1.こたつの消費電力と電気代
こたつとは、テーブルの下にヒーターを取り付け、テーブルの天板と掛け布団で温かい空気を閉じ込める構造になった暖房器具です。こたつには主にフラットカーボンヒーター、石英管ヒーター、ハロゲンヒーターの3種類があります。
それぞれの消費電力と電気代について、詳しく見ていきましょう。
※電力料金単価は1kWh(1時間の電気消費量)あたり31円として計算しています。
●フラットカーボンヒーター
薄い形状をしているフラットカーボンヒーターは、こたつの中のスペースを広々と使えるのが特徴です。熱源が側面から見えないので、掛け布団を被せた時の印象がスマートになります。ヒーター部分にほこりが溜まりづらく、火災のリスクも低いと言えるでしょう。
フラットカーボンヒーターの消費電力は、300W程度とこたつの中では最も小さい電力です(※1)。節電効果が高いので、電気代をさらに抑えたい方に向いています。フラットカーボンヒーターの1時間あたりの電気代は、9.3円です。
フラットカーボンヒーターをつけっぱなしにした場合の電気代を紹介します。
条件 |
電気代 |
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1日 |
1ヵ月 |
1年 |
|
一日10時間つけっぱなしにする場合 |
93円 |
2,790円 |
33,480円 |
一日24時間つけっぱなしにする場合 |
223円 |
6,690円 |
80,280円 |
※1参考:東谷株式会社「 フラットヒーターコタツテーブル KT-303NA」
●石英管ヒーター
昔からこたつに使われているのが、石英管ヒーターです。遠赤外線を放出するため、体を芯から温められます。他のこたつと比べてリーズナブルな価格で手に入るのも大きな魅力です。ただし、スイッチを入れてから温まるまでに時間を要するという面もあります。
石英管ヒーターの消費電力は、300W〜600Wほどです(※2)。電気代を抑えつつ、体を芯からじっくり温めたい方に向いています。石英管ヒーターの1時間あたりの電気代は、9.3円〜18.6円です。石英管ヒーターをつけっぱなしにした場合の電気代を紹介します。
条件 |
電気代 |
||
1日 |
1ヵ月 |
1年 |
|
一日10時間つけっぱなしにする場合 |
93円~186円 |
2,790円~5,580円 |
33,480円~66,960円 |
一日24時間つけっぱなしにする場合 |
223円~446円 |
6,690円~13,380円 |
80,280円~160,560円 |
※2参考:
ニトリネット「ダイニングこたつ HA23 150H LBR」
インテリアのゲキカグ「折れ脚こたつ TBL500303-WH」
●ハロゲンヒーター
ハロゲンランプの光で空間を温めるハロゲンヒーターは、速暖性に優れているのが特徴です。寒冷地にお住まいの方や、帰宅後すぐに温まりたい方に向いています。石英管ヒーターの1.5倍の寿命を誇るほどの高い耐久性も魅力です。
ハロゲンヒーターの消費電力は、600W程度とこたつの中では最も電力を要します。コストよりも性能を重視する方に最適なこたつと言えるでしょう。ハロゲンヒーターの1時間あたりの電気代は、18.6円です。
ハロゲンヒーターをつけっぱなしにした場合の電気代を見ていきましょう。
条件 |
電気代 |
||
1日 |
1ヵ月 |
1年 |
|
一日10時間つけっぱなしにする場合 |
186円 |
5,580円 |
66,960円 |
一日24時間つけっぱなしにする場合 |
446円 |
13,380円 |
160,560円 |
※3参考:モダンデコ公式「ハロゲンヒーター モコモコタイプ カジュアルこたつ」
2.こたつとその他暖房器具の消費電力と電気代を比較
数多くの暖房器具の中で、こたつの電気代が最も安いわけではありません。また、暖房器具によって温められる範囲や強度も異なるので、電気代だけで暖房器具を選ばない方がよいでしょう。こたつ以外の暖房器具について、その役割と消費電力、電気代を比較します。
●ホットカーペット
本体に内蔵された電線によってカーペットを温めるホットカーペット。カーペットそのものを温めるため、空気が乾燥する心配はありません。部屋全体は温められませんが、ピンポイントで足元を温められるのが特徴です。
お手頃な価格で入手でき、電源さえあれば床に敷いてすぐに使用できます。こたつの暖房効果を高めたい時に、ホットカーペットと併用するケースもあります。
