1.ソフト対策とハード対策の違い
ソフト対策とハード対策には以下の違いがあります。
・ソフト対策とは「情報・訓練などの災害対策」
・ハード対策とは「物理的な災害対策」
それぞれ対策内容が異なるので、違いを把握しておきましょう。
●ソフト対策とは「情報・訓練などの災害対策」
ソフト対策とは「情報・訓練などの災害対策」のような、物理的な設備・備品に頼らない対策を指します。ハード対策と違う点は無形の方法で災害に備えるため、目で見て分かる成果がないことです。しかし被害の減災や災害を回避する効果が狙えます。
ただし、ソフト対策を実施するにあたり、以下のメリット・デメリットがあります。
・メリット|コストを安く抑えられる
・デメリット|物理的な被害の対策が難しい
下記にメリット・デメリットについて解説しているので、それぞれ見ていきましょう。
▲メリット|コストを安く抑えられる
ソフト対策のメリットは、コストを安く抑えられることです。例えば、自治体によるハザードマップの公開や防災訓練は無料で実施しており、費用をかけずに災害に対する備えができます。
▲デメリット|物理的な被害の対策が難しい
デメリットは、物理的な被害の対策が難しいことです。実際に自然災害が発生した場合、ソフト対策で身の安全を守ることができても、建物の倒壊や土砂崩れ、洪水などの物理的な被害は避けられません。
●ハード対策とは「物理的な災害対策」
ハード対策は「物理的な災害対策」のことです。洪水や津波・高潮による自然災害を構造物や施設整備などで制御し、被害を最小限に抑えることを目的としています。ソフト対策だけでは難しい、人命・資産などの被害を軽減する対策です。
ただし、ハード対策を実施するにあたり、以下のメリット・デメリットがあります。
・メリット|物理的な被害を最小限に抑えやすい
・デメリット|大きなコストがかかる
上記について解説しているので、それぞれ見ていきましょう。
▲メリット|物理的な被害を最小限に抑えやすい
ハード対策は物理的な被害を最小限に抑えやすいメリットがあります。例えば、津波が発生しても防波堤があれば物理的な被害を軽減できるでしょう。ハード対策を実施することで、災害時でも防災の知識がない人や子供、高齢者の身の安全を確保できる効果があります。
▲デメリット|大きなコストがかかる
ハード対策のデメリットは大きなコストが掛かることです。津波防波堤や大きなダムを建設する際、広い範囲の規模で工事をするので、大きな費用が発生します。またコストが掛かるため、すぐに着工できず防災対策が遅れるケースがあります。
●防災はソフト対策とハード対策を組み合わせることが大事!
防災はソフト対策とハード対策を組み合わせることが大事です。自然災害による被害の回避・減災をするためには、物理的な対策と防災に対する知識が必要です。
ソフト対策とハード対策のどちらかに偏った防災では効果を得られません。双方の対策を組み合わせれば、被害を最小限に抑えられるでしょう。
2.ソフト対策の5つの具体例
ソフト対策の具体例は以下の5つがあります。
・ハザードマップを作成する
・防災マニュアルを作成する
・避難訓練を実施する
・避難・防災・天候などの情報を活用する
・居住地が「土地利用規制」に該当しているか調べておく
上記の項目について詳しく解説しているので、それぞれ見ていきましょう。
●具体例1:ハザードマップを作成する
地域住民に避難場所や経路・防災関連の施設を把握してもらい、災害時でも冷静な行動が取れるように自治体がハザードマップを作成しています。
ハザードマップとは、被災想定区域や避難場所などの情報が書かれた地図です。以下の種類があります。
ハザードマップの種類 |
内容 |
地震防災マップ |
震度の強さや地震の想定規模などを地図上に表したもの |
土砂、洪水ハザードマップ |
大雨や地震などの災害を想定して危害の可能性がある地域や浸水する恐れがある範囲などを表したもの |
内水ハザードマップ |
大雨時に下水道や水路などから浸水が想定される地域や浸水した際の深さなどを地図上に表したもの |
ため池ハザードマップ
|
大雨や地震などの自然災害により満水状態のため池が決壊した場合に想定される浸水の範囲や深さ、避難場所などの情報を地図上に示したもの |
液状化ハザードマップ |
