1.南海トラフ地震とは?予想時期と前兆
南海トラフ地震は、太平洋沿岸の広範囲に大きな被害をもたらすとされる巨大地震です。
ここでは南海トラフ地震発生の仕組みや予想時期、地震の前兆とされる現象について解説していきます。
●南海トラフの発生の仕組み

引用元:気象庁
南海トラフ地震は、フィリピン海プレートがユーラシアプレートの下に沈み込むことで発生します。このプレート境界には強いひずみが蓄積されており、限界に達すると一気に解放されて巨大地震が発生する仕組みです。
静岡県沖から九州沖にかけての太平洋沿岸を震源域としており、連動型の地震が起こればマグニチュード8〜9クラスの揺れや津波が広域を襲うと予想されています。
参考:気象庁
●30年以内に起きる?南海トラフ地震の予想日
南海トラフ地震は過去およそ100〜150年の周期で繰り返し発生しており、前回の昭和南海地震(1946年)からすでに約80年が経過しています。
政府の地震調査委員会は、今後30年以内に70〜80%の確率でマグニチュード8〜9クラスの地震が発生すると予想。正確な発生日は予測できませんが、過去の周期やプレートのひずみの蓄積からいつ発生してもおかしくない状況です。
参考:気象庁
●南海トラフ地震の前兆
南海トラフ地震の前には、以下のような前兆現象が見られる可能性があります。
・地鳴りや異音の発生
・小さな地震(群発地震)の増加
・地盤のゆっくりとした変動(スロースリップ)
・ペットや野生動物の異常行動
ただし、これらの現象が現れたからといって、必ずしも南海トラフ地震が起こるとは限りません。しかし、万が一に備えて非常食や避難経路の確認など、冷静に行動できる準備をしておきましょう。
2.過去の南海トラフ地震で被害が大きかった県と安全だった県はどこ?
過去の南海トラフ地震で、被害が大きかった県と比較的安全だった県は以下のとおりです。
地震名 |
発生年 |
被害が大きかった県 |
安全だった県 |
安政東海地震・南海地震 |
1854年 |
静岡県・和歌山県・高知県 |
長野県・岐阜県・鳥取県・島根県 |
昭和東南海地震 |
1944年 |
三重県・静岡県・愛知県 |
滋賀県・福井県・石川県 |
昭和南海地震 |
1946年 |
高知県・徳島県・愛媛県・和歌山県 |
岐阜県・長野県・京都府北部・兵庫県北部 |
※被害の大きさは、津波の到達・地震動の強さ・死者数などを総合的に評価したものです。
このように南海トラフ地震では、太平洋沿岸部は大きな被害を受けやすい一方で、内陸部や日本海側は比較的安全とされています。ただし、南海トラフ地震は非常に広範囲に影響を及ぼすため、どの地域に住んでいても事前に防災対策を行いましょう。
参考:防災科学技術研究所
3.南海トラフ地震が発生しても安全な県ランキング
ここでは、津波・揺れ・地盤の3つの観点から南海トラフ地震が起きても比較的安全な県をランキング形式で紹介します。
①津波の被害を受けにくい県ランキング
南海トラフ地震による津波の被害を受けにくいとされている県は、以下のとおりです。
・1位:長野県
・2位:岐阜県
・3位:群馬県
・4位:栃木県
・5位:山梨県
これらの県はすべて内陸に位置しており、津波による直接的な被害を受けにくいとされています。ただし、避難インフラやライフラインへの影響を考え、防災対策は行っておきましょう。
②地震の揺れが比較的少ない県ランキング
南海トラフ地震が発生しても揺れが比較的少なく安全な県は以下のとおりです。
・1位:北海道
・2位:秋田県
・3位:山形県
・4位:青森県
・5位:岩手県
北海道や東北地方の県は南海トラフの震源から遠く離れており、過去の地震でも揺れが比較的小さかったことから影響は少ないとされています。ただし、揺れが少ないとされる地域でも、万が一に備えて建物の耐震化や家具の固定などの備えを行なっておくと安心です。
③地盤が安定している県ランキング
地盤が安定しており、南海トラフ地震の影響を受けにくいとされている県は以下のとおりです。
・1位:沖縄県
・2位:群馬県
・3位:福島県
・4位:栃木県
・5位:熊本県
これらの県は地盤が安定しており、地震の揺れによる建物倒壊や液状化のリスクが低いとされています。ただし、地盤が安定しているからといって油断せず、家具の固定や非常用品の備蓄など基本的な地震対策は必ず行いましょう。
参考:地盤ネット
関連記事:【北海道編】南海トラフ地震に備えろ!地域別の被害予想と備えまとめ
4.南海トラフ地震で生き残る地域とは?生き残る確率が高いのはどこ?
