計画停電とは?実施時における4つの問題点と3つの対策を徹底解説
「計画停電ってなんとなく分かるんだけど、実際にどんなふうに実施されるのかよく分からない…」計画停電という言葉はときどき耳にしますが、具体的な仕組みやいつ行われるかを完璧に理解している人は少ないのではないでしょうか。
今回は計画停電がどのようなものか、生活にどのような影響を与えるのか解説します。あわせて、押さえておきたい計画停電や災害による停電への3つの対策を見ていきましょう。
計画停電は発生時刻が事前通知された停電のこと
計画停電とは、発生時刻が事前に通知された停電のことです。名前のとおり、電力会社・政府の主導で計画的に行われます。なお、マンションなどの設備点検の際に停電を伴う場合がありますが、こうしたケースも事前通知があれば広義的に計画停電と呼びます。計画停電はどのように行われるのか順にみていきましょう。
参考:関西電力送配電「計画停電とは」
●計画停電を行うのは電力需要が供給能力を上回った場合
計画停電は、電力需要が供給能力を上回った場合、または大幅に上回る予測がされている場合に行われます。供給能力以上の電気を使い続けると、計画停電よりはるかに大きな被害をもたらす大規模停電が発生するリスクがあるためです。
分かりやすい例は、地震などの災害やトラブルで発電施設が停止してしまい、供給能力が大幅にダウンしてしまったケースでしょう。後ほど詳しく解説しますが、過去には2011年の東日本大震災のときに計画停電が行われました。
●計画停電は1回2~3時間程度でグループに分けて行う
計画停電は1回2~3時間程度です。また、すべてのエリアで同時ではなく、いくつかのグループに分けて実施されます。地域住民同士でカバーし合い、医療や交通、買い物など生活への影響を最小限に抑えるためです。
「たった2~3時間なら大丈夫だろう」と多くの方は感じてしまいますが、事前の準備がないとトラブルが起きてしまう可能性があります。しっかりと準備をしておきましょう。
参考:関西電力「万が一の備えとしての計画停電の準備について」
●電力会社・政府主導の計画停電はあくまで最終手段!原則的には行われない
電力会社・政府の主導による計画停電は、原則的には行われません。供給能力が完全に不足してしまい、大規模な停電が発生するリスクが高いときに実施されます。あくまで「どうしようもなくなった時の最終手段」です。
緊急を要する場合を除き、計画停電の前には節電の呼びかけが行われます。2022年には「電力供給ひっ迫による節電要請」のニュースが頻繁に流れていたので、テレビをよく見ていた方は記憶に新しいのではないでしょうか。節電要請をしてもなお電力供給能力が不足し続ける場合には、計画停電が実施される可能性があります。
●マンションで計画停電が定期的に行われる場合もあるので注意
先述したように、マンションなどの停電を伴う設備点検も、事前通知があれば「計画停電」にあたります。最近では居住者から「冷蔵庫が止まって困る」などの苦情が増えてしまうことから実施するマンションは減ってきていますが、今でも一部では定期的に実施されているのです。
定期的に計画停電が行われるマンションなどの場合、相応の対策をしておかないと想定外の被害が出てしまう可能性があります。「計画停電のときの生活の問題点4選」をチェックして、どのような被害が起こり得るか確認しておきましょう。
関連人気記事:停電時に「非常用電源」って本当に必要?
計画停電の過去の事例
日本で大規模な計画停電を行った事例はほとんどありません。目立った計画停電の事例は、下記の2つだけです。
・1951年の水力発電量不足
・2011年の東日本大震災
それほど日本で計画停電が実施されるのは極めてまれなケースといえます。しかし何が原因で発生したのか知っておけば、今後も似たような計画停電が起きる予測を立てて不安なく対応できるでしょう。それでは、2つの事例について詳しく解説します。
計画事例①:1951年の水力発電量不足
日本で起きた最初の大規模な計画停電は1951年の戦後混乱期。水力発電量不足が原因の電力供給不足によって発生しました。1950年の雨量が全国的に少なかったため、水力発電量が例年と比較し極端に減ってしまったのです。
そのため当時の日本政府の主導により、1951年1月8日から計画停電が実施されました。このときは毎日17時~19時の2時間のうち、10分間ごとにエリアを切り替えて計画停電を行っています。
しかし1951年も秋頃までほとんど雨が降らない気候が続いてしまったため、電力供給不足の状況は深刻化していきます。同年10月21日から、政府はやむを得ず各地域2時間ごとの計画停電を実施。その後は雨量が増えたため、追加の計画停電は実施せずに済みました。
計画事例②:2011年の東日本大震災
もっとも新しい事例は、2011年の東日本大震災が原因で発生した計画停電です。東日本大震災では大規模な津波が発生し、複数の発電所を含む大きな被害をもたらしました。福島県の広域に放射線をまき散らしてしまった、福島第一原子力発電所のメルトダウン事故が印象に残っている方が多いのではないでしょうか。
