1.台風対策で窓にシャッターを取りつけることで得られる効果
まず、台風対策で窓にシャッターを取り付けることで得られる効果についてくわしく解説します。結論から言えば、シャッターは台風対策として有効な対策です。その理由も含めて、シャッターの持つ性能が台風による強風から室内を守ってくれる役割を持つ装備品であることをまとめています。また、雨戸との違いに対しても一緒にまとめていますので、参考にしてください。
●強風や飛来物から窓ガラスや自室を守る
台風が接近したとき、自室を守るためにシャッターを閉めることで、得られる効果のひとつが「強風による飛来物から窓ガラスを守る」ことです。風速20m/s以上の強風の場合、近隣の家屋の瓦が破損して飛んできたり、看板や外壁の欠損部分が飛んでくる被害が発生する可能性が出てきます。まとめると、シャッターを閉めることで得られることは以下の通りです。
・風圧によって窓ガラスが割れてしまうのを防ぐ
・強風による飛来物から窓ガラスを守る
シャッターには“窓ガラス”を風圧や飛来物から守る手段としてとても有効です。飛来物が窓ガラスに当たると、簡単に割れてしまい自室に被害がでるばかりでなく、強風が自室に侵入し屋根が飛ばされる事態になるので、窓ガラスを守ることは、台風対策として必須と言えるでしょう。
●シャッターは防音効果もある
台風被害から窓ガラスを守る効果のあるシャッターは、「防音効果」も得ることができます。台風接近時の場合だと、強風による風切音が室内に響いてくるのを抑えてくれます。台風による風切音を聞くと、不安にもなりますし恐怖を感じる方も少なくありません。シャッターを取り付けることで、
・防音効果で不安や恐怖を感じることなく安心を得る
・シャッターの持つ強度によって建物を守る
効果を得られるのがシャッターを取り付けるおおきなメリットです。
●雨戸とシャッターの違いは?
では、「シャッター」と「雨戸」はどう違うのでしょうか。それは、構造面です。雨戸はすでに備え付けられている雨戸を左右にスライドさせて締める構造になっています。シャッターは、一般的には格納されていて電動もしくは手動で上下に開閉する仕組みになっています。特徴をまとめると、
〇雨戸
・シャッターよりも安価で設置できる
・強風によって煽られガタガタ音がする場合がある
・開閉する際にガタつき締めにくい場合がある
〇シャッター
・電動式もあって楽に開閉が可能
・微妙な調整も可能
・収納性に優れている
・雨戸よりも施工費用が掛かり少し割高
となります。どちらも強風から窓ガラスを守る点では優れていますが、特徴をよく理解したうえでどちらを設置するのかを選ぶと良いでしょう。傾向としては雨戸よりもシャッターを設置する家が多くなってきています。「収納性」や「電動式」に魅力を感じる方が多いようです。
2.台風対策で選ぶ最適なシャッターの選び方
台風対策でシャッターを選ぶ際のポイントをご紹介します。シャッターも「手動式」・「電動式」以外にも様々な種類と特徴があります。それぞれの特徴を踏まえたうえで、あなたの家に最適なシャッターを選びましょう。
●台風対策に最適!窓シャッターとは
窓シャッターとは、防風、防音以外にも、防火、防寒、遮熱、防犯効果にも適した窓用シャッターです。外部からのリスクを遮断して、快適な室内環境をつくることができます。その効果から台風対策としても効果を発揮します。選ぶポイントは大きく分けて2つです。
・「電動式」か「手動式」で選ぶ
・シャッターに使われている「素材」で選ぶ
この2つのポイントの特徴をまとめていますので、どちらが自分の家に合っているのかを検討してみてください。
●窓シャッターの種類と特徴で選ぶ
手動シャッターは、開閉を自分の力で行うシャッターです。代わって電動シャッターは、リモコン操作によって自動で開閉を行うシャッターです。この2つのシャッターの特徴をまとめると以下のようになります。
〇手動シャッター
手動シャッターの特徴は「価格」と「故障しにくい」ことです。モーターなどの機械的な装置が必要ないため故障して動かなくなることが少なく、比較的リーズナブルな価格で取り付けられ、業者に依頼せずとも器用な方であれば自力で取り付けも可能です。ただ、一気に閉めると「開閉音がうるさい」と気になる方もいらっしゃるのも特徴として知っておくと良いでしょう。
〇電動シャッター
リモコン操作で手軽に開閉できることが大きな特徴です。子供や女性、高齢者の方でも簡単に開閉が可能です。また、一定の速度で開閉するため音も静かでストレスを感じません。機能性として申し分ないのですが、その分価格も高く長年使用すると故障することもある点もありコストがかかることも考えておきましょう。
●シャッターに使われている素材で選ぶ
シャッターに使用されている素材についても選ぶポイントです。家の装備品は、長期的に使用することも考えて選ばなければなりません。維持のしやすさやコスト面も考えて選ぶことをおすすめします。素材としてよく使用されているのが「スチール製」と「アルミ製」です。この2つの特徴をまとめていますので、参考にしてください。
〇スチール製
スチール製は、比較的安価に設置できるのがポイント。開け閉めがスムーズで音も静かですが、錆びやすい点があるためメンテナンスが必要になるのが特徴です。
〇アルミ製
スチール製よりも価格は高くなりますが、錆びにくくメンテナンスしやすく耐用年数が長いのが特徴です。長く使えるシャッターを希望する方はアルミ製を選ばれた方が良いでしょう。
3.台風対策にシャッターは後付けできる?
