車のバッテリー上がりはなぜ起こる?対応方法とやってはいけないこととは?

車バッテリー上がりの対処法

車にはさまざまなトラブルがつきものですが、その一つにバッテリー上がりがあります。バッテリーが上がると車が動かなくなってしまいます。今回は、車のバッテリー上がりの対処法について詳しく解説します。対処法だけでなくバッテリー上がりの原因やバッテリー上がりを防ぐためにできることなども紹介するので、ぜひ参考にしてください。

車のバッテリー上りとは?どんな状態を指すが?

そもそも、バッテリー上がりとは、バッテリー内の電力が少なくなり、エンジンがかからなくなった状態を指します。バッテリーは車を走らせるだけでなく、ライト、オーディオ、ナビなど、さまざまな機械を動かすために必要です。バッテリーが上がると車の運転に必要なさまざまな装置を使えなくなり、走らせることができなくなってしまいます。

車の運転にはトラブルがつきものです。万が一車が動かなくなったとき、バッテリー上がりかどうかを判別することは、後の対処のためにも大切です。それでは、バッテリー上がりの症状を詳しく解説しますので、どうぞご参考ください。

●エンジンがかからなくなる

バッテリー上がりの主な症状に、エンジンがかからなくなるという点があります。

エンジンがかからなくなる原因はバッテリー上がり以外にもガス欠や燃料ポンプの不良などがあります。

しかし、何度かエンジンをかけてもても稼働せず、燃料も十分にあり、警告灯などがもんだいなく作動している場合は、バッテリー上がりと見て間違いないでしょう。

●駆動音が弱くなる

バッテリーが上がると、エンジンをかけたときの音もいつもと違います。

普段より音が弱く、エンジンがかかりにくいと感じた場合は、燃料や警告灯を確認してみてください。

燃料や警告灯に問題がない場合は、バッテリーの電力が減っている可能性が高いです。

●電飾品がつかなくなる

車のエンジンがかからず、パワーウィンドウやパワーシートが作動せず、ラジオやナビも動かない場合、バッテリー上がりが予想されます。

車のエンジンがかかっていないとき、これらの電飾品はバッテリーの電力で稼働しています。バッテリーが上がると電力を確保できず、これらの電飾品にも影響が及びます。

●設定がリセットされる

バッテリーが上がってから復旧したときには、時計やナビなどの設定がリセットされることがあります。

バッテリー上がりかどうかの判断基準ではありませんが、復旧後はこれまで通りに使えない可能性があるので、時計やナビをよく確認してから車を動かしましょう。

とくに時計やナビの設定がリセットされている場合は、運転中のトラブルを避けるためにも正しく設定しなおしてから車を走らせることが大切です。

車のバッテリーが上がる4つの原因

次は、車のバッテリー上がりの原因を4つ紹介します。原因を突き止めれば、今後の対策にもなり、バッテリー上がりを防ぐことも可能です。

①バッテリーの劣化

バッテリー上がりの中でももっとも大きな原因が、バッテリーの劣化です。

車の多くの部品と同じように、バッテリーも使い続けるうちに劣化が進みます。バッテリーが劣化すると電気を貯蓄できなくなり、すぐに電気が切れてバッテリーが上がってしまいます。

車のバッテリーの寿命は平均で2年から3年程度といわれています。適切なタイミングで、随時バッテリーを交換するようにしましょう。

②バッテリーの自然放電

バッテリーの自然放電によりバッテリー上がりを起こすこともあります。

自然放電とは、バッテリーを使っていなくても貯蓄した電気が自然に減ってしまう現象のことです。車を運転しているとその分バッテリーが減っていきますが、車を運転していなくても徐々にバッテリーは減っていきます。

運転する機会が少なく、バッテリーを意識する頻度が少ないと、気づかないうちにバッテリーの残量が少なくなってしまう可能性があります。

③エンジンを切ってエアコンやライトを使った

車のエンジンを切った状態でエアコンやライトを使った場合もバッテリーの消耗が激しくなり、バッテリー上がりの原因になります。

車のエンジンが作動している間は発電機によって電力が供給されますが、そうでない間はバッテリーによる発電に頼らなければなりません。

エンジンを切っている間は極力エアコンやライト、ほかにもオーディオなどはつけっぱなしにしないようにしましょう。

➃寒冷地に長時間車を放置していた

寒冷地に車を長期間放置しておくことでもバッテリーの消耗は激しくなります。

バッテリーの中にはバッテリー液が入っており、バッテリー液は気温が寒くなると性能が落ちます。外気温が0度になると本来の性能の80%、マイナス20度になると本来の性能の50%しか発揮できません。バッテリーは経年劣化も進むため、古い車の場合は性能が50%以下になってしまうこともあります。

日本国内であっても北海道などの寒い季節は気温がマイナスになることも珍しくなく、バッテリーの消耗が激しくなることは理解しておかなければなりません。

車のバッテリーが上がったときの5つの対処法

くるまのバッテリーが上がったときの対策を5つ紹介します。実際にバッテリーが上がってしまったら、どのように講堂すればいいのかを確認しましょう。今すぐできる方法から、バッテリー上がりのあとにできる対処法まで、さまざまな方法をチェックしてください。

①他の車から電気をもらう(ジャンピングスタート)

他の車のバッテリーから電力をわけてもらう方法を、ジャンピングスタートといいます。

ジャンピングスタートは、車のバッテリー上がりの対処法としては代表的なものです。ですが、電力をわけてもらう車がなければ実行できません。また、感電や故障のリスクがあり、専門的な知識が必要という点にも留意する必要があります。あくまでも臨時の対応として覚えておき、他の方法も考えるようにしましょう。

