徹底比較!ポータブル電源2000Proと2000Plusはどう違う?
Jackeryが提供する「ポータブル電源 2000 Pro」と「ポータブル電源 2000 Plus」は、製品名は似ているものの異なる点が数多くあります。ここでは15の項目を取り上げ、どのような違いがあるか解説します。
その1:内蔵するバッテリーの種類
「ポータブル電源 2000 Pro」には、三元系リチウムイオン電池が使われています。よく使われているリチウムイオン電池で、小型でパワーが大きいことはメリットです。
一方で「ポータブル電源 2000 Plus」には、リン酸鉄リチウムイオン電池が使われています。三元系よりはサイズが大きくなるものの、高温に強く長寿命、より高い安全性を確保していることが特徴です。
関連人気記事:リン酸鉄リチウムイオンバッテリーとは?メリット・デメリットや採用した最新のポータブル電源を紹介
その2:拡張性とバッテリー容量
「ポータブル電源 2000 Plus」本体のバッテリー容量は、2042Whです。足りない場合は、別売りの「Battery Pack 2000 Plus」(容量2042Wh)を使って拡張できます。本体1台にBattery Packを5台までつなげることができ、12kWhまで拡張可能です。また並列接続を行うことで、容量を24kWhまで増やせます。
一方で「ポータブル電源 2000 Pro」のバッテリー容量は2160Whありますが、拡張はできません。
その3:定格出力
定格出力は、以下のとおりとなっています。
|
ポータブル電源 2000 Pro |
ポータブル電源 2000 Plus |
本体の定格出力 |
2200W |
3000W |
2台の製品を並列接続した場合 |
(非対応) |
4000W |
定格出力は「ポータブル電源 2000 Plus」のほうが高くなっています。消費電力の大きい家電を複数使うことも可能です。
なお定格出力は容量と異なり、Battery Packを使っても増えません。
その4:サイズや重量、持ち運びやすさ
日々ポータブル電源を使う側としては、サイズと重量も気になります。持ち運びやすさも含め、以下の表にまとめました。
|
ポータブル電源 2000 Pro |
ポータブル電源 2000 Plus |
おおよそのサイズ |
幅38.4cm、高さ30.75cm、奥行26.9cm |
幅47.3cm、高さ37.3cm、奥行35.9cm |
重量 |
約19.5kg |
約27.9kg |
ハンドル |
持ち運びしやすい大型のハンドル |
人間工学をもとにした持ち運びしやすいハンドル |
キャスター |
無し |
有り |
「ポータブル電源 2000 Plus」は「ポータブル電源 2000 Pro」と比べて2割から3割大きく、4割ほど重くなっています。但しどちらも持ち運びしやすいよう、本体の重さにあわせたハンドルやキャスターが備わっています。
その5:出力ポートの数
「ポータブル電源 2000 Pro」と「ポータブル電源 2000 Plus」は、どちらも以下のポートを使って家電に給電できます。
・AC100V(家庭用100V電源)
・USB-A
・USB-C
・シガーソケット
一方で出力ポートの数は、製品ごとに異なります。以下の表で確認していきましょう。
出力ポート |
ポータブル電源 2000 Pro |
ポータブル電源 2000 Plus |
AC100V |
3口 |
5口 |
USB-A |
2口 |
2口 |
USB-C |
2口 |
2口 |
シガーソケット |
1口 |
1口 |
多くの家電は、コンセントをつないで動かします。この点で「ポータブル電源 2000 Plus」は、より多くの家電を同時に動かすことが可能です。
その6:Jackeryアプリによる操作
「ポータブル電源 2000 Plus」は、Jackeryアプリによる操作に対応します。以下の機能を使うことが可能です。
・バッテリー残量や使用可能時間をチェックできる
・充電する際の容量を85%に抑える「バッテリー保護モード」
・騒音を出さずに充電できる「静音充電モード」
一方で「ポータブル電源 2000 Pro」は、アプリによる操作に対応していません。
その7:充電にかかる時間
充電にかかる時間は、充電方法や製品ごとに異なります。以下の表にまとめました。
