非常用発電機は家庭用向き?メリット・デメリットや最強の非常用電源を紹介
自然災害に備えて避難場所の想定や防災グッズ、非常食などを確保している家庭はあっても停電への備えまでできている家庭は少ないです。万が一に備えて非常用発電機を備えておきたいと考えるけれど、家庭としてベストな選択なのか迷っている家庭は多いのではないでしょうか。今回は、非常用発電機は家庭用向きなのかや、メリット・デメリットについてと最強の非常用電源を紹介します。
家庭に非常用電源が必要な理由
非常用電源が家庭にあれば、主に下記の3つの「電気があれば普通にできること」が停電時でも行えます。
・家族や友達への緊急連絡
・電力が必要なデバイスや家電製品の稼働
・電力が必要な照明機器の稼働
普段の生活では、特に不自由なく上記のことができます。しかし自然災害が起きて停電すると、当たり前にできていたことが行えません。
自然災害が多い日本で生活をするうえで、万が一に備えて家庭に非常用電源を置くのは大切です。持ち運びできる発電機や蓄電式ポータブル電源があれば、電力が復旧するまでの間、安心して行動できるようになります。
特にスマホが使えれば、避難場所へのナビや災害の被害状況など緊急に必要な情報を得られるので、最低限スマホを充電できる環境は必要でしょう。
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非常用発電機は家庭用向き?
非常用発電機5つのメリット
家庭用としては向きませんが、非常用発電機には主に下記の5つのメリットがあります。
・導入費用が安い
・色々な容量のタイプがある
・電力をすぐに作りだせる
・出力電力が大きい
・充電する必要がない
それぞれ見ていきましょう。
導入費用が安い
非常用発電機は蓄電池と比べると、導入費用を安く抑えられるためコストパフォーマンスが良いです。容量が違うタイプが色々あるので価格もピンキリですが、例えば900Wの小型タイプだと5万円~6万円ほどで買える場合もあります。
持ち運びできるサイズの非常用発電機の場合、設置工事をしなくて済むので業者に依頼する費用も考えなくて良い分、初期費用も安く抑えられるでしょう。
色々な容量のタイプがある
非常用発電機は、1,000W以下の小型タイプ~3,000W以上のタイプまで色々な容量のものが販売されていますが、大容量タイプは公共施設や避難所などの集団で利用するのに向いています。
家庭で使用する非常用発電機は、出力電力が1,000W以下の小型タイプでも十分な活躍をしてくれるでしょう。「ガソリン・ディーゼル・ガス」などの燃料さえ確保できれば、長時間電力供給が可能になるため自然災害や停電時には重宝されます。
電力をすぐに作りだせる
非常用発電機はいざという時に活用できなければ、非常用電源として全く役に立ちません。家庭での電力供給が遮断されたり、外で電気が必要になったりした時はすぐに電力を作りだせるので、緊急時の備えとして安心です。日常生活で電気が使えないと困ることはいくつもあります。
自然災害で停電になった際は、自宅だけではなく周辺の家庭でも同じ様に停電していて、電気が使えなくて困っているケースが多いです。そんな時に非常用発電機を1台所持していれば、困っている近隣住民の方に電力供給をしてあげられるので人助けにもなるでしょう。
出力電力が大きい
どこの家庭でも室内に色々な家電製品を置いているはずです。例えば、炊飯器を稼働させながら同時にエアコンを稼働させたり、複数の家電を使用することも珍しくありません。複数の家電製品を同時に使うとなると高い出力電力が必要です。
非常用発電機は、小型タイプ~出力電力が大きい大型発電機まで様々なタイプが販売しています。出力電力が大きければ、消費電力が大きい家電製品を同時にいくつも稼働できるのがポイントです。
充電する必要がない
非常用発電機は「ガソリン・ディーゼル・ガス」などの燃料で電力を作りだせるため、充電する必要がありません。小型タイプの発電機だと手軽に持ち運び可能で、どの場所でも即座に発電して家電製品やスマホ、パソコンなどのデバイスへ給電できます。
自然災害や停電などの緊急時には、ライフラインをまず一番に心配する家庭がほとんどでしょう。非常用発電機ですぐに電力を確保できると分かっていれば、非常事態が起きても安心感があります。
非常用発電機の8つのデメリット