液状化のリスクを分類して地図上に示したもの |
津波・高潮ハザードマップ
|
津波や高潮による被害が想定される区域を地図に示し、避難経路や避難場所などの防災関連情報を加えたもの |
Webハザードマップ |
Web地図を利用して災害リスク情報や防災関連情報に役立つ情報を掲載したもの |
事前にハザードマップを確認しておけば災害発生時はパニックにならず、スムーズに避難できるでしょう。
●具体例2:防災マニュアルを作成する
防災マニュアルを作成することで、災害時の細かい避難行動や役割を把握できます。災害発生の状況に合わせた行動指針を示す内容が記載されていれば、災害時でもマニュアルを基に冷静な対応ができるでしょう。
●具体例3:避難訓練を実施する
ソフト対策の例として、災害発生時を想定して安全を確保しながら適切な行動ができるように避難訓練があります。学校以外に社会人でも参加できる避難訓練があるので、積極的に参加してみましょう。
●具体例4:避難・防災・天候などの情報を活用する
下記の情報を活用したソフト対策があります。
情報 |
活用方法 |
避難情報 |
自治体や企業・学校などが公開している避難情報を基に行動する |
防災情報 |
災害の被害を軽減するため、自治体が発表する防災情報を把握しておく |
天候情報 |
大雨・台風に対して想定の被害に備える |
上記の情報を把握・活用すれば、災害時でも冷静や判断が取りやすくなり、被害を最小限に抑えられるでしょう。
●具体例5:居住地が「土地利用規制」に該当しているか調べておく
お住まいの地域が「土地利用規制(※)」に該当しているか調べてみてください。
※土地利用規制:災害時などに被害のリスクが高い地域に対して住居や通行などの使用を制限する規制
全国的に取り入れられているのは、土砂崩れや津波の対策です。例えば、土砂崩れの危険性が高い地域での土地開発や、津波のリスクが高い地域での病院や福祉施設などの建設は禁止されています。
自宅の転居や住宅を建てる際は、居住地が危険区域か確認しておくと良いでしょう。
3.ハード対策の5つの具体例
ハード対策の具体例には以下の5つがあります。
・堤防を整備する
・津波防波堤を整備する
・砂防堰堤(さぼうえんてい)を整備する
・建物を耐震補強する
・非常用電源を備えておく
上記の項目について詳しく解説しているので、それぞれ見ていきましょう。
●具体例1:堤防を整備する
大雨による氾濫・浸水を防ぐために堤防を整備するハード対策があります。堤防をかさ上げし、洪水氾濫を未然に防ぐことが目的です。
大雨や台風時に氾濫・浸水が発生する恐れがある区域から優先的に対策を実施します。また堤防の整備にはドレーン工や護岸工事などの「危機管理型ハード対策」もあります。
堤防から増水した河川の水があふれても、決壊までの時間を少しでも引き延ばす対策です。
●具体例2:津波防波堤を整備する
津波の高さを抑えて波力を軽減させるために津波防波堤を整備します。その他にも津波に対する構造物の施設整備には下記のハード対策があります。
構造物の施設整備 |
目的 |
海岸堤防 |
津波・波浪・高潮から人命や資産を保護する |
水門 |
河川へ津波の侵入を防ぐ |
陸閘(りっこう) |
道路と堤防が交差する箇所に設けられる門で、津波による侵入がある場合は閉鎖する |
構造物の施設整備を施し、津波による被害の回避や減災を目的としたハード対策が取られています。
●具体例3:砂防堰堤(さぼうえんてい)を整備する
砂防堰堤(さぼうえんてい)とは、上流から流れる土砂を貯めて下流へ流れる量を調整し、土砂災害による被害を軽減させるための施設です。
引用元:「国土交通省 黒部河川事務所|よくわかる「砂防」:砂防堰堤のはたらき」より
土砂が砂防堰堤に貯まると川の傾斜が滑らかになり、河川や川底が削られることを防ぎ土石流の力を軽減させます。
●具体例4:建物を耐震補強する
地震による被害の軽減を目的とした建物の耐震補強には以下のハード対策があります。
耐震補強内容 |
目的・効果 |
屋根の軽量化 |
屋根を軽量な素材に替えて建物にかかる負荷を軽減する |
壁の増設 |
外壁などの下地に耐震壁、また壁に筋交いを設置して耐震性を高める |
金具の設置 |
建物の柱や土台の箇所に耐震用の金具を取り付けて強度を上げる |
