農業とアウトドアの新しい形 遠藤篤法

目の前には山が連なり、広大な畑が広がっている。

取材に訪れたのは、神奈川県相模原市緑区。津久井湖の近くに位置するこの場所は、都心から高速道路で約1時間ほどの距離でありながら、道志川が流れる、のどかな場所だ。

今回取材をする、遠藤篤法さんは代々木上原で22年続くダイニングバーのお店を経営する一方で、この地で農業も行っている。その遠藤さんが、農業とアウトドアを組み合わせた計画を進めていると聞き、話を伺ってみることにした。

目の前には山が連なり、広大な畑が広がっている。

取材に訪れたのは、神奈川県相模原市緑区。津久井湖の近くに位置するこの場所は、都心から高速道路で約1時間ほどの距離でありながら、道志川が流れる、のどかな場所だ。

今回取材をする、遠藤篤法さんは代々木上原で22年続くダイニングバーのお店を経営する一方で、この地で農業も行っている。その遠藤さんが、農業とアウトドアを組み合わせた計画を進めていると聞き、話を伺ってみることにした。

キャンプと農業体験を一緒に楽しむ

「ここは栗の木を植えています。木と木の間隔を広く取り、畑の中にテントを張れるようにする予定です」

遠藤さんが考えているのは、農業体験とアウトドアの組み合わせだ。

「来ていただいた方には、野菜の収穫などの農業体験をしていただき、さらにキャンプも楽しんでもらう。近くには道志川もありますし、目の前の竹林の竹を器にして美味しいタケノコご飯を食べることもできます」

畑の中のキャンプの他に、近くの一軒家をリノベーションしたゲストハウスやコテージの建設も計画中だ。アウトドアを取り入れているのは、自身の経験からだという。

「奥多摩のキャンプ場によく行ってましたね。駅前のガソリンスタンドが友人の実家だったので、事前に食材を送っておいて、みんなで集まってBBQやキャンプを楽しんでいました」

代々木上原のダイニングバーと時折楽しむキャンプ。そんな日々が変わったきっかけは東日本大震災だった。

「実家は福島で昔から田んぼとりんご園の専業農家をしていました。震災当時は、同じ場所で継続できるか分からず、移転先を探す必要がありました。色々と候補地を探しましたが、結局、移転はしなくて済みました。その時の候補地の一つがこの場所でした」

自然豊かなこの場所が気に入った遠藤さんは、土地を借り、小屋を建て、友人たちと畑を作り始めた。週に何度か訪れて畑を耕し、焚火を楽しむ日々が2年ほど過ぎた頃、地主の方から隣の地主さんを紹介してもらい、その土地も借りることになった。こうして次第に畑の規模が広がっていったという。

「ここは栗の木を植えています。木と木の間隔を広く取り、畑の中にテントを張れるようにする予定です」

遠藤さんが考えているのは、農業体験とアウトドアの組み合わせだ。

「来ていただいた方には、野菜の収穫などの農業体験をしていただき、さらにキャンプも楽しんでもらう。近くには道志川もありますし、目の前の竹林の竹を器にして美味しいタケノコご飯を食べることもできます」

畑の中のキャンプの他に、近くの一軒家をリノベーションしたゲストハウスやコテージの建設も計画中だ。アウトドアを取り入れているのは、自身の経験からだという。

「奥多摩のキャンプ場によく行ってましたね。駅前のガソリンスタンドが友人の実家だったので、事前に食材を送っておいて、みんなで集まってBBQやキャンプを楽しんでいました」

代々木上原のダイニングバーと時折楽しむキャンプ。そんな日々が変わったきっかけは東日本大震災だった。

「実家は福島で昔から田んぼとりんご園の専業農家をしていました。震災当時は、同じ場所で継続できるか分からず、移転先を探す必要がありました。色々と候補地を探しましたが、結局、移転はしなくて済みました。その時の候補地の一つがこの場所でした」

自然豊かなこの場所が気に入った遠藤さんは、土地を借り、小屋を建て、友人たちと畑を作り始めた。週に何度か訪れて畑を耕し、焚火を楽しむ日々が2年ほど過ぎた頃、地主の方から隣の地主さんを紹介してもらい、その土地も借りることになった。こうして次第に畑の規模が広がっていったという。

「いま私が借りている畑は、地主さんが何人もいるのですが、みなさん後継者不足で悩まれていた。もともとは牧草地で地元の方が手入れはしていたのですが、誰も使っていない状態でした。そこを有効活用できるなら、と声をかけていただいたのです」

