ソーラーパネルの角度を合わせて最高効率で発電しよう!設置の注意点を解説
ソーラーパネル(太陽光パネル)の設置角度は、発電効率を大きく左右させる重要なポイントです。あまり調べないで屋根に設置してしまうと、シミュレーションよりも著しく発電量が減ってしまうケースもあります。
そこで今回はソーラーパネルが最高効率で発電できる角度の調べ方や、設置の注意点を詳しく解説します。太陽光発電で電気代を浮かせたり、売電収入を得たりしたい方は必ずチェックしておきましょう。
ソーラーパネルが最高効率で発電できる角度は「南向きの30度」!
ソーラーパネルが最高効率で発電できるのは「南向きの30度」といわれています(※)。詳しく見ていきましょう。
※参考:太陽光発電協会
●西向き・東向きは発電効率が17%下がる
同じ30度の角度でソーラーパネルを設置したとき、南向きの場合の発電量を100%とすると、西向き・東向きの場合の発電量は17%下がった83%程度になってしまいます。
引用元:太陽光発電協会「設置方位や設置角度の影響はありますか?」
また南側以外(真北・北東北西・東西)に設置した場合には、30度よりも0度(水平)のほうが発電量が大きくなる点に注意が必要です。
引用元:太陽光発電協会「設置方位や設置角度の影響はありますか?」
「真南に設置できるなら30度が最適」ではあるものの、屋根の向きなどの状況に応じて調整したほうが良いでしょう。
●現実的には入射角に対して30度を保ち続けるのは不可能
現実的には、入射角に対して30度の状態を保ち続けるのはほぼ不可能です。1日の中でも時間帯によって、日が差してくる方角が変わってしまいます。また季節によっても入射角が大きく変わってしまいますが、それに合わせてソーラーパネルの向きを調整するのは困難でしょう。
ソーラーパネルの向きを自動で調整するシステムも存在はしているものの、費用対効果に乏しくほぼ実用化には至っていません。そのため、いかにして発電量がもっとも大きくなる角度で固定できるかがポイントとなってきます。
●効率よく発電するには最適傾斜角での設置を!
効率よく発電するには、設置地点における「最適傾斜角」で設置しましょう。最適傾斜角とは、文字通りソーラーパネルの発電量が年間を通してもっとも大きくなる可能性が高い最適な角度のことです。この「最適傾斜角」の調べ方について詳しく見ていきましょう。
ソーラーパネル設置時の最適傾斜角はどうやって調べる?
※従来の手法「アメダスメッシュ法」との比較。ハイブリッドメッシュ法の方が、より細かい地点ごとの日射量を導き出せていることが画像から分かる。
ハイブリッドメッシュ法による日射量の算出には非常に専門的で高度な計算式を用いるため、自分で最適傾斜角を導き出すのは現実的にほぼ不可能でしょう。そのため、導き出された日射量データを集約した「NEDOデータベース」を活用します。
●「NEDO」の最新データベースなら計算いらずで確認可能
NEDO(新エネルギー・産業技術総合開発機構)が提供する最新データベース「MONSOLA-20」なら、地点ごとの最適傾斜角が簡単に確認できます。
参考:NEDO日射量データベース 「MANSOLA-20」
「MONSOLA-20」の利用手順について見ていきましょう。
NEDOデータベースの利用手順①:地図から設置予定の場所を選択する
MANSOLA-20の画面を開いたら、まずは地図からソーラーパネル設置予定の場所を選択します。地図はドラッグ操作や拡大・縮小により、特定の地点を簡単に選択可能です。今回は東京都新宿区の1地点を選んでみましょう。
引用元:「MANSOLA-20」
地点を選択したら、右側にある「この地点のグラフを表示」のボタンを押します。すると複数本のグラフがある画面が表示されるので、次の手順に進みましょう。
NEDOデータベースの利用手順②:表示データを「角度指定」角度指定データを「最適傾斜角」にする
グラフがある画面が表示されたら、左側のチェックボックスを操作します。表示データ選択を「角度指定」に、角度指定データの表示種類を「最適傾斜角」にしてください。
引用元:「MANSOLA-20」
するとグラフの表示が切り替わるので、次の手順へ進みましょう。
NEDOデータベースの利用手順③:「平均」に表示されるのが最適傾斜角
出てきたグラフの「平均」に表示された角度が、その地点における最適傾斜角となります。今回の東京都新宿区の1地点においては、37度がもっとも年間の発電量が大きくなりやすい角度ということです。
引用元:「MANSOLA-20」
この手順を用いて、お住まいの地域の最適傾斜角もチェックしてみましょう。
●地域ごとのソーラーパネル最適傾斜角の例
ここでは先ほどの「MANSOLA-20」を用いて調べた、国内主要地域における最適傾斜角の例を紹介します。
地点 | 最適傾斜角 |
北海道札幌市 | 38度 |
宮城県仙台市 | 38度 |
東京都新宿区 | 37度 |
大阪府大阪市 | 33度 |
福岡県福岡市 | 31度 |
沖縄県那覇市 | 22度 |
※地点は主要駅のすぐそばを選択しています。
