氷点下でポータブル電源を使用できる?選ぶポイントと注意点を解説

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ポータブル電源は災害時はもちろん、キャンプや釣りなどのアウトドアシーンで重宝されるアイテムです。しかし、冬場の氷点下の過酷な環境では。「ポータブル電源は氷点下でも使えるのだろうか?」と悩む方もいるでしょう。

ポータブル電源は、氷点下でも使える製品が多いです。但しどの程度の寒さまで耐えられるかは、製品により異なります。またポータブル電源を使える温度だからといって、充電できるとは限らないことにも注意が必要です。

本記事では、氷点下でも使えるポータブル電源の選び方やおすすめ製品、氷点下でのポータブル電源の使用時の注意点をわかりやすく解説します。あわせて、厳冬期の屋外で安心して使えるおすすめモデルも紹介するので、参考にしてください。

目次
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1.ポータブル電源は氷点下でも使えるか?

ポータブル電源は氷点下でも使えるか?

氷点下でポータブル電源を使いたいと思ったら、チェックしておきたいポイントがあります。主な3つのポイントを確認していきましょう。

①動作温度に注目!マイナスの数字があれば使える

氷点下で使えるかどうか知りたい場合は、まずポータブル電源の動作温度をチェックしましょう。動作温度にマイナスの数字があれば使えます。例えば動作温度が「-10℃~40℃」となっていれば氷点下10℃まで、「-20℃~40℃」となっていれば氷点下20℃でも使えます。

②低温では取り出せる電池容量が少なくなることに注意

氷点下で使える機種でも、常温と使い勝手が変わる場合があることに注意してください。特に低温の環境では、取り出せる電池容量は常温で使う場合と比べて少なくなります。理由の一つに、電極や電解液の抵抗が低温では大きくなることが挙げられます。

電池容量が下がる量は、製品によって大きな違いがあります。氷点下20℃で取り出せる電池容量は、25℃と比べて1割程度の減少で済む製品がある一方で、半分程度に下がる製品もあることに注意してください。

③充電可能な温度は動作温度と異なる

ポータブル電源は、動作温度のほかに充電可能な温度が定められている点に注意が必要です。例えば、「Jackery ポータブル電源 2000 New」には、下記を記載しています。

● 動作温度:-10℃~45℃

● 充電温度:0℃~45℃

上記のように充電可能な最低温度は動作温度よりも高く、0℃以上が指定される製品が多いです。


2.氷点下でも使えるポータブル電源を選ぶ4つのポイント

氷点下でも使えるポータブル電源を選ぶ3つのポイント

ポータブル電源は、どの機種でも氷点下で使えるとは限りません。購入後に「寒い場所で使えない」など残念な気持ちになることは、ぜひとも避けたいものです。3つのポイントを押さえたうえで氷点下で使えるポータブル電源を選びましょう。

①低温でも機器に給電できる製品を選ぶ

氷点下で使えるポータブル電源を選ぶなら、低温でも機器に給電できる製品を選びましょう。動作温度の下限がマイナスであることは必須条件です。そのうえで、使う場所や環境に合った製品選びが重要です。

例えば早朝に氷点下5℃となる程度の場所であれば、動作温度が-10℃のポータブル電源を選んでもよいでしょう。一方で-10℃~-20℃の環境で使う場合は、-20℃でも動作するポータブル電源を用意しなければなりません。

充電可能な温度の範囲を確認する

「充電可能な温度は動作温度と異なる」で解説したとおり、ポータブル電源は動作温度と別に充電可能な「充電温度」が設けられています。使う場所の温度が充電温度よりも低い場合は、電池残量を使い切ってしまうとポータブル電源を暖かい場所に移動し、充電する必要があります。充電可能な温度はどの範囲か、事前にご確認ください。

動作温度の下限が-20℃、充電温度の下限が0℃の機器を例に考えてみましょう。-10℃で電池残量を使い切った場合、その場所で充電しポータブル電源を使い続けることはできません。晴れた日で太陽が降り注ぐ日であっても、現場でソーラーパネルやAC電源を使ったポータブル電源の充電はできず、0℃以上の場所に移して充電する必要があります。

例えば、Jackeryポータブル電源の充電可能な温度の範囲や容量、出力は以下のようになっています。

製品名

動作温度

充電温度

製品容量

定格出力

5000 Plus

-15~45°C

0~45°C

5040Wh

6,000W(瞬間最大12,000W)

3000 New

-10~45℃

0~45℃

3072Wh

3,000W(瞬間最大6,000W)

