エアコン用コンセントの増設は必要?工事内容から費用相場まで解説

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エアコンを新しく取り付けたいけれど「コンセントの形状が合わない」「電圧が足りない」と困ったことはないでしょうか。家庭でエアコンを安全に使うには、専用のコンセントが必要です。

 

この記事ではエアコン用コンセント増設が必要な理由から具体的な工事方法、費用相場まで解説します。記事を読めば自宅のエアコンに合ったコンセント増設方法が分かり、安心してエアコンを設置できます。

目次

1.エアコン専用のコンセント増設が必要な理由

 

エアコン専用コンセントの増設が必要な理由は、安全にエアコンを動かすためです。 

エアコンは運転開始時に大きな電流が流れます。他の家電製品と同じ回路を使用すると、回路あたりの電流量上限をオーバーしブレーカーが落ちる原因になります。また、機種によってはそもそも、通常のコンセント(100V)とは異なる200Vのコンセントが必要です。 

エアコンに合っていないコンセントを使用して運転するとコンセント部分に過度な負荷がかかり、発熱や火花が発生しかねません。専用コンセントを設置すれば、エアコンに安定した電力を供給し、安全に使用可能です。

2.エアコン専用コンセントの増設が必要か確認するポイント4選

 

今あるコンセントがエアコンに適しているか判断するには、下記の4つのポイントを確認しましょう。 

コンセントの形状がエアコン専用タイプか

コンセントの電圧がエアコンに適しているか

コンセントの位置が高い場所にあるか

ブレーカーにエアコンと書かれたラベルが貼ってあるか 

専用のコンセントがない場合は増設をしないとエアコンが取り付けられないため、自宅の状況を把握しておく必要があります。

コンセントの形状がエアコン専用タイプか

エアコン専用コンセントは、一般的な家電用コンセントとは形状が異なります。通常の100Vコンセントは縦に並んだ2つの穴ですが、エアコン専用の200Vコンセントは異なる形状です。 

エアコン用コンセントには複数の種類があり、下記のとおり電圧・容量によって形状が変わります。 

100V15A:縦に並んだ2つの穴(もっとも一般的な種類)

100V20A:横に並んだ2つの穴の一方がL字やT字型

200V15A:横長の穴2つと下に丸い穴(アース)

200V20A:横長の穴2つと下に丸い穴で、横長の穴の片方がL字型 

お使いになるエアコンを確認し、自宅のコンセントが必要な電圧・容量に対応しているかチェックしましょう。

コンセントの電圧がエアコンに適しているか

エアコンとコンセントの電圧が一致していないと安全に使えず、故障や事故の原因になります。性能が高い(=対応畳数が広い)エアコンは200Vのコンセントが必要な場合があります。 

コンセントの電圧は、ブレーカーボックス内の表示や、コンセント周辺の表示で確認しましょう。200Vのコンセントには通常「200V」と表示され、配線も専用のものが使われています。

200Vのコンセントには通常「200V」

電圧が合わない場合は、コンセントの交換または新設が必要です。コンセントの形状を変えるだけではなく、配線工事から行う必要があるため、電気工事士による専門的な工事をしなくてはいけません。

コンセントの位置が高い場所にあるか

エアコン用コンセントは、通常の家電用コンセントよりも高い位置に設置されていることが特徴です。エアコンの室内機が壁の高い位置に取り付けられるためです。

一般的に、エアコン用コンセントは床から2メートル以上の高さに設置されています。

ブレーカーにエアコンと書かれたラベルが貼ってあるか

分電盤(ブレーカーボックス)内に「エアコン」と表示されたブレーカーがあるか確認すれば、専用回路があるか判断できます。

エアコン専用のブレーカーがある場合、その回路はエアコンのみで使用されており、他の家電製品と電力を共有していません。これにより、エアコンの運転開始時の大きな電力消費によってブレーカーが落ちることを防げます。また、他の家電製品の使用状況に関係なく、エアコンに安定した電力を供給できます。 

専用ブレーカーがない場合は分電盤に新しくブレーカーを設置し、エアコンを使いたい場所まで配線を引く「専用回路」を設ける工事が必要です。

3.エアコン用コンセントを増設する4つの方法と工事費用の相場

 

エアコン用コンセント増設には主に4つの方法があり、それぞれ工事内容と費用が異なります。現在の設備の状況と設置予定のエアコンに応じて、適した方法を選びましょう。

コンセント差し込み口の数を増やす

既にエアコン専用のコンセントがある場合、差し込み口の数を増やす工事がおすすめです。この工事は既存の配線を活用するため、短時間で終了します。 

工事内容は以下のとおりです。 

現在のコンセントボックスを差し込み口が複数あるタイプに交換する

配線自体に手を加える必要がなく、大規模な工事は必要ない

作業時間は通常1〜2時間程度で、その日のうちに使い始められる

費用は5,000〜15,000円程度である 

ただし、この方法が適用できるのは、現在ある回路の容量に余裕がある場合に限られます。複数台のエアコンを同一回路で使うなら、合計消費電力が回路の許容範囲内か確認しましょう。