「自宅に台風対策としてシャッターを取り付けたい」
と考える方も多いかと思います。家を購入したときに雨戸しか備わっていなかった場合やそもそも窓には防風設備が備わっていない家もあるでしょう。ここではシャッターが後付け可能なのかについてくわしく解説します。
●自宅の建築方法によって変わる
シャッターが後付け可能かどうかは後付けしたい家の建築方法に大きく関係します。一般的には「木造建築」や「鉄筋コンクリート建築」ならば可能とされています。ただ、リフォーム業者によって見解が違うこともあるので、自宅に施工可能なのか専門業者に問い合わせてみるのがおすすめです。
●出窓などの特殊な形状の場合
たとえ木造建築や鉄筋コンクリート造の建物だったとしても、特殊な形状の窓だとシャッターの後付けが難しい場合があります。たとえば、出窓だと外壁から飛び出している形状になるため、シャッターを収納する部分が取り付けられないので後付けは難しいでしょう。ほかには、外開きの窓は、干渉してしまうため室内からシャッターを閉めることができません。事前に業者から確認してもらいましょう。
●窓付近に排気口やエアコンダクトがある場合
後付けが不可能なケースとして、窓のすぐ横にエアコンダクトや換気口がある場合は、シャッターと干渉してしまいます。このように、窓周辺に障害物がある場合は収納スペースを取り付けることができないため後付けすることが不可能になります。
●窓の上にスペースがない場合
窓の上がベランダになっている構造の家でも、ベランダの下にある窓には収納スペースを確保することが難しいため後付けできないことが多いです。ただ、オプションで下地部材を使用することで可能になるケースもあるため、専門業者に相談してみましょう。
一般的に、2階部分の窓にシャッターを後付けすると、足場を確保する費用が加算されるため施工費用が高くなる傾向にあります。費用の目安は、
・手動シャッター:15万円から30万円程度
・電動シャッター:20万円から40万円程度
かかります。施工費用込みの値段ですが、複数の専門業者から見積もりを取って、施工内容と費用を比べて判断するのがおすすめです。
4.台風対策にシャッターだけでは不安を感じたら
「窓ガラスの台風対策はシャッターを取り付ければ万全になる。」
と考えるのは早計です。台風対策として100%はないと言ってもよいでしょう。シャッターだけでは台風対策として不安なときは、窓ガラスを補強するのもひとつの方法です。より強固な台風に強い家を目指すなら、複数の対策を講じると安心できるのではないでしょうか。ここでは、シャッター以外の窓ガラスの台風対策についてまとめています。
●窓を強化ガラスに替える
窓ガラス自体を強化ガラスに交換するのも、台風対策として有効な手段です。交換にかかる費用は1か所につき3万~6万円が一般的です。「シャッターを後付けできない窓」などに対策を講じたい場合には最適な方法と言えるでしょう。
●窓ガラスに養生テープを貼る
防災フィルムを用意できないときの応急対策として考えるなら、養生テープで窓ガラスを割れた場合に飛び散らないようにするための手段として有効です。窓ガラスの枠に沿って「米の字」の形で貼るようにしましょう。
●窓ガラスに防災フィルムを貼る
窓ガラスに防災フィルムを貼るのもひとつの手段です。
・窓を割れにくくする効果がある
・窓が割れたときに飛散するのを防ぐ
などの効果を得ることができます。台風対策以外にも、防犯対策にもなるのでおすすめです。
●段ボールやアクリル板で補強する
シャッターが壊れていて修理・交換が間に合わなかったときに効果的な応急処置として、ダンボールやアクリル板など窓ガラスを補強するのもひとつの手段です。
・窓ガラスの外側にアクリル板やベニア板を取り付ける
・窓ガラスの内側にダンボールを貼りつけて割れたとき飛散するのを防ぐ
など、両面から窓ガラスを守ると効果的です。材料はホームセンターなどで手軽に購入できるので、もしものときの備えとして手段の一つに知っておくと良いでしょう。
●ガレージシャッター周りのDIYでできる補強もしておくと効果的
強風によってシャッターが壊れてしまうことを防ぐ補強の手段も、台風対策として知っておくとより万全な対策になります。また、修理費用も考える必要もないため知っておくと良いでしょう。
・シャッターガードを取り付ける
・スラットとガイドレールの隙間に緩衝材を固定する
・室内側に土壌を積む
などの対策をしておくのも効果的です。シャッターガードは補強パーツとして手軽に設置も可能です。台風被害でのシャッターの破損でよくあるのは、風で大きく揺れたスラットがガイドレールから外れることにより起こることです。これを防ぐために緩衝材を差し込むことで、大きく前後に揺れることを防止します。簡単なDIYで補強になるので、ぜひやっておきましょう。
5.シャッター以外の台風対策はどんなのがある?