 2000 New

-10~45℃

0~45℃

2042Wh

2,200W(瞬間最大4,400W)

500 New

-20~45℃

-20~45℃

512Wh

500W(瞬間最大1,000W)

③安全機能が充実したポータブル電源を選ぶ

ポータブル電源にとって、安全に使えることは重要です。以下の機能が備わった製品を選ぶことで、事故を未然に防げます。

・過放電や過充電の保護機能

・過電流の保護機能

・ショート防止

・高温から本体を守る機能

・防火材料を使った筐体

Jackeryのポータブル電源は上記で示した項目を含め、さまざまな安全機構を備えていますから安心です。次の項目で、おすすめのポータブル電源を確認していきましょう。

関連人気記事:Jackeryポータブル電源の安全性について

④容量と定格出力が十分なポータブル電源を選ぶ

氷点下のような低温環境では、バッテリーの性能が一時的に低下しやすく、通常よりも電力の消耗が早まります。特に容量が小さいモデルは、あっという間にバッテリーが尽きてしまい、思わぬタイミングで使えなくなる恐れがあるため注意が必要です。

急に使えなくなるトラブルを防ぐためにも、冬場の屋外で使用する場合は大容量ポータブル電源を選びましょう。

また、使用予定の電化製品に対応できる定格出力(W数)も重要なポイントになります。
例えば、ホットカーペット、暖房や電気ケトルなど消費電力の大きいアイテムを使う場合は、定格出力が1,500W以上のモデルがおすすめです。

容量と定格出力の両方を備えている「Jackery ポータブル電源 2000 New」であれば、氷点下の環境でも長時間・安定して電力を供給でき、安心してアウトドアを楽しめます。

3.氷点下での使用におすすめのポータブル電源4選

氷点下での使用におすすめのポータブル電源4選

氷点下でポータブル電源を使うなら、Jackery(ジャクリ)の製品をおすすめします。Jackeryのポータブル電源は、多くの機種で氷点下での使用に対応しています。温暖な地域はもちろん、北海道や内陸部などの厳寒地でも、日中の気温が-10℃を上回れば多くの機種を使えます。

またJackery(ジャクリ)の製品はBMSやNCM制御機能をはじめ、さまざまな安全機構を搭載し、業界トップクラスの軽量とコンパクトを実現できています。

ここからは、氷点下でも使えるおすすめのポータブル電源を4機種紹介します。使う場所や目的に合った製品を選んでください。

●Jackery ポータブル電源 3000 New

Jackery ポータブル電源 3000 New セット 最軽量

Jackery ポータブル電源 3000 Newは、優れた耐寒性を備えている高性能モデルで、氷点下20℃でも動作できますから、日本ではほとんどの場所で使用できます。

充電温度は動作温度(-20℃~40℃)と異なり、0℃~40℃です。氷点下の屋外で充電することは難しいですが、0℃以上の室内で充電することは可能です。また屋外の気温が-10℃以上であればソーラーパネルを屋外に、「ポータブル電源 3000 Pro」を0℃以上の屋内に置くことで、太陽光発電による蓄電ができます

本体の定格出力は3,000Wあり、氷点下でも消費電力の高い家電を同時に複数使えます。容量は3024Whありますから、氷点下の環境で、長時間安心して使いたい方におすすめの1台です。

製品名 Jackery ポータブル電源 3000 New

容量

3,072Wh

定格出力

3,000W/正弦波(最大瞬間出力:6,000W)

出力ポート数

ACⅹ5、DCⅹ1、USBⅹ4

充電時間

AC充電:2.5時間
ソーラー充電:最速7.5時間(600W入力時)
シガーアダプター:35時間

寿命/サイクル数

4,000回のサイクル数
(4,000回充放電後も初期容量の70%を維持)

保証期間

5年間

●Jackery ポータブル電源 2000 New

氷点下で使えるJackeryポータブル電源2000New

Jackery ポータブル電源 2000 Newは、以下の特徴を備えたポータブル電源です。

・動作温度は-10℃~45℃、充電温度は0℃~45℃

・2,000Whクラスで業界最軽量と最小を実現

・本体の容量は2,042Wh、定格出力は2,200Wで一般家庭の99%以上の電化製品を使える

高温に強い一方で、動作温度は-10℃以上となっています。氷点下でも使えますが、-10℃を下回る場所では使えません。もっとも東京や仙台、名古屋、西日本では問題なく使えます。

