BMS(バッテリーマネジメントシステム)とは?ポータブル電源の安全性の要!

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ポータブル電源の信頼性と安全性を担うBMSについて、その仕組みと重要性を解説します。BMSの仕組みを理解することで、安全なポータブル電源の選定や使用に役立ちます。ぜひ、ポータブル電源選びの参考にしてください。

目次
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1.BMS(バッテリーマネジメントシステム)とはバッテリーを保護するシステムのこと

バッテリーマネジメントシステム(BMS)とは、リチウムイオンバッテリーをはじめとする充電式バッテリーの性能維持と安全性確保のための監視・制御システムです。バッテリーの電圧、電流、温度などを常に監視し、異常を検知すると自動的に保護回路を作動させます。 

BMS(バッテリーマネジメント)は以下のような「リチウムイオンバッテリーを使用するほとんどの機器」に搭載されています。 

● ポータブル電源

● 電気自動車(EV車)

● スマートフォン

● ノートパソコン

● 電動工具 など 

とくにポータブル電源や電気自動車のような大容量バッテリーでは、いくつもの「バッテリーセル」を効率よく管理する必要があります。そのため、BMSの性能は製品の安全性や長寿命につながる重要なポイントです。過充電や過放電の防止、セル間の電圧バランス調整、適切な温度管理など複数の役割を果たすBMSがあることで、製品の安全性が確保されています。

2.BMS(バッテリーマネジメントシステム)の7つの機能

ポータブル電源に搭載のBMSシステムにある6つの機能ポータブル電源の信頼性と性能を高めるためには、バッテリーマネジメントシステム(BMS)の役割が不可欠です。BMSは、電源の安全性と効率を保つために、さまざまな保護機能を提供します。ここでは、その中でもBMSに特に重要な7つの機能を詳しく見ていきましょう。

BMSの機能名

機能説明

過充電保護

バッテリーが満タンを超えて充電されないように監視し、必要以上にエネルギーを吸収することを防ぎます。

過放電保護

バッテリーが必要以上にエネルギーを失うことを防ぎ、回復不能なダメージと寿命の短縮を防ぎます。

過電流保護

電流がある一定の限度を超えた際に自動的に電源を遮断し、バッテリーや家電を守ります。

短絡保護

短絡を即座に検知し、電源を遮断することでバッテリーの損傷や火災を防ぎます。

バランス機能

全セルの電圧が均一に保たれるよう監視し、調整を行い、バッテリー全体の性能低下や寿命短縮を防ぎます。

温度保護

バッテリーが安全な運用温度範囲内にあることを監視し、過熱を防ぎます。

過負荷保護

接続された機器の消費電力がバッテリーの出力を超えた場合に、自動的に電源を遮断して過負荷を防止します。

●過充電保護

ポータブル電源のバッテリーを長持ちさせるためには、充電し過ぎることから防ぐのが肝心です。BMSの過充電保護機能は、バッテリーが満タンを超えて充電されないように監視します。バッテリーが必要以上にエネルギーを吸収することを防ぎ、劣化や損傷を避けるために不可欠です。

具体的には、充電中にバッテリーの電流が設定された安全な限界値を超えそうになったら、BMSが自動で充電を停止します。例えば充電ケーブルを挿したままで放置してしまっても、BMSが働けばバッテリーが過剰に充電されることはありません。

●過放電保護

ポータブル電源のバッテリーが空になりすぎることを防ぐために、BMSには過放電保護機能が備わっています。過放電とは、バッテリーが必要以上にエネルギーを失うことです。これが起こるとバッテリーに回復不能なダメージを与え、寿命を大幅に縮めてしまいます。

BMS(バッテリーマネジメントシステム)はバッテリーの電圧を監視し、安全なレベルを下回った瞬間に電源を自動的にオフにすることで、このような状況を未然に防ぎます。日常生活で例えるなら、車のガソリンが危険なほど少なくなる前に警告灯が点くようなものです。バッテリーを健康な状態で保つことができ、長期間にわたってポータブル電源を安心して使用できます。

●過電流保護

電流が急激に増加してしまうのを防ぐための機能が過電流保護機能です。この機能は、電流がある一定の限度を超えた際に、自動的に電源を遮断することでバッテリーや接続された家電などを守ります。過電流は、バッテリーの発熱や火災といった重大なリスクを引き起こす可能性があるため、特にコントロールする必要があります

たとえば、ソーラーパネルからの電力で発電している際に、天候の変化で一時的に電流が増加するといった状況において、BMSは機器の安全を確保します。例えば、水道の水圧が強すぎるとホースが破裂するのを防ぐバルブのような役割を果たします。このようにBMSは、過剰な電流がポータブル電源に侵入することを防ぎ、事故の可能性を徹底的に除去します。