台風対策として考えたいのであれば、「備え」に対しても意識を向けることが大切です。台風だけでなく、台風によって引き起こされる二次災害である土砂崩れや停電対策と共に考えると良いでしょう。ここではシャッターによる台風対策以外の「備え」についてまとめています。
●台風の二次災害「停電」への備え
台風は様々な影響を及ぼします。強風だけでなく、大雨も台風では土砂崩れや停電を引き起こすこともあります。土砂崩れや停電に対する対策として、備えることは2つです。以下にくわしくまとめていますので、参考にして揃えてみてください。
〇大雨による土砂崩れで孤立してしまったときの備え
土砂崩れによって道路が分断されて住んでいる地域が孤立してしまったときは、復旧するまで、または支援物資が届くまでの間、自宅から身動きが取れなくなるケースもあります。ここで必要となるのは、「備蓄」による備えです。おすすめの備蓄内容としては、
・日用品
・長期保存可能な食料
・飲料水や生活用水
ことをおすすめします。と食料品は定期的に消費して賞味期限に注意しましょう。賞味期限が長いものだからと安心していると、いざというときに賞味期限が切れてしまっていることにもなるので注意が必要です。
〇停電対策として予備電源(ポータブル電源)の確保
台風によって土砂崩れが起きた場合、電柱や電線が破損することによって引き起こされるのが停電です。停電対策としては予備電源の確保が最も有効な備えとなるでしょう。予備電源として考えられるのは、“発電機”や“ポータブル電源”があげられますが、発電機は別途燃料が必要になるため、ポータブル電源が一番手軽に確保できる備えとして有効な方法です。
ポータブル電源とは、モバイルバッテリーよりも容量が大きく、家庭用電源(AC100V)が使用できる電力供給源です。防災設備としてポータブル電源を選ぶなら、一般社団法人防災安全協会が認定しているJackery(ジャクリ)ポータブル電源がおすすめです。
・長期保証や修理&無料回収サービスなどアフターケアが充実
・AC100V以外のUSB-A,USB-Cなどの幅広い電気機器に同時に電力供給が可能
・停電対策として有効な機能(EPS機能やパススルー機能)を持つ製品を販売している
・ソーラーパネル付き製品もあって、停電時でも太陽光から事故給電が可能
など、防災に役立つ機能と、長期間使用できるポータブル電源です。防災設備として最適なので興味がある方は、くわしくはJackery(ジャクリ)公式サイトをご覧ください。
●避難経路の確認、防災リュックの備え
大雨によって引き起こされる災害として考えられるのは、浸水や冠水、地盤が緩んだことによる土砂崩れでしょう。こういった場合、取らなければならない行動としては「避難」です。この場合、事前に避難経路を調べて置き、家族と情報共有しておくこと。避難するときは、「防災リュック」を備えておくと、避難した先でも不便さを抑えられます。
まとめ:シャッターは台風対策として最適な防災設備
シャッターは台風による強風に対して窓ガラスを守る手段として有効な防災設備であることをくわしく解説しました。同じような設備として「雨戸」との特徴の違いも合わせてまとめていますので、どちらを設置するのかについてお悩みの方は参考になるかと思います。
また、台風対策としての補強や、窓ガラスを補強、割れたときの予防に関しても一緒に対策をとっておくとより万全な対策を取ることができます。今まで特に被害が出ていないのだからこれからも大丈夫という保証はどこにもありません。不安が少しでもあるならば、対策を講じで安心を手に入れてみるのも良い方法です。