南海トラフ地震の被害を最小限に抑えられる地域には共通点があり、内陸部や標高の高い地域では「生き残る確率が高い」とされています。
ここでは、そうした地域の特徴や災害リスクの違いについて詳しく見ていきましょう。
①生き残る地域の地形的特徴:高台や内陸部など
生き残る地域には、共通の特徴があります。とくに津波のリスクがない高台や内陸部は、南海トラフ地震でも比較的安全な場合が多いです。
また、地盤が安定しており、土砂災害の危険が少ない地域も命を守りやすい環境といえます。ハザードマップなどで地形的な安全性を知り、避難場所の選定や将来の移住先の検討に役立てましょう。
②地域ごとの災害リスクの違い:沿岸部では津波のリスクが高いなど
南海トラフ地震による被害は、以下のように住んでいる地域によって種類や大きさが異なります。
・太平洋沿岸部:津波・液状化のリスクが高い
・内陸部:津波の心配は少なく、揺れも比較的軽微
・都市部(名古屋・大阪など):火災や避難の混乱が起きやすい
・山間部:土砂崩れや道路寸断のリスクがある
自分の住む場所のリスクを正しく知ることが防災対策を行う大切なポイントです。ハザードマップで住んでいる地域にどのような被害が出る可能性があるのかを確認し、災害への備えを整えていきましょう。
③野・岐阜・群馬などの内陸部は生き残る確率が高い
長野・岐阜・群馬といった内陸部に位置する県は、南海トラフ地震による被害が少なく、生き残る確率が高いと考えられています。
【内陸部が比較的安全とされる理由】
● 震源から遠く、揺れが比較的弱い
● 津波の心配がない
● 地盤が安定しており液状化のリスクが低い
● 山間部にあり標高が高い場所も多い
● 過去の地震でも大きな被害が少ない傾向
ただし、比較的安全とされる地域に住んでいるからといって、100%安全というわけではありません。建物の耐震化や避難準備など基本的な対策は怠らず、万が一に備えておきましょう。
関連記事:停電から冷蔵庫の食材を守れ!NGの行動は?停電復旧しても動かない時の対処方法
5.南海トラフ地震で危ない県ランキング
ここまでは「安全な都道府県」にフォーカスして解説してきました。では、逆に「危ない県」はどこなのでしょうか。ここからは、地震の揺れのほか津波や液状化、避難の困難さといったリスクごとに南海トラフ地震で危険性の高い県をランキング形式で紹介していきます。
①津波による被害が特に懸念される県ランキング
引用:気象庁
南海トラフ地震では、以下のような太平洋沿岸の地域でとくに津波の被害が懸念されています。
・1位:静岡県
・2位:高知県
・3位:三重県
これらの県は津波の到達が早く、地形的にも浸水範囲が広がりやすい傾向にあります。例えば、昭和南海地震(1946年)では高知県や和歌山県を中心に最大10mを超える津波が襲い、多くの犠牲者と家屋被害が発生しました。
日頃から避難経路や高台の確認を行い、命を守るための準備を整えておきましょう。
関連記事:津波注意報発令!命を守るために取るべき行動と防災対策を徹底解説
②強い揺れの影響を受けやすい県ランキング
引用:気象庁
長時間かつ非常に強い揺れが想定されているのが、下記のような震源に近い地域です。
● 1位:静岡県
● 2位:徳島県
● 3位:和歌山県
これらの県は揺れの加速度が非常に高くなると想定されており、建物被害やインフラへの影響が大きくなる可能性があります。例えば昭和南海地震では、高知県や徳島県で震度6の激しい揺れが観測され、多くの家屋が倒壊しました。
家具の転倒防止や家の耐震性を確認するなど、強い揺れに備えた対策を行うのがポイントです。