実際のジャンピングスタートの方法を簡単に紹介します。

自分の車と他の車のバッテリーをブースターケーブルでつないで電力をもらい、エンジンを始動させます。電力をわけてもらう車に、赤と黒のブースターケーブルをつなぎ、エンジンをかけます。その後、赤のケーブルをバッテリーが上がっている車のプラス端子につなぎましょう。次に、赤のケーブルの反対側をバッテリーのプラス端子に接続します。

次に黒のケーブルをバッテリーをわけてもらう車のマイナス端子につなぎ、反対側をバッテリーが上がった車の金属部分に接続します。これでジャンピングスタートができます。

②ジャンプスターターを利用する

車に積んでいるジャンプスターターを利用してバッテリー上がりに対処する方法もあります。

ジャンプスターターとは、車専用のモバイルバッテリーのことです。ジャンピングスタートと違い別の車から電力をもらう必要がないため、車にジャンプスターターがあればすぐに対処できます。

ジャンプスターターはカー用品店で、数千円から1万円程度で販売されています。万が一の際に非常に役立つアイテムなので、一台用意しておくことをおすすめします。

③バッテリーを充電する

バッテリー上がりの対策

定期的に車のエンジンをかけてバッテリーを充電する方法が一般的ですが、車を使う頻度が少ない場合、専用の充電器で充電する方法もあります。

ポータブル電源を車に積んでおけば、いつでも任意のタイミングでバッテリーに充電できます。ポータブル電源は事前の充電が必要ですが、ソーラーパネルと組み合わせて、コンセント充電以外の方法で本体を充電する方法もあります。

Jackeryポータブル電源の場合は、12V / 10A鉛蓄電池を搭載した車にバッテリー充電できます。

➃ロードサービスに依頼する

周囲にバッテリーの電力をわけてくれる車がいない、車にポータブル電源やジャンプスターターも乗せていない場合は、ロードサービスを呼ぶ方法があります。

ロードサービスは、救援依頼の電話をして現在地などを伝えるとすぐに駆けつけてくれるサービスです。救援車がジャンピングスタートをおこない、エンジンがかかったことを確認したら料金を支払います。

ロードサービスは日本自動車連盟が一般的ですが、任意で加入している自動車保険がロードサービスを手配してくれることもあります。料金やサービス内容はサービスによってさまざまな違いがあります。

日本自動車連盟の場合は入会金2000円、会費4000円で、バッテリー上がりのサービス料は無料です。日本自動車連盟の会員でない場合は15000円程度の費用がかかります。さらに、高速でのバッテリー上がりの場合は高速道路の料金も請求されます。

任意の自動車保険の場合、バッテリー上がりへのサービスは10000円程度が相場です。加入している保険の内容によっては無料だったり、割引を受けられたりすることもあります。

⑤新しいバッテリーと交換する

バッテリーは経年劣化が進むアイテムです。バッテリーが上がってしまったらいつからそのバッテリーを使っていたか確認し、必要であれば交換しましょう。

バッテリー上がりが起きてから交換するとロードサービスを呼んだりジャンピングスタートをしたりする手間、費用がかかってしまいます。できればバッテリーが上がる前に交換するのがベストです。最後にバッテリーを交換した日がすぐにわかるようにしておき、適切なタイミングで交換しましょう。

車のバッテリーが上がったらやってはいけないことは?

車のバッテリーが上がったときの対処法はさまざまありますが、やってはいけないことも確認しておきましょう。間違った対処法を取ることで、車が故障したり、感電や怪我のリスクが高まります。正しい対処法を選んで安全に作業を進めるためにも、下記のポイントをチェックしてくださいね。

●何度もエンジンをかける

車が動かないからといって何度もエンジンをかけると、バッテリーが上がっている場合は余計にエンジンがかかりにくくなってしまいます。

バッテリーはエンジンをかけるときなど、始動時により多くの電力を使います。新品のバッテリーであっても、何度もエンジンをかけることで劣化を進めてしまうので注意しましょう。

何度かエンジンをかけても車が動く気配がなければ、バッテリー上がりと認識して適切な対処法を取りましょう。

●バッテリーが上がったまま放置する

バッテリーが上がったまま車を放置すると、もともと電力が下がっているバッテリーが自然放電によりさらに消耗し、バッテリーそのものの劣化が進みます。

バッテリーが劣化するとフルで充電をしても消費が激しくなってしまいます。一度劣化したバッテリーの蓄電量を回復させることは難しく、またすぐにバッテリー上がりを引き起こしてしまう原因になります。車のバッテリーが上がったら放置せず、速やかに対処しましょう。

●やり方がわからないまま作業する

ジャンピングスタートには専門的なアイテムや知識が必要で、わからないまま作業をすると返って事態が悪化する可能性があります。

車の電飾パーツに触れると感電してしまうリスクも高く、知識がない状態で無理に作業をするのは非常に危険です。

事前にバッテリー上がりの対策に向けた知識を持っておくことは大切ですが、わからない場合は無理をせずロードサービスに依頼しましょう。

車のバッテリー上がりは自然回復する?

車のバッテリー上がりは、放置していても自然回復することはありません。

そもそもバッテリーの電力が減って車が動かなくなっている状態が、バッテリー上がりです。エンジンが止まっていると発電されることもなく、充電はできません。

バッテリー上がりが起きた時点で早めに対処を考えましょう。