ホットカーペットの消費電力は、対象畳数によって異なるのが特徴です。サイズごとに消費電力と1日10時間使用した場合の電気代を見ていきましょう(※4)。
対象畳数 |
消費電力 |
1日あたりの電気代 |
1畳用 |
200W |
62円 |
1.5畳用 |
340W |
105円 |
2畳用 |
510W |
158円 |
3畳用 |
720W |
223円 |
こたつの1日あたりの電気代は93円なので、1.5畳用以上になるとホットカーペットの方が電気代は高くなります。
※4参考:株式会社CDエナジーダイレクト「ホットカーペットの電気代は高い?」
●電気毛布
電熱線が入った毛布で、敷いたり掛けたりして使う電気毛布。他の暖房器具と比べて体との密着度が高くなるので、寒い部位をしっかりと温められます。寝る前に布団の中に電気毛布を入れておくだけで、温かい布団で気持ちよく眠りにつけるでしょう。
また、軽量かつコンパクトなので、屋外にも気軽に持ち出せます。充電式のコードレスタイプを選べば、電源のない場所でも暖房効果を発揮できます。
電気毛布の最大の魅力と言えるのが、75W程度という消費電力の低さです(※5)。1日10時間使用しても、こたつの1/4程度である23円しかかかりません。電気代だけ見るとこたつよりもお得ですが、こたつのように複数人で温かさを共有できない点には注意が必要です。
※5参考:Panasonic「電気かけしき毛布 DB-RM3M」
●エアコン
限られた部分ではなく、部屋全体を温められる暖房器具としてエアコンが活躍します。外気は取り入れず、部屋の空気を循環させて部屋を暖めるので、安定した温度を維持できるのが特徴です。ファンが付いておらず、部屋の高い位置にあるので、怪我の心配もありません。
ただし、設置工事が必要になる上に、初期費用が高くなるのがデメリットです。本体価格も他の暖房器具に比べて高いですが、工事費用が別途かかります。
エアコン暖房の消費電力は、660W程度です(※6)。1日10時間使用した場合の電気代は205円と、こたつよりも高くなりました。ただし、エアコンは気温から設定温度までの差が大きいほど、多くの電力を要するため、環境によっても電気代は異なります。
※6参考:東京電力エナジーパートナー「家電製品の消費電力について知りたい」
●電気ストーブ
発熱体に電流を流して発熱させる暖房器具が、電気ストーブです。スイッチを入れるとすぐに温まるので、冷えている箇所を素早くピンポイントで温めたい場合に活躍します。火やオイルを一切使用しないので、アウトドアではテント内での使用も可能です。
電気ストーブは発熱体の種類によって、消費電力が異なります。それぞれの種類別に消費電力と1日10時間使用した場合の電気代について、見ていきましょう。
電気ストーブの種類 |
消費電力 |
1日あたりの電気代 |
カーボンヒーター |
300W~600W |
93円~186円 |
セラミックヒーター |
1200W |
372円 |
パネルヒーター |
500W~1200W |
155円~372円 |
グラファイトヒーター |
450W~900W |
140円~279円 |
シーズヒーター |
330W~1150W |
102円~357円 |
ニクロム線電気ストーブ |
400W~800W |
124円~248円 |
こたつと比較すると、どの種類も電気代は高くなります。ただし、電気ストーブはこたつよりも暖房効果が高いので、短時間で部分的に温まりたい場合に重宝するでしょう。
3.こたつを使うメリットとデメリット
暖房器具の中でも比較的、消費電力が低く、お財布に優しいこたつ。家族全員が一度に暖房効果を得られるので、冬の室内に置いている家庭も多いでしょう。こたつを使うメリットとデメリットは、以下のとおりです。
メリット |
・電気代を抑えられる ・空気が乾燥しにくい ・局所的に温められる |
デメリット |
・部屋のスペースが必要になる ・収納の幅を取る ・体を全体的に温められない |
エアコンのように空気を乾燥させないので、風邪の予防にも役立ちます。冬に冷えやすい家族全員の足元を同時に温められますが、設置場所や収納場所の幅を取るため、一人暮らしには向いていません。
4.停電時や冬キャンプでもこたつが使える「ポータブル電源」