基礎の補修 |
基礎のひび割れ・打ち増しを補強で強度を上げる |
特に1980年以前に建設された住宅や築40年以上経った戸建て住宅は、現行の耐震基準を満たしていないため、耐震補強が必要です。
●具体例5:非常用電源を備えておく
非常用電源を備えておくハード対策があります。非常用電源とは、電源がない場所でも家電製品に電力供給ができる電源装置です。なかでも、好きな場所に持ち運んで使える可搬性の「ポータブル電源」をおすすめします。
停電時は家電製品が使えないため、普段通りの日常を送れません。非常用電源があれば、テレビを視聴して情報を入手したり、電子レンジでレトルト食品を温めて食べたりと、災害による生活の負担を軽減できるでしょう。ポータブル電源なら、自宅だけでなく避難所や社内での活用が可能です。
特にソーラーパネルがセットになった非常用電源なら、太陽光発電で本体のバッテリーに充電が可能なので、バッテリー切れの心配もなく必要な時でもすぐに使えます。停電時でも安心して使用できる優れモノです。
4.個人や家庭でできるソフト対策とハード対策
個人や家庭でできる下記のソフト対策とハード対策があります。
個人や家庭でできるソフト対策 |
個人や家庭でできるハード対策 |
台風接近前は窓や網戸が強風で飛ばされる恐れがあるので、はずれ止めがセットされているか確認する |
住宅の耐震補強や基礎の補修をして地震や台風に強い家づくりをする |
災害時の停電に備えて玄関ドアや電動シャッターなど電気錠の操作方法を把握しておく |
家庭向けの非常用電源を準備して停電に備える
|
ソフト対策とハード対策を組み合わせた防災対策で、自分や家族の身の安全・財産を守りましょう。
5.自分でできる!ハード対策におすすめの非常用電源3選
災害時の停電に備えたハード対策に非常用電源を導入してみてください。電源が確保できない状況でも、非常用電源があれば家電製品を動かせるので、復旧まで安心した時間を過ごせるでしょう。
なかでも、災害時に使える当社Jackery(ジャクリ)のソーラーパネルがセットになったポータブル電源をおすすめします。全世界で400万台以上の販売実績があり、多くのユーザーが愛用しているポータブル電源です。ここでは、非常用電源として活用できるJackery(ジャクリ)のポータブル電源3選を紹介します。
●Jackery Solar Generator 1000 New 200W ポータブル電源 ソーラーパネル
市販の1000Wh~1500Whクラス帯で最軽量とコンパクトを実現できたJackery ポータブル電源 1000 NewとJackery SolarSaga 200がセットになっています。本体は約327x224x247mmの設計で家庭用の電子レンジよりも一回りコンパクトです。保管場所を取らず災害時に活用できるポータブル電源を備えておきましょう。
●Jackery Solar Generator 2000 New ポータブル電源 セット
2000Whクラスで最軽量とコンパクトを実現したJackery ポータブル電源 2000 Newと25%の超高い発電効率のJackery SolarSaga 200がセットになりました。自然放電を抑える「超ロングスタンバイモード」を搭載しているから、災害発生時の急な停電でも安心して使えるポータブル電源です。
●Jackery Solar Generator 600 Plus 100W ポータブル電源 ソーラーパネル セット
Jackery ポータブル電源 600 PlusとJackery SolarSaga 100Wがセットになりました。「デュアルPD高速充電」に対応しておりスマホとパソコンの同時充電も可能なので、モバイル機器を使って災害時の情報をいつでも入手できます。
まとめ
この記事では、ソフト対策について解説しました。自分で身の安全を守るために自治体が作成しているハザードマップや防災マニュアルなどのソフト対策があるので活用してみてください。
また災害時は停電も考えられるため、ハード対策として非常用電源の導入をおすすめします。停電時でも家電製品に電力供給ができるので、生活の負担を軽減できます。
ソーラーパネルがセットになったJackery(ジャクリ)のポータブル電源を非常用電源として自宅に1台備えておきましょう。