そもそも直列と並列はどう違う?
この記事ではソーラーパネルをつなぐ方法として、直列や並列といった用語が頻度高く登場します。それぞれどのようなつなぎ方なのか確認していきましょう。
直列とは一つの線上に並べるつなぎ方
ソーラーパネルを配線でつないだ結果、一つの線につながった。このような形は、直列のつなぎ方です。
配線の起点から終点へ向かうルートが一通りに絞られることは特徴的です。分岐する箇所は無いため、途中で別のルートを通って終点へ向かうことはありません。またソーラーパネルが2枚以上設置されている場合、電流はすべてのソーラーパネルを通過します。
並列とは途中で分岐と合流点を設けるつなぎ方
並列は、途中で分岐と合流点を設けるつなぎ方です。一例として、3枚のソーラーパネルを並列でつなぐケースを考えてみましょう。電気は、以下のとおりに流れます。
1.起点から分岐部に到達すると、配線は3つに分かれる。いずれか1つを選んで進む
2.ソーラーパネルを通過する(通過するソーラーパネルは1枚のみ)
3.合流点に到達後、終点へ向かう
直列の場合と異なり、電流はすべてのソーラーパネルを通過しないことが特徴的です。
ソーラーパネルを直列・並列につなぐとどうなる?
同じソーラーパネルでもつなぎ方によって、電圧や電流の値、故障した際の影響は変わります。ソーラーパネルを直列・並列につなぐことで得られる結果とメリット・デメリットを、詳しく確認していきましょう。
直列につないだ場合
複数のソーラーパネルを直列につないだ場合、電流は各ソーラーパネルで同じ値となります。一方で出力電圧は、各ソーラーパネルが出力する電圧を合計した値です。ソーラーパネルを1枚だけ使った場合と比べて、より高い電圧を得られます。
一方で回路の途中で故障した機器が発生すると、電気の流れは止まります。1台でもソーラーパネルが故障すると、発電できなくなるリスクは見逃せません。
並列につないだ場合
複数のソーラーパネルを並列につないだ場合、それぞれのソーラーパネルにかかる電圧は同じ値です。一方で電流の値はソーラーパネルごとに異なり、電圧を抵抗で割った値となります。回路全体の電流は、各ソーラーパネルに流れる電流の合計値です。
並列につないだ場合、どこかのソーラーパネルが故障しても、他のソーラーパネルで発電を継続できるメリットは見逃せません。一方で1枚だけで発電する場合と比べて、出力される電流は増えます。電流に見合う太さの電線を用意しましょう。細い電線を使うと、被覆が焼損するかもしれません。
なおJackery製品を使う場合は専用のケーブルが付属、または購入できます。電線の太さを気にする必要はありません。
直列と並列はどのようなケースや目的で選ばれるのか?
太陽光発電において、直列や並列はどのような目的で選ばれるのでしょうか。直列接続と並列接続それぞれについて、選ばれるケースや使われる目的を確認していきましょう。
直列接続が選ばれるケースや目的
直列接続が選ばれるケースや目的には、以下の項目が挙げられます。
・高い電圧で発電し、発電量を増やしたい
・ソーラーパネルが日当たりの良い場所に設置できる
・電流を一定にしたい
晴れやすい場所で高い電圧が許容されるケースでは、直列接続が選ばれやすいでしょう。
並列接続が選ばれるケースや目的
並列接続が選ばれるケースや目的には、以下の項目が挙げられます。
・日影となりやすい場所でも、ソーラーパネルである程度の発電量を確保したい
・ソーラーパネルが故障しても、発電を続けたい
・電流は増えてもよいので、電圧を一定にしたい
「ソーラーパネルが1枚でもトラブルに遭うと発電できない」という最悪のケースを避けられる、電圧を一定にできるメリットは代表的です。
直列と並列を組み合わせるケースもある
ソーラーパネルを直流でつなぐと、電圧を上げられます。一方で並列でつなぐとより多くの電流を得られるほか、ソーラーパネルの故障にも強くなります。4枚や6枚などまとまった枚数のソーラーパネルを使う場合は、直列と並列を組み合わせることで両方のメリットを得ることが可能です。