東日本の内陸部や東北地方では最低気温が-10℃を下回る場所がありますが、このような場所でも日中の気温は-10℃以上となるケースが多いでしょう。

製品名

Jackery ポータブル電源 2000 New

容量

2042Wh

定格出力

2,200W/正弦波(最大瞬間出力:4,400W)

出力ポート数

ACⅹ3、DCⅹ1、USBⅹ3

充電時間

AC充電:2時間(緊急充電モードなら最速1.7時間)
ソーラー充電:最速6時間(400W入力時)
シガーアダプター:24時間

寿命/サイクル数

約4000回サイクル
※4,000回サイクル放充電後も工場出荷時の容量の70%以上をキープできます。

保証期間

5年間

●Jackery ポータブル電源 1000 New

Jackery ポータブル電源 1000 New

Jackery ポータブル電源 1000 Newの動作温度は-10℃~45℃、充電温度は0℃~45℃です。-10℃以上であれば、氷点下でも使えます。日中はほとんどの場所で使えるほか、仙台や東京、名古屋、大阪など多くの場所では季節や時間を問わず使えます。

本体の定格出力は1500Wですから、電子レンジや冷蔵庫などほとんどの家電を使えます。容量は、1,070Whと大容量でありながら、従来品よりコンパクト化にも成功しているのでキャンプや車中泊などでも邪魔になりません。

1000Whクラスで最軽量を実現し、女性でも片手で簡単に持ち運べるので、氷点下のアウトドアで手軽に家電製品を使いたい方にもおすすめです。

製品名 Jackery ポータブル電源 1000 New

容量

1070Wh

定格出力

1500W/正弦波(最大瞬間出力:3000W)

出力ポート数

ACⅹ3、DCⅹ1、USBⅹ3

満充電時間

AC充電:1.7時間(緊急充電モードなら1時間)
ソーラー充電:最速3時間(400W入力時)
シガーアダプター:12時間

寿命

リン酸鉄リチウムイオンバッテリー採用
4000サイクル数(10年以上使える)

保証期間

5年間

●Jackery ポータブル電源 500 New

1〜2日のキャンプや家庭の非常用電源に最適

Jackery ポータブル電源 500 Newは動作温度-20℃~45℃で、A4サイズよりも小さい薄型ボディを採用して、500Whクラスで最軽量の5.7kgで女性でも片手でラクラク持ち運びできます。

女性だけのキャンプで持ち運びやすさを重視したい場合や、氷点下のアウトドアでおもにスマートフォンの充電や電気毛布を使いたい方に適しています。

定格出力は500W、容量は512Whですから、スマホの充電や照明、調理家電など消費電力500Wまで幅広い家電にも対応します。

充電温度は-20℃~45℃氷点下環境でも問題なく充電できます

製品名 Jackery ポータブル電源 500 New

容量

512Wh

定格出力

500W/正弦波(最大瞬間出力:1000W)

出力ポート数

ACⅹ2、DCⅹ1、USBⅹ3

満充電時間

AC充電:1.3時間
ソーラー充電:最速3.3時間
シガーアダプター:6時間(200w入力時)

寿命

リン酸鉄リチウムイオンバッテリー採用
6000サイクル数(10年使える)

保証期間

5年間

4.断熱ケース「Jackeryヒーティングキャリーバッグ」があれば-40℃の極寒環境でも動作OK!

Jackery ヒーティングキャリーバッグ

氷点下の環境でポータブル電源を安心して使用したい方におすすめなのが、ポータブル電源を収納できる断熱ケース「Jackeryヒーティングキャリーバッグです。

USB給電式内蔵ヒーターと高密度素材を採用した断熱構造で電源への負担を減らせ、バッテリー寿命の延長につながります。 

Jackeryポータブル電源2000Newを利用する場合、-40℃の極寒環境で11時間適正温度を保てるほか、-20℃で60時間の稼働を実現しており、雪山でのキャンプや車中泊はもちろん低温下での防災アイテムとしても活躍します。 

また、Jackeryポータブル電源にぴったりフィットする専用設計もおすすめポイントです。アウトドアでの持ち運びはもちろん、自宅での保管でも役立ちます。

5.氷点下でもポータブル電源を安心して使う5つの注意点

氷点下でもポータブル電源を安心して使う5つの注意点

氷点下でポータブル電源を安心して使うため4つの注意点があります。どのような点に注意して使えばよいか確認し、ポータブル電源の有効活用につなげてください。

●あらかじめ充電を十分に済ませておく

ポータブル電源は動作温度と充電温度が異なるため、「動かせるが充電はできない」という温度が存在します。ポータブル電源の多くは、氷点下での充電ができません。

使い方によっては、ポータブル電源が電池切れになっても暖かい場所へすぐに移せないケースがあるかもしれません。電池切れで困らないよう、あらかじめ十分な充電を済ませておきましょう。バッテリーパックを使える機種では、バッテリーパックの充電も済ませておくと心強いです。

