1.冬の車中泊に寝袋は必要?
外気を遮断できる車中泊では、寝袋は必要ないと思われる方も多いのではないでしょうか。また、寝袋の代わりに布団を持ち込むケースもあるでしょう。
しかし、冬の車内は予想以上に冷え込むため、寝袋は必要です。一般社団法人 日本自動車連盟「JAF」の調査によると、2月の長野県で夜間にエアコンを切った場合、車内温度は-13.2℃まで下がりました(※1)。
布団よりもコンパクトに丸め込めるので、車内の荷室に収納できます。車でたどり着いた先でキャンプや登山などのアウトドアを行う際にも、寝袋をそのまま屋外に持ち出せて便利です。
※1参考:JAF「厳冬期のクルマの室内はどのくらい温度が低くなりますか?」
2.冬の車中泊で使う寝袋の選び方5選
寒さが本格化する冬の車中泊では、寝袋選びが快適さの鍵を握ります。寝袋には形や素材など様々な違いがあるので、どれが自分に合っているかを見極めることが重要です。冬の車中泊で使う寝袋の選び方を紹介します。
●選び方1|保温性に優れたダウン素材
冬の車内は、エンジンを切ると急速に温度が下がっていきます。朝まで寒さを感じずに眠るためには、保温性に優れたダウン素材を採用した寝袋がおすすめです。化繊に比べて軽量かつコンパクトなので、車内の収納にも困りません。
柔らかくふわふわした寝心地が実現し、運転の疲れを癒してくれるでしょう。ただし、化繊に比べて高価なので、予算に収まるか確認してみてください。
●選び方2|快適使用温度が-5℃以下
冬の車中泊を楽しむなら、快適使用温度が-5℃以下の寝袋がおすすめです。寝袋に記載される「限界使用温度」「快適使用温度」の違いを紹介します。
限界使用温度 |
工夫次第でかろうじて眠れる温度の目安 |
快適使用温度 |
快適に眠れる温度の目安 |
車内は窓や地面から冷気が侵入し、予想以上に気温が低下するため、快適使用温度が-5℃以下のタイプを選びましょう。
●選び方3|身長+5〜10cmのサイズ
窮屈な思いをせずに快適に眠るためには、身長+5〜10cmのサイズがおすすめです。寝袋があまりに大きいと内部に余分な空間ができ、保温効率が下がってしまいます。
逆に、ピッタリすぎると体の動きが制限されて、窮屈さを感じてしまうでしょう。寝返りを打ちたい場合や、複数人で使用したい場合には、横幅も重視してください。
●選び方4|荷室に収納しやすい
日中帯は寝袋を車内に積んで移動しなければならないので、荷室に収納しやすいコンパクトに畳めるタイプがおすすめです。車内スペースが限られている場合、大きくかさばる寝袋は移動や荷物の出し入れが不便になることがあります。
圧縮袋に入れてサイズがコンパクトになる寝袋を選ぶと、荷室にすっきりと収納でき、他の荷物やキャンプギアを効率よく配置できるでしょう。
●選び方5|コスパに優れる
寝袋の価格はピンキリなので、予算に制限がある場合は、できるだけコストパフォーマンスに優れた寝袋を選びましょう。値段を抑えて、高性能な寝袋を購入したい場合は、化繊を使ったモデルがおすすめです。
ダウンに比べると保温性は劣りますが、水や汚れに強く、水洗いして常に清潔な状態に保てます。特に、頻繁に車中泊に行く方や、長期間車で旅をする方は、水洗いできる化繊が重宝するでしょう。寝袋を買うのが初めての方は、お試しで安い製品を選ぶのも得策です。
3.【種類別】冬の車中泊で使う寝袋の特長
冬の車中泊用に選ぶ寝袋には、封筒型とマミー型の2種類があります。それぞれ保温性・携帯性・密着度などが異なるので、車中泊に行く人数や現地の気温に合わせて最適なタイプを選びましょう。冬の車中泊で使う寝袋の特長は、以下のとおりです。
●封筒型|密着性が低く寝返りをうちやすい
長方形の封筒に似た形状をしている封筒型は、暑がりな方におすすめのタイプです。密着度が低いため、窮屈さを感じることはありません。寝袋の中を広々と使えるので、寝返りがうちやすいのも特徴です。コスト面においても、マミー型より安価で購入できます。
サイドジッパーを開けばフルオープンになり、タオルケットとしても使えます。家族や恋人と車中泊を楽しむ場合は、連結させて一つの寝袋になるタイプもおすすめです。一方で、マミー型に比べると保温性が劣るため、場所によっては寒く感じる可能性があります。
●マミー型|コンパクトで保温性に優れる
氷点下になる冷感地に行く方におすすめなのが、マミー型です。顔がすっぽりと覆われて、足元になるほど細くなっているので、密着度が高く、抜群の保温性を誇ります。首まわりをドローコードで絞れば、冷気が入る隙間を作りません。