北海道と沖縄では最適傾斜角が16度も変わります。発電効率に大きく影響するため、必ず最適傾斜角をチェックしてから設置しましょう。
ソーラーパネルの角度が最適になりやすい3つの屋根の種類
ソーラーパネルを最適傾斜角で設置できるかどうかは、屋根の種類によっても異なります。下記の3種類なら最適傾斜角で設置しやすいでしょう。
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・切妻屋根
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・寄棟
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・片流れ
それぞれ解説していきます。
●屋根の種類①:切妻屋根
2枚の長方形で構成された、ごく一般的な「切妻屋根」はソーラーパネルを最適傾斜角で設置しやすいです。片側が南向きになっていれば、最高効率での発電に期待できます。切妻屋根の方はぜひソーラーパネルの設置を検討しましょう。
●屋根の種類②:寄棟
寄棟とは2枚の台形と2枚の三角形を組み合わせた屋根の種類です。いずれか一面が南側になるため、高確率で最適傾斜角でのソーラーパネルを設置できます。ただし三角形の面が南側の場合は、設置できるパネルの枚数が少なくなってしまうので注意しましょう。
●屋根の種類③:片流れ
長方形または正方形1枚で構成された屋根を「片流れ」といいますが、流れる方向が南側の場合は最高効率での発電に期待できます。屋根の面積も広く、他の種類の屋根よりも多くのパネルを積んで発電量を大きくできるでしょう。ただし南側以外の場合は、発電量が非常に小さくなるので注意してください。
ソーラーパネルの設置角度に関する3つの注意点
ソーラーパネルの設置角度について、下記3つの注意点を押さえておきましょう。
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・真南以外の場合は最適傾斜角よりも浅めの角度で設置する
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・雪国では傾斜をつけたほうが良い場合もある
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・反射光による光害にも注意が必要
それぞれの注意点について詳しく解説します。
●注意点①:真南以外の場合は最適傾斜角よりも浅めの角度で設置する
東西に寄った向きの場合は、少し浅めの角度でソーラーパネルを設置しましょう。NEDOデータベースで確認できる最適傾斜角は、あくまで「真南」の向きにソーラーパネルを設置した場合のものです。浅めの角度にすることでまんべんなく光が当たり、効率的な発電が可能になります。最高効率で発電できる角度は条件により異なるので、メーカーや施工会社に相談してみてください。
●注意点②:雪国では傾斜をつけたほうが良い場合もある
雪国でのソーラーパネル設置時は、最適傾斜角よりも傾斜をつけたほうが良い場合もあるので注意が必要です。一般的にソーラーパネルは雪が滑り落ちやすく積もりづらい設計となっていますが、雪の量があまりに多い場合はパネル上に積雪するリスクがあります。
積雪すると太陽光が当たらなくなってしまうため、発電量が著しく減ってしまうでしょう。そこで少し傾斜角をきつくすれば、積雪を回避できる可能性があります。多少の雪なら最適傾斜角での設置がベターですが、数10cm~100cmほど積もる地域では角度をつけることも検討してみてください。
●注意点③:反射光による光害にも注意が必要
ソーラーパネルの角度によっては、近隣住民へ反射光による「光害」の被害をもたらす可能性があるので注意してください。ソーラーパネルによる光害で裁判沙汰になった事例がいくつかあります。過去にはT社施工のソーラ―パネルが隣人に健康被害をもたらしたと判断され、損害賠償請求が認められた判例もありました。
参考:エイトホーム
各社こうした光害による隣人トラブルに敏感になっているため、メーカー・施工会社の多くは反射光による影響がないか設置前にシミュレーションしてくれます。後からトラブルにならないよう、しっかりと設置して問題がないか確認しておきましょう。
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●おすすめ①:Jackery Solar Generator 2000 Plus
ソーラーパネルが最高効率で発電できる角度は「南向きの30度」です。現実的に入射角に対して30度を保ち続けるのはほぼ不可能なため、NEDO日射量データベースの「MANSOLA-20」で調べられる最適傾斜角に合わせて設置するのがおすすめです。最適傾斜角は地域により変わるので、ソーラーパネルの設置前にはお住まいの地域を確認しておきましょう。
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