電池の種類の一覧まとめ!違いや特徴・使い方を知って損なく生活しよう
「電池の種類多すぎ!どれにどんな特徴があるか全然分からない」今回はこのようなお悩みを解決します。電池には非常に多くの種類があるため、どの機器にどれを使えばよいのか判断しづらいですよね。そこで今回は主な電池種類やそれぞれの特徴を一挙にまとめて紹介します。この記事を読んで、適切な電池選びで損のない生活をしましょう。
電池の種類は大きく分けて4つ!
電池の種類①:一次電池
1回限りの使い切り電池「一次電池」の中でも、特に日常的に見かけることの多い2タイプをピックアップしました。
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・円筒型
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・ボタン型
それぞれ紹介していきます。
●円筒型(乾電池など)
円筒型電池とは、乾電池を代表とする非常に身近な種類の電池です。主に下記の4タイプに分かれます。
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・アルカリ乾電池
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・マンガン乾電池
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・リチウム乾電池
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・ニッケル系一次電池
それぞれの特徴を詳しく見ていきましょう。
アルカリ乾電池
アルカリ乾電池は、乾電池の中でもパワーが大きめの電池です。後述する「マンガン乾電池」よりも強い電流を流せるため、継続して強めの電力が必要な下記のような機器に適しています。
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・ラジオ
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・ラジコン
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・CDプレイヤー
価格は「マンガン乾電池よりは高いが、リチウム乾電池よりは高め」といった程度。迷ったらアルカリ乾電池を選べばおおむねOKです。
マンガン乾電池
マンガン乾電池はパワーが弱めなものの、間隔を空けて使うと電圧が回復する特殊な電池です。下記のように「小さな電流しか必要ない機器」に適しています。
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・テレビのリモコン
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・豆電球式懐中電灯
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・キッチンタイマー
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・置き時計
実はマンガン乾電池の国内生産は2008年に終了したため、現在でも流通しているものは海外生産品や輸入品です。先ほど紹介したような機器への需要があるため完全になくなることはないと考えられますが、生産数が減っており手に入れにくくなっています。近くのお店で見つけられない方は通販を使うと良いでしょう。
リチウム乾電池
リチウム乾電池は乾電池の中ではもっともフルパワーで、かつ長持ちする電池です。さらにすぐれた耐寒性があるため、下記のような機器・場面に適しています。
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・スキー場でカメラ撮影をしたいとき
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・冬の登山でヘッドライトを使いたいとき
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・その他寒冷地の屋外で使う機器の電池として
ただしリチウム乾電池の弱点は「価格の高さ」。アルカリ乾電池・マンガン乾電池の倍近いの価格相場となっています。日常的に使う乾電池には「アルカリ乾電池」のほうが適しているでしょう。
ニッケル系一次電池
ニッケル系一次電池とは、アルカリ・マンガン乾電池の技術を応用して作られたニッケルベースの乾電池です。かつて松下電器産業(現パナソニック)が販売していたハイパワー乾電池「オキシライド乾電池」はニッケル系一次電池にあたります。
2010年以前に生産終了してしまったため現在ではほぼ販売しておらず、ごくまれにリサイクルショップ等で見かけるのみになりました。現在はニッケル系一次電池ではないものの、基本的な構造を引き継いだ同社の「EVOLTA」が広く流通しています。
●ボタン型(ボタン電池)
乾電池に次いで使用頻度が高いのが、主に下記の3種類がある「ボタン型」の電池でしょう。
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・アルカリボタン電池
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・酸化銀電池
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・空気ボタン電池
それぞれ詳しく特徴を解説します。
アルカリボタン電池
アルカリボタン電池は一つひとつの価格が安く、経済的に使えるため幅広く流通しているボタン電池です。下記のような機器に適しています。
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・小型の携帯ゲーム機
