雷で停電するのはなぜ?理由や3つの対処法・8つの被害を予防する策を紹介
「雷で停電するのはなぜ?」「落雷で停電が起きたらどうすればよい?」「雷の被害を予防する方法が知りたい」
今回は上記のような疑問や悩みを解決すべく、雷で停電する理由から停電した場合の対処法、被害を予防する策まで徹底解説します。しっかり押さえておいて、突然の落雷にも対応できるようにしておきましょう。特に「夏に台風がよく通る地域」に住んでいる方は必見です。
雷で停電が起きる理由
雷で停電が起きるのは、電線や電圧器など電気を送るための設備が損傷するためです。
参考:中部電力パワーグリッド
ただし雷による停電は、下記の2パターンに分かれます。
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·誘導雷
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·直撃雷
それぞれの停電発生の仕組みを見ていきましょう。
●誘導雷:建物への直撃ではない落雷
建物に直撃しない落雷が発生し、磁界の変化により周辺にある電線・電話線・アンテナなどに発生した大きな電流や電圧を「誘導雷」といいます。誘導雷が電線を伝って各家庭に流れ込み、ブレーカーなどを破損させ停電が起きるというメカニズムです。誘導雷による停電は多くのみなさんがイメージするよりも簡単に発生するため、近くで雷の音がする時は注意しましょう。
●直撃雷:建物・電柱へ直撃する落雷
建物や電柱に直撃する落雷を「直撃雷」と呼びます。雷による被害を抑制する「LPS(避雷針などで構成される避雷設備)」を設置していない場合、直撃雷のあった建物や電柱を中心に磁界が大きく変化します。大量の電流・電圧が発生し、電気を送る・制御する設備が破損し停電が起きるという仕組みです。
建物の材質や構造によっては、磁界の大きな変化により建物自体がゆがんだり壊れたりするリスクがあります。直撃雷によるリスクを最小限にするために、可能な限りLPSを設置しておくべきでしょう。
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雷による停電で起きうる被害の例
雷による停電で起きうる被害の例を3つ紹介します。
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·コンセントを挿していた家電が壊れる
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·冷蔵庫の中身が腐る
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·パソコンのデータが消える
それぞれ具体的に見ていきましょう。
- ●被害例①:コンセントを挿していた家電が壊れる
誘導雷・直撃雷で発生した停電でも、コンセントを挿していた家電が壊れる可能性があります。これは雷が原因で大量に発生した電流・電圧により、家電に大きな負荷がかかってしまうためです。特に電話機やネットワークルーターなど、消費電力の小さい機器や複数のケーブルで接続されている機器は被害を受けやすい傾向にあるため注意が必要でしょう。
●被害例②:冷蔵庫の中身が腐る
雷による停電は、台風の多い夏の時期に起きがちです。復旧が遅れた場合、冷蔵庫・冷凍庫の中身が全て腐ってしまう被害が発生します。一時的にクーラーボックス等に退避しても限界があるため、復旧が長引くほど冷蔵庫・冷凍庫の中身を諦めざるを得なくなるでしょう。
●被害例③:パソコンのデータが消える
「パソコンのデータが消えてしまう」のもよくある雷による被害例です。パソコンのデータを保存しているハードディスクはいくつかの細かい部品で構成されており、磁界の変動と流れ込んできた強い電流・電圧の影響で破損するリスクがあります。
最近主流になっているSSD(ソリッドステートドライブ)はHHDと根本的に構造が異なるため、停電時のリスクは低めです。ただしデータの書き込み作業中だった場合は、その記憶領域の周辺がクラッシュする可能性があるため注意してください。
ちなみにスマートフォンを充電していた場合も同様に、記憶領域にダメージを受けてデータが消えてしまう可能性があります。雷が近づいているときにはパソコンだけでなく、スマホの充電も止めておいた方が良いでしょう。
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雷で停電したときに押さえておきたい3つの対処法
雷で停電したときに備えて、ぜひ下記3つの対処法を押さえておきましょう。
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·「雷サージ」を防ぐために家電のコンセントを抜く
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·安全ブレーカーが落ちていたら上げてみる
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·完全に停電していたら電力会社に連絡して復旧を待つ
それぞれ詳しく解説していきます。
●対処法①:「雷サージ」を防ぐために家電のコンセントを抜く
雷が原因で発生した大きな電流・電圧が家の中の家電に流れ込んでくることを「雷サージ(かみなりサージ・らいサージどちらとも読む)」といいます。この雷サージによる被害拡大を防ぐために、雷の音が聞こえてきたら家電のコンセントを抜きましょう。