充電方法 |
ポータブル電源 2000 Pro |
ポータブル電源 2000 Plus |
AC100Vコンセント |
2時間 |
2時間 |
ソーラーパネル(SolarSaga) |
SolarSaga 200W×6枚:2.5時間 SolarSaga 200W×2枚:7.5時間 SolarSaga 200W×1枚:15時間 |
SolarSaga 200W×6枚:2時間 SolarSaga 200W×2枚:7時間 SolarSaga 200W×1枚:14時間 |
シガーソケット |
24時間 |
25時間 |
ソーラーパネルによる充電時間は「ポータブル電源 2000 Plus」のほうがやや短い一方で、シガーソケットによる充電時間は「ポータブル電源 2000 Pro」のほうがやや短くなっています。
その8:充電可能なサイクル数
充電可能なサイクル数も、大きな相違点のひとつです。「ポータブル電源 2000 Pro」のサイクル数は1,000回です。1,000サイクル使用後も、工場出荷時と比べて80%の容量を維持できます。
一方で「ポータブル電源 2000 Plus」のサイクル数は、4,000回を誇ります。4,000サイクル使用後も、工場出荷時と比べて70%以上の容量を維持することが可能です。
その9:充電を85%に抑える機能
「ポータブル電源 2000 Plus」ではJackeryアプリを使うことで、充電を容量の85%に抑える「バッテリー保護モード」を使えます。一方で「ポータブル電源 2000 Pro」ではJackeryアプリを使えず、「バッテリー保護モード」も利用できません。
その10:EPS機能の有無
「ポータブル電源 2000 Plus」では、停電しても20ミリ秒以内にポータブル電源からの電力供給に切り替える「EPS機能」を使えます。このため、万が一の停電にもスムーズに電気を使うことが可能です。「ポータブル電源 2000 Pro」にはEPS機能は搭載されていません。
その11:使用可能な温度
使用可能な温度は、以下のとおりとなっています。充電可能な最低温度は、使用可能な最低温度よりも高いことに注目してください。
|
ポータブル電源 2000 Pro |
ポータブル電源 2000 Plus |
使用可能な温度 |
氷点下10℃~40℃ |
氷点下10℃~45℃ |
充電可能な温度 |
0℃~40℃ |
0℃~45℃ |
温度が40℃から45℃までの場合、「ポータブル電源 2000 Pro」は使用・充電ともに保証の対象外です。一方で「ポータブル電源 2000 Plus」は使用・充電ともに可能です。但し充電には時間を要することに注意してください。
その12:稼動中の音量
稼動中の音量も、両機種での違いがある項目です。「ポータブル電源 2000 Pro」は、充電時でも53デシベル以下となっています。
一方で「ポータブル電源 2000 Plus」では、動作中は42デシベル以下と静かです。また充電時は静音充電モードを有効にすることで、30デシベル以下と図書館レベルの静けさを実現しました。
その13:本体の液晶画面の表示項目
ポータブル電源に設けられているディスプレイには、さまざまな情報が表示されています。「ポータブル電源 2000 Pro」では15項目、「ポータブル電源 2000 Plus」では21項目が表示されます。このなかで「ポータブル電源 2000 Pro」の画面にはなく、「ポータブル電源 2000 Plus」では表示される項目を、以下に挙げました。
・Wi-Fi
・Bluetooth
・静音充電モード
・バッテリー保護
・バッテリーパックインジケーターと接続された量
・AC拡張インジケーター(並列接続を行っている場合に表示)
その14:内蔵ライトの有無
「ポータブル電源 2000 Pro」本体には、ライトが搭載されています。周囲を明るく照らすだけでなく、モールス信号のSOSのパターンで点滅する機能も使えます。停電時やキャンプで使う際に、ライトの存在を心強く感じる方も多いでしょう。
一方で「ポータブル電源 2000 Plus」に、ライトは搭載されていません。
その15:価格
ポータブル電源を購入する際に、価格を気にする方も多いでしょう。Jackery公式サイトで提示される2024年2月時点の通常価格(税込)を、以下にまとめました。
