1.なぜ発電機で一酸化炭素中毒になる?
発電機は、ガスやガソリンを燃料として電気を生成する便利な機器ですが、燃焼の過程で「一酸化炭素」という有害なガスを発生させます。この一酸化炭素を吸い込むことで、一酸化炭素中毒を引き起こす危険があります。ここでは、そのメカニズムについて詳しく解説するので、参考にしてみてください。
●ガスやガソリンで動く発電機は一酸化炭素が発生する
燃料式発電機はガスやガソリンが燃焼する過程で、一酸化炭素という無色・無臭の有害ガスを発生させます。屋内で一酸化炭素濃度が700〜1,400ppmの環境に3〜4時間いると、血中の一酸化炭素ヘモグロビン濃度が40〜50%に達し、意識障害を引き起こす可能性があります。この一酸化炭素は、特に不完全燃焼が起こると大量に生成されるため、酸素濃度が低くなりがちな屋内での使用は非常に危険です。発電機は必ず屋外で使用しましょう。
●発電機の屋内使用で室内に一酸化炭素が充満してしまう
屋内で発電機を使用すると、室内の一酸化炭素濃度が急激に上昇します。東京都消防庁の実験結果によると、密閉された6畳の部屋で発電機を使った場合、一酸化炭素濃度はわずか35分で意識障害が起こる700ppmに達します。また1.5〜3時間後には、意識消失を起こす濃度の1,100ppmまで上昇するのです。
また実験開始から70分後、発電機を作動させたまま部屋の扉を開放して換気を行いました。一時的に一酸化炭素濃度は急降下しましたが、10分経過しても建築環境衛生管理基準に抵触しない10ppmには達しませんでした。燃料式発電機を使用する際には、「換気しているから大丈夫」と甘く考えず、必ず屋外で利用するようにしましょう。
参考元:東京都消防庁
2.携帯発電機の屋内使用による一酸化炭素中毒事故の事例

ここでは携帯発電機の屋内使用による一酸化炭素中毒事故の事例を4つ紹介します。これらの事例を通じてその危険性を理解し、安全な使用方法をチェックしてみてください。
●2018年9月|北海道胆振東部地震発生後の事故
【事故の内容】
一酸化炭素中毒により50歳代男性1名が死亡。現場には家庭用の発電機があった。
【事故の原因】
北海道胆振東部地震による停電時に、携帯発電機を換気の不十分な部屋で使った。一酸化炭素濃度上昇による死亡と考えられる。
参考:経済産業省
この事故は、屋内での発電機使用がいかに危険であるかを示しています。地震や台風などの非常時でも、屋内での発電機使用は避けるべきです。停電時に屋内で安全に電源を確保したい場合は、可搬式の電源装置「ポータブル電源」を準備しておくのをおすすめします。
ポータブル電源とは、バッテリーを内蔵したコンパクトな電源装置で、コンセントやUSBポートを通じてさまざまな機器に電力を供給できます。アウトドアや非常時の備えに最適で、一酸化炭素のリスクがなく安全に電力を使用できるのが魅力です。
●2019年9月|世田谷区アパート解体中の事故
【事故の内容】
一酸化炭素中毒で作業員2人が死亡、1人が重体となる。現場には携帯発電機があった。
【事故の原因】
木造2階建てアパートの1階を解体するために携帯発電機を使用。一酸化炭素中毒による事故と考えられる。
参考元:渋谷労働基準監督署
作業現場で安全対策が不十分だと、命に関わる事故が発生する可能性があります。屋内にコンセントがない場合は、発電機の代わりに「ポータブル電源」を使用しましょう。出力の大きなポータブル電源を選べば、解体作業に必要な電気工具を屋内で安全に使えます。またポータブル電源は、複数の機器を同時に利用できるため、作業効率を向上させ安心して作業に集中できます。
●2019年10月|渋谷区塗装作業中の事故
【事故の内容】
一酸化炭素中毒により3人の作業員が病院へ搬送。現場にはエンジン式コンプレッサがあった。
【事故の原因】
塗装作業のために屋内でエンジン式コンプレッサを使った。屋内の一酸化炭素濃度上昇による事故と考えられる。
参考:渋谷労働基準監督署
現場のビルは駅前の繁華街にあり、ビル内で営業しているお店もあったため、エンジン式コンプレッサを室内に持ち込んでいたようです。この事故もエンジン機器ではなく「ポータブル電源」を使用していれば、未然に防げました。屋内にコンセントがない場合には、代替手段として「ポータブル電源」の利用を強くおすすめします。
●2020年9月|鹿児島県令和2年台風10号発生後の事故
【事故の内容】
一酸化炭素中毒で1名が死亡、2名が重傷を負う。現場には家庭用の発電機があった。
【事故の原因】
鹿児島県令和2年台風10号による停電時に換気が十分に行えない屋内で発電機を使用した。排気ガスにより屋内の一酸化炭素が上昇し、一酸化炭素中毒による死亡と考えられる。
参考:経済産業省
停電時に電源が必要となり、携帯発電機を利用した際に起こった事故です。災害時に電源が必要になり発電機を使いたくなる気持ちは理解できます。しかし屋内で発電機は絶対に使用してはいけません。災害時のバックアップ電源としては、「ポータブル電源」を準備しておきましょう。
3.一酸化炭素中毒のリスクなく安全に発電機を使おう!