さらに近くの一軒家も借りることになった。

「こちらも後を継ぐ人がいなくなり、空き家になっていた。江戸時代に建てられたとても古い家なのですが、こちらをお借りして活動拠点にすることにしました」

この地域の子どもの数は年々減少傾向にあり、地域のお祭りも昨年で終わりになってしまったという。のどかに見えたこの町の中で、過疎化は確実に進行し、跡継ぎのいない畑は放置され、空き家は増加していた。

そんな時に遠藤さんが取り入れたのが「シェアファーム」だった。

「自分だけで農業するのではなく2014年2月に『アビオフォーム』という組織にして、会員を募り、みなさんが農業体験できる『シェアファーム』として活用することにしました」

『アビオファーム』では会費を払えば、収穫した野菜が自宅に届くサービスも行っている。

「畑が管理できずに困っている人、農業を体験してみたい人、美味しい野菜が食べたい人の循環を作り出すことで、農業が一つのハブになって、地域の過疎の問題に貢献できるかもしれないと思っています」

「いま私が借りている畑は、地主さんが何人もいるのですが、みなさん後継者不足で悩まれていた。もともとは牧草地で地元の方が手入れはしていたのですが、誰も使っていない状態でした。そこを有効活用できるなら、と声をかけていただいたのです」

さらに近くの一軒家も借りることになった。

「こちらも後を継ぐ人がいなくなり、空き家になっていた。江戸時代に建てられたとても古い家なのですが、こちらをお借りして活動拠点にすることにしました」

この地域の子どもの数は年々減少傾向にあり、地域のお祭りも昨年で終わりになってしまったという。のどかに見えたこの町の中で、過疎化は確実に進行し、跡継ぎのいない畑は放置され、空き家は増加していた。

そんな時に遠藤さんが取り入れたのが「シェアファーム」だった。

「自分だけで農業するのではなく2014年2月に『アビオフォーム』という組織にして、会員を募り、みなさんが農業体験できる『シェアファーム』として活用することにしました」

『アビオファーム』では会費を払えば、収穫した野菜が自宅に届くサービスも行っている。

「畑が管理できずに困っている人、農業を体験してみたい人、美味しい野菜が食べたい人の循環を作り出すことで、農業が一つのハブになって、地域の過疎の問題に貢献できるかもしれないと思っています」

都市と地方の価値の違い

その後、我々は車で5分ほどのブルーベリー畑とコテージの建設を検討している場所を見学させていただいた。

そこには水が湧き出る沢があり、近くには青く澄んだ道志川が流れている。いまブルーベリー畑になっている場所も、借りた当初は森のように木が生い茂っていたという。

その後、我々は車で5分ほどのブルーベリー畑とコテージの建設を検討している場所を見学させていただいた。

そこには水が湧き出る沢があり、近くには青く澄んだ道志川が流れている。いまブルーベリー畑になっている場所も、借りた当初は森のように木が生い茂っていたという。

「最初にこの場所を借りたいです、と地主の方に声をかけた時は『ここが有効活用できるなら』という感じでした。地元の人たちにとっては当たり前に感じている光景が、アウトドアや農業をやりたい人間にとっては価値がある。価値が違うんだなと思いましたね。この沢もあまり人が使っている状態ではなかったので、地主の方から手入れをしても良いという許可をいただき、これから整備をする予定です。最終的には車椅子の方でも来れるように整えようと思います」

続いてコテージを建てようと検討している場所を見せていただくと、現在は竹や木がびっしりと生い茂っていた。この場所を切り開き、小屋を建てたいという。

「入口に飲み物や道具などを販売する小屋を作って、コテージを数軒建てる計画です。注文があれば料理も提供するので手ぶらで楽しむグランピングも可能です。1軒1軒の距離もあるので、プライベート空間を確保できます」

コテージでの宿泊に加えて、ブルーベリー畑の間にテントを張って泊まることもできるという。

これらの施設は、キャンプ場として開放するのではなく、あくまで遠藤さんが運営する『アビオファーム』の会員を中心に利用してもらい、そこから紹介の形でビジターも利用できるようにするという。

「身の丈にあった運営しかできないので、管理人を置いて運営する方式ではなく、何度か利用して慣れている会員の方がビジターの方をお連れして宿泊する、という形で運営する予定です」