|
ポータブル電源 2000 Pro |
ポータブル電源 2000 Plus |
本体価格 |
285,000円 |
285,000円 |
Battery Packの価格 |
(販売無し) |
175,000円 |
「ポータブル電源 2000 Plus」ではBattery Packにより容量を拡張できますが、Battery Packを複数台追加すると総額が100万円を超える可能性があることに注意してください。
上記の価格は、セール等により安くなる場合があります。Jackery公式サイトをこまめにチェックすると、お得に買えるチャンスを見つけやすいでしょう。
ポータブル電源2000Proと2000Plusで共通する機能
「ポータブル電源 2000 Pro」と「ポータブル電源 2000 Plus」には、共通する機能もいくつかあります。代表的な項目を、以下にまとめました。
項目 |
搭載する機能 |
50Hz/60Hzの切り替え |
可能 |
USB-Aの出力ポート |
Quick Charge 3.0に対応。各ポート最大18W |
USB-Cの出力ポート |
各ポート最大100W |
シガーソケット出力 |
12V/10A |
保証期間 |
5年(Jackery公式サイトで購入した場合) |
廃棄方法 |
Jackeryの指定した宛先へ送付する。回収費用は無料だが、送料の負担は必要 |
日本国内ならどこでも安心して使える、5年もの長い期間保証を受けられる、不要になった場合でも送料の負担だけで廃棄できることは、ユーザーにとってうれしい項目といえるでしょう。
ポータブル電源2000Proと2000Plusはこんな方におすすめ
ここまで解説した特徴を踏まえて、「ポータブル電源 2000 Pro」と「ポータブル電源 2000 Plus」はそれぞれどのような方におすすめか解説していきましょう。
ポータブル電源2000Proをおすすめする方
「ポータブル電源 2000 Pro」は、以下の方におすすめします。
・軽さとコンパクトさを重視する方
・限られた費用で少しでも多くの容量を得たい方
・調理家電の使用中は他の家電の使用を我慢できる方
・ポータブル電源のライトを活用したい方
ポータブル電源2000Plusをおすすめする方
「ポータブル電源 2000 Plus」はどのような方におすすめか、以下にまとめました。
・家庭用蓄電池に匹敵する容量が欲しい方
・長持ちする電池をお求めの方
・出力の大きな家電を複数使いたい方
・真夏の日中でもポータブル電源を活用したい方
ユーザーが教える!2000Proと2000Plusのメリット・デメリット
「ポータブル電源 2000 Pro」と「ポータブル電源 2000 Plus」は、すでに多くのユーザーが活用しています。ここではJackeryの公式サイトやAmazon、楽天市場に集まったユーザーレビューを紹介し、それぞれの製品のメリット・デメリットを確認します。あなたに合った製品選びの参考にしてください。
ポータブル電源2000 Proの主なユーザーレビュー
「ポータブル電源 2000 Pro」には、多くのユーザーレビューが寄せられています。まず、メリットに関するレビューを紹介していきましょう。
「携帯も充電が早い、電気毛布がしっかりと使える、ドライヤーも使いたい放題」
「車中泊に使用しておりますが、他社製品と比べて高さが低いため、車載しやすい。また、電子レンジを動かしても、ファン音が静かで大変気に入っております。」
「多少重く感じますが、同容量のリン酸鉄のバッテリーと比べると遥かに軽く感じます。充電時間2時間程度で満充電できます」
「とてもシンプルで使いやすい。表示も見やすく、理解しやすいデザイン。見た目も良くお勧めです。」
製品の高い性能に加えて、コンパクトさや使いやすさ、デザインが優れているというレビューが寄せられています。一方でデメリットに関するユーザーレビューは、寒冷地での使用と重さに集中しています。
「北海道の冬では動きが悪くなる事が残念!又重量があるため、運ぶのに大変」
「重量に関しては、覚悟が必要です。708/1000を持っているのですが、比ではない重さです。片手で楽々とはいきません。」
「重さはそれなりにあるので、腰に爆弾かかえている人は要注意かもしれません。」
