パススルー充電とは|仕組み・デメリット・対応可能なポータブル電源を紹介
電気というインフラは、わたしたちにとってなくてはならない存在です。例えば災害発生時、スマートフォンで情報を収集するにしても、テレビにて現況を把握するにしても、いずれにせよ電気が共有される必要があります。とはいえ、地震や火災の影響で、停電になってしまうこともあります。別途電源を確保することは、我が国日本では必須となってくるでしょう。今回は、ポータブル電源のパススルー充電仕組み、必要性とデメリットを詳しくご紹介します。
ポータブル電源とパススルー充電について
●ポータブル電源とは
ポータブル電源とは、読んで字の如く「ポータブル(Partable、持ち運び可能の意味)な電源」です。
通常電気は、電線から供給されますが、持ち運ぶことはできません。家電などを自宅のコンセントに繋ぎ、機器を稼働させる形で、固定された状態で使用するのが通例です。かたや、乾電池は可動域の束縛から逃れ、小型のおもちゃや懐中電灯、時計などであれば、電気を給することができる優れものです。しかしながら、電力が大きくなく、対応する製品は限られています。
ポータブル電源は、極端にいえば大きな充電式乾電池のようなものです。この電源は、ポータブル、と銘打っているからには、人の手で持ち運ぶことができ、しかも蓄えられる電気量が大きいため、停電時にも有効に働いてくれます。機種にもよりますが、大容量タイプであれば、数日間は日常と同じ生活を送れるような能力を持っています。
●パススルー充電とは
パススルーという充電形式について解説致します。パススルー充電形式は、ポータブル電源本体を充電しながら、本体からその他電化製品に給電できる機能のことです。実質的には、バッテリーとデバイスを並行して充電する役割を果たすため、コンセント一で複数のデバイスを充電できます。
電源にも種類が多々ありますが、パススルー充電対応できるポータブル電源を選ぶようにしましょう。バススルー充電を常時に利用することをおすすめしませんが、万が一のときに備えてパススルー充電対応できるものの方が安心できます。以下、パススルー充電の特徴を列記致します。
- 電源内バッテリーに供給する電力を他のデバイスに優先的に給電する方式である。
- バッテリーと、他の接続機器の同時並行的な充電を実現する。
- コンセントが一つしかなくても、複数のデバイスに充電が可能である。
ただ、パススルー充電機能を利用するには、前提条件として充電電力より出力電力が小さくなくてはなりません。デバイスの出力電力が充電電力より上回る場合、バッテリーが蓄電できません。
パススルー充電機能の必要性
そもそもポータブル電源とは何か、そしてパススルー充電とはどのような方式なのかをご紹介したところで、続いてなぜこの方法が推奨されるのか、メリットをご説明します。また同時に、具体的なイメージを浮かべていただきやすいよう、想定される各シーンも記載します。
●パススルー充電のメリット
パススルー方式を採用する充電に関し、最大のメリットは、やはり並行性でしょう。ポータブル電源内の充電池に電気を溜めている時に、他の電化製品への充電が行えない姿を思い浮かべてみていただけると、その不便さがよくわかるかと思います。
ポータブル電源自体の充電量が減少してしまっている時も、パススルー充電であれば安心です。他の機器を接続しながら、電源内にもきちんと電力が充たされていくので、うっかり忘れてしまっても、他のデバイスに影響なく、充電することができます。
●想定される利用シーン
パススルー充電のデメリット(推奨しない理由)
何事にも長所もあれば短所もありますが、パススルー充電にも同じことがいえます。パススルー充電の利用は、常時続けているとバッテリーに負荷がかかるため、ポータブル電源の寿命が縮められる可能性があります。ただし、Jackery(ジャクリ)ポータブル電源のProとPlusモデルは、パススルー充電でもバッテリーに負荷かからないように制作されているので、充電しながら利用してもポータブル電源の寿命に影響がございません。
特に常時、電源側に何かの機器を繋いで充電を行うと、電気が恒常的に流れている状態になりますので、蓄電池側の寿命を縮めてしまいます。充電と放電を繰り返している様は、休みなく働いている人間の姿にも類似し、いかにも命を削りそうです。
また、パススルー充電機能を利用している場合、ポータブル電源本体の負荷がかかり温度上昇する場合があります(ファンが回りっぱなしになる)ので、ご注意ください。
関連人気記事:ポータブル電源の寿命とは?寿命を延ばす方法を解説
パススルー充電対応できるポータブル電源おすすめ
Jackery(ジャクリ)社のポータブル電源Proシリーズ、Plusシリーズは充電しながら給電できるパススルー対応ができます。今回は、パススルー対応ができる人気ポータブル電源をご紹介いたします。どうぞご参照してみてください。
・Jackeryポータブル電源1000Plus|キャンプや車中泊におすすめ
厄介なウィルスの影響もあってか、アウトドア人気が高まっています。ただ問題は、屋外で快適に過ごすためには、ある程度の設備が必要となることです。そこでキャンプや車中泊のお供として、「Jackery ポータブル電源1000Plus」がおすすめします。
<主な特徴>
- 1264Whの大容量、2000Wの高出力でほぼ全ての家電を使え、通常消費する程度の電力であれば、二日から三日使用可能。