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・光るおもちゃ
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・安めの時計
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・歩数計
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・電卓
よくある子ども用の光るおもちゃや、100円~1,000円程度で買える安物の時計にはアルカリボタン電池が入っています。もっとも日常的に目にする機会が多いでしょう。
酸化銀電池
酸化銀電池はボタン電池の中では非常に大きな容量をもち、一定の電圧を限界まで保ち続けられる電池です。下記のような機器に使われています。
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・医療機器
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・高級時計
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・カメラ
「乾電池レベルの電圧が欲しいけど、サイズは大きくできない」という機器に使われることが多いです。ただし「銀」を用いているため、他のボタン電池よりもはるかに高価となっています。
空気ボタン電池
空気ボタン電池は非常に軽量・小型なボタン型の電池です。かつてはPHSなどの機器に使われていましたが、最近では主に「補聴器」の電源として活用されています。普段の生活で見かけることはあまりないかもしれません。
電池の種類②:二次電池
充電して繰り返し使える「二次電池」には主に下記の4種類があります。
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・鉛蓄電池
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・ニッケル水素電池
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・ニッケル・カドミウム電池
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・リチウムイオン電池
それぞれ詳しく見ていきましょう。
●鉛蓄電池
鉛蓄電池とは、希硫酸と鉛の化学反応により発生する電圧を活かした二次電池です。コスパがよく比較的大きな電圧を取り出せるメリットがありましたが、安全性の観点やその重さから最近ではリチウムイオン電池が主流になりつつあります。ただし、重さが気にならない自動車用のバッテリーなどには今でも用いられています。
●ニッケル・カドミウム電池
ニッケル・カドミウム電池(通称ニカド電池)とは、その名のとおりニッケルとカドミウムを用いた化学反応により充放電を行う二次電池です。低温に強く急速放電が可能なメリットはありましたが、「イタイイタイ病」の原因となるカドミウムを使用するため、2000年代から後述する「ニッケル水素電池」に置き換わる動きが進みました。
●ニッケル水素電池
ニッケル水素電池は「ニッケル」と「水素ガス」で作られた二次電池です。比較的お手頃価格で販売されているので、アルカリ乾電池に代わってよく活用されます。電池代を節約したい方は、ぜひアルカリ乾電池からニッケル水素電池に切り替えてみましょう。
●リチウムイオン電池
リチウムイオン電池は、リチウムイオンの移動によって生み出される電流を使って充放電をする二次電池です。乾電池タイプから四角形の内蔵型電池、はたまたモバイルバッテリーやポータブル電源の内蔵バッテリーなど幅広い用途に活用されています。リチウムイオン電池は、非常にエネルギー密度が高く、二次電池の中でも特に大きな出力が可能です。
電池の種類③:燃料電池
燃料電池とは、酸素と水素を中心とした化学反応で電気を発生させる電池のことです。細かく分類すると下記のようなものがあります。
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・アルコール(エタノール)燃料電池:アルコール・エタノールを原料とする電池
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・固体電解質電池:電解液を用いない燃料電池
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・水素・酸素燃料電池:ごく一般的な水素・酸素を用いた燃料電池
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・リン酸型燃料電池:濃厚リン酸による化学反応を用いた燃料電池
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・溶融炭酸塩型燃料電池:炭酸塩を用いた比較的新しい燃料電池
FCV(燃料電池車)も、名前のとおり燃料電池を用いたもの。運転時に二酸化炭素を排出しないため「エコ」な電池として注目されていましたが、運転より前の過程で大量の二酸化炭素が発生すると分かったため、ほとんど普及せずに終わっています。今後の燃料電池普及にも大きな課題があるといえるでしょう。
電池の種類④:太陽電池
太陽電池とは太陽の光エネルギーを用いて「太陽光パネル」の半導体を反応させ、電気エネルギーを発生させる電池です。「電池」という名称は用いていますが、太陽電池そのものに電力を蓄える仕組みはありません。モバイルバッテリー・ポータブル電源・据付型蓄電池のような機器に接続して電気を蓄えるのが一般的です。
