車中泊仕様にするためには軽バンは最強?メリット&デメリットを徹底追及
「本当に軽バンは車中泊に最適なクルマなのか?」
車中泊に軽バンを愛用されている方が増えてきていますね。YouTubeで配信されている方も軽バンを車中泊仕様にされている方が多いように感じます。
今回の記事では、車中泊仕様にカスタマイズするなら軽バンは最強説を検証するため、メリット&デメリットを中心にまとめています。車中泊におすすめの軽バンや、必要となる装備も一緒にまとめていますので、車中泊仕様に軽バンを検討されている方におすすめです。
軽バンは車中泊に向いている理由
●軽バンとは軽自動車におけるワンボックス
軽バンとは、ボンネットが非常に短い、またはボンネットのない箱状のボディをした軽貨物自動車のことを指します。普通の軽自動車よりも、軽自動車の規格めいいっぱいに荷物を乗せるスペースを確保しているのが特徴ですね。
·荷室スペースの利便性を最優先に考えられている
·車両価格や維持費が安い
ことで、今までから「仕事用のクルマ」として多く使われてきました。
その荷室スペースの広さが車中泊をするためのスペースとうまくかみ合っていることは、軽バンが車中泊に向いているとされる大きな理由になっています。
●軽バンと軽ワゴンとは安全基準や維持費が違う
軽バンと軽ワゴンではあまり見た目は変わりませんよね。違いをまとめると以下のようになります。
·軽バン:荷物を乗せることを優先的に作られている
·軽ワゴン:人を乗せることを優先的に作られている
この違いによって、軽ワゴンは外装がゴージャスだったり、後部座席が快適だったり、人が乗る場所として細かな部分の仕様が違っています。また、自動車税や安全基準にも違いが出ています。軽バンよりも人を乗せることを想定している軽ワゴンは、衝突安全基準などの規格が厳しく設定されています。
「仕事用」として考えられている軽バンは、自家用貨物としての扱いでナンバープレートが4ナンバー。軽ワゴンは自家用者としての扱いなため5ナンバーとなっており、自動車税も4ナンバー5,000円。5ナンバーは1万800円となっていて軽バンの方が安く設定されているのが特徴です。維持費が安いという一面も、旅費を安く抑える目的で車中泊をされている方には軽バンを選ぶ理由になっているのでしょう。
軽バンで車中泊をする8つのメリット
●メリット1:「車両価格が安い」
軽バンと軽ワゴンの本体価格を比べてみると50万円以上差が出てきます。たとえば、
·スズキ・スペースギア 商用車:139万円~166万円
·N-BOX 自家用車:146万円~228万円
最上級グレードの差は62万円。自家用車と商用車では大きく差がでますね。中古車で探すと恐らくかなり差が出るのではないでしょうか。消費税も考えると、クルマの購入は少し思い切らないとできない買い物です。安く手に入れられやすい軽バンは、車中泊仕様へのカスタマイズ費用も考えると、本体価格が安い方に目が行ってしまうのもわかりますね。
●メリット2:「税金が安い」
前述で少し税金について触れましたが、商用車(4ナンバー)と自家用車(5ナンバー)では自動車税に違いがあります。
·商用車(軽自動車)の自動車税:5,000円
·自家用車(軽自動車)の自動車税:10,800円
比べると2倍近い差が出ます。年間5,800円差が出てくるので、少しでも安く手に入れたい方は軽バンを購入するメリットは大きいですね。新車で購入したら、10年は乗れると換算した場合の差額は58,000円にもなります。車中泊仕様にしないまでも、軽バンは維持費が安くて済むのでとてもお得です。
●メリット3:「機動力が高い」
車中泊キャンプに行くときや、車中泊できそうな場所を探していると、ときに狭い参道や悪路を走らなければならないときもしばしば。そんなときに軽バンだとコンパクトな車体のおかげですいすい走ることができます。
また、ふとしたUターンが必要になったときでも、小回りが利くので何回か切り返すだけでUターンも可能です。運転が苦手な人なら、この小回りが利くことはとても大きく感じるのではないでしょうか。
●リット4:「駐車スペースが確保しやすい」
人通りが少ない場所でちょっと一休みがしたいときや、道に迷って地図やナビを確認するときなど、普通車では停車できない場所でも軽バンなら可能なスペースがあります。
