ソーラーパネルはどういう仕組み?ローリスクで自家太陽光発電を始める方法も紹介

ソーラーパネルはどういう仕組み?ローリスクで自家発電を始める方法も紹介

再エネや省エネ志向が強まっている現代。電気代の高騰もあり「新居を構えるならソーラーパネルを設置してみようかな?」と考える人も増えてきています。しかし「実際ソーラーパネルでどのくらい得するの?」という人も多いはずです。

そこで今回はソーラーパネルの発電の仕組みからメリット・デメリットまで詳しく解説します。ハードルが高いと感じた人向けの代替案も紹介しているので、ぜひ最後までチェックしてみてください。

ソーラーパネルの発電の仕組み

現在日本で主流となっている「シリコン型」のソーラーパネルは、下記の仕組みで発電しています。

  1. 1、プラスになりやすい「P型シリコン半導体」とマイナスになりやすい「N型シリコン半導体」を張り合わせる

  2. 2、太陽光が差し込む

  3. 3、P型シリコン半導体はプラス、N型シリコン半導体はマイナスになる

  4. 4、電極を導線でつなぐとマイナスからプラスに向かって電流が発生し続ける 

ソーラーパネルの中は性質の違う2種類の半導体で敷き詰められており、電子の流れを活用して電力を発生させている、という仕組みです。ちなみに、このソーラーパネルの発電の仕組みを「光起電力効果」または「光電効果」と呼ぶので、興味がある人は覚えておきましょう。

ソーラーパネルの発電に必要な機器

ソーラーパネルの発電システムには、下記3つの機器が必要です。

  • ・パワーコンディショナー

  • ・分電盤

  • ・蓄電池

それぞれ詳しく見ていきましょう。

●パワーコンディショナー

パワーコンディショナーは、ソーラーパネルで発電した電気を「直流」から「交流」に変える装置です。普段わたしたちが使っている電気は「交流」の状態で、直流のままでは家電が動きません。そのため、パワーコンディショナーは必須の機器となっています。またパワーコンディショナーは「系統連系保護機能」と呼ばれる安全装置の役割も果たしているので、ぜひ押さえておきましょう。

●分電盤

太陽光発電専用の「分電盤」を設置しなければいけません。分電盤とは、発電した電力を家庭内に分配する役割をもつ機器のこと。また自家利用しきれなかった電力を逆流させ、電力会社に送り込む役割も果たします。ソーラーパネルで発電して売電収入を得たいなら必須となるでしょう。逆にいえば、自家消費だけなら不要となる場合もあります。

●蓄電池

蓄電池は必須ではないものの、ソーラーパネルで発電した電力をお得に使うなら用意すべき装置です。通常であればソーラーパネルで発電した電力は、下記2つの使い道しかありません。

電力会社に送る(売電する)

  • ・そのまま家の中で使う 

蓄電池があれば「電気を溜めておく」という選択肢が増えるため、より節電効果はアップし災害対策としての効力も大きくなります。最近では電気代が高くなっているのもあり、売電よりも自家消費が主流です。蓄電池もセットで揃えて、お得に発電するのが良いでしょう。

ソーラーパネルはどれだけ発電できる仕組み?

ソーラーパネルはどれだけ発電できる仕組み?

「ソーラーパネルがどれだけ発電できる仕組みで、どれだけの効果を生むのか?」という点について詳しく見ていきましょう。

●発電量の算出方法

ソーラーパネルによる1時間あたりの発電量は、下記の式で計算します。

  • ソーラーパネルの発電能力(kW)×発電時間(h)=発電量(kWh)

年間の日照時間などの条件を加味して上記の式にあてはめると、ソーラーパネルの発電能力1kWあたりの年間発電量は約1,000kWとなります。ぜひ目安として覚えておきましょう。 

参考:太陽光発電協会「よくあるご質問

●一般家庭では年間3,000~5,000kWhほど発電できる

一般家庭の屋根に設置するソーラーパネルは、主に発電能力3~5kWのモデルです。つまり、年間では3,000~5,000kWhほど発電できることになります。 

太陽光発電協会の表示ガイドラインによれば、2022年の一般家庭の平均年間電力消費量は4,743kWh。およそ6割~10割をソーラーパネルによる発電でまかなえる計算です。浮く電気代に換算すると年間93,000~155,000円となるので、非常に大きな節約効果があると分かるでしょう。 