最近はよく家の屋根や広大な空き地に太陽光パネルが設置されているので、私たちの生活においても身近になってきました。二酸化炭素を一切排出せずに電力を発生させられるため、カーボンニュートラル(脱炭素社会)実現の足掛かりとしても注目されています。
参考:環境省「カーボンニュートラルとは」
普段使いする電池の種類を選ぶ4つのポイント
普段使いする電池を選ぶ際は、下記4つのポイントを押さえておくのがおすすめです。
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・乾電池で迷ったら「アルカリ乾電池」を選べばOK
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・冬に屋外で使う機器には「リチウム乾電池」がおすすめ
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・使用頻度が高い機器には二次電池を選ぼう
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・こだわりがなければ安いものでも問題はない
それぞれのポイントについて詳しく解説します。
●ポイント①:乾電池で迷ったら「アルカリ乾電池」を選べばOK
乾電池で迷ったら「アルカリ乾電池」を選べばOKです。リモコンなどマンガン乾電池が得意とする機器もありますが、アルカリ乾電池なら問題なく動きます。それに対してラジオやラジコンなどは、マンガン乾電池では上手く動作しない場合があります。どれを使えばよいか判断に迷ったら、どの機器にも対応する「アルカリ乾電池」を選びましょう。
●ポイント②:冬に屋外で使う機器には「リチウム乾電池」がおすすめ
冬に屋外で使う機器には「リチウム乾電池」をおすすめします。耐寒性が高いため、冬の過酷な寒さの中でも通常に近い電流が流せるためです。0℃以下になるような環境の場合、アルカリ乾電池と比較して2倍以上長く使えます。冬に屋外で使う機器なら「リチウム乾電池」を選んでみてください。
●ポイント③:使用頻度が高い機器には二次電池を選ぼう
使用頻度が高い機器には、繰り返し使える「二次電池」がおすすめです。乾電池の場合は「ニッケル水素電池」や「リチウムイオン電池」が二次電池にあたります。充電器を購入する必要があるため初期費用はかかるものの、電池を何度も購入するより圧倒的に高コスパです。製品寿命にあたる「充電回数」の記載をチェックし、より長く使えるものを選びましょう。
●ポイント④:こだわりがなければ安いものでも問題はない
普段家で使う機器に使う電池は、こだわりがなければ安いものでも問題はありません。一般に高性能な電池は寿命が長く容量が大きめです。しかし価格が2~3倍かそれ以上になるケースもあるため、安いものを購入して頻繁に交換したほうが安く済む傾向があります。
高性能な電池は防災用の備蓄など、長期間保存する場合におすすめです。コストを意識するなら、普段使いは安価な電池で十分でしょう。
EV車・ポータブル電源に採用されている最新電池「リン酸鉄リチウムイオン電池」とは
最後に近年EV車やポータブル電源に採用されている最新電池「リン酸鉄リチウムイオン電池」について紹介します。電池のトレンドが気になる方はぜひチェックしてみてください。
●リン酸鉄リチウムイオン電池は長寿命で安全な電池!
リン酸鉄リチウムイオン電池とは、広く普及している従来の「三元系リチウムイオン電池」とは異なり、ニッケルやマンガン・コバルトといった「レアメタル」を使用しない電池です。リチウム・鉄・リンを主原料としてつくられており、従来の電池よりも長寿命で安全な電池として注目されています。
現状はまだ「三元系リチウムイオン電池」と比較してエネルギー密度が低いため、サイズや重量が大きくなってしまう傾向があります。しかし今後研究開発が進めば、低コストで軽量・コンパクト、さらに長寿命で安全な超高性能電池として普及するかもしれません。
●リン酸鉄リチウムイオン電池採用の最新ポータブル電源
ポータブル電源とは大容量・高出力で持ち運びが可能、そして家庭のコンセントと同じ「AC100V電源」が使える、モバイルバッテリーの上位互換のような機器です。キャンプや車中泊などのアウトドアシーンや、停電を伴う災害時に特に活躍します。
「Jackery(ジャクリ)」では、「Jackery Solar Generator Plus」シリーズにリン酸鉄リチウムイオン電池を採用しました。従来製品は1,000~2,000サイクル(※)の寿命でしたが、Plusシリーズは3,000~4,000サイクルと倍以上の長寿命を実現。一度購入すれば、10年以上の長期間にわたって使い続けられるでしょう。
※1回のフル充電から充電量0になるまでが1サイクル
気になるのがリン酸鉄リチウムイオン電池の弱点である「サイズや重量の大きさ」。そこでJackeryでは、特に重くなる上位モデルにキャスターをつけることで対策しました。持ち上げる必要はなく、キャリーバッグのように転がして運べます。
リン酸鉄リチウムイオン電池特有のデメリットを払拭し、長寿命のメリットを全面に享受したのが「Jackery Solar Generator Plus」シリーズです。その性能の高さをぜひ購入して体感してみてください。
災害やキャンプ、車中泊で安心できるJackeryポータブル電源
まとめ
電池の種類は「一次電池」「二次電池」「燃料電池」「太陽電池」の4つに大きく分かれます。乾電池やボタン電池などの一次電池や、リチウムイオン電池などの二次電池は普段の生活でもよく目にするでしょう。
最新の「リン酸鉄リチウムイオン電池」は、リチウムイオン電池をさらに長寿命化し安全性を高めたものです。今後EV車やポータブル電源は、リン酸鉄リチウムイオン電池搭載のモデルが増えてくるとみられます。先駆けて使ってみたい人は、ぜひ当社のポータブル電源「Jackery Solar Generator Plus」シリーズを試してみてください。
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