③液状化や土砂災害のリスクが高い県ランキング
以下のように地盤の弱い地域は、南海トラフ地震による液状化や土砂災害のリスクが高いとされています。
● 1位:高知県
● 2位:新潟県
● 3位:岡山県
これらの県は低地や埋立地が多く、地盤の緩いエリアが広がっているため、地震による二次災害のリスクが高いとされています。実際に昭和南海地震が発生した際には、和歌山県や高知県で地滑りや斜面崩壊が多数発生しました。
避難経路や避難場所を事前に確認し、すぐに避難できる準備をしておくと安心です。
参考:地盤ネット
④避難が困難になりやすい県ランキング
以下のように人口密度が高く、道路網や地形の制約により南海トラフ地震で迅速な避難が困難になりやすい県もあります。
● 1位:大阪府
● 2位:愛知県
● 3位:静岡県
都市部では渋滞や避難所の混雑、建物倒壊などで避難が遅れ、人的被害が拡大する懸念があります。実際に阪神・淡路大震災では人口密度の高い住宅密集地で火災が発生し、逃げ場を失った住民の被害が拡大しました。
徒歩で避難できる避難場所の確認や、非常用持ち出しバッグをすぐ持ち出せる場所に置いておくなどの対策をしましょう。
関連記事:地震が起きた時に取るべき行動を徹底解説|やってはいけないことや事前備えも紹介
6.南海トラフ地震に備えて準備しておきたいこと4選
南海トラフ地震が発生すると、広範囲にわたってライフラインが停止する可能性があります。 ここからは、南海トラフ地震に備えて最低限準備しておきたいことを4つのポイントにわけて紹介していきます。
①食料や水の備蓄
南海トラフ地震発生後は物流が停止し、コンビニやスーパーの商品が品薄になる可能性があります。以下を備蓄し、物流が復旧するまでの間も食事や水分補給ができるようにしておきましょう。
● 飲料水:1人1日3リットルが目安
● 主食:レトルトご飯・アルファ米・カップ麺など
● おかず類:缶詰・レトルト食品
● 栄養補給食品:栄養バー・ビタミン剤など
● お菓子・嗜好品:チョコレート・飴・インスタントコーヒーなど
備蓄する食料や飲料水は家族全員分を最低でも3日分、可能であれば1週間分を用意しておくと安心です。また乳幼児や高齢者がいる家庭は、離乳食や介護食なども必要に応じて準備しましょう。
②衛生用品・医薬品の備蓄
避難所や自宅による避難生活は衛生環境が悪化しやすく、感染症や体調不良のリスクが高まります。最低限の衛生と健康を保てるように、以下のアイテムを備蓄しておきましょう。
● ウェットティッシュ
● 簡易トイレ
● マスク
● 消毒用アルコール
● 絆創膏・消毒液などの救急セット
● 生理用品
● 常備薬
乳幼児や高齢者が家族にいる場合は、オムツや介護用品なども必要に応じて用意しておくと安心です。
③非常用持ち出しバッグの準備
南海トラフ地震発生後、避難が必要になった場合にすぐに対応できるように以下のようなものを非常用持ち出しバッグに入れておきましょう。
● 飲料水
● 非常食
● 懐中電灯と予備の電池
● 携帯ラジオ
● ヘルメット
● レインウェア
● 衣類や下着
● 救急用品
● ブランケット
女性の場合は上記以外にも、生理用品や身を守るための防犯グッズなども入れておくのがおすすめです。家族それぞれに合う中身を厳選し、1人1つの非常用持ち出しバッグを準備しましょう。
参考:首相官邸
④非常用電源の確保
南海トラフ地震では、最大約2,950万軒が停電すると予想されています。電柱被害による停電が発生すると復旧に約1〜2週間かかるとされているため、スマホの充電や照明の確保ができず避難生活に大きな支障が出る可能性が高いでしょう。