駐車場でも「軽自動車用」の場所でも停められるので、普通車と比べると駐車スペースは確保しやすいですね。RVパークやオートキャンプ場でも、サイトのスペースを普通車よりも大きく取れることもメリットです。
●メリット5:「高速道路の料金が安い」
普通車と軽自動車の高速料金には違いがあり、基本的に一部の有料道路を除き、軽自動車は普通車に比べて約20%安く設定されています。たとえば、
·東京(東京都)から吹田(大阪府)までの高速道路の料金(普通車)=10,840円
·東京(東京都)から吹田(大阪府)までの高速道路の料金(軽自動車)=8,810円
となっており2,030円ほど軽自動車が安いです。
車中泊先に向かうときに高速道路を利用する場合、軽バンの方が旅費が安く抑えられます。
●メリット6:「軽自動車の中では広さがトップクラス」
軽自動車の中ではわりと広さを感じる軽ワゴンでも、運転席より後ろの広さを比べると、やはり荷物を多く乗せられるような前提で設計されている軽バンの方が車内は広く設計されています。また非常にシンプルなつくりになっているのも特徴的です。たとえば、
·ダイハツ・ハイゼットカーゴの荷室の広さ:1,915×1,410×1,250(mm)
·N-VANの荷室の広さ:1,510×1,235×1,365(mm)
軽バンと軽ワゴンの広さを比べてわかることは、軽バンの方が後部座席をなくせば大人が楽に寝られるスペースを確保できることです。
これに対し、軽ワゴンで大人が寝ようとした場合、シートをフルフラットにしてなら可能となります。不可能ではないのですが、「寝心地」や「車内のカスタマイズ」に違いがでてきますね。本格的な車中泊仕様にするなら、軽バンの方が荷室も広く、段差や凹凸がないため有効活用できます。
●メリット7:「車高が高いので身動きが取りやすい」
軽バンのダイハツ・ハイゼットカーゴの荷室の高さは1,410mm。この高さなら少しかがめば大人が室内で立って歩くこともできる高さです。室内を本格的に車中泊仕様にするならこの高さは有効活用できるでしょう。たとえば、ベッドを作って反対側に収納スペースや机を備え付けても身動きが取りやすく、ちょっとした秘密基地っぽく室内をカスタムできますね。高さを利用して天井に収納スペースを確保することも考えることができます。
「Simpls is Best(シンプルイズベスト)」
単純素朴であることが最良であるという言葉が似合うのが軽バンで、本格的な車中泊仕様にするためには必要なことです。
●メリット8:「車中泊仕様にカスタマイズがしやすい」
本格的な車中泊仕様にするためには、いろいろ装備が必要です。車内で数日生活しても不便さを感じないようにする装備。
·快適に眠ることができる場所
·食事をするための場所
·生活用品を収納するための場所
これらを車内に確保できれば、たとえ数日間の車中泊でも快適に過ごせるようになります。軽バンは室内の広さがトップクラスであり、障害物になる段差や凹凸をほぼ無くすことができます。よって、これらの場所を容易に確保することができるでしょう。
軽バンで車中泊をする5つのデメリット
●デメリット1:「普通車ワンボックスには広さは敵わない」
「広さの面で軽バンは最強」
これは軽自動車の中での話です。普通車ワンボックス。ミニバンには敵いません。最近では
·「維持費が安い」
·「車中泊が流行っている」
·「アウトドアブーム」
も後押ししているせいか、軽バン&軽ワゴンの需要がかなり伸びています。需要が上がると当然価格も上がってきているのも事実。中古市場では普通車の方が軽自動車よりも安く手に入ることもあるので、考えようによっては普通車を選んだ方が安くなることも。
普通車ワンボックスはシートをフルフラットにすれば、十分すぎる広さで寝ることもできます。軽自動車の超えられない壁には逆らえませんね。
●デメリット2:「運転中の乗り心地が少し残念」
軽バンのシート。特に後部座席のシートはほぼ直角でリクライニングができない仕様になっているため、人を乗せて長時間運転することに向いていません。また、軽乗用車と比較すると後部座席を格納できるように作られているため、小さく薄いシートになっていることもその原因となっています。よって乗り心地は軽乗用車と違って少し悪く感じることが多いです。
