1.停電で水道が止まるケースとは
停電で水道が止まる原因には、建物の給水方法が関係しています。水を家庭まで届ける過程に電気式のポンプが使われていると、停電と同時に断水が発生するのです。一戸建て・マンション・アパートのそれぞれで、停電と同時に水道が止まる可能性を見ていきましょう。
●一戸建ての場合
一戸建て住宅にお住まいの場合は、停電と同時に水道が止まる心配はほとんどいりません。一戸建てに採用されている一般的な給水方法は、直結直圧方式です。配水管内の水圧のみを使って家庭に給水しています。
給水の仕組みに電気が一切使用されていないため、停電が起きても問題なく水が使えます。ただし、停電によって浄水場自体が機能しなくなると断水が起きる場合もあるので、注意してください。
●マンション・アパートの場合
停電による断水リスクが最も高いのは、マンションやアパートの場合です。マンションやアパートの高層階は、直結直圧方式による水圧だけの力では弱く、家庭まで水を届けられません。そこで「受水槽式」や「直結増圧方式」が採用されています。
受水槽式と直結増圧方式の主な特徴は、以下のとおりです。
給水方法 |
特徴 |
受水槽式 |
・受水槽に貯めた水をポンプで各階や高置水槽に送る方法 ・ポンプで給水の圧力と水量を調節できる |
直結増圧方式 |
・給水管の途中に取り付けた増圧装置で、直接家庭に水を送る方法 ・停電時には給水管の圧力のみで送れる範囲まで給水する |
受水槽式と直結増圧方式には電気で動くポンプや装置が採用されているため、停電によって水道が止まる可能性があります。ただし、自家発電機を備えたマンションやアパートであれば、停電時も一定時間は水を家庭に送れます。
2.停電で水道が止まると生じるリスク
これまでに大規模な断水の経験がなければ、どのようなリスクが生じるのかイメージしづらいのではないでしょうか。日常生活において、水を使っている場面は数多く存在します。停電で水道が止まると生じるリスクを見ていきましょう。
●飲料水が確保できなくなる
停電による断水の最も重大なリスクと言えるのが、飲料水が確保できなくなることです。人間の体の約60%は水分でできており、10%以上失われると死に至る危険があります。家に備蓄していた飲料水が底を尽きてしまうと、外から調達しなければなりません。
停電が続くと、スーパーやドラッグストアの飲料水は、すぐに売り切れてしまう恐れがあります。幸運なことに飲料水が販売されていたとしても、停電で決済端末も使用できなくなっているため、現金を持っていなければ購入できません。
●衛生環境が悪化する
水道が止まると衛生環境が悪化し、健康障害をもたらす恐れがあります。停電による断水で衛生環境が悪化する主な原因は、以下のとおりです。
・綺麗な水で手を洗えない
・トイレで便を流せない
・体や頭を洗えない
・歯を磨けない
不衛生な状態が続くと、感染症や食中毒を引き起こすリスクがあります。また、断水が起きていると排泄物は滞留し、常に悪臭が充満した環境で過ごさなければなりません。
●生活の質が低下する
断水が起きると、洗濯や調理、シャワー、トイレなどの日常生活の基本的な行動が困難になり、生活の質が一気に低下します。生活の質が低下すれば、不便さや不快感がストレスになり、心の健康に影響を及ぼしかねません。仮に外から生活用水を確保できたとしても、基本的な生活に時間と労力が余計にかかり、生活リズムを崩す恐れがあります。
3.停電で水道が止まる事態への対策3選
停電はいつ起きるか分からないので、普段から水を備蓄しておく必要があります。停電による断水時に必要になるのは、飲料水と生活用水です。停電で水道が止まる事態への対策を、詳しく見ていきましょう。
●飲料水を備蓄しておく
停電による断水対策として備蓄すべき飲料水の量は、一人当たり1日3Lです(※1)。災害による停電は3日~1週間ほど続く恐れがあるため、最低でも3日分は確保しておきましょう。断水対策として備蓄する飲料水は、以下の基準で選ぶのがおすすめです。
・5年以上の保存期間がある
・普段から飲み慣れている軟水を選ぶ
・500mlと2Lをバランスよく購入する
●風呂の残り湯を翌日まで溜めておく
浴槽は最大200Lほどの水が貯められるので、生活用水の備蓄に最適です。風呂の残り湯をすぐに流さずに、翌日の給水時まで残しておきましょう。
生活用水は一人当たり1日10L〜20Lも必要なので、毎日断水対策として水を貯めるのは家計に優しくありません。風呂の残り湯を再利用すれば、生活用水の備蓄にかかる水道代を節約できます。
●水道水を汲み置きしておく
水道水を事前に汲み置きしておけば、断水発生時に飲料水や生活用水として使えます。水道水にはミネラルがほとんど含まれていないため、赤ちゃんの調乳用にも最適です。
ただし、水道水の塩素による消毒は3日程度しか効果がないため、3日を超えて飲料水として使用するのは控えましょう。水の変質を避けるために、清潔な容器に入れてしっかり蓋を閉め、冷暗所で保管するのがおすすめです。
4.停電による断水対策に必要なアイテム3選
停電で水道が止まったとしても、最低限の生活水準を維持するためには以下の3つのアイテムが必要です。いずれも停電が起きてからでは手に入らない可能性があるため、早めに揃えておきましょう。最低でも3日間の水なし生活を想定して、商品を選んでください。
●非常用トイレ
人間は基本的に毎日排泄する必要があり、我慢すると健康被害を引き起こしかねません。水道が止まった際にも安心して用を足すために、非常用トイレを備蓄しておきましょう。
非常用トイレには、便器に取り付けるタイプの「簡易トイレ」と持ち運び自由な「携帯トイレ」の2種類があります。停電によって自宅の水道が止まった際の対策としては、大容量セットの簡易トイレがおすすめです。
トイレの回数は1日あたり6〜7回が平均であり、簡易トイレは1日2回ほど交換する必要があります。家族全員が3日〜1週間はトイレに困らないために、100回分の大容量サイズを選ぶとよいでしょう。
