1.定格出力とは?消費電力との違いはなんですか?
定格出力とは、ポータブル電源が安定して出力し続けられる電力を指します。単位はW(ワット)です。ポータブル電源の定格出力が高いほど、使える家電の幅が広くなります。さらに同時に複数の家電を稼働することもできます。
通常定格出力は、ポータブル電源の仕様欄で記されています。取扱説明書で確認できますが、Web上の商品説明欄に記載している場合もあります。Jackery公式サイトでは各商品のページで、定格出力についても掲載していますのでぜひご確認ください。
●定格出力と消費電力の違いは?オーバーするとどうなる?
消費電力の単位は定格出力と同じW(ワット)ですが、意味する内容は異なります。消費電力は、電化製品を動かすために必要な電力を指します。ポータブル電源に接続する電化製品の消費電力がポータブル電源の定格出力を超えると、電化製品を安定して動かせなくなることに注意が必要です。
例えば、「ポータブル電源の定格出力:500W<電化製品の消費電力:700W」のような場合は、ポータブル電源に接続しても、その電化製品は使用できません。
家庭でよく使われる電化製品(家電)の消費電力は、機器の種類により異なります。代表的な家電や電子機器の消費電力の目安を、以下の表にまとめました。
家電の種類 |
消費電力の目安 |
電気ケトル |
200W~1500W |
家庭用冷蔵庫 |
150W~500W |
炊飯器 |
350W~1200W |
コーヒーメーカー |
450W~800W |
ホットプレート |
1300W~1450W |
電気グリル |
1600W |
電子レンジ |
1160W~1400W |
エアコン |
45W~2000W |
扇風機 |
10W~60W |
ヒーター |
300W~1500W |
ドライヤー |
600W~1400W |
電動ノコギリ |
1000W~1400W |
ランタン |
4W~10W |
草刈機 |
200W~500W |
ノートパソコン |
30W |
スマホ |
~18W |
タブレット |
~12W |
電気毛布 |
55W |
32インチ液晶テレビ |
60W |
ドローン |
60W |
ポータブル電源の定格出力不足を防ぐには、定格出力の大きな製品を選ぶのが無難です。
2.定格出力と瞬間最大出力、容量とはどう違う?関連する用語の意味を解説
ポータブル電源の能力を示す用語には、定格出力のほかに「瞬間最大出力」や「容量」もあります。用語の意味とともに、定格出力とどのように異なるのか確認していきましょう。
●瞬間最大出力と定格出力とはどう違う?
電化製品のなかには、起動する際に高い電力を要するものもあります。これを「起動電力」と呼び、通常は家電の消費電力と比べて1倍から2倍多く必要とされます。ポータブル電源の瞬間最大出力は、瞬間風速的に出せる最大の出力で、家電が起動する際に必要な起動電力に対応するものです。一方で定格出力は、ポータブル電源が安定して出力し続けられる電力を指します。
電化製品を安心して使うためには、以下の要件を両方満たさなければなりません。
・ポータブル電源の瞬間最大出力が、電化製品の起動電力以上であること
・ポータブル電源の定格出力が、電化製品の消費電力以上であること
1番を満たさない場合、家電が起動できないおそれがあります。一方で1番を満たしても2番を満たさない場合は、スイッチは入ってもしばらくすると止まってしまう可能性があります。電化製品を安心して使い続けるためにも、ポータブル電源を選ぶ際には、定格出力だけでなく瞬間最大出力にも着目して選ぶことが重要です。
●容量と定格出力とはどう違う?