※全国算家庭電気製品公正取引協議会「電力料金目安単価」より、1kWhあたり31円(税込)として計算

家庭でソーラーパネルを設置する3つのメリット

家庭でソーラーパネルを設置するメリットは、主に下記の3つです。

  • ・電気代を大幅に削減できる

  • ・災害・停電への対策ができる

  • ・売電収入が得られる

それぞれ詳しく見ていきましょう。

メリット①:電気代を大幅に削減できる

最大のメリットは電気代を大幅に削減できる点です。先ほど「一般家庭では年間3,000~5,000kWhほど発電できる」で解説したように、一般家庭においてソーラーパネルで発電した電力を自家利用した場合、年間93,000~155,000円程度の電気代削減効果が期待できます。仮に100万円の設置費用がかかったとしても、10年程度のスパンで十分に回収できるでしょう。

メリット②:災害・停電への対策ができる

ソーラーパネルがあれば、大規模災害が起きて停電が続いても圧倒的な安心感があります。多くの家庭が照明ひとつ点けられない中、普通にテレビを見たりご飯を炊いたりできるのがポイントです。

さらに蓄電池を用意しておけば、昼間に発電した電気を夜間にも使えます。暗い夜におびえながら過ごす不安も解消されるでしょう。

メリット③:売電収入が得られる

最近では電気代の高騰・売電価格の低下により自家消費がメインとなってはいますが、ソーラーパネルで発電した電力が余ったら電力会社に売却できます。「FIT制度」により一定期間の売電価格は固定されているので、不当に買い叩かれる心配はありません。

参考:資源エネルギー庁「FIT・FIP制度

ただし今後、よりFIT制度による売電価格は下がっていくとみられます。売電収入にはあまり期待せず、電力を自家消費し切れる性能のソーラーパネルを設置するのがおすすめです。

家庭でソーラーパネルを設置するデメリット

家庭でソーラーパネルを設置するのには、下記3つのデメリットもあります。

  • ・導入のコストが高い

  • ・メンテナンスが必要

  • ・立地や天候に発電量が左右される

それぞれ見ていきましょう。

デメリット①:導入のコストが高い

ソーラーパネルは導入のコストが高めです。経済産業省「令和5年度以降の調達価格等に関する意見」によれば、2022年度の新築物件における太陽光パネルの設置費用相場は「1kWあたり26.1万円」となっています。

太陽光パネルの設置費用相場の推移

引用元:経済産業省「令和5年度以降の調達価格等に関する意見

つまり一般家庭でも主流の4kwソーラーパネルを設置すれば、費用は100万円を超える可能性が高いということです。蓄電池を導入すれば、さらに設置費用は大きく上がります。

ただしソーラーパネルの設置には各自治体で補助金が用意されているため、地域によっては非常に少ない手出しで導入が可能です。検討している方は、お住まいの自治体で実施している補助金制度をチェックしてみましょう。

デメリット②:メンテナンスが必要

ソーラーパネルは数年おきのメンテナンスも必要となります。資源エネルギー庁によれば、出力5kWの太陽光パネルにおける1回あたりのメンテナンス費用は「2.9万円」です。

参考:資源エネルギー庁「太陽光発電について

一般家庭で設置するソーラーパネルのメンテナンスは義務ではありませんが、故障・不調の頻度から4年に1回は行うのが好ましいでしょう。設置を検討している方は、メンテナンス費用も考慮して計画を立ててみてください。

デメリット③:立地や天候に発電量が左右される

ソーラーパネルは太陽光が当たってはじめて発電できるという仕組み上、立地・天候といった外的な要因に発電量が大きく左右されてしまいます。

たとえば「夕方はビルの陰になってしまう」「雪がかなり降りやすい」といった場所では、目安となる「ソーラーパネルの発電能力1kWあたり年間約1,000kWh発電可能」に大きく満たない発電量となってしまう可能性があります。シミュレーションどおりに発電できそうか考えて設置を検討しましょう。

家庭でローリスクなソーラーパネル発電を始める方法

家庭でローリスクなソーラーパネル発電を始める方法

「デメリットも多いし、大金をはたいて据付型のソーラーパネルを設置するのは不安…」という方におすすめな、家庭でローリスクにソーラーパネル発電を始める方法があります。詳しく見ていきましょう。

●設置工事のいらない小型~中型ソーラーパネルもある!

