大雪への必要な備えは?大雪によるリスクや行動・道具別の事前対策を解説
積雪量が多い地域では、大雪の備えは必要です。積雪や凍結によって道路が閉鎖したり、視界不良による交通事故が起きたりする恐れがあります。また、自宅にいたとしても、電気供給が途絶えたり、パイプの破裂などの水害が起きたりするリスクもあるでしょう。
この記事では、大雪が降ることへの備えについて解説します。大雪によるリスクから見えてくる必要な対策を行動、道具ごとに紹介するので、大雪が降る地域にお住まいの方は参考にしてみてください。
大雪がもたらす可能な5つの被害
大雪自体にはそれほどリスクがありませんが、大雪による二次被害のリスクは高いです。大雪がもたらす可能な被害を5つ紹介します。
①積雪や凍結による道路閉鎖
大雪が降った場合、積雪や路面凍結によって道路が封鎖されるリスクがあります。主要な道路が封鎖された場合、食料などの生活用品の調達経路が途絶える危険があるのです。外部からの支援を受け取ることもできず、孤立してしまいます。
また、持病がある方は薬をすぐに調達できないために、病状が悪化する危険もあるでしょう。救急車や消防車の到着も遅れる可能性があるので、何か非常事態が発生した際にも対応が遅れてしまいます。
②滑りや視界不良による交通事故
雪や氷の凍結が道路の表面を滑りやすくしたり、視界を遮るほどの大雪に見舞われたりすることで、交通事故のリスクを高めます。凍った道路は乾燥した道路と区別がつきません。乾燥した道路を走る速度のまま進行すると、スリップして前の車への追突事故や車線逸脱によって衝突事故が連続して起こる危険があります。
スリップ事故が起きる主な原因は次のとおりです。
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・ブレーキを強くかけすぎた
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・急ブレーキ
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・急ハンドル
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・路面凍結に気付かなかった
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・ブレーキ操作が遅れた
③電力供給への障害
大雪は電力供給にも次のような被害をあたえることがあります。
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・大雪の重みや風によって、電線が損傷する
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・電柱や送電塔が倒れることで、電力供給が遮断される
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・送電設備や変電所へのアクセスが困難になることで、修理や保守作業の妨げとなる
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・通信設備が損傷し、電力会社が障害状況を把握し、修理作業を行うのが難航する
電力供給が途絶えたら、冷蔵庫の中身は腐り、室内の気温が外気と同様に冷え込みます。また、情報収集のためのスマホやラジオの電気もなくなるでしょう。食材は使い物にならないだけでなく、電子レンジなどの家電が使えないため、温かい料理が作れません。
➃凍結によるパイプの破裂や水害
大雪によって水道管や配管内の水が凍結することがあります。水は凍ると膨張し、これによってパイプが圧力を受け、最終的に破裂する可能性が高まるのです。
パイプの破裂により、建物内で大量の水が漏れ出すことがあり、これが水害を引き起こします。水害では建物内の損害や家財道具の損傷、床や壁への被害などが挙げられます。
パイプが破裂した場合は水道業者を呼んで直してもらう必要がありますが、道路封鎖や路面凍結によって渋滞していると、回復まで時間がかかる可能性が高いです。
⑤低温による健康被害
大雪によって低温下に長時間さらされることで、人体の健康被害も起こり得ます。人体が寒冷環境に長時間おかれると、身体の表面体温や深部体温の低下にともない、末梢血管が収縮し、血圧上昇、筋肉のこわばりなどの悪影響が現れてきます。