W(ワット)で示される定格出力は、ポータブル電源につないだ電化製品を動かすパワーのことです。
一方で容量はワット数と時間の積で単位は「Wh」です。容量が多ければ、家電の使える時間も長くなります。ポータブル電源のスタミナに例えることができるでしょう。容量が3000Whのポータブル電源は、消費電力1,200Wの家電を約2時間稼働できます。
3.ポータブル電源を選ぶ際に、定格出力以外に考慮すべき要素
ポータブル電源を選ぶときには、定格出力以外にも考慮すべき要素が7つあります。以下の表にまとめましたので、ぜひご確認ください。
要素 |
チェックすべき内容 |
Jackeryポータブル電源の特長 |
容量 |
大きいほど電化製品を長く使える。長時間利用されたい場合、又は複数人で利用する場合、大容量ポータブル電源がおすすめ |
100Wh前後の製品から、最大24kWh(拡張バッテリー使用)まで選べる |
寿命(サイクル数) |
長いほど(サイクル数が多いほど)ポータブル電源が長持ちする |
4,000サイクルの寿命を持ち、10年以上使える製品がある |
出力ポート数 |
多いほど数多くの電化製品を同時に使える |
AC100V、USB-A、USB-C、シガーソケットをあわせて、10台を同時に使える製品もある |
充電方法 |
さまざまな充電方法に対応できれば、ポータブル電源を充電できる場面が増え、使いやすくなる |
家庭用100V電源、シガーソケット、ソーラーパネルによる3つの充電方法に対応 |
充電速度 |
充電スピードが速いと短時間で充電を終えられる。急ぎのときでもポータブル電源を使えて便利 |
高速充電技術を搭載して、容量2,042Whで2時間、1,264Whなら1.7時間で満充電できる |
安全性 |
バッテリーの発火を防止する機構や、防火性のケースであること |
62個の保護システムと12重のBMS保護システムを搭載。ChargeShield技術で安全に充電できる。ケースには防火材料を使用 |
アフターサービス |
保証期間が長いこと。購入前から使用を終えるまで、疑問にスムーズにこたえる体制を整えるとともに、廃棄も多額の負担なく行えること |
保証期間は最長5年。問い合わせフォームやLINE、電話やメールで問い合わせ可能。30日間の返品返金保証があり、廃棄も送料の負担だけで行える |
関連記事:2000Wクラスのポータブル電源がすごいって本当?アウトドアや災害時に活躍!
4.定格出力ごとにおすすめするポータブル電源6選
ここからは定格出力の大きさごとにおすすめのポータブル電源を紹介します。使う予定の電化製品や使い道に合ったポータブル電源を選んでください。
①【定格出力3,000W】Jackery ポータブル電源 2000 Plus
②【定格出力2,000W】Jackery ポータブル電源 1000 Plus
③【定格出力1,000W】Jackeryポータブル電源 1000Pro
④【定格出力800W】Jackery ポータブル電源 600 Plus
⑤【定格出力300W】Jackery ポータブル電源 300 Plus
⑥【定格出力300W】Jackery ポータブル電源 240New
5.定格出力不足を防ぐための4つのコツ
定格出力が足りなく、電化製品が使えないという事態を未然に防ぐためには、以下5つの方法があります。
①定格出力の大きいポータブル電源を選ぶ
ポータブル電源は、製品ごとに定格出力が異なります。
これからポータブル電源を購入するのなら、あらかじめ定格出力の大きな製品を選ぶことで、定格出力不足を防げる確率がグッと高くなります。
販売実績が400万台を超えたJackery(ジャクリ)ポータブル電源の場合、定格出力が300W~3,000Wと幅広い製品も販売しております。
定格出力の大きなポータブル電源は、一度に使える電気の量が増えるぶん、使用できる電化製品の幅が広がるほか、多くの電化製品を同時に使用できます。
②電化製品の出力を「弱」設定にして使用する
電化製品に記載された消費電力が、ポータブル電源の定格出力より大きくても、製品によっては使用できるケースもあります。
それは、出力の設定を変えられる電化製品を使ったケースです。
例えば、消費電力800Wで、「強」と「弱」のモードがある、ハロゲンヒーターです。