エアコン用コンセントを新設する

エアコン専用コンセントが存在しない場所に新たにコンセントを設置する工事です。この方法では、分電盤に新しい専用回路を設ける必要があります。 

1.分電盤に新しいブレーカーを設置する

2.エアコン設置予定場所まで専用の配線を引く

3.エアコン専用コンセントを設置する 

配線ルートは住宅の構造によって決まり、天井裏や壁内を通す場合が多いです。 

費用相場は20,000円〜50,000円程度で、配線距離や住宅の構造によって大きく変動します。木造住宅の場合は比較的工事が簡単ですが、鉄筋コンクリート造の住宅では配線ルートが限られるため、費用が高くなる傾向があります。工事期間は半日から1日程度です。

配線を変更する

既存の配線を活用しながら、エアコンに適した仕様に変更する工事方法です。配線変更の工事は、分電盤内のブレーカーの容量を変えて、必要に応じて配線自体も交換します。現在のコンセント位置は適切なものの、100Vから200Vへ変更する必要があったり、電力量が足りなかったりする問題を解消するのが目的です。 

既にある配線ルートを使うため、大規模な工事は不要。費用は15,000〜35,000円程度が相場で、配線を変える範囲によって決まります。ブレーカーの交換のみで済む場合は比較的安価ですが、配線自体の交換が必要な場合は費用が高くなります。

コンセントの電圧を変更する

100Vコンセントを200Vに変更する工事で、多くの家庭で必要となる工事です。この工事では、コンセント自体の交換に加えて、配線とブレーカーの変更も含まれます。 

単相100Vから単相200Vへの変更では、分電盤内の配線を変更し、容量が足りるブレーカーに交換します。その後、コンセント部分も200V対応のものに交換が必要です。費用相場は18,000円〜40,000円程度で、住宅の電気設備の状況によって変動します。 

分電盤に200V用の回路を設ける余裕がある場合は比較的簡単です。ただし、分電盤自体の容量が不足している場合は、大規模な工事が必要になります。

関連人気記事:屋外にコンセントを増設する方法を紹介!設置時の工事費や3つの注意点も解説

4.見積もりの取り方と費用を抑えるポイント

 

見積もりの取り方と費用を抑えるポイントエアコン用コンセントの増設工事の費用を抑えるには、以下のような方法があります。 

相見積もりを取り、適切な費用の業者に依頼する

エアコン設置工事と同時にコンセント工事を依頼する

繁忙期を避けて工事を依頼する

助成金や補助金制度を確認する 

エアコン用コンセント増設工事の見積もりを取る際は、複数の電気工事業者から相見積もりを取ることが大切です。見積もり依頼時は正確な費用を確認するために、以下の情報を業者に伝えましょう。 

エアコンの型番と仕様

設置予定場所

現在の電気設備の状況 

ただし、安くても信頼できる業者に依頼しないと安全性への懸念があります。口コミや評判を確認して、信頼できる業者を選んでください。 

新しくエアコンを設置する前に、現在あるコンセントが使えるか確認することも大切です。100Vコンセントが余っている場合、100V対応のエアコンを使えば工事不要でエアコンを設置できます。

5.2階はさらにかかる?エアコン用コンセント増設で追加費用がかかるケース

 

エアコン用コンセント増設では、標準的な工事よりも追加で費用が発生する場合があります。追加で費用が発生するケースは、以下のとおりです。 

2階にエアコンを設置するとき:配線距離が長くなるため材料費と工事費が増加する。5,000〜15,000円程度の追加費用が発生

隠蔽配管の対応が必要なとき:配線を壁内や天井裏に隠す工事では、壁の一部を開ける作業や復旧作業をする必要がある。10,000〜30,000円程度の追加費用が発生

配管の延長が必要なとき:標準的な配線の長さ(一般的に20m)を超える部分に1メートルあたり1,000〜2,000円程度追加費用が発生 

追加費用を事前に把握して、予算を決めておくとよいでしょう。

6.古い家でエアコン用コンセントを増設するときの注意点

 

古い家でエアコン用コンセントを増設するときの注意点築年数の古い住宅でエアコン用コンセント増設を行う場合、現代の安全基準に適合させるための特別な工事が必要です。具体的には以下のような問題が発生しやすいです。 

配線の被覆材が劣化する:新たに大容量の電気製品を接続すると、過熱や漏電のリスクが増加。工事前に必ず電気設備全体の点検が必要

エアコンや室外機の設置スペースがない:現在の住宅基準と異なる設計の場合、室外機の設置場所や室内機の取り付け位置に制約がある 

エアコン用コンセント増設に合わせて分電盤を新しい規格のものに変えたり、配線の工事が必要になったりすると、費用が通常の2〜3倍になることもあります。古い家でエアコン用コンセントの増設工事を行う場合は、事前に専門の業者に確認してもらい必要な工事内容と費用の確認をしましょう。

7.停電時に備える!ポータブル電源でエアコンが使える!