発電機を安全に使用するために、事前にリスクを理解し適切な使用方法を知っておく必要があります。ここで発電機の安全な使用方法を解説するので、参考にしてみてください。
●絶対に屋内使用はしない
ガソリンやガスを使って電気を作る燃料式発電機は、絶対に屋内で使用してはいけません。屋内では換気が不十分なため、有害な一酸化炭素が室内に充満しやすく命に関わる危険があります。また一酸化炭素は無色・無臭であり、気づかないうちに一酸化炭素中毒になる可能性があるのも非常に恐ろしい点です。たとえ災害における停電時などの緊急時であっても、発電機は必ず屋外で使用するようにしましょう。
また労働安全衛生規則第578条には「事前換気が不十分なところにおいては、内燃機関を有する機械を使用してはならない」と明記されています。発電機を屋内で使用しないことで、一酸化炭素中毒を未然に防ぎましょう。
参考:厚生労働省
●屋外でも風通しの良い場所で使う
屋外で発電機を使用する際は、以下の場所を選びましょう。
・屋外の風通しの良い場所
・近くに人がいない場所
・平坦で安定した場所
・建物や車から1m以上離れた場所
・周りに燃えやすいものがない場所 など
排気ガスが滞留しないように、風通しの良い開けた場所で使うことで安全性を高められます。また風向きにも注意を払い、他の人が近くにいないか確認してから使用するとより安全です。稼働音がうるさいという点からも、人のいない場所での使用をおすすめします。
●メンテナンスして長期保管する
発電機を安全に使用するためには、次の定期的なメンテナンスが欠かせません。
・エンジンオイルの交換
・スパークプラグの点検・清掃
・フューエルストレーナの清掃
・燃料タンクフィルタの清掃
・エアクリーナエレメントの点検・清掃 など
使用後は外部の汚れを拭き取り、フィルターや排気口も清掃しておきましょう。またエンジンオイルは6ヶ月に1回交換する必要があります。長期使用しない場合は、燃料を抜いて内部を乾燥させ、湿気が少なく直射日光の当たらない場所で保管しましょう。適切なメンテナンスと保管を行うことで、発電機を長く安全に利用できます。
●ガスやガソリンを使わないソーラー発電機への置き換えを検討する
一酸化炭素中毒のリスクを完全に排除したい方は、ソーラー発電機への切り替えを検討してみてください。ソーラー発電機は、太陽光を利用して電力を生成する装置で、主にソーラーパネルとバッテリーから構成されています。
燃料を使用しないため、排気ガスを発生させず一酸化炭素中毒のリスクが一切ありません。また再生可能エネルギーを活用することで、化石燃料を使わずに持続可能な生活を実現できるため、地球にもやさしい選択肢となります。あなたにぴったりのソーラー発電機を見つけてみてはいかがでしょうか。
4.安心・安全!一酸化炭素中毒のリスクがないソーラー発電機「Jackery Solar Genarator」
ソーラー発電機への切り替えを検討している方には、Jackery(ジャクリ)の「Jackery Solar Genarator」をおすすめします。ソーラーパネルとポータブル電源がセットになっており、豊富なラインナップから自分にぴったりの容量のモデルを選べます。設置工事や複雑なメンテナンスが不要で、一般家庭から業務用向けまで幅広い用途に対応できるのが特徴です。
「Jackery Solar Genarator」と発電機との比較におけるメリットは以下のとおりです。
・排気が出ないから室内で電源を確保できる
・稼働音がうるさくない(静音レベル30〜55dB、静かな図書館レベル)
・ガスやガソリンなどの燃料が必要ない
・コンパクトで持ち運びやすい
・定期的なメンテナンスがいらない