また、それに伴って低体温症や凍傷、呼吸器系の問題、心臓病の悪化など様々な疾病のリスクが高まるのです。何も対策をしていなければ、大雪によって体温が急速に奪われてしまいます。
【行動篇】大雪に備えておくべき3つの対策
大雪に伴う被害を未然に防ぐためには、大雪への備えが欠かせません。いつ起こるか分からない大雪のために備えておくべき行動対策は次の3つです。
①給湯器から露出している配管にタオルを巻く
パイプの破裂を防ぐためには、給湯機から露出している配管にタオルを巻いて保温すると良いでしょう。給湯配管の付け根までをタオルや保温チューブ等でしっかりと巻きつけます。この時、給湯機の排気口を塞いでしまうと火災の原因になるため、注意が必要です。
配管の凍結が気になる場合は、その上か30~40℃のぬるま湯をゆっくりかけることで、解凍できます。ただし、熱湯をかけてしまうと配管が破裂する恐れがあるので、注意してください。
給湯機本体には電気が通っており、凍結の予防が常にされています。そのため、大雪が降る真冬の季節は、家を長期間空ける場合であっても、ブレーキは落とさないようにしましょう。
②近隣の避難所を確認しておく
大雪の備えとして、大雪が発生した際の近隣の避難所の場所を事前に確認しておきましょう。大雪が降ると、通行止めにより外部からの支援物資を受け取る経路が絶たれ、自宅での待機が困難になる場合があります。
また、大雪が発生してから避難所を確認しようとしても、電気供給が断絶し、通信機器が使えない恐れもあるのです。闇雲に避難所へ向かおうとしても、離れた避難所を目指してしまうと、遭難や凍死の危険もあります。
近隣の避難所を確認するためには、次のような方法があります。
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・お住まいの地域の「ハザードマップ」を入手する
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・市町村のホームページを確認する
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・市町村の役所で配布しているパンフレットを入手する
ハザードマップとは、自然災害による被災の想定区域や避難場所・避難経路などの位置を表示した地図のことです。避難場所だけでなく、避難経路も確認しておくと、安全に避難ができます。
③ペットボトルに生活用水を確保しておく
大雪の備えとして水道から出る水をペットボトル数本分に蓄えておきましょう。大雪が降ると、水道管が破裂し、生活用水の確保が困難になる恐れがあります。トイレやシャワー、歯磨き、手洗いなどで使用する生活用水は、避難生活を送る上で欠かせません。
東京水道局が公表している情報によると、大人一人が1日に使用する生活用水の量は、平均219Lです。用途別の生活用水の量は次のように示されています。
用途 |
条件 |
使用量 |
洗面・手洗い |
1分間流しっぱなし |
約12L |
歯磨き |
20秒間流しっぱなし |
約6L |
洗車 |
流しっぱなし |
約90L |
シャワー |
3分間流しっぱなし |
約36L |
家族が増えたり、避難生活の長期化が予想されたりすると、その分確保しなければならない生活用水の量も増えるので、2Lペットボトルは百本単位で備蓄しておく必要があるのです。
【道具篇】大雪への備えに必要なアイテム7選
大雪に備えるためには、事前に購入し、備蓄しておくべきグッズが7つ存在します。大雪が発生すると購入経路が絶たれる可能性があるので、早めに揃えておきましょう。
①除雪用の大型スコップ
積もった雪を効率的にかき出すために、除雪用の大型スコップが必要です。車を出す際や、凍結防止、屋根の落雪防止などで雪かきが必要になります。小さいスコップを使うと効率が悪く、体力を消耗するばかりか、腰痛を引き起こしかねません。
大型スコップを選ぶ際は、材質にも注目する必要があります。使用されている主な材質は「プラスチック」と「金属」です。それぞれの特徴を紹介します。
プラスチック製 |
金属製 |
・軽いため、降りたての雪に最適 ・先端にアルミ製のブレードが付いたタイプは雪を切り出しやすくなる ・スノーダンプと呼ばれる大型タイプもある |
