インバーターとは?仕組みやメリット・デメリット、5つの活用例を紹介
「インバーターとは何?なんとなく電化製品に入ってるものなのは分かるけど。今回は分かりそうで分からない「インバーター」の詳しい仕組みや活用例について紹介します。インバーターは私たちの生活を支えるひとつの基盤といっても過言ではありません。ぜひこの記事をチェックして、実は身近な「インバーター」についての理解を深めておきましょう。
インバーターとは?仕組みを分かりやすく紹介
インバーターとはざっくりいうと「電流を任意の周波数や電圧に変える装置」のことを指します。どういうことか詳しく見ていきましょう。
●インバーターはモーターの回転速度を細かく調節している
先ほど解説したように、インバーターは電流を任意の周波数や電圧に変えています。この周波数や電圧の変化により、さまざまな機器に内蔵されている「モーター」の回転速度を細かく調節しているのです。
回転速度そのものは周波数のみの変化で調節できますが、電圧も同時に変えることで突然電流が大量に流れてモーターが焼けるのを防いでいます。そして、このモーターの回転速度の調節により、家電の動作を細かく制御するのがインバーターの役目です。
●コンバーター回路・コンデンサー・インバーター回路を合わせた装置が「インバーター」
日本で「インバーター」と呼ばれる装置は、「コンバーター回路」「コンデンサー」「インバーター回路」の3つで構成されています。インバーターを正しく理解するために、この3つについて知っておきましょう。
コンバーター回路とは
コンバーター回路とは、「交流電流」を「直流電流」に作り変える回路のことです。コンセントなどの電源から送られて来る電流は「交流電流」ですが、このままでは周波数や電圧の調整ができません。一度直流電源に作り変えることで、周波数や電圧の調整を可能にしています。
コンデンサーとは
コンデンサーとは、電気を蓄えたり放出したりする仕組みをもつ電子部品です。電気を使うあらゆる製品において、コンデンサーが内蔵されています。
コンデンサーのおかげで、モーターへ電圧を「ムラ」なく伝えられるようになっています。多くの電化製品が安定して稼働するのは、コンデンサーのおかげといっても過言ではありません。
インバーター回路とは
インバーター回路は最終的に流れてきた「直流電源」を、周波数を変えながら再度「交流電源」に戻す役割を果たしている回路です。ほとんどの電化製品は、直流電源のままでの動作ができません。また交流電源に作り変える必要がありますが、この工程をインバーター回路が担っているわけです。コンバーター回路・コンデンサー・インバーター回路の3つがないと、インバーターとしての力は発揮できません。
●インバーターは省エネにも一役買っている
インバーターは「省エネ」にも一役買っている装置です。電化製品の動作を細かく制御することで、余計な電力を消費せずに済みます。インバーターを製造している八紘テクノ株式会社によれば、ポンプやコンプレッサーを例にとると省エネ効果はモーターの回転数の3乗に比例しており、インバーターの省エネ効果は絶大とのことです。
引用元:八紘テクノ株式会社
多くのメーカーが環境貢献への取り組みとして、さまざまな電化製品へのインバータ導入を始めています。今後、よりインバーターが活躍するシーンは増えていくでしょう。
●三相200V機器もインバーターがあれば動かせる
通常の家庭・事業所にあるコンセントのほとんどは「単相100V」という、100Vの電圧がかかるものです。この単相100Vコンセントでは、業務用エアコンや産業用の工作機器をはじめとする「三相200V」の機器を動かせません。
しかし機器がインバーターを搭載していれば、通常なら三相200Vでしか動かせない機器を単相100Vのコンセントで動かすことが可能です。「コンセントがないから三相200Vの機械が置けない」という場所的な制約をなくしてくれるのも、インバーターのひとつの役割といえるでしょう。
関連人気記事:ポータブル電源選びの決め手「正弦波」とは
インバーターの3つのメリット
インバーターの動作によりモーターの回転速度を調節していることはお分かりいただけたかと思います。インバーターの搭載によりもたらされるメリットは下記の3つです。
-
・機器の動作を細かく調節できる
-
・部品の摩耗を抑えられる
-
・軽量化・小型化を実現できる