 

大容量のバッテリー「ポータブル電源」があれば、専用コンセントがなくてもエアコンを動かせます。独立した電源なので、停電時にエアコンを動かすことも可能です。 

ポータブル電源でエアコンを使用する場合、以下の条件を満たす必要があります。 

ポータブル電源とエアコンの電圧が合っている:一般的なポータブル電源は100V対応。200Vエアコンには、200V対応の上位ポータブル電源が必要

ポータブル電源の出力がエアコンの消費電力を上回っている:例えばエアコンの最大消費電力が1,000Wなら、出力1,000W以上のポータブル電源が必要

バッテリー容量が稼働させたい時間に適している:ポータブル電源の容量(Wh)×0.8÷エアコンの消費電力(W)で動作時間を算出して、十分なモデルを選ぶ 

当社Jackery(ジャクリ)なら、200Vのエアコンに対応するモデルもご用意。平均消費電力500Wのエアコンを数時間動かせるモデルから、丸一日以上動かせるモデルまで幅広いラインナップがあります。もちろん、エアコン以外にもスマホの充電や電子レンジの使用など、幅広い用途に対応可能です。 

「停電時の熱中症が心配……」「停電しても温かいごはんが食べたい……」と不安な方は、Jackery(ジャクリ)のポータブル電源で対策しましょう。

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8.エアコン用コンセント増設に関するよくある質問

 

エアコン用コンセント増設について、多くの方が疑問に思われる点を解説します。コンセント増設の工事に対する不安や疑問を解消しましょう。

DIYでエアコン用コンセントの増設は可能?

一般の方がDIYでエアコン用コンセントの増設工事を行うことは禁止されており、違反した場合は罰則の対象です。エアコン用コンセントの増設工事は、法律上、電気工事士の資格を持つ専門家のみが行える作業です。 

DIYで行えるのは、既存のコンセントにプラグを差し込む作業や、延長コードの使用などに限られます。

エアコン用のコンセントを増設できない場合はある?

住宅の電気容量や構造上の理由により、エアコン用コンセントの増設ができない場合があります。主な理由は以下のとおりです。 

分電盤の容量不足

建物の構造上、配線を通すルートが確保できない場合 

契約電力や分電盤の容量が不足している場合、エアコンを追加すると電力会社との契約容量を超える可能性があります。電力契約の変更や分電盤の交換が必要となり、大規模な工事が必要です。また、古い住宅では電気設備全体の更新が必要になる場合もあります。 

建物の構造上、配線を通すルートが確保できない場合も増設が難しいです。特に鉄筋コンクリート造の住宅や、複雑な間取りの住宅では配線ルートの確保が課題となり、設置場所の変更を検討する必要があります。

専用コンセントが不要なエアコンはある?

200V対応の一般的な家庭用エアコンで専用コンセントが不要な製品は存在しません。ただし、消費電力が小さい機種では、一般的なコンセントでも使用できる場合があります。 

100V対応の小型エアコンでは、消費電力が15A以下に抑えられており、既存のコンセントでも使えます。しかし、安定した動作と安全性を確保するには、専用回路の使用がおすすめです。

エアコン用のコンセントがない部屋は増設工事が必須?

エアコン用のコンセントがない部屋にエアコンを設置する場合、基本的には増設工事が必要です。ただし、状況によっては他の解決方法もあります。 

隣の部屋から配線を延長させたり、移動式エアコンを使ったりすれば、増設工事は不要です。しかし、これらの方法はデメリットがあり、設置の自由度や冷房効果に影響する場合があります。 

最終的には、住宅の構造や予算、使用目的に合った方法を選びましょう。

まとめ

 

エアコン用コンセントの増設は、安全にエアコンを使うには欠かせない工事です。エアコンに合ったコンセントを設置すれば、火災など事故のリスクを防ぎ、エアコンの性能を落とさず使えます。 

工事方法は現在の電気設備の状況により異なりますが、コンセントの増設から配線の新設まで多様です。エアコン用コンセント増設をお考えの方は、まず現在の電気設備を確認して、複数の業者から見積もりを取り金額を比較してみてください。 

なお、エアコンは基本的に専用のコンセントが必要ですが、ポータブル電源でエアコンを動かすこともできます。停電時にエアコンを使いたい方は、ポータブル電源を準備しておきましょう。

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