万が一先に雷が落ちて停電してしまったら、感電防止のために10分ほど待ってからコンセントを抜いてください。落雷した時点で手遅れとなっている可能性は高いですが、コンセントを抜くことで救出できる可能性も0ではありません。
●対処法②:安全ブレーカーが落ちていたら上げてみる
もし落雷で停電した際「安全ブレーカー」が落ちていたら一度上げてみてください。安全ブレーカーが正常に作動し、雷による被害を抑えているだけの可能性があるためです。
ただし「漏電ブレーカー」が落ちていた場合は要注意。どこかの回路が破損しています。一度全てのブレーカーを落とし、下記の順番で入れ直しましょう。
引用元:兼新電機
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1.「アンペアブレーカー」を入にする
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2.「漏電ブレーカー」を入にする
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3.「安全ブレーカー」を1つずつ入にする
安全ブレーカーを1つずつ入れていくと、全てのブレーカーが落ちてしまう(漏電している)箇所があるはずです。それ以外の箇所は使って問題ありませんが、漏電箇所は電力会社に連絡して修理してもらいましょう。
●対処法③:完全に停電していたら電力会社に連絡して復旧を待つ
ブレーカーを上げても電気がつかない場合は、完全に停電しており素人にはどうすることもできません。契約している電力会社に連絡して復旧を待ちましょう。新たな事故や被害拡大につながるため、間違ってもネットで調べた情報だけでブレーカーを修理しないでください。
雷による停電の被害を防ぐための8つの対策
雷による停電の被害を予防するためには、ぜひ下記8つの対策を実践してみてください。
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·決まった場所に明かりを用意しておく
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·落雷の恐れがあるときはなるべく家電のコンセントを抜いておく
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·データ類はバックアップしておく
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·外出中に落雷でパソコンが故障した際の被害を抑える
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·「雷サージ保護機能」がついた電源タップを使う
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·ブレーカーに避雷器を取り付けておく
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·「誘導雷」なら防げる
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·火災保険に入っておく
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·大型の蓄電池を導入しておく
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·ポータブル電源を用意しておく
誰でもできる非常に簡単な方法から、少し費用はかかるものの効果的な方法までさまざまです。ぜひチェックして、できることから試してみましょう。
●対策①:決まった場所に明かりを用意しておく
懐中電灯やランタンなどの明かりを、常に決まった場所に用意しておきましょう。夜に停電が起きた場合、スマホの画面以外の光源がほとんどなくなってしまいます。まともに身動きが取れない状態になってしまうため、しっかり明かりはすぐ出せる場所に用意しておいてください。
●対策②:落雷の恐れがあるときはなるべく家電のコンセントを抜いておく
雷の音が近づいてきたら、できる限り家電のコンセントを抜いておきましょう。特にパソコンや電話機・ルーターなど「消費電力が小さめで、ケーブルが多くつながっている家電」は雷サージの影響を受けやすい傾向があります。使わないなら早めに抜いておきましょう。
●対策③:データ類はバックアップしておく
パソコン・スマホのデータ類はしっかりバックアップしておくのがおすすめです。特にパソコンに内蔵しているのがSSDではなくHDD(ハードディスク)の場合、保存してあるデータが丸ごと消失してしまう可能性があります。外出中に落雷で故障した場合を想定し、定期的なバックアップを取っておいてください。
●対策④:「雷サージ保護機能」がついた電源タップを使う
電源タップは「雷サージ保護機能」がついたものに切り替えてみてください。「雷サージ保護機能」がついた電源タップは、その名のとおり落雷で発生する雷サージから家電を保護してくれる機能がついています。
すべての家電を雷サージ保護機能がついた電源タップに繋ぐのが理想的ですが、予算的に難しい場合は冷蔵庫や洗濯機などの「高価で買い替えが難しい家電」を優先的に繋ぐようにしてみてください。
