ポータブル電源を飛行機で運ぶには?条件を徹底解説
多くのポータブル電源には、バッテリーにリチウムイオン電池が使われています。リチウムイオン電池には有機溶媒が使われており、高温や衝撃などにより発煙や発火するおそれがあります。過去には航空機内で、リチウムイオン電池を使ったスマートフォンが発煙した事故も起きました。
このことからリチウムイオン電池を使った製品は、飛行機で運ぶ際に条件が付けられています。主な5つの条件を確認していきましょう。
条件①:旅客機の場合は機内持ち込みのみ(預け入れは不可)
ポータブル電源は、リチウムイオン電池のなかでも「機器の予備電池」に分類されます。旅客機の場合は機内への持ち込みに限られ、預け入れを依頼することはできません。預け入れ荷物は貨物室へ収納されるため、万が一発火した場合は迅速な対応が取れず、多数の人命が失われる事態となりかねないためです。
一方で貨物機の場合は要件を満たすことで、飛行機で運べる場合があります。要件は航空会社ごとに異なりますので、利用する前に各自でご確認ください。
条件②:電池容量や個数が法令の範囲内であること
ポータブル電源を旅客機の機内へ持ち込む場合、どれでも無制限に持ち込めるわけではありません。国土交通省では、持ち込めるポータブル電源の種類や量をまとめた情報を提供しています。以下の表でご確認ください。
ワット時定格量 |
持ち込める個数 |
100Wh以下の製品 |
制限無し |
100Whを超え160Wh以下の製品 |
2個まで |
160Whを超える製品 |
持ち込み不可 |
出典:国土交通省「機内持込み・お預け手荷物における危険物の代表例」:https://www.mlit.go.jp/common/001425421.pdf
同時にリチウム金属電池も持ち込む場合は、その数量も合計しなければなりません。
多くのポータブル電源は、ワット時定格量が160Whを超えます。該当する製品は、持ち込みも預け入れもできません。このため旅客機で運べるポータブル電源は、ワット時定格量が160Whまでの製品に限られます。
条件③:短絡(ショート)防止の措置を取っていること
ポータブル電源は外部に露出する端子と端子の間に電気が流れると、短絡(ショート)するおそれがあります。大きな電流が流れ、火災の原因になるかもしれません。ポータブル電源と金属を同じ容器で保管する、水分が入り込むなどの状況になると、短絡のリスクが上がります。
ポータブル電源を機内に持ち込む場合は、端子や差込口に水分や異物が触れない措置を取ることが重要です。代表的な方法を以下に挙げましたので、対応しやすい方法を選んでください。
・製品に付属する、またはオプションとして販売されているケースに入れる
・1個ずつビニール袋やケース、ポーチなどに入れる
・端子に絶縁テープを貼る
収納や包装する物品は、絶縁が保てるものを確認して使うと安全です。
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条件④:破損や不具合が発生していないこと
お手持ちのポータブル電源が以下に該当する場合は、機内に持ち込めない場合があるため注意が必要です。
・破損している製品(筐体や外装に欠けや凹みがあるなど)
・メーカーによるリコールの対象となっている製品
機内への持ち込みが許されるかどうかは、航空会社の裁量です。お持ちの製品がリコール対象かどうか、破損やリコール対象のポータブル電源を機内に持ち込めるかどうかは、事前にメーカーや航空会社の公式サイトなどでお確かめください。
条件⑤:航空会社のルールに従うこと
航空会社は法令を守りつつ、危険品の取扱いを社内規則で定めています。このため、リチウムイオン電池の扱いも航空会社ごとに異なります。同じ製品でも、A社ではOKだがB社ではNGといった状況が起こり得るわけです。もし航空会社が持ち込み不可と判断した場合は、航空会社の指示に従わなければなりません。
リチウムイオン電池に関するルールは、国内線と国際線でも異なります。どのように運用されているのか、確認していきましょう。
・国内線の場合
国内線の場合はほとんどの航空会社で、国土交通省のルールに沿った運用が行われています。100Whまでのリチウムイオン電池は個数の制限が無い一方で、160Whを超える製品は持ち込めません。また100Whを超え160Wh以下の製品の持ち込みは2個までに制限されます。
但し一部の航空会社では、個数制限が課される可能性があります。ポータブル電源とモバイルバッテリーを合わせて3個以上持ち込む場合は、航空会社の公式サイトや問い合わせにより事前に確認することをおすすめします。
・国際線の場合
国際線の場合は、航空会社や目的地の国により制限内容が大きく異なります。100Whを超えるリチウムイオン電池を機内に持ち込む場合は、事前承認が必要な航空会社も多いです。一例として、シンガポール航空やAIR CHINAが挙げられます。
一方で100Wh以下のリチウムイオン電池は、制限なく機内へ持ち込める航空会社が多いです。しかし、どの航空会社でも制限がかからないわけではありません。アメリカン航空など、100Wh以下のリチウムイオン電池でも個数制限を課す航空会社もあります。
国際線を利用する場合は事前に航空会社の公式サイトで、リチウムイオン電池に関する制限内容を確認しておきましょう。
制限を超えるポータブル電源を運ぼうとするとどうなる?