軽バンは最大積載量の関係で、足回りも軽乗用車と比べて固くなっていることがあります。その点でも振動が直に伝わりやすく、乗り心地もその分悪く感じるのが残念なところです。
●デメリット3:「衝突時の安全性が他に比べて弱い」
軽バンは全体的な構造として、ボンネットの部分が一般の軽自動車と比べると短い仕様になっています。その分衝突したときの衝撃を吸収する部分があまりないので、安全性の面ではリスクを背負うことになるでしょう。
また、助手席やサイドのエアバッグが装備されていない軽バンもあるので、事故による「自分の身を守るための装備」への配慮が少ないことも残念な部分と言えるでしょう。
●デメリット4:「任意保険が少し高くなる傾向がある」
軽バンは基本的に「商用車」として使うことを目的としているためか、多くのバンが「仕事用」として考えられています。よって、長距離を走る車両としての認識が高くなってしまいます。
走行距離が長いとそれだけ事故のリスクも高いと評価されがち。そうなると、任意保険も一般の軽自動車と比べて割高になってしまう傾向です。また、「商用車」という枠組みでは「家族特約」や「年齢条件」などの割引要素が適用されにくいこともあります。
●デメリット5:「燃費が少し悪くなる傾向にある」
軽バンは「荷物を乗せて走る」ことを前提にして設計されたクルマです。その分ミッションに負荷がかかって壊れにくく、加速性が高いように作られています。一般の軽自動車の多くはCVTや4ATですが、軽バンだと3ATのものが多いです。これは、
·荷物を乗せた状態でも加速力が必要
·CVTはたくさん荷物を乗せて走ることに向いていない
ことが要因です。また、信号待ちなどで停車したときにエンジンが切れる機能「アイドリングストップ」は商用車向きの機能ではないため付いていません。その分も含めると一般の軽自動車と比べると、どうしても燃費に差が出てしまいますね。
軽バンを車中泊仕様にするならこの3台がおすすめ
①スズキ・スペーシアベース
「軽バンなのに低燃費」
様々な用途で車内をコーディネートできる汎用性の高い軽バン。それがスペーシアベースです。軽バンのデメリットな部分にメスを入れたように、
·充実の安全性
·軽商用車No.1の低燃費
·汎用性の高い室内環境
これらを考え設計されています。多彩なシートアレンジで4つのモードに切り替えられる仕組みになっていて、デスクワークや車中泊、アウトドアにお買い物など、様々なシチュエーションに切替えることができます。また、たくさんの収納スペースが既に用意されているのも魅力です。
本体車両価格:1394,800円~1667,600円
荷室寸法:1,205×1,245×1,220(mm)
※助手席前倒し時床面長:2,030(mm)
②ダイハツ・アトレー
「新型アトレーは商用車でもCVT化」
アウトドアや車中泊にも目を向けた仕様にモデルチェンジした新型アトレーは、荷室の広さや収納スペースも考えられたつくりになっています。今までの軽バンにあったデメリットも改善されています。
·ミッションがCVTになって乗り心地が良くなっている
·ラゲッジフロアとリアシート背面が防水素材になっている
·4ナンバーでも安全装備と快適装備が5ナンバー仕様と変わらない
以上が注目のポイントです。
仕事用として重宝されてきた軽バンのイメージから、アウトドアや車中泊などの目的にされる方が増えてきている傾向にある中、軽バンの新しい需要に応えるべく進化した感じがしますね。
本体車両価格:1562,000円~1914,000円
荷室寸法:1,820×1,265×1,215(mm)
③ダイハツ・ハイゼットカーゴ
「軽No.1の積載量を誇る荷室の広さが魅力」
ハイゼットの最大の魅力は、その荷室の広さです。助手席まで倒せば最大2,650mmの広さを得ることができます。荷物をたくさん積めること以外にも注目の点は、
·使い勝手を高めるユースフルナット
·撥水フルファブリックシート
·車両本体価格の安さ
など、仕事で利用する軽バンとしての考えられた仕様になっています。荷物室にさまざまなものを取り付けられるユースフルナットは、荷物を固定するときに役立つ装備です。この装備は車中泊仕様にカスタムする際、役立ちそうですね。撥水装備も汚れをサッと水拭きできるので、お手入れが簡単です。