「最初にこの場所を借りたいです、と地主の方に声をかけた時は『ここが有効活用できるなら』という感じでした。地元の人たちにとっては当たり前に感じている光景が、アウトドアや農業をやりたい人間にとっては価値がある。価値が違うんだなと思いましたね。この沢もあまり人が使っている状態ではなかったので、地主の方から手入れをしても良いという許可をいただき、これから整備をする予定です。最終的には車椅子の方でも来れるように整えようと思います」

続いてコテージを建てようと検討している場所を見せていただくと、現在は竹や木がびっしりと生い茂っていた。この場所を切り開き、小屋を建てたいという。

「入口に飲み物や道具などを販売する小屋を作って、コテージを数軒建てる計画です。注文があれば料理も提供するので手ぶらで楽しむグランピングも可能です。1軒1軒の距離もあるので、プライベート空間を確保できます」

コテージでの宿泊に加えて、ブルーベリー畑の間にテントを張って泊まることもできるという。

これらの施設は、キャンプ場として開放するのではなく、あくまで遠藤さんが運営する『アビオファーム』の会員を中心に利用してもらい、そこから紹介の形でビジターも利用できるようにするという。

「身の丈にあった運営しかできないので、管理人を置いて運営する方式ではなく、何度か利用して慣れている会員の方がビジターの方をお連れして宿泊する、という形で運営する予定です」

これらのアウトドア施設もあくまで農業とセットになっている。

「例えば家族連れで訪れていただき、ブルーベリー畑の収穫を楽しんでもらい、道志川で川遊びした後に、そのまま畑の中にテントを張って宿泊していただく。農業とアウトドアを一緒に楽しむ。子どもは自然から多くのことを学びます。自然を相手に自分で考えて工夫をすることで、頭も柔らかくなります」

さらに、こうした活動は、自閉症やパニック障害などの精神疾患の方にも効果があるという。

「そうした方も受け入れており、来てくださった方には、自然に囲まれた環境で『好きにしていいよ』とだけ伝えます。いつも何かしなさい、と言われたり、これをやらなくては、と思うことが多い中、ただ自然の中でゆっくりした時間を過ごすだけで人は癒されていきます」

遠藤さんは農業体験、キャンプの他に、福祉にも力を入れて行きたいという。

「テレビで児童虐待などの嫌なニュースを見ることが増えてきました。自分のできることは限られてますが、少しでもマシな世の中になるように、と考えた結果、福祉もやっていきたいと思い、コロナ期間中に福祉の資格を2つ取りました」

これらのアウトドア施設もあくまで農業とセットになっている。

「例えば家族連れで訪れていただき、ブルーベリー畑の収穫を楽しんでもらい、道志川で川遊びした後に、そのまま畑の中にテントを張って宿泊していただく。農業とアウトドアを一緒に楽しむ。子どもは自然から多くのことを学びます。自然を相手に自分で考えて工夫をすることで、頭も柔らかくなります」

さらに、こうした活動は、自閉症やパニック障害などの精神疾患の方にも効果があるという。

「そうした方も受け入れており、来てくださった方には、自然に囲まれた環境で『好きにしていいよ』とだけ伝えます。いつも何かしなさい、と言われたり、これをやらなくては、と思うことが多い中、ただ自然の中でゆっくりした時間を過ごすだけで人は癒されていきます」

遠藤さんは農業体験、キャンプの他に、福祉にも力を入れて行きたいという。

「テレビで児童虐待などの嫌なニュースを見ることが増えてきました。自分のできることは限られてますが、少しでもマシな世の中になるように、と考えた結果、福祉もやっていきたいと思い、コロナ期間中に福祉の資格を2つ取りました」

「循環」させることで問題を解決していく

遠藤さんに話を伺っていると「循環」が一つのキーワードになっていることに気づく。

例えば、いま実家でリンゴを育てており、弟が一人で作業しているので、それを解決したいと考えた結果、リンゴでシードルを作る計画を進めているという。

「工場ができれば人を雇うこともできる、また作ったシードルはこちらで定期的に行っているマルシェなどで販売することもできる。こうして循環をさせることで2つ、3つの問題を解決し、同時に持続性も作ることができる。何か解決したい問題が起きた時は、それをどう循環させるか、ということを意識していますね」

「シェアファーム」の運営に加えて、キャンプ場やコテージ、ゲストハウスの開設を7月以降順次進めるという遠藤さんに、地域の方と上手く付き合う方法について聞いてみた。

「挨拶ですね。挨拶は大事です。それと、どういう意図でやっているのか、何を計画しているのか、事前にきちんと説明する。跡継ぎの方は地元にはいないので、その方の住む場所まで行って話をして理解してもらう。あとは行政の方に事前に一報入れてもらうようにしていますね。こういう方が挨拶にいきますと。そういう地道な活動が大事ですね」