軽量かつコンパクト設計なので、車内の収納スペースを節約できます。一方で、密着度の高さから窮屈に感じる方もいるでしょう。頻繁に寝返りを打つ方には、向かない可能性があります。封筒型よりも値段が高いので、慎重に選びましょう。
4.冬の車中泊で使う寝袋のおすすめブランド5選
寝袋は、数多くのブランドから販売されているので、アウトドア初心者はどれを選べばよいか分からないのではないでしょうか。それぞれのブランドの特性を理解しておけば、寝袋選びもスムーズになります。
冬の車中泊で使う寝袋のおすすめブランドは、以下のとおりです。
●コールマン
アウトドア好きであれば、誰しもが通る登竜門であるアウトドアブランド「コールマン」。パイオニアとして日本にアウトドアを広めた老舗ブランドです。
テントや寝袋などのキャンプギアやファッションアイテムを、低価格で取り揃えています。3つのレイヤーを組み合わせて、あらゆる気温に対応できる寝袋を販売しています。
●モンベル
国内最大手のアウトドアブランド「モンベル」は、登山を中心としたアウトドアに関するアイテムを幅広く取り揃えています。日本ブランドなので、日本の気候に適した設計が施されているのが特徴です。
寝袋は、目的に応じて選べる多彩なラインナップが揃っています。全ての寝袋に冷気が中に入らないための機能が備わっており、冬の車中泊に最適です。
●ワークマン
作業服専門店として有名なワークマンは、アウトドア向けのアイテムも展開しています。シンプルなデザインでありながら、機能性や耐久性に優れているのが特徴です。
コストパフォーマンスにも優れているので、有名なアウトドアブランドの製品には手が出せないけど、高品質な寝袋が欲しいという方は、ぜひ検討してみてください。
●ロゴス
メイプルリーフのロゴが特徴的なロゴス。テントや寝袋などのキャンプギアからファッションアイテムまで、幅広く商品を販売しています。
低価格な割にデザイン性や品質にも優れているので、キャンパーで利用されている方も多いでしょう。ロゴスの寝袋には、ポリエステル系素材に起毛を施し、肌触りと保温性を両立しているタイプもあります。
●ナンガ
日本の滋賀県に本社を置くナンガは、羽毛にこだわった高品質な製品を取り揃えています。製造工程の全てを自社工場で行っているため、他にはない洗練された製品が魅力です。
保温性抜群の寝袋は、汚れや菌、臭いに対する工夫も施されており、冬の車中泊で重宝すること間違いありません。永久保障しているので、安心して購入できます。
5.冬の車中泊!寝袋との併用に最適なグッズ3選
車中泊のスタイルや体に合った寝袋を準備できたら、快適性をさらに向上させるために、以下のグッズも揃えておきましょう。シートの段差をなくし、寝る直前まで寝袋の中を温めたら、朝まで快適に眠れること間違いありません。
●シュラフカバー
寝袋を覆うようにカバーするシュラフカバーは、寝袋の保温力を向上させるために役立ちます。雨や泥が寝袋に付くのを防げるので、車中泊をした後にキャンプや登山に向かう方にもおすすめです。シュラフカバーの主な種類を紹介します。
シュラフカバーの種類 |
特徴 |
3レイヤー |
・表地、防水透湿メンブレン、裏地が重なっている ・透湿性や耐久性に優れている |
2レイヤー |
・表地と防水透湿メンブレンが重なっている ・軽量コンパクト設計を誇る |
●車中泊マット
車のシートには凹凸があるので、寝袋を直接シートの上に敷いて寝ると、背中がごつごつして睡眠の質が低下します。そこで、おすすめのアイテムが、車中泊マットです。8cm以上あるマットを選べば、シートの凹凸が気にならなくなるでしょう。空気を入れて厚さを出すインフレーターマットを選べば、車内の収納スペースで幅を取りません。
●電気毛布
冷え切った車内で寝袋に入った直後は、寝袋自体も冷たいので、なかなか寝付けない可能性があります。電気で温まる毛布「電気毛布」を寝袋の中に入れておけば、ぽかぽかな寝袋ですぐに眠りにつけるでしょう。
ただし、寝袋の中に電気毛布を入れる際は、温度設定を「低」にしたり、タイマーをかけたりして低温火傷を防いでください。日中帯に車内で過ごす時間も、電気毛布を背中や足元にかけておけば、寒さ対策を万全にできます。
6.車中泊の快適性を向上!ポータブル電源3選
冬の車中泊にポータブル電源があると、電気を使った快適な生活が実現します。ポータブル電源とは、内部のバッテリーに大量の電気を蓄電し、コンセントがない場所でも電化製品に給電できる機器です。冬の車中泊にポータブル電源を持ち込むメリットを紹介します。
・電気ストーブや電気毛布を使い、エンジンを切った状態で快適な気温を維持できる