複数の発電所が停止してしまったため、東日本では安定した電力供給ができない状況に。同年3月14日~28日の15日間にわたる計画停電を東京電力管内で実施し、大規模停電の危機を回避しました。
参考:東京電力
計画停電のときの生活の問題点4選
計画停電は2~3時間ほどの短時間ではありますが、意外と生活にはいくつもの問題点が発生します。計画停電時に発生する生活の主な問題点は下記の4つです。
・冷蔵庫・冷凍庫が止まってしまう
・冷暖房が使えなくなってしまう
・ネットワーク機器が止まってしまう
・水が止まってしまう
それぞれ見ていきましょう。
問題点①:冷蔵庫・冷凍庫が止まってしまう
計画停電の最中、冷蔵庫・冷凍庫は完全にストップしてしまいます。秋~春の2時間程度であれば冷蔵庫や冷凍庫の中身に大きな影響はありませんが、30℃を超える夏は庫内に大ダメージを受けてしまうでしょう。たとえば冷凍食品やアイスなどは食べられなくなってしまう可能性があります。また、氷が溶けて冷凍庫内が水浸しになり、故障してしまうケースもあるので注意が必要です。
問題点②:冷暖房が使えなくなってしまう
電気が使えなければ、当然エアコンやストーブなどの冷暖房も完全にストップします。計画停電はその性質上、冷暖房がフル稼働する真夏・真冬に起きやすいので、短時間といえど熱中症や低体温症などの体調不良を引き起こす可能性があるでしょう。
問題点③:ネットワーク機器が止まってしまう
停電中、Wi-Fiルーターなどのネットワーク機器も止まってしまいます。在宅勤務で会社のネットワークなどに接続している人は、計画停電中ほとんど仕事にならない可能性があるでしょう。
最近はスマホの「テザリング」機能を使えば、Wi-Fiルーターが止まっていてもネットワークに接続できます。しかしテザリング中はスマホの充電が減るスピードが早くなるので、停電前にフル充電しておくかモバイルバッテリーなどを用意しておくのがおすすめです。
問題点④:水が止まってしまう
電動のくみ上げポンプを使っているマンションや井戸水をくみ上げている一戸建てなどの場合、停電中は水道も止まってしまいます。手洗い・トイレなどができなくなってしまうので、事前に水をくみ置きしておくなどの準備が必要です。
計画停電や災害での停電には備えが必須!やるべき対策3選
計画停電への備えと災害による停電の対策をセットで行っておきましょう。わずか数時間の計画停電ですら生活に影響を及ぼすので、対策していない状態で災害による停電が起きれば二次被害が起きてしまう可能性があります。そこで、下記3つの対策をしておくのがおすすめです。
・防災グッズの確認
・代わりの冷暖房の用意
・非常用電源の確保
それぞれの対策内容を詳しく解説します。
計画停電対策①:防災グッズの確認
最低限の防災グッズが揃っているか確認しておきましょう。停電は地震や台風などの大きな災害時に発生するケースがもっとも多いです。下記のものを揃えておくと安心でしょう。
・飲料水(3日分)
・非常食(3日分)
・救急用品
・スリッパ
・照明と電池
停電と同時に水道が止まるケースは少なくありません。生命をつなぐために飲料水と非常食を用意しておきましょう。加熱などの調理や冷蔵保存はできないので、乾パンなどがおすすめです。
また地震が原因だった場合は、ガラスの破片などが床に落ちているケースがあります。停電が起きていると照明がつかないので、足元が見えずガラスの破片を踏んでケガをしてしまうかもしれません。照明で照らしつつスリッパで安全に歩きましょう。また万が一のケガにすぐ対処できるよう、救急用品も揃えておくのをおすすめします。
計画停電対策②:代わりの冷暖房の用意
エアコンやストーブに代わる電源にいらない冷暖房を用意しましょう。長時間の停電となると、熱中症や低体温症で死に至るリスクがあります。夏・冬それぞれ下記のものを用意しておくのがおすすめです。
夏 |
冷えピタ 充電式扇風機 |
冬 |
カイロ 毛布 カセット式ストーブ |
冷えピタやカイロを手首や首筋の太い血管に当てるだけでも、体調不良になるほどの暑さ・寒さは凌げます。ぜひ用意しておきましょう。
計画停電対策③:電源の確保
停電になれば文字通り電気が停まるので、すべての電化製品が使えなくなります。蓄電池・発電機を用意して電源を確保すると、情報収集や連絡手段に使うスマホの充電などができるので安心です。電源として使える蓄電池・発電機には主に下記の種類があります。
・モバイルバッテリー
・家庭用発電機
・ポータブル電源
もっとも手軽でリーズナブルなのはモバイルバッテリーですが、容量が少ないためUSB機器しか対応出来なく、家電が使えせん。家庭用発電機はガソリン・ガスなどの燃料を使い一酸化炭素を発生させてしまうので、室内では使えません。また大きな音が出るので、屋外で使うと近所迷惑になる可能性があるでしょう。
そこでおすすめなのが、生活家電も使える大容量・高出力で静音設計、さらにソーラーパネルで充電もできる持ち運び便利な「ポータブル電源」です。ポータブル電源について詳しく紹介します。
関連人気記事:停電対策はポータブル電源と発電機どちらがおすすめ?
