッテリーは放置すると、徐々に電池残量が減るためです。長期間保管すると、電池そのものが劣化する可能性もあります。
正しく使うことで、「久しぶりに使ってみたら、電池残量が無かった」「モバイルバッテリーが動作しない」というリスクを下げられます。
モバイルバッテリーの使い方①:バッテリーへの充電
モバイルバッテリーを正しく使うポイントは、使用する場面によって分かれます。まずモバイルバッテリーの使用に欠かせない、充電する際の使い方から確認していきましょう。
電池残量が少なくなったら早めに充電する
モバイルバッテリーに内蔵されているリチウムイオン電池は、継ぎ足し充電をしても問題ありません。むしろ電池残量が0の状態になると、過放電による悪影響が心配です。電池の寿命が短くなるだけでなく、過放電の状態が続くと負極の金属が溶ける、ガスが発生してバッテリーが膨らむリスクもあります。
このため、電池切れになるまで使い切ることはおすすめできません。電池残量が20%~25%になった段階で早めに充電すると、モバイルバッテリーを長持ちさせることができます。
満充電になったら早めにコンセントから抜く
モバイルバッテリーが満充電になったら、早めにコンセントから抜きましょう。万が一モバイルバッテリーに過充電を防ぐ機能が無い場合、満充電になっても充電を続けるとバッテリーの異常な発熱やガスの発生を招きます。これは火災につながる危険な状態です。不測の事態を招くためにも、満充電になった時点で充電を止めましょう。
なおJackery製品は、過充電を防ぐ機能を備えていますから安心です。
モバイルバッテリーの使い方②:機器への給電
機器への給電は、モバイルバッテリーを使う代表的な用途です。これから挙げる5つの項目に注意して使うと、機器にやさしい充電ができるでしょう。
低温や高温を避ける
モバイルバッテリーには、使用可能温度が設定されています。この範囲内で使えば寿命への悪影響は小さく、長い期間使うことができるでしょう。
氷点下などの低温では内部の抵抗が上がり、電池残量が急激に減ってしまいます。逆に高温では温度の影響により、電池の劣化が進みます。この劣化は、45℃程度から進むことに注意が必要です。
機器を操作したまま、動かしながら給電しない
充電する際は、機器を操作したまま充電しないことも重要です。これは発熱により、機器に内蔵されているバッテリーの劣化を防ぐためです。
リチウムイオン電池は、高温で劣化が進む特徴を持っています。そもそも機器の操作により熱を発しているところへ、同時に充電を行うとさらに熱を持ち、電池の温度が上がります。スマホを使いながら給電する行為はよくありがちですが、スマホのバッテリーを劣化させる原因となりよくありません。充電中は操作を止め、機器を休ませましょう。
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USB-AやUSB-Cなど、機器が必要とする端子は異なることに注意
USBを使って機器へ給電する場合、必要なケーブルは機器によって異なります。USB-AやUSB-Cは、USBケーブルの代表的な種類です。機器や接続するケーブルの仕様を確認したうえで、適切な端子につなぎましょう。
USBの変換アダプターも販売されていますが、使用は推奨されません。もし充電に必要なケーブルが機器やモバイルバッテリーに付属されていない場合は、充電可能なUSBケーブルを購入して使いましょう。
複数の機器を同時に充電すると、充電スピードが下がる可能性がある
複数の機器を同時に充電すると、充電スピードが下がる可能性があります。複数の機器を同時に充電したい方は、注意が必要です。
一例として、「Jackery Explorer 100 Plus」から給電する場合を考えてみましょう。製品の仕様は、以下のとおりです。
・USB-Aでの出力:最大18W
・USB-Cでの出力(出力端子1箇所使用):最大100W
ここでUSB-AとUSB-Cを1箇所ずつ使った場合の電力は、最大118Wです。上記の合計と一致しますから、同時に充電する不都合は起こりにくいです。
一方でUSB-Cポートを2つ使って機器に充電すると、充電スピードが下がるおそれがあります。USB-Cポートを2つ使った場合の電力は200Wではなく、最大110Wにとどまるためです。このためUSB-Cポートを1つ使った場合と比べて、機器の充電を終えるまでの時間が長くなるかもしれません。
ワイヤレス充電可能なモバイルバッテリーの使い方
近年ではQi(チー)規格に対応し、ワイヤレス充電を行えるモバイルバッテリーも登場しています。QiはWireless Power Consortium(WPC)が推進する、ワイヤレス充電の国際標準規格で、誘導起電力を用いて充電を実現しています。モバイルバッテリーの上に機器を載せ、スイッチをONにするだけで充電できる手軽さは魅力的です。
この方法で充電する場合は、以下の点に留意してください。
・ケーブルをつないで充電する方法と比べて、充電速度が下がりやすい
・ケースのままでは充電できない可能性がある
・モバイルバッテリーが指定する位置に、充電したい機器を置く必要がある
モバイルバッテリーの使い方③:保管や運搬
モバイルバッテリーは、充電や給電以外でも重要な使い方があります。保管や運搬に関する使い方のポイントを5つ紹介していきましょう。