本体車両価格が他と比べて安く設定されているのも魅力的です。車中泊仕様にカスタマイズする費用を考えると、本体価格が安いとその分カスタマイズ費用に充てられますね。
本体車両価格:1045,000円~1551,000円
荷室寸法:1,915×1,270×1,250(mm)
軽バンで快適な車中泊に欠かせないアイテム4選
●車中泊を快適に過ごすための「ポータブル電源」
ポータブル電源は、車内を快適に過ごすために必要となる家電製品を動かすのに必要な電力供給源です。日が落ちて暗くなった車内を照らす照明器具や、車中泊の醍醐味とも言える車中飯を楽しむための調理家電を動かすためには欠かせません。
とくに車中飯をおいしく食べるために、車内でちょっとした調理や小型炊飯器でご飯を炊いたりすることもあります。非日常を車内で体験する楽しみにもなるでしょう。
車中泊におすすめのポータブル電源で言うと、ソーラーパネルがセットになった
です。複数の家電製品を動かせる容量と定格出力を持っているので、ほぼ全ての家電製品を動かすことができます。たとえば、コーヒーメーカーや炊飯器、冷蔵庫、電子レンジまでも動かすことができる優れものです。そのほか、特徴をまとめると以下の5つです。
·メーカー保証が充実している(5年間の長期保証と無料引取り処分に対応)
·1台買えば10年は使える長寿命
·ソーラーパネルとセットだから、万が一充電がなくなっても太陽光から充電可能
·大きな取っ手がついているので持ち運びがしやすい
·複数人での車中泊やキャンプでの利用の際は容量を増設可能
などはJackery ポータブル電源の良さでありおすすめポイントです。
●寝心地を快適にするためのマット&寝袋
軽バンの車中泊を快適に過ごすために考えるべきことの中で、「車内で眠ること」はとても重要なポイントです。外気温に影響されやすい車内で自分の体温を守るには季節に応じた寝袋と、シートの段差や凹凸をフラットにするためのマットは必要不可欠な装備品です。
重要性と必要性の高さから車中泊をするうえで三種の神器とも呼ばれています。ぜひ一番に揃えておきましょう。ポイントは、季節に応じて寝袋のサイズを変えることです。たとえば、冬は気密性や断熱性に優れた寝袋でないと、
「寒くて眠れない」
「肩口が冷えてしまう」
こととなり、最悪体調を崩してしまう原因となってしまいます。車中泊を楽しむために遠出したのに体調を壊して早期撤退を余儀なくされてしまったら、悪いイメージが根付いてしまいますよね。
マットはシートを倒したときに段差や凹凸からカラダを守ってくれる役割を果たしており、
「シートの段差が痛くて寝苦しい」
「朝起きるとカラダが傷む」
ことから身を防ぐ働きがあるので、あるのとないのとでは雲泥の差がでてきます。快適な睡眠を得るためにマットの準備は必要です。
●車外との目線と断熱目的のサンシェード(目隠し)
暗くなってくると、車内で照明を付けて過ごすことになります。車内にいると気づかないことがありますが、後部座席がプライバシーガラスになっていたとしても外から丸見えになってしまいます。サンシェードを取り付けることによって、
·外からの視線を遮断できる
·断熱効果のあるサンシェードなら、温度の影響を受けにくくする
効果がありとても重宝します。サンシェードも三種の神器の1つでもあり、必要不可欠な装備なので、優先的に揃えるようにしましょう。最近の車中泊、アウトドアブームの影響からか、車種専用のサイズピッタリのサンシェードも販売されているので、参考にしてみてください。
まとめ:軽自動車で車中泊するなら軽バンが最強!
今回の記事では軽バンは仕事用のクルマとして以外にも、車中泊に適したクルマであることをまとめました。その中で軽バンを車中泊仕様にするメリット&デメリットを中心にくわしく解説しています。そのほか、
·車中泊におすすめの軽バン
·軽バンで車中泊するに必要な装備
も一緒にまとめましたので、これから車中泊仕様に最適なクルマをお探しの方には参考になる情報です。
軽バンの最大の魅力は、最大の荷室の広さを誇る軽自動車であること。その広さは車中泊をするうえでとても大きな魅力となるでしょう。デメリットな部分はありますが、新型の軽バンならデメリットをうまく解消できています。あなたの「移動できる秘密基地」となるカスタムができるクルマ選びの参考になれば幸いです。