最後に今後のことについて聞いてみた。

「空き家問題や手入れができない畑の問題は、ここだけではなく、日本全国で起きていることです。その一方で二拠点生活を試してみたい人や自然を愛している人、畑仕事をやってみたい人がいる。私は農業が一つのハブになって、色々な問題が解決できるのでは、と現在の活動を進めています。ここでの活動はほかの地域でも応用可能なことなので、この活動が全国に広がっていくといいですね」

遠藤さんに話を伺っていると「循環」が一つのキーワードになっていることに気づく。

例えば、いま実家でリンゴを育てており、弟が一人で作業しているので、それを解決したいと考えた結果、リンゴでシードルを作る計画を進めているという。

「工場ができれば人を雇うこともできる、また作ったシードルはこちらで定期的に行っているマルシェなどで販売することもできる。こうして循環をさせることで2つ、3つの問題を解決し、同時に持続性も作ることができる。何か解決したい問題が起きた時は、それをどう循環させるか、ということを意識していますね」

「シェアファーム」の運営に加えて、キャンプ場やコテージ、ゲストハウスの開設を7月以降順次進めるという遠藤さんに、地域の方と上手く付き合う方法について聞いてみた。

「挨拶ですね。挨拶は大事です。それと、どういう意図でやっているのか、何を計画しているのか、事前にきちんと説明する。跡継ぎの方は地元にはいないので、その方の住む場所まで行って話をして理解してもらう。あとは行政の方に事前に一報入れてもらうようにしていますね。こういう方が挨拶にいきますと。そういう地道な活動が大事ですね」

最後に今後のことについて聞いてみた。

「空き家問題や手入れができない畑の問題は、ここだけではなく、日本全国で起きていることです。その一方で二拠点生活を試してみたい人や自然を愛している人、畑仕事をやってみたい人がいる。私は農業が一つのハブになって、色々な問題が解決できるのでは、と現在の活動を進めています。ここでの活動はほかの地域でも応用可能なことなので、この活動が全国に広がっていくといいですね」

取材を終えて

農業とアウトドアという組み合わせに興味を持って取材に訪れてみたが、想像以上に興味深い話を伺うことができた。

都心から1時間程度の自然豊かな環境にありながら、過疎化の問題が進んでおり、その一方で、その自然に価値を見出した遠藤さんが農業のために環境を整備し、農業体験のために訪れた人がアウトドアを楽しみながら、自然の中で癒されて帰っていく。

また、アウトドア好きとしては、竹やぶを切り開いてコテージを作るなんて、ワクワクしてしまう話だが、同時にそれが高齢化や後継者不足によって、手入れができずに困っている地域の方にとってもメリットのある話になっている。キャンプ場にいってキャンプをするだけではない、アウトドア好きにできる地域貢献の話になっている点も、アウトドアの可能性を感じる話だった。

2022年7月以降は、一軒家をリノベーションしたゲストハウス、民泊施設やコテージなども順次オープンする予定だ。

アビオファームの活動の記録は、下記のフェイスブックで公開している。一般の方が参加できるイベントなども行っているので、興味のある方は、まずはそういったところに足を運んで体験をしてみてはいかがだろうか。

https://www.facebook.com/groups/133704495532519

農業とアウトドアという組み合わせに興味を持って取材に訪れてみたが、想像以上に興味深い話を伺うことができた。

都心から1時間程度の自然豊かな環境にありながら、過疎化の問題が進んでおり、その一方で、その自然に価値を見出した遠藤さんが農業のために環境を整備し、農業体験のために訪れた人がアウトドアを楽しみながら、自然の中で癒されて帰っていく。

また、アウトドア好きとしては、竹やぶを切り開いてコテージを作るなんて、ワクワクしてしまう話だが、同時にそれが高齢化や後継者不足によって、手入れができずに困っている地域の方にとってもメリットのある話になっている。キャンプ場にいってキャンプをするだけではない、アウトドア好きにできる地域貢献の話になっている点も、アウトドアの可能性を感じる話だった。

2022年7月以降は、一軒家をリノベーションしたゲストハウス、民泊施設やコテージなども順次オープンする予定だ。

アビオファームの活動の記録は、下記のフェイスブックで公開している。一般の方が参加できるイベントなども行っているので、興味のある方は、まずはそういったところに足を運んで体験をしてみてはいかがだろうか。

https://www.facebook.com/groups/133704495532519

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