ソーラーパネルを直列・並列につなぐ際のチェックポイント
ソーラーパネルをつなぎ、より大きな出力を得るためには、押さえておきたいポイントが5つあります。太陽光発電をスムーズかつ安全に活用して電気を得るためにも、それぞれの項目をぜひご確認ください。
ソーラーパネルは同じメーカー、同じ型番で揃えると安心
ソーラーパネルは同じメーカー、同じ型番で揃えると安心です。性能が同じであるため機種の違いを気にしなくてよく、扱いやすくなるメリットがあります。
異なるメーカーのソーラーパネルは、いっしょに使えないケースも多いでしょう。また同じメーカーでも型番が異なると、取り扱い方法に差が出ます。型番の違いを意識して使う手間を、負担に感じる方も多いのではないでしょうか。
短絡電流の値が同じソーラーパネルは、直列接続が可能
もし異なる機種のソーラーパネルを組み合わせる場合は、短絡電流と開放電圧の値に着目してください。短絡電流の値が同じソーラーパネルは、直列接続でつないで使うことが可能です。短絡電流はソーラーパネルの最大電流を示し、出力端子に何も接続していないときの電流の値を指します。
開放電圧の値が同じソーラーパネルは、並列接続が可能
並列接続の場合は、ソーラーパネルの開放電圧に注目しましょう。開放電圧はソーラーパネルの最大電圧を指し、出力端子に何も接続していないときの電圧です。開放電圧が同じソーラーパネルは、並列接続でつないで使えます。
なお直列接続・並列接続ともに、Jackeryのポータブル電源に2枚以上のソーラーパネルを使って充電する場合は、原則として同じ型番の製品を使うよう案内しております。
接続方法に応じたケーブルを用意する
ソーラーパネルで発電した電気をポータブル電源に貯める場合、ソーラーパネルのつなぎ方はポータブル電源の機種ごとに指定されています。事前に取扱説明書をよく読み、接続方法に応じたケーブルを用意しましょう。
例として、Jackery「ポータブル電源 2000 Plus」にソーラーパネル「SolarSaga 200W」を使って充電するケースを考えてみましょう。ソーラーパネルが2枚なら、ソーラーパネルに付属するケーブルをポータブル電源につなぐことで充電できます。
一方でソーラーパネルを3枚以上使って充電する場合は、「Jackery SolarSaga アダプター(Pro/Plus専用)」が必要です。ソーラーパネルが3枚の場合はアダプター1個、4枚または6枚の場合はアダプターを2個使わなければなりません。
ソーラーパネルの正面に太陽光が当たるよう配置を工夫する
ソーラーパネルを配置する際は、パネルの正面に太陽光が当たるよう工夫して設置しましょう。光が多く当たれば、そのぶん発電量も増えます。蓄電池に貯められる電力も増えるでしょう。
直列接続の場合は、特に注意が必要です。太陽光が当たっていないソーラーパネルが1枚でもあると、太陽光が当たっているその他のソーラーパネルも発電できず、電気を貯められないおそれがあるためです。もし太陽光が当たらない時間が頻繁にある場合は、ソーラーパネルを並列接続でつなぐとよいでしょう。
ソーラーパネルを使った充電はJackery製品をおすすめ
これからソーラーパネルを活用し、太陽光発電で充電を行うなら、Jackery製品の活用をおすすめします。Jackery製品を選ぶことで、5つのメリットが得られます。いずれも、大きな出力を安定的に、安心して得るためには欠かせない項目です。それぞれのメリットを、順に確認していきましょう。
ソーラーパネルとポータブル電源との相性がチェックされており安心
ソーラーパネルには興味があるものの、発電した電気を貯める「ポータブル電源」との相性が心配。このような方には、Jackeryが提供する「Solar Generator」がおすすめです。
「Solar Generator」は、ポータブル電源とソーラーパネルをセットにした商品です。事前に製品どうしの相性はチェック済みですから安心です。購入後にうまく発電・蓄電できないといった不安を感じることはなく、購入した日からすぐに使い始めることが可能です。