・固まった雪を切り出したい場合に最適 ・多少の氷であれば、割ることも可能 ・重量が増す分、運ぶ効率は下がる ・剣先スコップと呼ばれる尖った先端で、凍った雪を切り出せるタイプもある |
②2週間分の食料・飲料水
大雪によって避難生活を余儀なくされると、食料と飲料水が必要です。大雪が降ってから購入しようとしても、スーパーやコンビニは閉店していたり、在庫切れや価格沸騰の可能性もあります。大雪に備えて事前に2週間分の食料と飲料水を確保しておくと良いでしょう。
飲料水は一人1日3Lが目安です。大雪の災害の備えに適した食料として次のようなものが挙げられます。
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・レトルトごはん
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・カップ麺
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・缶詰
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・粉末のスープや味噌汁
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・チョコレートやビスケットなどのお菓子
③カイロ・カセットストーブ
電気供給が絶たれた場合に、体温を維持するためのグッズとして、カイロやカセットストーブは必須です。首や背中、四肢を安全かつ迅速に温めるのにカイロは重宝します。単価が安く、持ち運びしやすいので、まとめ買いしておくと良いでしょう。
カイロの効果は長続きしないため、就寝中の寒さ対策としては不十分です。そのため、カセット式のストーブを購入することで、持続的な寒さ対策が可能になります。
➃防寒着
雪かきや避難で外に出る際や、停電して暖房器具が使えない場合、防寒着が必要になります。防寒着を着てさえいれば、体温が急激に奪われる心配がないので安心です。大雪の備えに適した防寒着を選ぶ際に気をつけるべきポイントを紹介します。
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・保温機能が高い
熱を逃さない保温機能が高いと、体温の低下を防ぐことができます。
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・風を通さない
風を通してしまうと、体感温度が下がり、体温の低下を招きます。
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・撥水機能・防水機能がある
雪などで濡れると体が冷えるため、撥水機能・防水機能があると良いです。
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・軽量で動きやすい
避難する際には、軽量で動きやすい必要があります。過ごしやすさも変わるでしょう。
⑤応急処置グッズ
屋根からの落雪に当たったり、凍結した道で滑ったりといった外傷を負った際には、応急処置グッズが必要です。道路閉鎖などで救急用品の入手が困難になると、傷の手当ができずに悪化する危険もあります。絆創膏や消毒液、包帯といった基本的な応急処置グッズは常備しておきましょう。
⑥懐中電灯・ランタン
大雪によって電気供給が絶たれると、夜の暗闇を照らす明かりが必要です。特に冬は日が早く沈みます。明かりなしでの生活は足元や手元が見えずに危ないです。
懐中電灯やランタンがあると、照明として使えたり、避難経路の確保にも使用できます。充電式ではない電池を入れるタイプの懐中電灯またはランタンと未使用の電池を常備しておくと、いざという時に使用できるでしょう。
⑦非常用電源
大雪では停電される恐れがあります。電気は、暖房器具や加熱調理による健康の維持に欠かせません。非常用電源を常備しておくことで、自由に電気の供給が可能になります。
非常用電源の中でも、大雪の停電時に大活躍するのが「ポータブル電源」です。ポータブル電源とは、コンセントが使えない場所においても、事前に貯めた大量の電気を電子機器や家電製品に給電できる持ち運び便利な蓄電池を指します。アウトドアや車中泊といった用途でも重宝するポータブル電源は、大雪に見舞われた災害時にも役立ちます。
大雪停電への備えにJackeryポータブル電源がおすすめ!