ポータブル電源2000 Plusの主なユーザーレビュー
「ポータブル電源 2000 Plus」にも、さまざまなユーザーレビューが集まっています。メリットに関するレビューから確認していきましょう。
「デスクトップパソコンでも切り替え時に落ちないで使えてます。容量もでかいので冷蔵庫やテレビも繋げてます。停電時の不安が解消しました。」
「スマホで充電状態がわかるのが良いです。アプリ設定でバッテリー寿命を延ばす事も良いです」
「グラインダーやハンマードリルなどの高出力機器でもAC回路が落ちないので、15Aコンセントよりも頼もしく使用できます。」
「外観もカッコいいので良く風景とマッチしている。」
一方で、製品のデメリットを伝えるレビューもいくつかあります。
「残念なのは、背面のカバーですかね。端子を個別にカバーを着けるか、カバーが完全に外れて欲しかったですね。」
「ダンボールと外箱から出すのが重くて大変です。キャスターが付いてるので移動は楽ですが気楽に持ち運びは出来ません。根性がいります。」
「高速充電時はファンがややうるさいのと、延長コードでの充電は回路が止まるので時間に余裕があるときにはスマートフォンアプリで静かな充電モードを使用すると良いと思います。」
メリットを伝えるユーザーレビューは性能の高さやデザインの良さ、デメリットを伝えるユーザーレビューは重さに加えて、外装や音量に関する声も寄せられました。いくつかの難点はあるものの、「ポータブル電源 2000 Plus」が高性能なポータブル電源であることは、ユーザーレビューでも示されています。
新製品にこだわらず、使い方やニーズに合わせて適した製品を選ぼう
より新しい製品である「ポータブル電源 2000 Plus」が優れている点は多いです。しかし使い方やニーズによっては「ポータブル電源 2000 Pro」をおすすめするケースもあります。「徹底比較!ポータブル電源2000Proと2000Plusはどう違う?」で解説した内容を、以下の表にまとめました。
項目 |
ポータブル電源2000Pro |
ポータブル電源2000Plus |
内蔵バッテリー |
三元系リチウムイオン電池 |
リン酸鉄リチウムイオン電池 |
本体のバッテリー容量 |
2160Wh |
2042Wh |
拡張性 |
無し |
Battery Packで拡張可能(最大24kWhまで) |
定格出力 |
2200W |
3000W |
サイズ |
幅38.4cm、高さ30.75cm、奥行26.9cm |
幅47.3cm、高さ37.3cm、奥行35.9cm |
重量 |
約19.5kg |
約27.9kg |
出力ポートの数 |
AC100V:3口 USB-A・USB-C:2口ずつ シガーソケット:1口 |
AC100V:5口 USB-A・USB-C:2口ずつ シガーソケット:1口 |
Jackeryアプリ |
非対応 |
対応 |
充電にかかる時間の目安 |
AC100Vコンセント:2時間 SolarSaga200W×6枚:2.5時間 シガーソケット:24時間 |
AC100Vコンセント:2時間 SolarSaga200W×6枚:2時間 シガーソケット:25時間 |
充電可能なサイクル数 |
1,000サイクル |
4,000サイクル |
バッテリー保護モード |
選択不可 |
選択可能 |
EPS機能 |
非搭載 |
搭載 |
使用可能な温度 |
氷点下10℃~40℃ 充電は0℃~40℃ |
氷点下10℃~45℃ 充電は0℃~45℃ |
稼動中の音量 |
53デシベル以下 |
動作中:42デシベル以下 充電中(静音充電モード):30デシベル以下 |
本体の液晶画面 |
15項目を表示 |
21項目を表示 |
内蔵ライト |
搭載。モールス信号のSOSのパターンで点滅も可能 |
非搭載 |
Jackery公式サイトでの価格(税込) |
285,000円 |
本体:285,000円 Battery Pack:175,000円 |
軽さとコンパクトさをお求めの場合は「ポータブル電源 2000 Pro」、性能と拡張性をお求めの場合は「ポータブル電源 2000 Plus」がおすすめです。
2000Whもの容量を持つポータブル電源は、安い買い物ではありません。あなたのニーズに合わせてじっくり選び、納得の1台を選んでください。
コメント