メリットの多い非常用発電機ですが、主に8つのデメリットもあります。下記のデメリットが、非常用発電機が家庭用として向かない主な理由です。
・発電に燃料が必要
・排気ガスや一酸化炭素を排出する
・重量が大きいタイプは1人で持ち運びが困難
・燃料の量に対する発電効率が低い
・燃料の取り扱いや保管に気を遣う
・使用前後でメンテナンスが必要
・稼働音が大きい
・電気を貯めることができない
それぞれ詳しく見ていきましょう。
発電に燃料が必要
非常用発電機は電力をすぐに作りだせるといっても、発電には「ガソリン・ディーゼル・ガス」など燃料が必要です。もし自然災害や停電の際、非常用発電機に燃料が入っていなければ発電できないので役に立ちません。
燃料はいずれも火源があると、引火して爆発あるいは火災を発生させる原因になる危険物です。また、ガソリンで稼働する発電機に誤ってディーゼルを給油してしまうなど、燃料の入れ間違いをすると最悪の場合は故障してしまうので注意が必要です。
排気ガスや一酸化炭素を排出する
「ガソリン・ディーゼル・ガス」などの燃料が必要な非常用発電機は、排気ガスや一酸化炭素を排出します。排気ガスや一酸化炭素は人体に有害なので、密閉空間で稼働させると健康を害する可能性が高いので注意が必要です。必ず、空気の通りが良い場所や換気されているところで稼働させてください。
重量が大きいタイプは1人で持ち運びが難しい
非常用発電機は、家庭で非常用電源として使いやすい小型タイプでも数十kgの重量があります。自然災害や停電時には手軽に持ち運びできたほうが望ましいので、購入する際は重量も考えて選ぶことが大切です。
非常用発電機が重いと1人で持ち運ぶのが困難になってしまい、必要に迫られる場面でスムーズに電力の確保ができなくなってしまいます。
燃料の量に対する発電効率が低い
非常用電源としての使用を想定している非常用発電機は、燃料効率の良し悪しまであまり深く追求されていません。例えば燃料のガス缶1本で、60分~120分程度しか電力を作りだせない非常用発電機もあります。
燃料の量に対する発電効率が低いことを頭に入れておかないと、いざという時に燃料が足りなくて後悔します。稼働させる非常用発電機は、どのくらい燃料を入れたら満タンになるのか、運転できる時間はどのくらいかチェックしておいた方が良いでしょう。
燃料の取り扱いや保管に気を遣う
「ガソリン・ディーゼル・ガス」などの燃料が必要な非常用発電機は、取り扱いや保管をきちんと行わないと、引火して爆発あるいは火災が発生して大事故に繋がる恐れがあります。ガソリンやディーゼルは、必ず専用の容器に保管するようにしてください。
灯油を入れる容器にガソリンを入れて保管するなど、違う燃料同士を混油させると非常に危険です。また保存期間の過ぎた燃料は使えなくなってしまう場合があるため、常に保管にも気を遣わなければいけません。
使用前後でメンテナンスが必要になる
燃料を必要とする非常用発電機は、使用後はガソリンやディーゼルを抜いて事故に繋がらないように配慮した方が良いでしょう。また稼働させる前にも燃料やオイルが漏れていないか確認したり、部品が劣化や壊れていないか調べたりするなど使用前後でメンテナンスが必要になります。
非常用発電機のメンテナンスをおろそかにすると、大事故に繋がる恐れがあるので放置しすぎないようにしましょう。放置すると製品寿命を縮めることにも繋がるので、できれば1か月に一度は動かすのがおすすめです。
稼働音が大きい
非常用発電機は小型タイプであっても稼働音が大きい場合があります。発電機は静音仕様タイプも販売されていますが、それでも70db程度の騒音が出てしまうので注意が必要です。場合によっては近隣住民とトラブルになってしまうかもしれません。
非常用発電機を稼働させる機会は緊急時だけとは限りません。点検・整備をする時に稼働させる時点で「稼働音がうるさい」と周辺の家庭から指摘される可能性もあります。定期的なメンテナンスを自宅で行えないリスクも考慮しておきましょう。
電気を貯めることができない
非常用発電機は燃料で稼働させて発電できますが、貯めること(蓄電)はできません。なお蓄電式のポータブル電源なら、電気をバッテリーに貯められます。
非常用発電機は燃料を確保できれば発電し続けられますが、自然災害や停電時はやはり携帯性・持続性に注目した方が良いでしょう。持ち運びしやすく、充電もできる電源の方が圧倒的に緊急時に活躍します。
関連人気記事:停電対策はポータブル電源と発電機どちらがおすすめ?