また、バッテリー容量を最大5KWhまで拡張できる。
- 燐さん鉄リチウムイオンバッテリーを採用しているので、4000サイクル数と毎日使っても10年以上使える長寿命。
- 高速充電機能を搭載しており、ACコンセントなら最速1.7時間、ソーラーパネルなら最速2時間でフル充電できます。
- パススルー充電対応できるので、コンセントは、挿しっぱなしのままで家電に給電できます。
製品名 | Jackeryポータブル電源1000Pro |
容量 |
1264Wh(5kWhまで拡張可能) |
定格出力 |
2000W/正弦波(最大瞬間出力:4000W) |
出力ポート数 |
ACⅹ3、DCⅹ1、USBⅹ4 |
満充電時間 |
AC充電:1.7時間 |
寿命 |
リン酸鉄リチウムイオンバッテリー採用 |
保証期間 |
5年間 |
・Jackeryポータブル電源2000Plus|DIYや現場作業、防災などにおすすめ
長期間の使用を想定せず、電源コードが届かない場所でのDIYや長期間停電などで電気を使いたい、というニーズには、「Jackery ポータブル電源 2000Plus」がオススメです。
<主な特徴>
- 2042Whの大容量と定格出力3000Wで消費電力の高い家電や電動器具も問題なく稼働できます。
- 大容量にかかわらず、急速充電技術により最速2時間でフル充電できる。
- 耐久性の高い燐さん鉄リチウムイオン電池を採用しているので、10年以上使える長寿命を実現。
- Jackery専用アプリで遠隔操作ができるので、電池残量の確認や電源のONとOFFなど電池の状態をいつでもどこでも確認できる。
- パススルー対応できるので、充電しながら家電に給電してもバッテリーの寿命に影響がありません。
- 伸縮するハンドル、キャスターがついているので、力を使わずにどこにでも移動できます。
製品名 | Jackery ポータブル電源 2000 Plus |
容量 |
2042.8Wh(最大12kWhまで拡張可能) |
定格出力 |
3000W/正弦波(最大瞬間出力:6000W) |
出力ポート数 |
ACⅹ5、DCⅹ1、USBⅹ4 |
充電時間 |
AC充電:2時間 |
寿命/サイクル数 |
約4000回サイクル |
保証期間 |
5年間 |
・Jackeryポータブル電源3000Pro|工事現場作業におすすめ
「Jackeryポータブル電源 3000 Pro」は、Jackery社がお届けするラインナップの中でも、最上位に位置する製品です。超大容量であり、出力が高い電気製品を長時間に稼働させることができます。
<主な特徴>
- 大人数が集まって作業する工事現場などで活躍してくれる、高スペックな機種。
- ソーラーパネルで充電できるので、太陽光パネルにより日の光さえあれば、電気を蓄えることが可能。
- 二炭素排出の抑制が叫ばれる中、環境に優しい再生可能エネルギーを活用。
製品名 | Jackery ポータブル電源 3000 Pro |
容量 |
3,024Wh |
定格出力 |
3,000W/正弦波(最大瞬間出力:6,000W) |
出力ポート数 |
ACⅹ5、DCⅹ1、USBⅹ4 |
充電時間 |
AC充電:2.8時間 |
寿命/サイクル数 |
2,000回のサイクル数 |
保証期間 |
5年間 |
パススルー充電に関するよくある質問
・パススルー充電とUPSの違いは何ですか?
UPS(Uninterruptible Power Supply:無停電電源装置)は、装置の名称であり、主にサーバーや医療機器など、停電時でも稼働を止めたくない装置に内蔵されます。パススルー充電とは、バッテリーに充電しながらデバイスに給電できる仕組みです。
・バッテリーの寿命に影響しますか?
前述のように、パススルー充電を常時行っている状態が維持されてしまうと、バッテリーの寿命に影響します。充電と放電という入出力を、充電池側にも同時に強いてしまえば、使用可能年数が短縮されてしまうので、使い方には留意しましょう。
しかし、Jackeryポータブル電源のProシリーズとPlusシリーズは、独自設計により、充電しながら放電してもバッテリーが劣化しません。
まとめ
いかがでしたでしょうか。本稿では、大変便利な機器であるポータブル電源と、機能としてパススルー充電について解説してまいりました。箇条書きにまとめると、以下のようになります。
- アウトドアなどの外出時、ポータブル電源は電力を供給してくれる便利機器である。
- 停電発生時の非常用電源として、マストなアイテムになりつつある。
- 実用性において、パススルー充電の機能が備わっている機器を選ぶべきである。
株式会社Jackery Japanは、米国Jackery Inc.を母体とし、2019年に設立した、ポータブル電源及びソーラーパネル等の販売会社です。パススルー充電対応ポータブル電源のご購入を検討されている方は、ぜひ一度弊社までお声がけください。
ジャクリ700と240アンカー757を車中泊に使用しています。充電は、車載のソーラーパネルから行っていますが重大な問題が発生。アンカー757にソーラーパネルを接続したまま、夜間やトンネルに入り、充電電流が供給されないとアンカー757は誤作動でフリーズまたは、電気の内部消費が発生します。ジャクリではエラーが発生しません。今後は、パススルー対応のジャクリに切り替え予定です。
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