それぞれのメリットについて詳しく見ていきましょう。
●メリット①:機器の動作を細かく調節できる
最大のメリットは、機器の動作を細かく調節できることです。インバーターのない機械は、「オンか、オフか」「出力1200Wか、500Wか」のように極端な動かし方しかできません。車に例えると走行中に急停止したり、100km/hか30㎞/hのどちらかでしか走れなかったりするような状態です。
そこでインバーターがあれば緩やかに速度を変えたり、動作の強度を強く・弱くしたりできます。極端な動作しかできなかった機器が、より柔軟に動作できるようになるわけです。具体的な活用例についてはこの後解説します。
●メリット②:部品の摩耗を抑えられる
インバーターを内蔵した機器は部品の摩耗も抑えられます。無駄な動きをしたりや過度な不可がかかったりする時間が減るためです。故障の頻度を減らせるので、メンテナンスなしでも長期間機器が使えるようになります。
●メリット③:軽量化・小型化を実現できる
インバーターにより、機器の軽量化や小型化を実現できます。機器にインバーターを内蔵することで、周辺回路の無駄を省いてシンプル・コンパクトな構造にできるためです。
さらに近年、インバーターは「スイッチング技術」により小型化が進んでいます。スイッチング技術とは、同じ回路を複数通過することで直流電流を交流電流に変える仕組みです。今後インバーターを搭載した機器がさらに小さくなっていくかもしれません。
インバーターの2つのデメリット
非常にメリットの多いインバーターはで残念ながら下記2つのデメリットもあります。
-
・コストが高い
-
・使い続けると「ノイズ」が起きる場合もある
それぞれのデメリットについて見ていきましょう。
●デメリット①:コストが高い
インバーターの導入には、1台あたり数万円のコストがかかってしまいます。そのため通常の電化製品よりも価格が吊り上がってしまうので注意が必要です。さらにインバーターが難しい制御をすればするほど、回路を作るのにかかるコストは高くなります。
インバーターにより機器の利便性が上がるメリットは大きいものの、コストが高い以上費用対効果を考えなければいけません。すべての機器にインバーターを簡単に導入できる、というわけではない点を理解しておきましょう。
●デメリット②:使い続けると「ノイズ」が起きる場合もある
インバーターを長期間にわたって使い続けると、ノイズ(機器の正常な稼働を妨げる余計な電気信号)が発生することが分かっています。装置の中にある「コンデンサー」の寿命が来ると、電気的な負荷がかかりやすくなってしまうのが主な原因です。
ノイズは「ノイズフィルタ」の設置などで対策できるものの、知識がないとかえって誤作動や故障の原因となってしまいます。専門的な業者による定期的なメンテナンスや部品交換が必要でしょう。
インバーターの5つの活用例
ここではインバーターの身近な5つの活用例を紹介します。
-
・ベルトコンベア
-
・エアコン
-
・蛍光灯
-
・太陽光発電システム
-
・ポータブル電源
それぞれ見ていきましょう。
●活用例①:ベルトコンベア
工場の製造ラインでよく見る、部品を流していく装置「ベルトコンベア」にはインバーターが使われています。ベルトコンベアがゆっくりと動き出し始め、徐々に一定のスピードに近づいていくのは、インバーターがモーターの動きを制御しているおかげです。もちろん、止まるときにも急停止はせずゆっくり止まっていきます。
もしベルトコンベアにインバーターが搭載されていなかったら、急停止と急加速を繰り返す使えない装置になってしまいます。載せている部品が壊れたり、作業者の手を怪我したりする原因になってしまうでしょう。
●活用例②:エアコン
エアコンの「自動運転」はインバーターを活用した例のひとつです。自動運転させると、まずは一定の温度になるまで強めの出力で風を流します。そして一定の温度に近づくにつれて徐々に風量を弱め、無駄なエネルギーの消費を抑えてくれます。このような動作ができるのは、他でもないインバーターの力です。
●活用例③:蛍光灯
「蛍光灯にはモーターを使っていないじゃないか」と思った方もいるかもしれません。しかし蛍光灯には「インバーター型」と呼ばれる製品が存在します。インバーターで最初に電源から受け取ったものよりも高い周波数の電流を発生させ、安定して強い光を放てるようになっているのです。