ポータブル電源は大雪によってコンセントからの電気供給が絶たれた状況下でも、非常用電源として生活家電に給電できます。大雪の備えとしてポータブル電源があることのメリットや、おすすめの機種について解説します。
●大雪の備えにポータブル電源を用意するメリット
大雪の備えにポータブル電源を持つメリットは、次のとおりです。
・融雪装置を稼働し、路面や玄関口、避難経路の凍結を解凍できる
・非常用ライトを点灯させることで、安全を確保し、避難経路を照らせる
・スマホやラジオをフル充電にしておけるので、迅速な情報収集や連絡ができる
・冷蔵庫を常に稼働させられるので、中に入っている食材を守れる
・電子レンジや電気ケトルを使用することで、温かい食事が取れる
・電気毛布やヒーターなどの暖房器具を稼働させられる
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・避難生活中に気を紛らすために、動画や音楽などの娯楽を楽しめる
また、ポータブル電源は大雪などの災害対策としてだけではなく、アウトドアや車中泊などの日常生活でも活躍します。そのため、使い道が幅広く、一家に一台は持っていると便利です。
●大雪の備えにおすすめのポータブル電源2選
Jackery(ジャクリ)は、創業11年の実績を誇り「グッドデザイン賞」や「イノベーティブブランド賞」など様々な賞を獲得している業界を牽引するポータブル電源メーカーです。高い安全基準を複数満たしているので、災害対策に最も適しています。
Jackery製のポータブル電源の中でも、大雪の備えに特におすすめのポータブル電源は「Jackery Solar Generator 1000 Plus」「Jackery Solar Generator 2000 Plus」です。
Jackery Solar Generator 2000 Plus|ジャクリソーラージェネレーター2000プラス
大家族の避難生活でも安心な2042Whの大容量と定格出力3000Wを備えた「Jackery ポータブル電源 2000 Plus」と「ソーラーパネル 200W 1枚」がセットになっているJackery Solar Generator 2000 Plus 。
商品の特徴
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・3種の出力ポートを計10ポート備え、寒さ対策と加熱調理が同時にできる
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・365日経過しても10%程度の自然放電なので、大雪の備えとして長期保管できる
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・Step Charge急速充電により、雪の降り始めから2時間で高速充電できる
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・付属のソーラーパネル 200W 1枚を用いると、日照時間の14時間でフル充電できる
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・Jackery専用アプリを用いると、寒さで動きたくない状況でも遠隔操作できる
製品名 | Jackery ポータブル電源 2000 Plus |
容量 |
2042.8Wh(最大12kWhまで拡張可能) |
定格出力 |
3000W/正弦波(最大瞬間出力:6000W) |
出力ポート数 |
ACⅹ5、DCⅹ1、USBⅹ4 |
充電時間 |
AC充電:2時間 |
寿命/サイクル数 |
約4000回サイクル |
保証期間 |
5年間 |
Jackery Solar Generator 1000 Plus|ジャクリソーラージェネレーター1000プラス
大雪時の対策として十分な1264Whの大容量かつ2000Wの定格出力を備えた「Jackery ポータブル電源 1000 Plus」と「ソーラーパネル 100W 1枚」を組み合わせたJackery Solar Generator 1000 Plus。
商品の特徴
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・約4,000回サイクルの充放電サイクルにより、大雪時のみ使用する場合は半永久的に使用できる
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・バッテリーを最高効率で稼働させ、ACコンセントで1.7時間のフル充電ができる
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・付属のソーラーパネル 100W を用いると、最速4.5時間でフル充電できる
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・バッテリーを5kWhまで拡張することで、長期間の避難生活で使用し続けられる
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・大雪により電気供給が断絶しても、EPS機能によって中断せずに給電できる
製品名 | Jackeryポータブル電源1000Pro |
容量 |
1264Wh(5kWhまで拡張可能) |
定格出力 |
2000W/正弦波(最大瞬間出力:4000W) |
出力ポート数 |
ACⅹ3、DCⅹ1、USBⅹ4 |
満充電時間 |
AC充電:1.7時間 |
寿命 |
リン酸鉄リチウムイオンバッテリー採用 |
保証期間 |
5年間 |
まとめ|大雪への備えは万全にしておこう
大雪の危険がある地域では、積雪や凍結による道路閉鎖によって外からの支援物資を受け取れなくなる恐れがあります。また、電気供給の断絶やパイプの破裂による水害など、大雪に伴う二次被害が発生しかねません。いつその時がやってきても適切な行動が取れるように、大雪への備えは万全にしておきましょう。