1.ポータブル電源で家電を使える時間は利用者自身で計算できる
ポータブル電源で家電を使える時間は、利用者自身で計算できます。ポータブル電源の容量に0.8(80%)を掛け算して、接続する家電の消費電力で割り算すれば良いわけです。以下の式で求めることが可能です。
ポータブル電源のバッテリー容量(Wh)×80%÷接続する家電の消費電力(W)
電力のロスが発生するため、搭載されているバッテリー容量すべてを家電で使えないことに注意が必要です。詳しい計算方法や計算のステップは、「ポータブル電源の使用時間を計算する4つのステップ」で解説します。
mAhの表記しか無い場合の計算方法
ポータブル電源と称して販売される商品のなかにはWhの表記が無く、mAhの表記しか無い製品もあるかもしれません。この場合、本体やパッケージに電圧の表記があれば、Whの値を計算できます。以下の例を考えてみましょう。
・容量は30000mAh
・電圧は「7V」と表記されている
30000mAhは30Ahのことです。ここに電圧をかけることで、Wh(電池容量)の値を計算できます。以下の式で、Whの値が求められます。
30Ah×3.7V=111Wh
このポータブル電源の容量は、111Whであることがわかります。
2.ポータブル電源の使用時間を計算する4つのステップ
ポータブル電源の使用時間は、ポイントさえ押さえれば誰でも簡単に計算できます。計算が苦手な方は、電卓を用意するとスムーズです。計算をiPhoneの「Siri」やAndroidの「Googleアシスタント」に行わせることも一つの方法です。
ここからはポータブル電源使用時間を計算するステップを4つに分け、詳しく解説します。
ステップ①:ポータブル電源の容量を知る
はじめに、これから使うポータブル電源の容量(Wh)を確認しましょう。本体に記されていれば、その値が容量です。また機種名がわかれば、以下の方法でも確認できます。
・取扱説明書の「仕様」ページ
・メーカーの公式サイト
・大手通販サイトの商品ページ
取扱説明書が手元に無い場合は、メーカーの公式サイトからダウンロードできる場合も多いです。使用時間を正しく計算するためにも、容量は確実にチェックしておきましょう。
ステップ②:家電の電力をチェックする
ポータブル電源で家電を動かせる時間は、家電の種類や機種により大きく変わります。要求する電力が大きいと、家電の稼働時間は短くなることが理由です。家電の本体に記載された「定格消費電力」をチェックして、どのくらい電力を使うか確認しましょう。
もし記載されていない、どこに書かれているかわからない場合は、機種名がわかれば取扱説明書やメーカーの公式サイトで定格消費電力を確認できます。
ステップ③:ポータブル電源につなぐ家電の電力を合計する
ポータブル電源で使う家電は、1つだけとは限りません。複数の家電をつなぐケースも多いでしょう。
この場合は、それぞれの家電が使う消費電力を合計する必要があります。「ステップ②」で確認した「定格消費電力」をもとに、同時に使う可能性があるすべての家電の消費電力を合計してください。
ステップ④:ポータブル電源を使える時間を算出する
ポータブル電源の容量と、ポータブル電源につなぐ家電の消費電力がわかれば、ポータブル電源を使える時間を算出できます。以下の式にあてはめてください。
ポータブル電源の稼働時間=ポータブル電源のバッテリー容量(Wh)×80%÷使用する家電の消費電力の合計(W)
上の式では、80%の代わりに0.8を掛けても同じ結果になります。一例として、以下のケースを考えてみましょう。
・ポータブル電源はJackery ポータブル電源 3000 Pro(3024Wh)
・暖房器具としてオイルヒーター(900W)を使用
・ノートパソコン(40W)を使用
・LED照明(10W)を使用
ポータブル電源の容量は3024Whであることに対して、家電の消費電力は合計で950Wあります。使える時間は、3024×0.8÷950≒2.547となります。およそ2時間半使える計算です。
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3.ポータブル電源使用時間の計算で押さえておきたい4つのポイント