実はソーラーパネルには、屋根に取り付けない小型~中型の置くだけタイプもあります。こうしたタイプのソーラーパネルであれば、設置工事不要で下記のような場所でも太陽光発電が可能です。

  • ・ベランダ

  • ・庭

  • ・キャンプなどの外出先

いつでもどこでも使えるので、家の中にとどまらない活用を実現します。設置工事費は一切かからず、本体価格のみで購入可能。そして本体価格すらも大幅に安いため、圧倒的にローリスクでソーラーパネルでの発電をスタートできるでしょう。

●「ポータブル電源」を蓄電池の代わりに使えばOK

蓄電池の代わりに「ポータブル電源」を用意すれば、ソーラーパネルで発電した電力を溜めて使えますポータブル電源とは、家庭のコンセントと同じAC100V電源が使える蓄電装置。容量こそ劣るものの、蓄電池より圧倒的にリーズナブルに導入できます。

ポータブル電源は持ち運びが可能なため、ソーラーパネルとセットでいつでもどこでも使えるのがポイント。「外出先で電気を使いたい」「災害時に避難所でスマホを充電したい」といったシーンでも活躍するでしょう。

おすすめのソーラーパネルとポータブル蓄電池2選

おすすめのソーラーパネルとポータブル蓄電池2選

ソーラーパネルとポータブル電源はセットで販売されており、効率よく充電できるよう最適化されたモデルが多いです。特におすすめなのが、全世界で300万台以上の販売実績があるJackery(ジャクリ)社の「Jackery Solar Generator」シリーズ。同レベルの他社製品よりもコンパクト・軽量で使いやすいにもかかわらず、容量や出力で劣る点はないでしょう。

さらにJackeryの製品は一般社団法人防災安全協会の「防災製品等推奨品」認定を受けており、災害時にも使える高い堅牢性を誇ります。長期保証も充実しているため、早期の故障で購入費用を無駄にする心配もありません。今回は「Jackery Solar Generator」シリーズの中から、屋根に据付するソーラーパネルの代わりに検討すべき2モデルを厳選して紹介します。

●Jackery Solar Generator 2000 Plus :バッテリー拡張で蓄電性能を上げられる!

Jackery Solar Generator 2000 Plus」は容量2,042Wのポータブル電源と、発電能力200Wのソーラーパネルがセットになったモデルです。そのままでも十分に家の中の家電を多く動かせますが、バッテリー拡張により最大12,000Whまで安く容量拡張を実現できます。

そのため、購入してから「もうちょっと容量があったら嬉しいのに…」と後悔する心配はありません。冷蔵庫や電子レンジ、炊飯器などの家電をガンガン動かして、電気代の節約をスタートしましょう。

製品名 Jackery ポータブル電源 2000 Plus

容量

2042.8Wh(最大12kWhまで拡張可能)

定格出力

3000W/正弦波(最大瞬間出力:6000W)

出力ポート数

ACⅹ5、DCⅹ1、USBⅹ4

充電時間

AC充電:2時間
ソーラー充電:最速2時間
シガーアダプター:25時間

寿命/サイクル数

約4000回サイクル
※4,000回サイクル放充電後も工場出荷時の容量の70%以上をキープできます。

保証期間

5年間

●Jackery Solar Generator 1000 Plus:安価なのに高性能!防災対策にもおすすめ

Jackery Solar Generator 1000 Plus」は、容量1,264Whのポータブル電源と発電能力100Wのソーラーパネルがセットになったモデル。先ほどの「2000Plus」のおよそ6割の容量ですが、価格もほぼ6割でお求めやすくなっているのがポイントです。

安価とはいえこちらもバッテリー拡張が可能なため「とりあえず買ってみて、容量が足りなかったら拡張してみよう」というイメージで使用をスタートできるのがポイント。「防災対策用に購入して、ついでに節電やアウトドアにも使ってみたい」という方にもピッタリの費用感でしょう。

製品名 Jackeryポータブル電源1000Pro

容量

1264Wh(5kWhまで拡張可能)

定格出力

2000W/正弦波(最大瞬間出力:4000W)

出力ポート数

ACⅹ3、DCⅹ1、USBⅹ4

満充電時間

AC充電:1.7時間
ソーラー充電:最速2時間
シガーアダプター:7時間

寿命

リン酸鉄リチウムイオンバッテリー採用
4000サイクル数(10年以上使える)

保証期間

5年間

まとめ

ソーラーパネルの発電の仕組みを解説しました。一般家庭では年間3,000~5,000kWhほどの発電量が期待できます。電気代に換算すると93,000~155,000円ほどで、設置費用を10年程度でペイできるほどの節電効果に期待できるでしょう。

ただしソーラーパネルには「設置費用が高い」などのデメリットがあるのも事実ローリスクでソーラーパネルによる節電を始めたいなら、蓄電池の役割をもつ「ポータブル電源」とセットになった「Jackery Solar Generator」シリーズがおすすめです。「屋根に据付するタイプはちょっとハードルが高い」という方はぜひ検討してみてください。


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