・操作が簡単
一酸化炭素中毒のリスクがまったくないのはもちろん、稼働音がほとんどないため静かに電源を確保できるのも大きなメリットです。停電時の夜やキャンプサイトでも、周囲を気にせず安心して家電を使用できます。また定期的なメンテナンスが不要で操作も簡単なので、どなたでも安心して使いこなせます。「Jackery Solar Genarator」から自分にぴったりのモデルを見つけて、いつでも安心して電力を確保できるシステムを作ってみてください。
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5.もしも一酸化炭素中毒になったときの症状と対処方法
一酸化炭素中毒の症状と対処方法を解説します。万が一、一酸化炭素中毒の症状が現れた時に迅速に対応できるように、確認しておいてください。
●一酸化炭素中毒の症状|頭痛・吐き気・めまい
一酸化炭素中毒になると、頭痛や吐き気・めまいなどの症状が出ます。以下に一酸化炭素濃度別の人体への影響をまとめました。
空気中の一酸化炭素濃度 |
一酸化炭素吸引時間と中毒症状 |
0.02%(200ppm) |
2〜3時間で軽い頭痛 |
0.04%(400ppm) |
1〜2時間で前頭痛、2.5〜3.5時間で高頭痛 |
0.08%(800ppm) |
45分で頭痛・めまい・吐き気、2時間で失神 |
0.16%(1,600ppm) |
20分で頭痛・めまい・吐き気、2時間で失神 |
0.32%(3,200ppm) |
5〜10分で頭痛・めまい、30分で死亡 |
0.64%(6,400ppm) |
1〜2分で頭痛・めまい、10〜15分で死亡 |
1.28%(12,800ppm) |
1〜3分で死亡 |
参考:広島労働局
初期症状の頭痛は風邪の症状に似ているため、一酸化炭素中毒とは気づかずに症状が悪化してしまいがちです。悪化すると、意識があるのに体が動かなくなったり、失神状態に陥ったりすることもあります。最終的には命を落とす危険性もあるため、絶対に燃料式発電機を室内で使用してはいけません。
●症状が出た時の対処方法
一酸化炭素中毒の症状が現れた場合、以下の対処方法を実施しましょう。
1.すぐに換気する:窓やドアを開けて新鮮な空気を入れる
2.発電機を止める:一酸化炭素を発生させる機器の使用を直ちに中止する
3.新鮮な空気のある場所へ移動する:できるだけ早く屋外や風通しの良い場所に移動する
4.体を保温する:体温が下がらないように、温かい衣類を着るなどして保温する
5.医療機関を受診する:症状が軽い場合でも、医療機関で診察を受ける
これらはあくまで初期症状が出た場合の対処法です。意識が朦朧とするなど緊急性があると感じた場合は、直ちに119番通報して救急車を呼んでください。
まとめ
発電機はガスやガソリンを燃焼させて電気を生成するため、屋内で使用すると一酸化炭素中毒のリスクがあります。そのため、災害時の停電などで屋内に電源が必要な際には使用できません。また発電機は稼働音が大きいため、周囲に人がいない場所でしか使えないのもデメリットです。
そこで静かで安全に電源を確保したい方には、Jackeryのソーラー発電機「Jackery Solar Genarator」シリーズがおすすめです。一酸化炭素を発生させることなく静かに電源を確保できるため、時間帯や場所を気にせず安全に電力を利用できます。ラインナップ豊富な「Jackery Solar Genarator」から自分にぴったりのモデルを見つけて、安心して電力を利用できる生活を実現しましょう。
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