ときどき残量を確認して充電する
モバイルバッテリーは保管中も少しずつ放電し、電池残量が減少します。使いたいときになって電池切れに気づく事態は、ぜひとも避けたいものです。もし保管中に過放電の状態になると、モバイルバッテリーが二度と使えなくなるかもしれません。
この事態を防ぐためには、以下の2点に留意することが重要です。
・保管を始める前に、電池残量を60%~80%の状態にする
・保管したまま放置せず、ときどき残量を確認して充電する
電池残量をチェックする間隔をどのくらいにすればよいか、迷う方もいるのではないでしょうか。はじめは1カ月後に減り具合をチェックするとよいでしょう。減少した量を参考にして、次回以降のチェック間隔を決めてください。
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衝撃を与えない
モバイルバッテリーに衝撃を与えることは禁物です。内部でショートすれば、火種がなくてもバッテリーの破裂や火災に直結します。NITE(独立行政法人 製品評価技術基盤機構)では、傷をつけたスマホのバッテリーパックが発火し破裂する映像を公開しています。
発火し破裂したモバイルバッテリーは使えません。大切なモバイルバッテリーを無駄にしないよう、衝撃を与えないことが重要です。特に床や路上に落とさないよう、注意して扱いましょう。
薄いモバイルバッテリーは折れ・曲がりが起きないよう要注意
モバイルバッテリーは変形すると、内部のリチウムイオン電池が傷みます。傷がついた箇所から、ガスや可燃性の電解液が流れ出すかもしれません。内部でショートすれば、火災につながるでしょう。ショートに至らなくても、傷ついた電池のそばに火気や静電気があると、火災につながるおそれがあります。
市販されているモバイルバッテリーのなかには厚さが1.4cmなど、スマートフォンと同じくらい薄い製品もあります。このような製品をジーンズやスラックスのポケットに入れると、立ったり座ったりする際に折れや曲がりが起こりかねません。やけどや発火の原因となるため、モバイルバッテリーを破損しないよう注意して持ち運びましょう。
マグネット付きの製品の場合は近くに磁気の影響を受ける物を置かない
モバイルバッテリーのなかには、マグネットがついた製品もあります。ワイヤレス充電には便利な機能ですが、磁気の影響を受ける物を近づけてはいけません。
例えばクレジットカードやキャッシュカードを近くに置くと磁気に影響を与え、カードが使えなくなるおそれがあります。モバイルバッテリーを保管する、どこかに置く、かばんに収納したりポケットに入れたりする場合は、そばに磁気の影響を受ける物がないか確認しましょう。
充電しても使用時間が短くなったら早めの処分を
もしモバイルバッテリーを充電しても、他の機器に給電できる時間が短くなった場合は寿命です。早めに処分しましょう。以下の要件を満たすモバイルバッテリーは、専用の回収ボックスに入れれば無料で回収してもらえます。
・JBRC会員企業製であること (会員企業外品やメーカー不明品は回収対象外)
・電池種類(ニカド電池、ニッケル水素電池、リチウムイオン電池のいずれか)が明確であること
・破損、水濡れや膨張等の異常のある電池や、外装なしのラミネートタイプの電池ではないこと
引用:JBRC「見分け方」https://www.jbrc.com/general/distinguish/
専用の回収ボックスは、家電量販店やホームセンター、大型スーパーなどに設置されています。最新の設置場所や回収可能なメーカー(JBRC会員企業)は、JBRCの公式サイトでお確かめください。
軽くて便利なJackeryのポータブル電源もおすすめ
機器への給電を行う場合、モバイルバッテリーにこだわる必要はありません。Jackeryでは、軽くて便利なポータブル電源を提供しています。モバイルバッテリーよりも性能が高く、多くの機器に対して同時に給電できることをメリットに感じる方も多いでしょう。
ここからはJackery製品を選ぶメリットと、おすすめする2つの製品を紹介します。Jackery製品の良さをご確認ください。
モバイルバッテリーの代わりにJackery製品を選ぶメリット
モバイルバッテリーの代わりにJackery製品を選ぶことで、以下のメリットを得られます。
・容量は3,000Wh以上の容量を持つ製品も選べる
・充電サイクル数が多い。2,000サイクル~4,000サイクルの製品が発売されている
・USB-Cポートは100Wでの出力に対応
・発火しにくく安全性も高い、リン酸鉄リチウムイオン電池を使う製品を選べる
・耐火性を備え、UL規格の耐衝撃テストをクリア
モバイルバッテリーよりも多くの容量を持ち、出力可能な電力も大きい。そのうえ安全に使えて寿命も長いことは、Jackery製品の魅力です。
手のひらサイズの「Jackery Explorer 100 Plus」
Jackery Explorer 100 Plusは、手のひらサイズのコンパクトさが魅力です。幅は12.6cm、高さと奥行はおよそ8.7cmと小さく、重さも965グラムと1kgを切っています。このサイズで、以下の性能を備えています。
・容量は2Wh(31,000mAh)。多くのモバイルバッテリーよりも容量が大きい