●短絡保護

ポータブル電源において短絡は、突如として起こる電気の誤流れであり、火災など大きな危険を伴います。短絡は、ショートとも呼ばれています。BMSは、短絡を即座に検知し、電源を遮断する保護機能を備えています。電気が誤ったパスを通り、大量の電流が流れることによって起こりうるポータブル電源の損傷や火災を防ぎます。

簡単に言うと、BMSは電気の流れが正しい道を外れないように見張っているチェッカーのようなものです。短絡保護は、バッテリーの加熱やそれに伴う火災を未然に防ぎますのでとても重要な機能と言えるでしょう。

●バランス機能

ポータブル電源が長寿命を維持するためには、バッテリーの各セルが均等に使用される必要があります。BMSはバランス機能を通じて、全セルの電圧が均一に保たれるよう監視し、調整を行います。電圧のバランスが取れていないと、限定的に使用されるセルに負担がかかり、バッテリー全体の性能低下や寿命短縮の原因となるためです。

実際の動きとしては、BMSは低い電圧を持つセルに電流を送り、高い電圧を持つセルからは少なくし、すべてのセルが平等に働くように管理します。

●温度保護

BMSにとって、バッテリーの温度を適切に保つことは、安全性を維持する上での重要な役割です。BMSは内蔵された温度センサーを使用して、バッテリーが安全な運用温度範囲内にあることを常に監視します。一般的には-10℃から40℃程度の範囲内に収まる必要があります。

温度が設定された限界を超えた場合、BMSは充放電のプロセスを停止することにより、バッテリーの過熱を防ぎます。これは、バッテリーの劣化を防ぎ、最悪の場合、爆発や火災のリスクを回避するために不可欠です。BMSはポータブル電源の「健康状態」を監視して異常を察知する医師のような存在です。結果として、BMSが作動しないように、取扱説明書に書かれているポータブル電源の適正温度内で使用するようにしましょう。

●過負荷保護

ポータブル電源の安全性を確保するもうひとつの重要な機能が「過負荷保護」です。ポータブル電源に接続された機器の消費電力が、ポータブル電源の出力を超えた場合に、自動的に電源を遮断します。 

たとえば1000Wの定格出力を持つ1500Wの消費電力を持つ電化製品を接続すると、過負荷状態になります。このときBMSは過負荷を検知し、自動的に出力を停止し、ポータブル電源自体と接続機器の両方を保護する仕組みです。家庭用のブレーカーが電力使用量が多すぎるときに落ちるのと同じ原理、といえば分かりやすいでしょうか。 

過負荷保護機能があることで、ユーザーが誤って出力能力以上の機器を接続しても、内部回路やバッテリーの損傷、発熱、火災などのリスクを防止できます。


3.高性能BMS搭載!安全なポータブル電源なら「Jackery(ジャクリ)」

高性能BMS搭載!安全なポータブル電源なら「Jackery(ジャクリ)」

13年の歴史をもつポータブル電源ブランド「Jackery(ジャクリ)」では、BMS(バッテリーマネジメントシステム)をはじめとしたさまざまな保護機能・性能テストにより製品の品質を担保しています。ここでは、Jackeryポータブル電源の安全性を裏付ける4つのポイントを見ていきましょう。

①12種類の保護機能を持つBMSで最高峰の安全性を実現

Jackeryポータブル電源 BMSを搭載

JackeryのBMS(バッテリーマネジメントシステム)は12種類もの保護機能を搭載し、バッテリーのトラブルを未然に防いでいます。 

● 過電圧保護

● 不足電圧保護

● 高温保護

● 低温保護

● 過電流保護

● 過負荷保護

● ショート保護

● 通信異常保護

● 回路異常保護

● 過大圧力差保護

● 過大温度差保護

● バッテリー異常保護 

電流・電圧や温度などあらゆる要素を常に監視し、何らかの異常が起きた場合にはバッテリーを保護。よくある「満タンなのに充電しっぱなし」「充電0から放電しすぎ」によるバッテリーへの負担も抑え、安全で長く使えるポータブル電源を実現しました。

②さらに62の保護機能を搭載した「ChargeShield2.0技術」で安全性向上&充電を最適化

さらに62の保護機能を搭載した「ChargeShield2.0技術」で安全性向上&充電を最適化

Jackeryの安全性をさらに高めているのが、特許取得済の独自技術「ChargeShield2.0」です。以下の機能を備えています。 

● バッテリーの内側・外側からの二重保護機能

● AIによるバッテリー状態に応じた可変速充電機能

● より高度なBMS機能(62の保護機構) 