冬の室内で暖まりながらゆったり過ごせるこたつは、ポータブル電源から給電すれば、冬キャンプや停電時にも使用できます。ポータブル電源とは、内部のバッテリーに大量の電気を蓄電し、コンセントが使えない状況でも電化製品を動かせる機器のことです。
ポータブル電源の定格出力や容量はモバイルバッテリーよりも大きいので、こたつだけでなく、電気ストーブやエアコンなどの消費電力が高い暖房器具にも給電できます。
こたつに給電するためのポータブル電源は、創業から13年間で世界販売台数500万台を突破した実績を誇るJackery(ジャクリ)製品がおすすめです。Jackery(ジャクリ)ポータブル電源の主な特徴を見ていきましょう。
・業界最大級の軽量コンパクト設計を誇る
・BMSとNCM制御機能により、バッテリー異常を防ぐ
・耐震性、耐衝撃性、耐火性に優れているため、災害対策としても活躍する
・安全に関する客観的な認証を複数個取得している
・リン酸鉄リチウムイオン電池を採用し、10年以上も使用できる
コンセントがない場所でも、こたつを含むあらゆる暖房器具を使いたい方は、ぜひJackery(ジャクリ)のポータブル電源を導入してみてください。
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5.こたつ消費電力に関するQ&A
最後に、こたつの消費電力に関するQ&Aを紹介します。こたつの説明書や商品仕様に記載されている消費電力に関して、疑問を持たれている方は多いのではないでしょうか。また、アウトドアでこたつを使用したい場合には、自宅用とは選ぶ製品が異なるでしょう。
●古いこたつの方が電気代高いですか?
こたつに使われているヒーターは、年々省エネ性能が上がっているため、古いこたつの方が電気代は高くなる傾向にあります。また、機能面でも新型の方が優れているため、冬を快適に過ごすためにも早めに買い替えを検討してください。
ヒーターを交換する際は、できるだけ同じメーカーの新型に買い替えましょう。全く異なるメーカーの製品に買い替える場合は、取り付け部位のサイズやヒーターユニットのサイズを事前に測っておく必要があります。
●こたつ用のヒーターユニットの商品仕様で記載している消費電力のワット数は、強さを一番強くした時の消費電力ですか?
こたつ用のヒーターユニットの商品仕様に記載されている消費電力のワット数は、基本的に最も強い設定時の消費電力を示しています。例えば、「消費電力:300W」と記載されている場合、ヒーターを「強」に設定したときの消費電力です。
ただし、こたつには通常温度調節機能(強・中・弱)が搭載されており、温度に応じて設定を弱めたり、室温が十分に暖かくなるとヒーターが自動的にオフになったりします。そのため、実際の平均消費電力は記載されている最大値よりも低くなります。
こたつの電気代を計算する際には、使用状況や温度設定によって消費電力が変わることも考慮しましょう。
●こたつの説明書に記載されている消費電力は、1時間あたりのワット数ですか?
こたつの説明書に記載されている消費電力(W)は、家電を動かす時に消費される電力です。一方の消費電力量(Wh)とは、家電を動かした時間分の電気の使用量を指します。
消費電力量の計算式は、消費電力(W)×実際に動かした時間(h)です。そのため、こたつの説明書に「消費電力:300W」と記載されている場合は、1時間あたりの消費電力量が300Whと計算できます。消費電力(W)自体には、時間の要素を含んでいません。
●冬キャンプにおすすめのこたつの消費電力は?
冬キャンプでポータブル電源からこたつに給電する場合は、消費電力300W前後のこたつを選ぶのがおすすめです。こたつの消費電力が高くなればなるほど、ポータブル電源に必要な定格出力や容量も大きくなります。
ポータブル電源の定格出力や容量は、本体の重量やサイズに比例しているため、消費電力の高いこたつを使用すると荷物が重たくなり大変です。また、こたつ以外の家電を同時に稼働するためにも、消費電力がなるべく少ないこたつを選びましょう。
まとめ
テーブルの下にヒーターを取り付け、天板と敷布団で温かい空気を閉じ込めるこたつは、冬の暖房器具として大活躍します。こたつの消費電力は300W〜600W程度であり、1日10時間使用した場合の電気代は93円~186円と比較的少なめです。
こたつとその他の暖房機器を比較し、自宅に最適な暖房設備を整えましょう。
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