●対策⑤:ブレーカーに避雷器を取り付けておく
ブレーカーに「避雷器」を取り付けておけば、「誘導雷」タイプの停電の被害を防止可能です。避雷器があればブレーカーに侵入した雷サージを避雷器に流し込み、そのままアースに逃がせます。
避雷器の設置には一般に工事費込みで10万~30万円ほどの費用がかかるため、安い買い物ではありません。雷による停電が頻発する地域の方は検討してみても良いでしょう。ただし「直撃雷」には避雷器で対策し切れないので注意してください。
●対策⑥:火災保険に入っておく
こちらは万が一被害が出た際の費用を抑えるための対策ですが、住居の火災保険にしっかりと入っておくのも有効です。多くの火災保険では、雷サージによる家電の故障も補償対象となっています。
参考:損保ジャパン「THEすまいの保険」
ただし火災保険の対象範囲に「家財」が含まれている必要があります。加入前にしっかり規約を確認しておきましょう。
●対策⑦:大型の蓄電池を導入しておく
自宅に大型の「蓄電池」を導入しておくのも有効な方法です。蓄電池があれば、万が一の停電があってもそのまま家電の動作を続けられるのがポイント。容量も非常に大きいため、数日単位で停電が続いても安心です。
ただし蓄電池は導入に数十万円~数百万円の費用がかかる点と、直撃雷の場合に壊れてしまう可能性がある点がネック。そのため一般的には「太陽光パネル」とあわせて、節電したり売電収入を得たりする目的で導入します。
●対策⑧:ポータブル電源を用意しておく
先ほど紹介した大型の蓄電池より圧倒的にコンパクトで、家電にも給電できる、コストも大きく抑えた持ち運びできる蓄電池「ポータブル電源」を導入するのもおすすめ。設置工事はせずに持ち運んで使えるので、直撃雷で故障する心配はありません。モバイルバッテリーの上位互換のような存在で、容量や出力は大きく家庭のコンセントと同じAC100V電源が使えます。
費用はモデルにより30,000円~500,000円程度と開きがありますが、大型の蓄電池よりは圧倒的に安く購入できるでしょう。雷による停電時はもちろん、地震の際の避難所生活やキャンプなどのアウトドアにも使えます。ぜひ幅広い用途で活躍する「ポータブル電源」の導入を検討してみてください。
雷での停電対策におすすめなポータブル電源2選
雷での停電対策には全世界で300万台以上が使用されている、「Jackery(ジャクリ)」のポータブル電源がおすすめです。Jackeryのポータブル電源は一般社団法人防災安全協会の「防災製品等推奨品」に認定されており、雷での停電をはじめとした災害時に安全に使えると証明されています。
今回は雷による停電が長引いた時にも安心して使える、ソーラーパネルがセットになった「Jackery Solar Generator」シリーズからおすすめの2機種をピックアップしました。予算や動かしたい家電に合わせたポータブル電源を用意して、雷による停電に対応できるようにしておきましょう。
●Jackery Solar Generator 2000 Plus:停電時もなるべく普通に生活したい人に!
「冷蔵庫を数時間維持したい」「停電時もなるべく普通に生活したい」という方におすすめなのが「Jackery Solar Generator 2000 Plus」です。容量2,042Wh・定格出力3,000Wのポータブル電源で、電子レンジや炊飯器・ケトルのような家電も動作可能。もちろん冷蔵庫も使用可能で、消費電力175Wのモデル(※)なら10時間ほど維持できます。拡張バッテリーで最大12,000Whまで容量を増やせるため、数日の冷蔵庫の維持も実現可能です。
※参考:ハイアールの1人暮らし向けモデル「JR-NF140N」
本モデルには最新の技術を用いた「リン酸鉄リチウムイオン電池」が内蔵されており、従来製品のおよそ倍にあたる10年以上の寿命を実現。一度購入すれば末長く使えるのが魅力です。使用中、機器内で1秒に1回ほど自動安全点検を行っているため、突発的な故障の心配もありません。
付属のソーラーパネルも業界最高クラスのエネルギー変換効率24.3%となっており、効率よく太陽光を電気に変えて繰り返し使用可能。ソーラーパネル1枚でもわずか14時間ほどでフル充電できます。雷での停電対策には、ぜひ「Jackery Solar Generator 2000 Plus」を備えておきましょう。
製品名 | Jackery ポータブル電源 2000 Plus |
容量 |
2042.8Wh(最大12kWhまで拡張可能) |
定格出力 |
3000W/正弦波(最大瞬間出力:6000W) |
出力ポート数 |
ACⅹ5、DCⅹ1、USBⅹ4 |
充電時間 |
AC充電:2時間 |
寿命/サイクル数 |
約4000回サイクル |
保証期間 |
5年間 |
●Jackery Solar Generator 1000 Plus:費用は抑えつつ対策はしっかりしたい人に!
まとめ
雷で停電が起きる原因は、磁界の変化により大きな電流・電圧が発生し、家庭のコンセントやブレーカーに流れ込むためです。送電設備やブレーカーの作動・故障により、電気が使えない状態になってしまいます。
雷による停電の対処法や予防策はさまざまですが、停電が長引くケースを考えると「ポータブル電源」での対策がおすすめです。ぜひ紹介した「Jackery Solar Generator」の2機種から、予算や動かしたい家電に合ったモデルを備えておきましょう。