●ドライシャンプー
水がなくても髪が洗えるドライシャンプーもあると便利です。シートタイプのドライシャンプーは、髪を撫でるだけで頭皮から毛先までをケアできます。
スプレータイプは、頭皮の汚れを落とせるだけでなく、スタイリング剤としても活躍します。手袋タイプは、手を汚さずに髪を綺麗にできるのでおすすめです。
●ポータブル電源
ポータブル電源とは、内部に大量の電気を蓄電し、停電時も電化製品を稼働できる機器のことです。停電発生時でもポータブル電源があれば、停電生活における以下のような場面で大活躍します。
・エアコンや電気ストーブを動かして、快適な気温を維持できる
・電子レンジやケトルを使って、簡単に調理ができる
・冷蔵庫に給電して、食品の腐敗を防げる
・停電情報を調べるためのスマホを常に稼働できる
・LEDライトを点灯させて、夜の明かりを確保できる
停電対策として使用するポータブル電源には、復旧するまで給電し続けられるだけの容量を備えている必要があります。大容量を備えたポータブル電源として、創業から12年間で世界販売台数400万台を突破した実績を誇るJackery(ジャクリ)製品がおすすめです。
5.停電時も快適な生活を維持できるポータブル電源2選
大規模災害による停電は、3日〜1週間ほど続く可能性があります。停電生活が長期化したとしても電気のある快適な生活を維持するには、Jackery(ジャクリ)のポータブル電源が必要です。
Jackery(ジャクリ)のポータブル電源の主な特徴を見ていきましょう。
・耐久性と放熱性に優れたポリカーボネート樹脂とABS防火材料を採用する
・BMSとNCM制御機能により、バッテリー異常を防ぐ
・耐衝撃性や耐震性に優れているため、外に持ち運んで使える
・防災対策に特化した防災製品等推奨品認証やフェーズフリー認証を取得している
・リン酸鉄リチウムイオン電池を搭載により、10年以上も停電対策として使える
・UPS&パススルー機能により、停電時は0.02秒以内で電気供給を切り替える
・緊急充電モードを使うと、最短60分で満充電できる
・バッテリー節約モードによって、バッテリー寿命を1.5倍に延長できる
ソーラーパネルがセットになった「Jackery Solar Generator」も販売しているので、万が一停電生活の途中で充電が切れたとしても心配はいりません。停電対策として大活躍する、Jackery(ジャクリ)のおすすめ機種を紹介します。
●Jackery Solar Generator 1000 New 100W ポータブル電源 ソーラーパネル
Jackery Solar Generator 1000 New 100W ポータブル電源 ソーラーパネルは、容量1070Wh、定格出力1500WのJackery ポータブル電源 1000 Newと、出力100Wのソーラーパネルのセットです。従来モデルから定格出力が50%アップしているため、自宅にあるほとんど全ての家電が動かせます。1人〜3人家族の停電対策に最適です。
●Jackery Solar Generator 2000 New ポータブル電源 セット
Jackery Solar Generator 2000 New ポータブル電源 セットは、大容量2042Wh、定格出力2200Wのポータブル電源 2000 Newと出力200Wのソーラーパネルのセットです。世界初、2000Whクラスのポータブル電源にCTB技術が採用され、エネルギー効率と強度が向上しています。3人〜5人家族の停電対策に最適です。
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6.停電で水道が使えるかに関するよくある質問
最後に、停電で水道が使えるかに関するよくある質問を紹介します。停電による断水の知識を深めておけば、いざ断水が起きても焦らず冷静に対処できます。自宅に採用されている給水方法を確認した上で、考えられるリスクを洗い出してみてください。
●停電で水道が止まると復旧までにどれくらいかかる?
停電による断水は、電気式のポンプが稼働しないために発生しているため、停電が復旧しない限りは断水も復旧しません。災害による停電は3日〜1週間も続くケースがあります。
2011年に発生した東日本大震災では、停電の復旧率が80%になるまでに3日間を要しました。断水も同様に3日〜1週間は復旧しないと想定して、必要量の水を備蓄しましょう。
●マンションの停電時にトイレは流してはいけない?
災害による停電が原因で断水している場合は、原則トイレの水は流さない方がよいでしょう。トイレを無理に流そうとすると、配管が破裂したり水が逆流したりする恐れがあります。トイレを流すのは、排水管に異常がないことを確認できてからにしましょう。
断水の最中にどうしても水を流したい場合は、タンク式トイレのタンクに備蓄して置いた生活用水を入れます。タンクレストイレの場合は、製品ごとに流し方が異なるので、製品の説明書を確認してください。
●給水に電気は不要なのに停電で水が出ないのはなぜ?
電気を使用しない「直結直圧方式」の給水方法にも関わらず断水が発生している場合には、浄水場自体が機能していない可能性があります。
停電以外の原因としては、水道管の破損や損傷、凍結も考えられるでしょう。断水の原因が分からない場合は、復旧を待たずに管理会社や専門業者に問い合わせてみてください。
まとめ|停電で水道が出なくなるケースがある
停電で水道が出なくなる理由は、住宅の給水方法にあります。一戸建てに多い「直結直圧方式」では電気を使用しないため、基本的には水道が止まりません。
しかし、マンション・アパートによくある電気を使った「受水槽式」「直結増圧方式」の場合は、断水が起きるリスクがあります。停電による断水は長期化する恐れがあるので、家族構成に合った必要な量を備蓄しておきましょう。