・電気ケトルや電子レンジを使い、車内で簡単に調理が行える
・LEDランタンで車内の明かりを確保できる
・ナビ代わりになるスマホを常にフル充電にしておける
・バーベキューの食材や飲み物を保存するための車載冷蔵庫に給電できる
・車内の娯楽になるタブレットやDVDプレーヤーを稼働できる
ポータブル電源と併せてソーラーパネルも用意しておけば、コンセントがある施設でポータブル電源を充電する必要はありません。車で旅をしながら自給自足で電気を補充できます。
冬の車中泊で使用するポータブル電源は、創業から12年間で世界販売台数400万台を突破した実績を誇るJackery(ジャクリ)製品がおすすめです。業界最大級の軽量コンパクト設計を実現しているので、車内の収納スペースの幅を取りません。
耐久性と放熱性に優れた素材を採用し、BMSとNCM制御機能を搭載しているので、車内でも安全に使用できます。冬の車中泊におすすめの製品を見ていきましょう。
●Jackery Solar Generator 240 New 100W ポータブル電源 ソーラーパネル
Jackery Solar Generator 240 New 100W ポータブル電源 ソーラーパネルは、容量256Wh、定格出力300WのJackery ポータブル電源 240 Newと出力100Wのソーラーパネルのセットです。約3.6kgと軽量設計なので、車内だけでなく、外にも気軽に持ち運べます。市場の同容量帯の製品より約22%コンパクトになっており、収納性も抜群です。
ソーラーパネルは24%の発電効率を備えているので、電源が近くにない場所でも太陽光から素早く電気を蓄電します。LEDランタンや電気毛布の使用に最適なモデルです。
●Jackery Solar Generator 600 Plus 100 Prime ポータブル電源 セット
Jackery Solar Generator 600 Plus 100 Prime ポータブル電源 セットは、容量632Wh、定格出力800WのJackery ポータブル電源 600 Plusと出力100Wのソーラーパネルのセットです。ソーラーパネルは車のルーフキャリアに取り付けて、ケーブル1本で車中のポータブル電源に接続できます。
走行中も太陽光発電が可能なので、充電切れの心配はありません。両面発電により、業界トップクラスの25%の変換効率を実現しています。長時間の運転が予想される旅におすすめのモデルです。
●Jackery Solar Generator 1000 New 100W ポータブル電源 ソーラーパネル
Jackery Solar Generator 1000 New 100W ポータブル電源 ソーラーパネルは、大容量1070Wh、定格出力1500Wのポータブル電源 1000 Newと出力100Wのソーラーパネルのセットです。60万人に選ばれた大人気1000モデルの後継機であり、従来モデルから定格出力は50%アップしています。
全体のサイズが約20%コンパクトになり、AC充電スロットを側面に配置しているので、荷室に収納する際に幅を取りません。車中泊で、電気ケトルや電気ストーブなどの消費電力の高い家電を使用したい方におすすめのモデルです。
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7.冬の車中泊で使う寝袋に関するよくある質問
最後に、冬の車中泊で使う寝袋に関するよくある質問を紹介します。寝袋に関する疑問を解消し、快適な冬の車中泊を実現してください。
●寝袋の下に着る服装選びのポイントは?
寝袋の下に着る服装は、薄着にするか、厚着にするか迷われる方も多いでしょう。寝袋の下に着る服装は、薄着がおすすめです。体から発された熱は寝袋の中綿へと行きわたり、寝袋の内側に循環するため、薄着にしていれば空気の循環を遮断しません。
●冬の車中泊では寝袋と布団どちらがよい?
冬の車中泊には、寝袋がおすすめです。自宅と同じ就寝環境を整えようとすると布団を選びたくなりますが、布団はかさばるため、おすすめできません。寝袋は圧縮袋に入れてコンパクトになるので、車内の収納スペースを有効活用できます。
まとめ
冬の車中泊では、窓や地面から冷気が侵入するため、寝袋が欠かせません。寒冷地に行くのであれば、保温性に優れたダウン素材を使用し、密着度の高いマミー型の寝袋がおすすめです。寝袋の内部を広々と使いたい場合は、封筒型を選びましょう。
この記事で紹介したポイントを押さえて、冬の車中泊にぴったりな寝袋を見つけてください。