25%もの高い変換効率を実現
ソーラーパネルの変換効率(発電効率)は、20%が目安とされています。Jackeryでは、24%~25%もの高い変換効率を誇る「SolarSaga 100W」「SolarSaga 200W」を提供しています。一般的なソーラーパネルと比べて25%程度多くの電気をつくることができ、さまざまな家電に活用できることは魅力的です。
1枚で最大200Wの発電が可能。複数のソーラーパネルを併用できる
大きな出力で発電できるソーラーパネルがあることも、Jackery「SolarSaga」の魅力です。「SolarSaga 100W」は1枚で100W、「SolarSaga 200W」は1枚で200Wの発電ができます。
最大で6枚までつないで発電できることも魅力的です。晴れた日の昼間に「SolarSaga 200W」を6枚使えば、容量が約3kWhもある「ポータブル電源 3000 Pro」も3時間でフル充電の状態にすることが可能です。
防塵・防水機能を搭載
Jackeryのソーラーパネルは、防塵・防水機能も搭載しています。粉塵の侵入を完全に防ぐ構造となっていることは特徴的です。一方で防水性能は、ソーラーパネルにより多少異なります。防塵・防水性能を示す「IP規格」の値も含めて、以下の表で確認していきましょう。
ソーラーパネル製品名 |
IP規格 |
防水性能 |
IP67 |
水面下15cm~1メートル、30分間水没させても水が浸入しない |
|
IP65 |
3メートルの距離からすべての方向に毎分12.5リットル、30kpa(キロパスカル)の噴流水を3分間当てても影響を受けない |
|
IP68 |
水面下での使用が可能 |
但しOutput端子などの接続部分は防水でないため、この部分は雨や風、ほこりからの防御が必要です。
設置も接続も簡単。収納もコンパクト
設置や接続が簡単なことも、Jackeryのソーラーパネルを使うメリットに挙げられます。SolarSaga 80Wなら、そのままの形で設置できます。SolarSaga 100WやSolarSaga 200Wも、折り畳まれたソーラーパネルを広げるだけで設置できます。あとはソーラーパネルとポータブル電源の両方にケーブルをつなげば、発電と充電を始められるというわけです。
SolarSaga 100WやSolarSaga 200Wは、コンパクトに収納できることも魅力的です。広げたときの幅はSolarSaga 100Wで1.2メートル、SolarSaga 200Wで2.4メートル近くありますが、折りたたむとどちらも60cm四方に畳めます。持ち運びのしやすさも魅力的です。
ソーラーパネルで蓄電できるJackery製品をご紹介
ここからは、ソーラーパネルで蓄電できるおすすめのJackery製品を4つ紹介します。製品の特徴を確認のうえ、Jackery製品の魅力を実感してください。
Solar Generator 2000 Plus
2042Whの容量、3000Wの定格出力を持つ「ポータブル電源 2000 Plus」に、ソーラーパネル「SolarSaga 200W」をセットした製品です。SolarSaga 200Wは1枚から6枚まで接続可能。2枚以上つなぐ場合は、以下の接続方法となります。
枚数 |
ポータブル電源との接続方法 |
2枚 |
両方のDC入力ポートに1枚ずつ接続(並列接続) |
3枚 |
「Jackery SolarSaga アダプター(Pro/Plus専用)」にソーラーパネルを3枚つなぎ、片方のDC入力ポートに接続(直列接続) |
4枚 |
2個の「Jackery SolarSaga アダプター(Pro/Plus専用)」にソーラーパネルを2枚ずつつなぎ、両方のDC入力ポートに接続(直列接続と並列接続の組み合わせ) |
6枚 |
「Jackery SolarSaga アダプター(Pro/Plus専用)」を2個用意。ソーラーパネルを3枚ずつつなぎ、両方のDC入力ポートに接続(直列接続と並列接続の組み合わせ) |
