アンペア・ボルト・ワットの違いとは?普段使いの家電を例に徹底解説
「アンペア・ボルト・ワットって昔習ったけど、イマイチ理解できないまま大人になってしまった…」今回はこのようなお悩みを解決すべく、アンペア・ボルト・ワットの違いを基本から徹底解説します。この記事を読めば、家電選びや節電のポイントも理解しやすくなるでしょう。
アンペア・ボルト・ワットの違い
さっそくアンペア・ボルト・ワットの違いについて見ていきましょう。
●アンペア(A):電気の流れる量のこと
アンペア(A)とは電気の流れる量、すなわち「電流」の量を指します。数値が大きいほど、より多くの電気が流れているということです。
家庭で電気を使う際には、電力会社と使用契約を結びます。その際、多くの電力会社で採用している契約プランが「アンペア制」です。より多くの電気を同時に使いたいなら、アンペア数が大きく料金の高いプランを契約しなければいけません。
もし契約しているアンペア数を超える電気を使い続けると、ブレーカーが落ちて一時的に停電状態になります。ブレーカーを戻せば電気は復活しますが、同じだけ電気を使えばまた停電します。「アンペア(A)」は私たちの生活における「電力プラン」と密接にかかわっていることをぜひ覚えておきましょう。
●ボルト(V):電気を押し出す力のこと
ボルト(V)とは電気を押し出す力、すなわち「電圧」の大きさを表しています。電圧が大きいほど、より多くの電流が流れるという仕組みです。
よくコンセントや家電に貼られているシールに「100V」と記載があるのを見かけるのではないでしょうか。日本の電力会社は一般的に100Vの電圧を提供しており、家電をコンセントに繋ぐと100Vの電圧がかかります。国内のほとんどの家電は、100Vの電圧がかかると動作するように設計されています。
なお海外では100V以外の電圧が採用されている場合があるため、日本の家電はそのまま使えません(コンセントの形状も違います)。また一部の大型家電・産業用機械には200V電源が必要となり、別途契約しなければならない場合もあります。
●ワット(W):一定時間で消費される電気エネルギーのこと
ワット(W)とは一定時間で消費される電気エネルギー、すなわち「消費電力」です。数値が大きいほど、より多くの電気エネルギーを消費しています。ワットは下記の数式で求められます。
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·ワット(W)=ボルト(V)×アンペア(A)
たとえばボルトが100Vでアンペアが5Aなら、ワットは500Wとなります。ちなみに一定時間とは一般的に1時間のことを指すため、この場合は「1時間で500Wの電気エネルギーを消費している」といえるでしょう。
●【番外編】ワットアワー(Wh):1時間で消費する電気エネルギーのこと
もうひとつ押さえておきたい単位に「ワットアワー(Wh)」があります。ワットアワーとは「1時間で消費する電気エネルギー」のことです。「Wh」の「h」が「1時間」を指しています。
家庭の電気料金は、一般的に「1ヶ月で何kWh(キロワットアワー:1kWh=1,000Wh)電気を使ったか」を基準に計算されるため、ワットアワーは私たちの生活においても頻繁に見かけるでしょう。
またワットアワーは「ポータブル電源」など、蓄電池の容量の単位としても用いられます。ワットアワーを理解すれば「この蓄電池はどれだけの時間使えるのか」という基準も分かりやすくなるので、ぜひ覚えておいてください。
アンペア・ボルト・ワットとあわせて押さえておきたい「消費電力」の仕組み
アンペア・ボルト・ワットとあわせて、ぜひ基礎知識として下記3つの仕組みを覚えておきましょう。
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·消費電力
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·定格消費電力
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·年間消費電力
それぞれ詳しく解説します。
●消費電力:家電を使うときに消費する電力の量
消費電力とは、文字通り家電を使うときに消費する電力の量を指します。家電の説明書・仕様書などに記載されている、ワット(W)で表された「消費電力」のことです。
たとえば強運転・弱運転を切替できる「こたつ」の消費電力欄に「強500W/弱100W」と記載があった場合、強運転時に500W、弱運転時に100Wの電力を消費することを示しています。家電や運転方式によって消費電力は大きく異なるので覚えておきましょう。