なお「調光スイッチ」という明るさを調節するつまみがある蛍光灯は、たいていインバーター型に該当します。このようにモーターを使っていなくとも、電圧・周波数のコントロールにより性能を向上させた電気製品があるとぜひ覚えておきましょう。
●活用例④:太陽光発電システム
省エネやカーボンニュートラルの実現のために、最近より注目されている「太陽光発電システム」にもインバーターが使われています。ソーラーパネルで発電した電気は「直流電流」なため、そのままでは電化製品を動かせません。そこでインバーター回路を通して、交流電流に変換しているのです。
実は太陽光発電システムに含まれている「パワーコンディショナー」を構成する部品のひとつが「インバーター」となっています。パワーコンディショナーという装置名は知っていても、ここまでは知らなかった方が多いのではないでしょうか。
●活用例⑤:ポータブル電源
持ち運び式蓄電池「ポータブル電源」も、インバーターを活用する機器のひとつです。ポータブル電源は電気を「直流電流」として蓄えています。これをインバーターで家庭のコンセントと同じAC100V交流電流に変換し、家電の動作を実現しているのです。ソーラーパネルを使った充電も可能なため、ポータブル電源があれば長時間の車中泊や停電対策を実現できます。
Jackery Solar Generatorでお手軽に太陽光発電を始めよう
「Jackery(ジャクリ)」ではインバーター搭載の持ち運び式蓄電池「ポータブル電源」とソーラーパネルを活用した「カンタン太陽光発電システム」を提案しています。詳しく解説するので、気になった方はぜひ試してみてください。
●据付型の太陽光発電システムよりも安価で導入可能
2022年度の新築物件における太陽光パネルの設置費用相場は「1kWあたり26.1万円」(※)で、蓄電池まで含めると100~300万円程度の費用がかかるのが一般的です。それに対して「ポータブル電源×ソーラーパネル」の組み合わせなら、ハイグレードモデルでも50万円以下。屋根などに据付するタイプの太陽光発電システムよりも圧倒的に安価に導入できます。
※参照:経済産業省「令和5年度以降の調達価格等に関する意見」
「据付型の太陽光発電は高すぎて断念した…」という人も、ポータブル電源とソーラーパネルなら手が出せるケースが多いでしょう。
●設置工事不要で持ち運んで使える
ポータブル電源とソーラーパネルの組み合わせを使うなら設置工事は不要です。据付型の太陽光発電システムは家でしか使えませんが、ポータブル電源とソーラーパネルなら持ち運んで自由な場所で使えます。庭やベランダで充電するのも、キャンプ場やバンに持ち込んでキャンプ・車中泊で使うのも自由自在です。好きな場所に電源を作って楽しみましょう。
●おすすめのポータブル電源×ソーラーパネルは「Jackery Solar Generator」
「ポータブル電源×ソーラーパネル」を使った省エネ生活を始めるなら、ぜひ「Jackery」のセットモデル「Jackery Solar Generator」を用意してみてください。当社のポータブル電源・ソーラーパネルは全世界で300万台以上の販売実績がある信頼性の高い製品です。使いやすさを追求し、他社製品よりも20~30%のコンパクト化を実現しています。
特にソーラーパネルの品質の高さはお墨付きで、業界最高水準の24%台のエネルギー変換効率を実現。折りたたんでコンパクトに収納できるうえ、使うときは開いて角度を調節するだけです。そしてたったのケーブル1本で、ポータブル電源への充電を始められます。
「Jackery Solar Generator」は、あなたの生活をよりエコで豊かにしてくれること間違いなし。ぜひ1セット用意して使ってみてください。
もっと見る
まとめ
インバーターとは「電流を任意の周波数や電圧に変える装置」のこと。電子機器に内蔵されているモーターの回転速度を細かく調節し、電子機器の動作を制御しています。ベルトコンベアやエアコンのような「ゆっくり出力が変わる」仕組みは、インバーターによって成り立っているのです。
そしてインバーターは、最近注目される「太陽光発電システム」にも使用されています。太陽光発電システムを導入されたい場合は、ぜひ設置工事不要な「Jackery Solar Generator」でエコな生活をはじめましょう。
コメント