計画停電や災害での停電対策にはJackeryポータブル電源がおすすめ!
計画停電・災害での停電時の電源確保には「ポータブル電源」がおすすめです。ポータブル電源は大容量・高出力のポータブル蓄電池で、家庭のコンセントと同じAC100V電源がついています。ポータブル電源の利点について詳しく見ていきましょう。
●ポータブル電源があれば停電時に冷蔵庫や冷暖房を動かせる!
ポータブル電源は非常に大きな容量と出力を備えたモデルがあり、停電時にも冷蔵・冷凍庫や冷暖房機器を動作できます。つまり、容量に限界こそあるものの、停電していても普段通りに近い生活ができるということです。
計画停電レベルの短時間の停電なら、冷凍庫の中身が溶けてしまう心配はなくなります。エアコンなどの動作も可能なため、熱中症・低体温症のリスクを格段に下げられるでしょう。
関連人気記事:ポータブル電源で冷蔵庫を動かしたい!稼働できる時間・5つの注意点・おすすめポータブル電源まで紹介
●ポータブル電源は燃料いらず!ソーラーパネルでの太陽光充電が可能
ポータブル電源は、発電機のようにガソリン・ガスなどの燃料を使いません。ACコンセントから充電しておけば、ため込んだ電気をいつでもどこでも使えます。
またポータブル電源はソーラーパネルとのセット品が多く、ほとんどが太陽光充電に対応しています。太陽光充電でどこでも電力が確保でき、繰り返し使えるのがポイント。大規模災害が起きて長期間の停電となっても、太陽光さえあれば、電気毛布や扇風機を使って寒さ・暑さを凌いだり、何度もスマホを充電して情報を集めたりできるでしょう。
●持ち運びできてコンパクト!普段使いやアウトドアでも活躍
ポータブル電源や付属のソーラーパネルはほとんどのモデルに持ち手がついており、コンパクトに持ち運びが可能です。災害時に好きな場所へ移動して使えるので、万が一避難所生活となっても持ち込めるでしょう。また持ち運びができる特性を活かして、下記のような用途にも活用できます。
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・キャンプ・車中泊の電源確保
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・コンセントのない屋外でのDIY
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・家中の家電に使いまわして節電
ポータブル電源はキャンプや車中泊などのアウトドアシーンで大活躍。自由に家電を使って、まるで家にいるかのような快適度で過ごせます。またコンセントを好きな場所に生み出せるので、屋外でのDIYでも活躍するでしょう。さらに太陽光充電したポータブル電源を使い、場所を移動しつつドライヤーや炊飯器などの家電に使えば、大きな節電の効果も得られる優れモノです。
●停電対策やアウトドアには「Jackery Solar Generator 2000 Plus」がおすすめ
計画停電対策やアウトドアには、Jackery社の「Jackery Solar Generator 2000 Plus」がおすすめ。2,042Whの大容量・最大3,000Wの高出力を備えたポータブル電源と、最大200Wの出力が可能なソーラーパネルがセットになったモデルです。
停電時に冷暖房・冷凍庫を長時間維持できるのはもちろん、キャンプや車中泊などのアウトドアで活躍します。ソーラーパネルや車のシガーソケット充電対応で、充電が切れても繰り返し使用OK。何日でも快適に過ごせます。
このモデルの強みは、拡張バッテリーで最大12,000Whまで容量を増やせる点。使っていて「もっと容量が欲しい」「さらに長時間使いたい」と感じたら、2,000Wh単位の拡張バッテリーを追加しましょう。ニーズに合わせてスペックを上げられるので、ぜひまずはベースとなる本体を用意してみてください。
製品名 | Jackery ポータブル電源 2000 Plus |
容量 |
2042.8Wh(最大12kWhまで拡張可能) |
定格出力 |
3000W/正弦波(最大瞬間出力:6000W) |
出力ポート数 |
ACⅹ5、DCⅹ1、USBⅹ4 |
充電時間 |
AC充電:2時間 |
寿命/サイクル数 |
約4000回サイクル(10年間以上使える) |
保証期間 |
5年間 |
まとめ
計画停電は事前通知のある時間が決まった停電のこと。1回2~3時間程度で、いくつか地域ごとのグループに分けて行われます。過去には東日本大震災などのタイミングで実施されました。
災害による停電と計画停電の対策はセットで行っておくのがおすすめです。特におすすめなのが「ポータブル電源」の用意。ポータブル電源があれば普段どおり家電を使って停電中も快適に過ごせるので、ぜひ用意しておきましょう。