これらの機能により、一般的なリチウムイオンバッテリーよりも安全性を高めつつ、寿命を30%ほど延ばすことに成功。さらに図書館レベルの30dBまで充電時の音を抑えたり、より高速で充電したりすることも可能になりました。

③さまざまな試験をクリアし安全性もテスト済み

Jackeryでは製品の製造工程において、以下のような試験で安全性をしっかりとテストしています。 

● 砂塵試験:砂・チリ・ホコリへの耐久度をテスト

● ボタン寿命試験:ボタンを5,000回押しても問題ないことのテスト

● 抜き差し試験:ケーブル類を10,000回抜き差ししても問題ないことのテスト

● 熱耐性試験:過剰に熱を与えても発火や膨張がないことのテスト

● 圧力テスト:真上から強力な圧力をかけても潰れないことのテスト

● 落下試験:0.9mの高さから3回落としても壊れないことのテスト

● 衝撃テスト:高さ1.3mから重量535gの鉄球を落としても壊れないことのテスト

● 耐摩耗テスト:ヤスリのような金属装置で摩擦をかけ、劣化に耐えられるかどうかのテスト

● 振動テスト:震度7の地震にも問題なく耐えられることのテスト

● バッテリー充放電テスト:国際規格「UL」「IEC」の認証を満たした安全性・寿命があるかのテスト

● 精密部品テスト:1,000個以上ある精密パーツの1つひとつに問題がないことのテスト 

また、セットまたは別売りで販売されているソーラーパネルについても、折り曲げテストや防水・浸水テストなどを実施。試験項目はポータブル電源が533、ソーラーパネルが87にも及びます。漏れのない緻密な試験により、Jackeryは高品質なポータブル電源をユーザーの皆様にご提供しています。

④生産工程が自動化された工場で安全な製品を出荷

Jackeryでは生産工程のほとんどを自動化。基板から自社設計し生産しているので、外部要因による製品の不具合リスクを最小限に抑えているのが特徴です。また、梱包や搬送などの出荷工程も自動化されており、もはや「人の手によるミス」が入り得ない環境を実現しました。 

極限まで安全性に配慮し、生産工程を最適化させたJackeryでは、誰でも安心してお使いいただけるポータブル電源をユーザーの皆様にお届けしています。発火などのリスクがない安全なポータブル電源をお探しの方には、自信をもってJackeryをおすすめします。


4.BMS(バッテリーマネジメントシステム)に関するよくある疑問

BMS(バッテリーマネジメントシステム)に関するよくある疑問と、その回答をまとめています。

①バッテリーマネジメントシステムは点検が必要?

BMSは基本的に自己診断機能を持ち、常にバッテリーの状態を監視して自動的に保護しているため、ユーザーが定期的に点検する必要はありません 

②車のBMSとポータブル電源のBMSは違うもの?

電気自動車のバッテリー電圧は数百ボルトに及ぶため、基本的に100Vのポータブル電源よりも高度な保護機能が搭載されています。ただし、機能そのものに大きな差はありません。

③「バッテリーマネジメントシステム」以外に「BMS」の略語がたくさんあるようです。違いを教えて。

BMSという略語はさまざまな分野で使われているため、以下に「バッテリーマネジメントシステム」以外の主なものをまとめました。 

● ビルディングマネジメントシステム(Building Management System):建物の設備を一元管理するシステム

● ビジネスマネジメントシステム(Business Management System):企業の経営管理システム

● ブリストル・マイヤーズ スクイブ (Bristol Myers Squibb):医療業界で有名な製薬会社の略語

● 牛肉の霜降り等級(Beef Marbling Score):牛肉の霜降りの度合いを示す指標

● Be-Music Source:「beatmaniaシリーズ」を模した同人音楽ゲームの譜面フォーマット 

これらは「バッテリーマネジメントシステム」とはまったく関係のない略語なので、混同しないようにしましょう。

高性能なBMS搭載のポータブル電源一覧

5.BMSを理解して、最適なポータブル電源を選びましょう

この記事では、BMS(バッテリーマネジメント)の基本的な役割から、ポータブル電源におけるBMSの具体的な機能、さらにはバッテリー寿命と安全性に与える影響に至るまでを詳しくご紹介しました。

Jackeryのポータブル電源に組み込まれた先進的なBMS技術は、これらの安全機能をさらに強化し、どんな状況下でも最適な性能を提供しています。

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