ポータブル電源の使用時間を計算する際に押さえておきたいポイントが4つあります。いずれも計算結果や家電を使える時間に大きな影響をおよぼす項目です。よく確認して、ポータブル電源の有効活用につなげましょう。
①ポータブル電源の電池は徐々に劣化し、蓄電可能な容量が下がる
ポータブル電源は充電と放電を繰り返すごとに少しずつ劣化し、蓄電可能な容量が下がります。なかでも以下の項目は電池の劣化スピードを速め、製品の仕様と実際に使える容量が大きくずれる原因となります。
・高温や低温の環境で使用、または充電する
・満充電の状態で保存し続ける
・電池残量が少ない状態のまま放置する(残量20%未満の場合は劣化しやすい)
・ポータブル電源がパススルー充電に非対応
・自然放電しやすいポータブル電源を使っている
ポータブル電源を長持ちさせ、製品の出荷時に近い状態で使い続けるためには、保存性が高く繰り返しの充電に強い製品選びがおすすめです。Jackeryでは、この条件を満たす製品を提供しています。なかでもPlusシリーズでは4,000サイクルも使用でき、10年間使っても電池残量の70%を保持できる製品もあります。
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②充電容量の上限を制限している場合、使用時間は短くなる
ポータブル電源によっては満充電によるバッテリーの劣化を防ぐ目的で、充電容量の上限を制限できる場合があります。Jackeryでは一部の製品で、充電を容量の85%に制限する「バッテリー保護モード」を選ぶことが可能です。
充電容量の上限を設定している場合は貯められる電力量も減るため、家電の使用時間も短くなることに注意してください。Jackery製品で「バッテリー保護モード」を選んだ場合は、ポータブル電源を使える時間に0.85を掛ける必要があります。
③電池容量は時間が経過すると減ることに注意
ポータブル電源は、自然放電が避けられません。このため電池容量は、満充電の状態で保管したとしても少しずつ減少し続けます。充電後に長期間放置後、容量をチェックしないままポータブル電源を使うと、かなり早いタイミングで電池容量がなくなるおそれがあります。
ポータブル電源は、災害への対策やアウトドアなど、たまにしか使わないケースもあるでしょう。想定した使用時間に近い状態で使うためには、以下の対応をおすすめします。
・定期的に充電して、自然放電による減少分を補充する
・長く保管したポータブル電源はすぐに使わず、一度充電する
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④消費電力をスイッチで選べる家電の使用時間はどう計算する?
家電のなかには暖房家電や電子レンジなど、消費電力をスイッチやボタンで選べる製品もあります。この場合、家電に記載された最大のワット数で計算することが必須とは限りません。一例として、以下のスイッチがあるオイルヒーターを考えてみましょう。
・600W(弱)
・900W(中)
・1500W(強)
「強」を使うことがある場合は、1500Wで計算しなければなりません。一方で「ブレーカーが落ちるのが嫌」などの理由で「我が家では弱か中しか使わない」という家庭の場合は、「中」(900W)の数字を使って使用時間を計算すればよいわけです。
4.安全で長時間に使用できるポータブル電源おすすめ4選
ポータブル電源は多くのメーカーが製造し、さまざまな製品が発売されていますがJackery(ジャクリ)は、家電の使用時間にマッチしたポータブル電源を選べるます。Jackeryのポータブル電源を選ぶことで、以下のメリットが得られます。
・99Whから24kWhまで、必要な容量のポータブル電源を選べる
・家庭用100Vコンセント、USB-A、USB-C、シガーソケットの出力ポートを備える
・寿命の長いポータブル電源を選べる。最長で4,000サイクルの製品がある
・保存性が高い製品を選び、いざという時に備えられる
・家庭用100V電源のほかに、ソーラーパネルやシガーソケットで充電できる
・最大5年間の長期保証
・BMSを搭載しており、安心して使える
Jackeryは安全で長持ち、使い勝手が良いポータブル電源を、あなたのニーズに合わせて選べることが強みのポータブル電源メーカーです。