●定格消費電力:JIS規格に基づいた消費電力
定格消費電力とは「JIS規格に基づいた消費電力」のことを指します。簡潔にわかりやすくいうと、その家電を最大の出力で使ったときの消費電力が「定格消費電力」です。
たとえばホットプレートはある程度プレートが暖まるまで最大出力で動作するため、定格消費電力とほぼ同等の電力を消費しているでしょう。しかしプレートが温まってきたら出力を下げて保温すればよく、消費電力も同時に低下します。
定格消費電力について注意したいのは、コンセント以外から家電に給電する場合。たとえばポータブル電源で家電を動かす場合、ポータブル電源の「定格出力(W)」が家電の「定格消費電力(W)」を上回っていないと動作しません。ポータブル電源をはじめとする蓄電池選びの際は、家電の定格消費電力をしっかりとチェックする必要があるでしょう。
●年間消費電力:実際の使用条件を加味した1年間の必要電力量の目安
年間消費電力とは「実際の使用条件を加味した1年間の必要電力量の目安」のこと。先ほどのホットプレートのように家電の実際の消費電力にはバラつきがありますが、年間消費電力を見れば平均を取った場合にどれだけ電力を消費するのか分かります。
特に冷蔵庫や洗濯機のような「ほぼ毎日使う家電」の場合、年間消費電力を比較して選べば電気代を節約できる場合があります。家電の仕様書・説明書などに記載がある場合が多いので、購入を検討する際はぜひチェックしておきましょう。
普段使いの家電のアンペア・ワットはどのくらい?
ここからは「普段使いの家電はどれだけのアンペア数で、ワット数(消費電力)はどのくらいなのか?」という点について解説します。これからの家電選びや電力プラン切替の参考にしてみてください。
※「東京電力エナジーパートナー」や各メーカーサイトを参考に作成しています。実際のアンペア数・ワット数については、各家電の説明書や仕様書をご確認ください。
●10畳用エアコン
10畳用エアコンのアンペア数・ワット数の目安は下記のとおりです。
運転タイプ | アンペア数 | ワット数 |
冷房 | 5.8A | 580W |
暖房 | 6.6A | 660W |
エアコンは起動時に2,000W近い電力を消費しますが、通常時は1,000Wを切るのが一般的です。
●42型テレビ
テレビ(42型)のアンペア数・ワット数の目安は下記のとおりです。
画面タイプ | アンペア数 | ワット数 |
液晶 | 2.1A | 210W |
プラズマ | 4.9A | 490W |
液晶テレビよりもプラズマテレビのほうが圧倒的に消費電力が大きいです。2023年現在、各メーカーのプラズマテレビの生産は終了していますが、中古品を購入する場合は注意してください。
●サイクロン式掃除機
掃除機(サイクロン式)のアンペア数・ワット数の目安は下記のとおりです。
運転タイプ | アンペア数 | ワット数 |
弱 | 2A | 200W |
強 | 10A | 1,000W |
安価なモデルに多い「紙パック式」は強運転で消費電力1,200Wを超えることも。意外にも「10分で5円」程度の電気代がかかるので、頻繁に掃除する人や家が広い人はエコなモデルを選んで節約するのも一考です。
●450L冷蔵庫
冷蔵庫(450L)のアンペア数・ワット数の目安は下記のとおりです。
アンペア数 | ワット数 |
2.5A | 250W |
記事の後半でも触れていますが、冷蔵庫のエコ性能はめまぐるしく進化しています。電気代を抑えたいなら新しめのモデルを選ぶのがおすすめです。
●電子レンジ
電子レンジ(最大1,500Wモデル)のアンペア数・ワット数の目安は下記のとおりです。
アンペア数 | ワット数 |
15A | 1,500W |
ほとんどの家庭で、もっともアンペア数の大きい家電といえば電子レンジでしょう。電力会社で契約するアンペア数は「電子レンジと同時にどの家電を使うか」で決めるのがおすすめです。
●5.5合炊きIH炊飯器
IH炊飯器(5.5合炊き)のアンペア数・ワット数の目安は下記のとおりです。
アンペア数 | ワット数 |
13A | 1,300W |
炊飯時、最大で1,300Wという非常に大きな電力を消費しています。ただしお米の量や状態によって出力を変えているため、常に1,300Wで動いているわけではありません。ちなみに1人暮らし用の1合炊き炊飯器はわずか4A・400Wほどで動くので、ミニマムな生活がしたい方におすすめです。
●卓上食洗器
食洗器(卓上タイプ)のアンペア数・ワット数の目安は下記のとおりです。
運転タイプ | アンペア数 | ワット数 |