ソーラーパネルを6枚使うことで、2時間でフル充電の状態にできます。なおDC入力ポートを2つ使う場合は、接続するソーラーパネルを左右で同じ数にしなければなりません。このため、SolarSaga 200Wを5枚使って充電することはできません。
Solar Generator 2000 Plusには拡張バッテリー「Battery Pack 2000 Plus」を接続して、容量を最大24kWhまで拡張できます。「Battery Pack 2000 Plus」には、ソーラーパネルで直接充電できることも強みです。
Solar Generator 1000 Plus
1264Whの容量と2000Wの定格出力を持つ「ポータブル電源 1000 Plus」に、ソーラーパネル「SolarSaga 100W」をセットした製品です。SolarSaga 100Wは1枚から4枚までつなぎ、ポータブル電源へ充電できます。2枚以上使う場合は、以下の方法でつないでください。
枚数 |
ポータブル電源との接続方法 |
2枚 |
両方のDC入力ポートに1枚ずつ接続(並列接続) |
3枚 |
「Jackery SolarSaga アダプター(Pro/Plus専用)」を1個用意し、ソーラーパネルを2枚つなぎ、片方のDC入力ポートに接続。もう1枚はそのままポータブル電源のDC入力ポートに接続(直列接続と並列接続の組み合わせ) |
4枚 |
「Jackery SolarSaga アダプター(Pro/Plus専用)」を2個用意。ソーラーパネルを2枚ずつつなぎ、両方のDC入力ポートに接続(直列接続と並列接続の組み合わせ) |
満充電までの時間は、4枚のソーラーパネルを使った場合で4.5時間かかります。日中に充電し、夕方から電気を使うといった方法で活用できるでしょう。
容量は拡張バッテリー「Battery Pack 1000 Plus」をつなぐことで、5kWhまで拡張できます。「Battery Pack 1000 Plus」は、ポータブル電源 1000 Plusにつないだ状態で充電しなければなりません。
Solar Generator 3000 Pro
3000Wの定格出力を持つ「ポータブル電源 3000 Pro」に、ソーラーパネル「SolarSaga 200W」をセットしました。SolarSaga 200Wは、1枚から6枚までつなぐことが可能です。2枚から6枚のソーラーパネルを使う場合は、「Solar Generator 2000 Plus」で説明した表と同じ要領で接続・充電できます。ソーラーパネルを6枚使うと、3時間で満充電にできます。
ポータブル電源 3000 Proの容量は3024Whあり、単体ではJackery製品で最大の容量。小型の蓄電池に匹敵します。一方で拡張バッテリーをつなぎ、容量を増やすことはできません。
Solar Generator 1000
1002Whの容量、1000Wの定格出力を備える「ポータブル電源 1000」に、ソーラーパネル「SolarSaga 100W」をセットしました。ソーラーパネルをつなげる「DC入力端子」は1口しかありません。しかし「Jackery SolarSaga 並列接続用ケーブル」でSolarSaga 100Wを2枚並列接続し、充電できます。ソーラーパネルでの充電は1枚で17時間、2枚で8~10時間かかります。
この商品には、「ソーラーパネル1枚セット」と「ソーラーパネル2枚セット」があります。「ソーラーパネル2枚セット」には並列接続ケーブルが付属しています。
直列と並列の違いを理解し、ソーラーパネルの特徴を活かそう
ここまで、直列と並列の違いや特徴について解説しました。直列接続は電圧を上げられる代わりに、ソーラーパネルの故障による影響が大きい接続方法です。一方で並列接続はソーラーパネルの故障による影響を抑えられる代わりに、ある程度の太さのケーブルを用意しなければなりません。
直列と並列をうまく組み合わせることで、電圧や電流を高くし過ぎずに多くの電力を発電できます。それぞれの違いを理解してソーラーパネルの特徴を活かし、効果的なポータブル電源への充電につなげてください。