おすすめ製品①:Jackeryポータブル電源 2000 Plus
ポータブル電源 2000 Plusは、家庭用蓄電池並みの大容量を確保できる製品です。本体の容量は2042Whですが、別売りのBattery Pack 2000 Plusを5台追加することで12kWhまで拡張可能。並列接続により、容量を24kWhまで拡張できます。定格出力は3000Wありますから、ほぼすべての家電を長時間使えることは魅力的です。
バッテリーには、リン酸鉄リチウムイオン電池を採用しています。このため充放電可能なサイクル数は約4,000回。その後も、70%以上の電池容量を保てます。毎日1回充電と放電を繰り返しても、10年以上使えます。Jackeryアプリを活用して充電を85%に抑えることで、さらに寿命を延ばすことが可能です。
ポータブル電源 2000 Plusは365日経過しても、自然放電率が10%程度と少ないことも特徴的です。家庭用電源を使えば、2時間で充電できます。速い充電スピードと保存性の高さも兼ね備えた製品です。
おすすめ製品②:Jackeryポータブル電源 1000 Plus
ポータブル電源 1000 Plusは、本体の容量が1264Whに限られます。定格出力は2000Wあるものの、本体だけで調理家電や暖房器具を長時間使うことは難しいでしょう。一方で、別売りのBattery Pack 1000 Plusを3台追加すると5kWhまで拡張できます。小型の家庭用蓄電池並みの容量を確保できることは、メリットの一つに挙げられます。
内部のバッテリーはリン酸鉄リチウムイオン電池ですから、充放電可能なサイクル数の長さも特徴的です。約4,000サイクルの充放電後も70%以上の電池容量を保持でき、10年以上使えるポータブル電源であることは強みです。充電を85%に抑えられるJackeryアプリを使えば、バッテリーの寿命をさらに延ばせます。
充電スピードの速さも特徴的です。家庭用100V電源を使えば、わずか1.7時間で充電完了。ソーラーパネル「SolarSaga 200W」を4枚使えば、2時間で満充電にできる速さも魅力的です。
おすすめ製品③:Jackeryポータブル電源708
ポータブル電源 708は、本体の容量が708Wh、定格出力は500Wの製品です。パソコンやスマートフォン、扇風機、小型の暖房家電や車載用冷蔵庫といった家電を動かすことが可能です。
10万円を切る価格の低さと、7kg程度の軽さは魅力的です。バッテリーマネジメントシステムにより電圧や温度を管理し、過充電や過放電を防ぐ機能を搭載していますから安心です。
おすすめ製品④:Jackeryポータブル電源 300 Plus
ポータブル電源 300 Plusは、本体の容量が288Wh、定格出力は300Wしかありません。出力ポートもUSB-Cポートが2口、家庭用100VコンセントとUSB-A、シガーソケットが1口ずつに限られます。パソコンやスマートフォン、タ ブレット、卓上型のライトや扇風機など、消費電力の少ない家電を使う場合に適した製品です。
一方で軽さと長持ちするバッテリーは魅力的です。重量はわずか3.75kg、リュックに入るサイズのため、外出先にも持ち運べます。リン酸鉄リチウムイオン電池を用いたバッテリーの寿命は3,000サイクル。10年以上使える寿命の長さも特長の製品です。充電を85%に抑えられる「バッテリー節約モード」を使えば、さらに寿命を延ばせます。
5.ポータブル電源と家電の仕様を確認し、納得できる製品を選ぼう
同じポータブル電源を使っても、充電済みの容量や接続する家電により利用できる時間は変わります。すでにポータブル電源をお持ちの方は、ポータブル電源の容量と家電の消費電力、使用時間を調べるところから始めましょう。
これからポータブル電源をお買い求めの場合は、家電の消費電力と使用時間をチェックしましょう。本記事で紹介した方法でポータブル電源の使用時間を計算することで、あなたに合ったポータブル電源を選べます。
ポータブル電源は、安い買い物ではありません。せっかく購入するなら、満足したいもの。事前にチェックし、納得できる製品を選びましょう。
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