食洗 | 6A | 600W |
乾燥 | 12A | 1,200W |
参考:Panasonic
乾燥時には炊飯器とほぼ同じ最大1,200Wの電力を消費しますが、食洗の段階では半分の600Wほどしか使いません。なお乾燥スピードが速いモデルは消費電力も大きい傾向がありますが、稼働時間が短く済み電気代は大きく変わらないので覚えておきましょう。
●ヒーター式・ドラム式洗濯乾燥機
ドラム式洗濯乾燥機(ヒーター式・容量9kg)のアンペア数・ワット数の目安は下記のとおりです。
運転タイプ | アンペア数 | ワット数 |
洗濯 | 2A | 200W |
乾燥 | 13A | 1,300W |
洗濯乾燥機も、やはり乾燥時に大きな電力を消費します。ちなみに「ヒートポンプ式」のドラム式洗濯乾燥機なら、消費電力を3分の2程度に抑えられます。ただし本体価格が高いので、洗濯頻度がよほど多くないと元を取るのは難しいでしょう。
●アイロン
アイロンのアンペア数・ワット数の目安は下記のとおりです。
アンペア数 | ワット数 |
14A | 1,400W |
高温を保つためにアイロンは非常に大きな電力を消費します。なるべく短時間で済ませるのが節電のコツです。
●ドライヤー
ドライヤーのアンペア数・ワット数の目安は下記のとおりです。
アンペア数 | ワット数 |
12A | 1,200W |
上記はあくまで最高出力で動かした場合のアンペア数・ワット数です。冷風や弱風の場合、消費電力は半分以下に抑えられるでしょう。ただし髪を乾かすのに時間がかかれば、当然トータルの消費電力も大きくなるので注意してください。
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アンペア・ワットを意識して電気代を節約する3つの方法
アンペア・ワットを意識すれば、下記3つの方法で電気代を節約できます。
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·電気のアンペア契約を見直す
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·年間消費電力の小さい省エネ家電に切り替える
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·ポータブル電源&ソーラーパネルを導入する
ぜひ出費を減らせそうかチェックしてみてください。
●方法①:電気のアンペア契約を見直す
一度電気のアンペア契約を見直してみると良いでしょう。契約しているアンペア数を下げれば、電気の基本料金も安くなります。たとえば東北電力の場合、アンペア数ごとの基本料金は下記のとおりです。
契約アンペア数 | 基本料金(月額税込) |
10 | 369円60銭 |
15 | 554円40銭 |
20 | 739円20銭 |
30 | 1,108円80銭 |
40 | 1,478円40銭 |
50 | 1,848円00銭 |
60 | 2,217円60銭 |
参照元:東北電力
たとえば30アンペアから20アンペアに切り替えれば月369円60銭、年間4,435円の節約になります。消費電力の大きい家電を同時に使うことがないなら、ぜひ一度切り替えを検討してみてください。
●方法②:年間消費電力の小さい省エネ家電に切り替える
家電の買い替えの際は、ぜひ年間消費電力の小さい「省エネ家電」への切り替えを検討してみてください。近年のエコ家電の進化はめまぐるしく、家電によっては年間消費電力がここ10年で半分近くまで下がっています。たとえば冷蔵庫の年間消費電力は、2011年の製品が440~500kWh/年なのに対し、2021年の製品は約半分の平均269kWh/年です。
※参考:一般財団法人家電製品協会
現在の電力料金目安単価(31円/kWh)を基準に考えると、年間5,301円~7,161円ほど電気料金に差があるのが分かります。昔の製品とあまり性能が変わらない安価なものを買ったり、中古品を購入したりするよりもトータルコストがお得に済む可能性が高いです。買い替えの際は、省エネ家電もひとつの選択肢に入れてみましょう。
●方法③:ポータブル電源&ソーラーパネルを導入する
「ポータブル電源」と「ソーラーパネル」のセット品を導入して、お手軽で本格的な「太陽光発電システム」を構築するのもおすすめです。昼間にソーラーパネルでポータブル電源を充電して、夜間にポータブル電源から家電に給電すれば電気代がかかりません。
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