参考:内閣府
そんなときに役立つのが、「ポータブル電源」です。ポータブル電源とは、電力を確保できない環境でも家電に給電できる大容量バッテリーです。スマホの充電だけでなくヒーターや冷蔵庫、電気毛布、エアコンなどの家電も動かすことができることから、災害時の非常用電源として注目を集めています。
ソーラーパネルに対応したモデルであれば、太陽光発電で繰り返し充電ができるので停電が長期化しても安心です。一家に一台導入して、災害時の停電に備えましょう。
関連記事:非常用ポータブル電源おすすめ9選!選び方や災害での使い道も解説
7.南海トラフ地震の停電備えにおすすめの非常用電源2選
南海トラフ地震の停電に備え非常用電源としてポータブル電源を導入するなら、全世界500万台以上を販売した確かな実績と信頼性を誇るJackeryポータブル電源がおすすめです。
【Jackeryのポータブル電源のおすすめポイント】
● 軽量コンパクト設計で避難時にも持ち運びやすい
● リン酸リチウムイオン電池搭載で毎日使っても10年以上長持ち
● 自然放電が非常に少なく(5%/年)、長期間保管したままでもいざという時にすぐ使える
● 静音性抜群(約30db以下)だから避難所や住宅街でも音を気にせず使用できる
● 最大25%の変換効率を誇るソーラーパネルにも対応
「Jackery」のポータブル電源で電子レンジや電気ケトルを使用すれば、災害時にも温かい料理を楽しめるようになります。さらに、扇風機や電気毛布を使った災害時の暑さ・寒さ対策もバッチリです。 「Jackery」のポータブル電源を導入し、大地震から生き延びるための最低限の環境を手に入れましょう。
8.「南海トラフ 安全な県」に関するよくある質問
ここからは、南海トラフ地震が起きても安全な県に関するよくある質問にお答えしていきます。
①47都道府県の中で、南海トラフ地震で一番危ない県はどこですか?
南海トラフ地震が発生した場合、「静岡県」がもっとも危険性が高いと言われています。
【静岡県が一番危ないと言われている理由】
● 震源域に非常に近い
● 最大震度7と予想されている
● 津波の高さが最大31mと予測されている地域がある
● 静岡市や浜松市など、人口・産業密集地が多く被害が拡大しやすい
● 過去の地震でも甚大な被害が出た
上記の理由から、南海トラフ地震が発生すると静岡県が最も深刻な被害を受ける可能性があります。避難場所やルートの確認、防災グッズの見直しなど、命を守るための備えを準備しておくことが大切です。
参考:内閣府
参考:気象庁
②南海トラフ地震がなかなか起きない理由は?
南海トラフ地震がなかなか起きない理由は、以下のとおりです。
● 地震発生の周期に幅がある
● プレートのひずみがゆっくり蓄積されている
● 前兆が見えにくい「スロー地震」が起きている場合がある
しかし南海トラフ地震は、「いつ起きてもおかしくない」と言われています。まだ起きていない今だからこそ、備えを万全にして地震に備えておきましょう。
まとめ
南海トラフ地震は、「いつ起きてもおかしくない」と言われている災害です。とくに静岡県などの太平洋沿岸部は津波や強い揺れが予想されているため、命を守るための準備をしておく必要があります。
長期的な停電に備えてポータブル電源を用意するなら、自然放電が少なく静音性が高い「Jackery」がおすすめ。「Jackery」のポータブル電源を導入して、南海トラフ地震による脅威から家族の安全を守りましょう。