皆さまのなかには、「ルールはあるが、搭乗前のチェックで引っかからなければ良いだろう」と思う方もいるかもしれません。一方で搭乗前の保安検査は航空機の安全を守るため、危険品の見逃しは許されません。このため迅速なチェックを行いつつ、厳重に実施されています。
もし制限を超えるポータブル電源を運ぼうとすると、どのような状況になるのでしょうか?国内線と国際線に分けて、解説していきましょう。
・国内線の場合
持ち込み手荷物の場合、容量や個数が制限を上回る場合は、その場で放棄が求められます。ポータブル電源は1万円以上で購入するケースも多いため、損失も多くなるでしょう。
預け入れ手荷物に入れてしまった場合は荷物の検査で引っかかり、空港のアナウンスで呼び出されてしまいます。荷物を開けてチェックすることになるでしょう。もしポータブル電源が持ち込み可能な容量の場合は、機内への持込みが許可される可能性もあります。一方で持ち込み可能な容量や個数を超えている場合は、放棄しなければなりません。
・国際線の場合
持ち込み手荷物において、持ち込み可能な量や個数を超えた場合の扱いは国内線と同じです。航空会社や国によって、持ち込み可能な容量や個数が異なることに注意してください。
預け入れ手荷物に入れた場合、取り扱いは航空会社や国により大きく異なります。専用の器具でスーツケースを開けられ、予告なくポータブル電源が没収されるおそれもあるため注意が必要です。
飛行機に持ち込めるポータブル電源を選ぶ3つのポイント
ポータブル電源を飛行機に持ち込む際には、さまざまな条件をクリアしなければなりません。とりわけ、旅客機に持ち込めるポータブル電源は限られます。ポータブル電源は気軽に買える価格ではないため、空港で放棄する事態はぜひとも避けなければなりません。このため、飛行機に持ち込める製品選びが重要です。
ここでは3つの項目を取り上げ、飛行機に持ち込めるポータブル電源選びに必要なポイントを解説します。
電池容量が160Wh以下であること
ポータブル電源を飛行機に持ち込むためには、電池容量が160Wh以下であることが前提です。可能であれば、100Wh以下の製品を用意するとよいでしょう。100Wh以下なら個数制限が無いなど、持ち込みの規制が緩やかな航空会社が多いためです。
高い安全性を備えるメーカーの製品を選ぶ
ポータブル電源が飛行機への持ち込みや預け入れを制限されている大きな理由に、機内での火災や発煙を防ぐことが挙げられます。ポータブル電源はさまざまなメーカーから発売されていますが、万が一の火災や発煙のリスクを下げるためにも、高い安全性を備えるメーカーの製品を選ぶことが重要です。
Jackeryは、安全性にこだわった製品を提供しています。過電流やショート、高温などを防ぐBMS(バッテリーマネジメントシステム)や、筐体が耐火材料であることは一例です。詳細は以下の記事で解説していますので、ぜひご覧ください。
関連人気記事:ポータブル電源の安全性の要!BMS(バッテリーマネジメントシステム)とは
衝撃に強いポータブル電源をおすすめ
機内では事前に「これから先は、揺れることが予想されます」というアナウンスが無いタイミングでも、大きな揺れに見舞われ衝撃を受ける可能性があります。このため、衝撃に強い工夫がされたポータブル電源を選ぶと安心です。
Jackeryでは航空機の機内に持ち込み可能で、UL規格の耐衝撃テストをクリアした「Jackery Explorer 100 Plus」を提供しています。次の項目で、どのような製品なのか確認していきましょう。
Jackery Explorer 100 Plusは飛行機に持ち込み可能!
Jackery Explorer 100 Plusは、Jackery初の飛行機内に持ち込めるポータブル電源です。航空機の持ち込み基準に沿ってつくられていることが特長の製品です。3つの項目に分けて、製品を詳しく解説していきます。
Jackery Explorer 100 Plusの特長
Jackery Explorer 100 Plusを選ぶことで、以下に挙げるメリットを得られます。
・重量はわずか965グラム。手のひらに載せられるほど軽くてコンパクト
・USB-C出力ポートを2口、USB-A出力ポートを1口備える
・最大100WのUSB-C入力に対応。8時間で満充電にできる
・別売りのソーラーパネルを使い、最短2時間での充電が可能
・2,000サイクルの充放電が可能。2,000サイクル使用後も、80%以上の電池容量を維持できる
・高い安全性を備える。6つのバッテリー保護機能と耐火性、UL規格の耐衝撃テストをクリア
持ち運びやすさだけでなく、充電スピードや安全性、長持ちすることも魅力的な製品です。
Jackery Explorer 100 Plusの注意点
Jackery Explorer 100 Plusは、メリットばかりではありません。AC100Vコンセントの出力ポートを搭載していないことは、代表的なデメリットです。多くの家電はコンセントにプラグを挿して使うため、このポータブル電源で使える家電が限られることに注意が必要です。
また航空機に持ち込めるというメリットを追求した結果、容量は99.2Whと少なくなりました。パソコンであっても、長時間給電し続けることは難しいでしょう。
Jackery Explorer 100 Plusおすすめの使いみち
コンパクトなJackery Explorer 100 Plusには、さまざまな使いみちがあります。代表的な例を、以下に挙げました。
・旅行先や出張先で、USB-C給電が可能なタブレットやパソコンを使う
・外出先でスマートフォンを充電する手段として使う
・アウトドアで、スマートフォンの充電専用として使う(他の家電は他のポータブル電源で動かす)
・停電時にスマートフォンやパソコンへ給電する手段として準備する
仕事やアクティブなライフスタイルに、また万が一の災害に備える製品として、さまざまな場面で活用できる製品です。
飛行機に持ち込むポータブル電源なら安心のJackery製品を
ポータブル電源を飛行機で運ぶには、さまざまな条件があります。しかし「飛行機内への持ち込み可能」をセールスポイントとした100Wh以下の製品を選べば、問題なく持ち込めるケースが多いでしょう。
「Jackery Explorer 100 Plus」は、飛行機への持ち込みを念頭に置いて開発されたポータブル電源です。容量は99.2Whですから、安心して機内へ持ち込めます。Jackeryならでの安全性の高さにより、発火や発煙の心配もありません。飛行機に持ち込むポータブル電源として、ぜひ活用をご検討ください。
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