・単独のUSB-Cポートで100W、最大128Wでの出力が可能
・入力も100Wで行える(USB-Cポートを使用)。最短8時間で満充電にできる
・リン酸鉄リチウムイオン電池を使用。2,000サイクルの充放電が可能。
・保証期間も2年間。多くのモバイルバッテリーよりも長い
・飛行機の機内にも持ち込める
小さい筐体ながらモバイルバッテリーよりも性能が高く、長持ちする便利さと安心が魅力です。但しコンセントを使う家電は利用できません。
リュックに入りコンセントも使える「Jackery ポータブル電源 300 Plus」
「軽さとコンパクトさは重要。しかしコンセントにつないで家電を使いたい」という方は、「Jackery ポータブル電源 300 Plus」がおすすめです。容量は288Wh。「Jackery Explorer 100 Plus」の3倍近くにおよぶため、サイズは大きくなります。しかし幅23cm、高さ16.7cm、奥行15.5cm、重量は3.75kgと、リュックにも入るコンパクトさと軽さが魅力です。
Jackery ポータブル電源 300 Plusの機能は、以下のとおり豊富です。
・豊富な種類の出力ポート(USB-C×2口、AC100V・USB-A・シガーソケットは1口ずつ)
・定格出力は300W
・家庭用100Vコンセントを使えば、最短2時間で満充電にできる
・バッテリーはリン酸鉄リチウムイオン電池。寿命は3,000サイクルで10年以上使える
・保証期間は5年間の長さ
・9mの高さから3回落下しても問題なく動作する、UL 94V-0 認定規格
・Jackeryアプリを活用し、ポータブル電源の状況確認やコントロールができる
Jackery ポータブル電源 300 Plusの活用でスマートフォンやタブレットはもちろん、パソコンやスタンドライト、扇風機、電気毛布など、多種多様な家電に給電できることは魅力的です。
モバイルバッテリーの使い方に関するよくある質問
モバイルバッテリーを使っていると、「この使い方でよいのだろうか?」などと気になる場面が出てくるかもしれません。ここからはよくある2つの質問について、どうすればよいか解説します。
モバイルバッテリーのINとOUTを同時に使っても問題ないですか?
モバイルバッテリー本体を充電しながら機器への給電も同時に行う「パススルー充電」は、基本的には避けることがおすすめです。特にパススルー充電に対応しないモバイルバッテリーの場合は、電池を劣化させる原因となります。まずモバイルバッテリーを充電し、その後に機器へ給電しましょう。
但し以下の条件を両方満たす場合は、パススルー充電を行っても問題ありません。
・モバイルバッテリーがパススルー充電に対応する
・機器に給電する電力が、モバイルバッテリーを充電する電力よりも小さい
例えばモバイルバッテリーを18Wで充電中に、機器を9Wで給電するのであれば問題ないでしょう。
一方でモバイルバッテリーを18Wで充電中に、機器に対して20Wで給電した場合は、モバイルバッテリーを充電する電力だけでは足りなくなります。モバイルバッテリーに充電しているにも関わらず、電池残量は減少し続けるでしょう。いくらパススルー充電対応のモバイルバッテリーでも、このような使い方は電池を消耗させるためおすすめできません。
モバイルバッテリーからスマホに充電できないのはなぜですか?対応策あるの?
モバイルバッテリーからスマホに充電できない理由には、さまざまな項目が考えられます。代表的な項目と対応策を、以下の表にまとめました。
原因 |
対応策の例 |
モバイルバッテリーの電池残量が無い |
モバイルバッテリーを充電する |
モバイルバッテリーの不具合 |
モバイルバッテリーの修理を依頼する 新しいモバイルバッテリーを購入する |
ケーブルの接続が緩い |
モバイルバッテリーやスマホに、ケーブルをしっかり奥まで差し込む |
ケーブルの不具合 |
別のケーブルを使って充電する |
スマホの不具合 |
スマホを再起動してみる スマホの修理を依頼する |
周囲の温度が低い |
屋内など暖かい場所に移動してスマホの充電を再開する |
スマホの温度が高い |
スマホの使用を中止して、10分程度待つ 暑い場所にいる場合は、屋内など涼しい場所に移動する |
モバイルバッテリーの不具合かどうかは、以下の方法を試して原因を切り分けるとよいでしょう。
・他のモバイルバッテリーを使って充電する
・コンセントからスマホを充電してみる
またスマホの不具合かどうかの切り分けは、モバイルバッテリーから別のスマホに充電する、USBで充電できる別の機器に給電するといった方法が使えます。
モバイルバッテリーの特徴を理解して日々の生活に活用しよう
モバイルバッテリーは購入後の扱い方によって、使える期間に差が出ます。特徴を活かして使えば、バッテリーだけでなく給電する機器の寿命も長くでき、安心して使えるでしょう。使用時だけでなく保管する際も、定期的な電池残量のチェックがおすすめです。
この記事で解説した方法は、どれも難しいものではありません。少しの工夫で、モバイルバッテリーを有効活用できます。モバイルバッテリーの特徴を理解して、日々の生活に活かしましょう。
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