非常用発電機以外で家庭に最適な非常用電源を紹介
非常用発電機は非常用電源として室内での使用ができないので、あまり一般家庭向きではありません。その点「ポータブル電源&ソーラーパネル製品」は家庭用に向いています。具体的に非常用発電機とポータブル電源について比較してみました。
項目 |
非常用発電機 |
|
非常用電源の最適な導入対象 |
一般家庭・個人 |
公共施設・避難所・集団 |
発電に必要なもの |
コンセント・太陽光 |
ガソリン・ディーゼル・ガス |
重さ |
携帯性を重視しているため軽量タイプが多い |
据え置き型で基本的に重い |
サイズ |
携帯性を重視しているためコンパクトタイプが多い |
据え置き型でポータブル電源よりも大きい |
定格出力 |
消費電力が大きい家電製品の稼働はあまり向いていない |
小型タイプでも出力電力が大きく複数の家電製品の稼働に強い |
稼働音 |
稼働音が小さく人が不快に感じにくい |
稼働音が大きく人が不快に感じやすい |
稼働時間 |
充電した分だけ使用できる |
燃料が尽きるまで稼働できる |
長時間の使用 |
ソーラーパネルがあれば何度でも充電して長時間使用可能 |
燃料さえあれば長時間運転が可能 |
メンテナンス性 |
自然放電を避けるため6ヶ月に1度充電すれば、ほぼメンテナンスフリー |
1ヶ月に1度の頻度で稼働させる必要があり、オイルの補給・交換や部品の定期的なメンテナンスが必要 |
寒冷地での使用 |
製品によるが-10℃まで稼働 |
寒冷地でも問題無く使用可能 |
建物の中での使用 |
コンパクトサイズなので室内でも使いやすく、排気ガスがでないため安心・安全に使用できる |
排気ガスを排出するため室内では使用できない |
ポータブル電源本体のみが事前に電力を蓄えて非常用電源として利用できるだけではなく、長時間の停電時に、ソーラーパネルを利用して太陽光発電により電力の自給自足ができます。
非常用のポータブル電源なら、「Jackery」がリリースするポータブル電源がおすすめです。「Jackery(ジャクリ)」のポータブル電源&ソーラーパネル製品は、一般社団法人防災安全協会の「防災製品等推奨品認証」を取得しています。停電時・非常時に安心・安全に活用できる製品だと証明済みです。
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まとめ
ソーラーパネルで充電できるポータブル電源は、電気で電力供給するので燃料が不要です。そして太陽光発電により電力の自給自足ができます。燃料が必要な非常用発電機と比較して安全性が高く、室内でも安心して使用できるのもポイントです。
家庭に非常用電源を備蓄するのであれば、安全性や利便性は無視できません。緊急時・自然災害・停電などに備えて、ぜひご家庭に1台ポータブル電源を用意してみてはいかがでしょうか。