●ポータブル電源を包んだり囲んだりしない

皆さまのなかには、寒くなると「ポータブル電源が冷えないように、バッグなどに入れて使う」という方もいるかもしれません。しかし、このような使い方は避けていただきたい方法です。

ポータブル電源の本体には通風孔があり、内部の熱を逃がす働きがあります。通風孔がふさがってしまうと不具合の原因となり得るほか、本体温度の上昇による事故にもつながりかねません。

実際にJackeryが提供する「ポータブル電源 5000 Plus」「ポータブル電源 2000 New」「ポータブル電源 3000 New」などの取扱説明書に以下の注意が明記されています。

本製品の通風孔は、安全上絶対にふさがないでください。また、本製品の各面から5cm以上スペースを空けてください。

ポータブル電源を布などで包む、バッグに入れた状態で使うといった方法では、上記の注意事項を守ることは難しいでしょう。安心して使うためにも、ポータブル電源は周囲に物がない状態でお使いください。

●高温の物をそばに置かない

ポータブル電源内部の発熱を避けるという観点では、高温の物を近くに置かないことも重要です。いくら風通しが良い場所で使っても、周囲の温度が高いと不具合の原因となります。状況によっては本体内部の温度が上昇して、発火や発煙に至るおそれもあります。

国民生活センターは2021年(令和3年)3月18日に、「リチウムイオン電池及び充電器の使用に関する注意」を公表しました。この情報によると、リチウムイオン電池は表面温度が100℃を超えたあたりから温度が急激に上昇し、1分前後で400℃に達すること、高温の煙やガスが噴出したことが報告されています。

この結果を受けて、以下のアナウンスが行われています。

リチウムイオン電池を搭載した機器や充電器を放熱が妨げられる環境下で使用すると高温になるおそれがあります。使用中や充電中は発熱することを認識しておきましょう

引用:独立行政法人国民生活センター「リチウムイオン電池及び充電器の使用に関する注意

リチウムイオン電池を安全に使うためには放熱しやすい状況をつくるほかに、温度を上げるものをそばに置かないことも重要です。

●急激な温度変化を避ける

ポータブル電源は、急激な温度変化にも要注意です。周囲の温度が急に上がると、内部で結露が起きるおそれがあるためです。氷点下の場所から暖かい場所へ移してすぐに使うと、不具合が起きてしまうかもしれません。

結露を防ぐには、急激な温度変化を避けることが重要です。氷点下の場所から屋内に持ち込む場合、一気に暖かい部屋へ移すことはおすすめできません。いったん外と温度差が小さい場所に置き、温度変化の影響を小さくするとよいでしょう。

関連人気記事:ポータブル電源の寿命とは?寿命を延ばす方法を解説

屋外で保管しない

ポータブル電源は屋外に放置せず、必ず暖かい場所で保管しましょう。寒冷地ではバッテリー性能が著しく低下する恐れがあり、氷点下での長時間放置は故障の原因にもなります。 

特に、-10℃を下回る環境では注意が必要です。テント内に置くか、もしくは-10℃以上であれば車内で保管しても問題ありません。使用しない間も温度管理を意識して、ポータブルで電源の性能と寿命をしっかり守るように心がけましょう。 

また、保温バッグや断熱シートを活用するのも方法の一つです。氷点下の環境で性能低下が不安な場合には、「Jackeryヒーティングキャリーバッグ」も活用してみてください。

目的に合った製品選びで、氷点下でもポータブル電源を安心して使える

Jackeryでは、氷点下でも使えるポータブル電源を多数用意しています。寒さの厳しい場所では、動作温度最低~45℃に対応できる「Jackery ポータブル電源」がおすすめです。充電温度も0〜45℃と、氷点下の環境でも安心して使えます。

なお、氷点下10℃にならない場所で使うなら、さまざまな機種から選択可能です。お使いになる場所の気温を調べて、適切な機種を選びましょう。

氷点下では機器に給電できてもポータブル電源自体の充電はできない機器も多いです。氷点下の場所では電池容量が少なくなっても充電しにくくなるため、事前に十分な充電を済ませておきましょう。

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