これを定格出力500Wの「ポータブル電源708」に接続して、動くかどうか試してみたところ、「弱」の設定なら、問題なくハロゲンヒーターが作動しました。
出力の設定ができる電化製品のなかには、1番強いモードでの消費電力が記載されているものもあります。
この場合、出力の弱いモードでなら、消費電力がポータブル電源の定格出力を下回り、使用できるケースもあるのです。ただし、強弱の設定ができるすべての電化製品が、これに当てはまるわけではありません。
また、弱モードの消費電力も、ポータブル電源の定格出力より大きい可能性もあります。
そのため、この方法は、自宅にある電化製品で試すようにしましょう。
③消費電力の小さい電化製品を使用する
定格出力不足を防ぐうえで有効なのが、消費電力の小さい電化製品を使用することです。同じタイプの電化製品でも、製品によって、消費電力は異なります。
例えば、一般的な電気ケトルの消費電力は1200~1300W程度ですが、なかには消費電力1000Wの電気ケトルもあります。また、お湯を沸かすのに、電気ケトルではなく、電気ポットを使用するのも有効です。
電気ケトルは、短時間でお湯を沸かすことに特化しているため、一時的な消費電力量が大きくなってしまいます。
その点、電気ポットは時間をかけてお湯を沸かすので、電気ケトルに比べて、消費電力が小さく済みます。
このように、用途に合わせて、消費電力の小さい電化製品をチョイスしつつ、そのなかでも特に消費電力の小さい製品を購入するといいでしょう。
④ポータブル電源をもう1台購入する
すでにポータブル電源を購入していて、複数の電化製品を同時に使用したいものの、定格出力が足りないという場合は、サブ機として、別のポータブル電源を追加で購入するのがおすすめです。
6.定格出力についてよくある4つの質問
ここからは定格出力に関するFAQを4つ取り上げ、回答します。ぜひご一読のうえ、定格出力への理解を深めてください。
①電化製品の消費電力はどこで確認できる?
電化製品の消費電力は、以下の書類やWebページで確認できます。
- ・取扱説明書
- ・メーカーの製品紹介ページ
- ・大手通販サイトの商品ページ
取扱説明書が手元に無い場合は、ダウンロードサービスを提供するメーカーも多いです。メーカーの公式サイトにアクセスし、確認することをおすすめします。
また、購入済みの電化製品なら、実際にポータブル電源に接続してみるのが、最も手っ取り早い方法です。
Jackeryのポータブル電源では、ディスプレイの「OUTPUT(アウトプット)」に、電気の出力量が表示されます。
OUTPUTは、接続中の電化製品の、現在の消費電力量とイコールなので、簡単に消費電力が確認できます。
この数値を見ながら、定格出力を超えないように、同時に接続する電化製品の数を増やしていくといいでしょう。起動しても、電化製品の運転がすぐにストップしてしまう場合は、定格出力オーバーを意味します。
この場合は、接続した電化製品の消費電力は確認できません。
②私にはどのポータブル電源がおすすめか?
おすすめのポータブル電源は、活用したいシーンによって異なります。一例を以下に示しますので、ポータブル電源を選ぶ参考にしてください。
利用シーン |
定格出力 |
容量 |
停電時でも調理家電を使って1日過ごす |
2,000W~ |
2,000Wh~ |
停電時はデジタル家電を使った情報収集が中心(1日分) |
200W~ |
300Wh~600Wh |
コンセントが遠い場所で工具を使った作業をする |
2,000W~ |
2,000Wh~ |
週末の日帰りキャンプ(調理家電を使う) |
1,000W~ |
1,000Wh~ |
車中泊(1泊2日) |
1,000W~ |
1200Wh~ |
③定格入力と出力の違いは?
定格入力は、機器が持つ最大限の性能を発揮するために必要な入力を指します。ポータブル電源の場合は、電圧と電流の両方が示されています。電圧はポータブル電源への入力に必要な電圧、電流はポータブル電源に流せる電流値の上限を示します。
一方で定格出力は、電化製品に安定に供給し続けられる最大の電力を示します。ポータブル電源では電力の単位「ワット(W)」で表記される場合が多いです。
④定格消費電力と消費電力の違いとは?
定格消費電力は、電化製品が消費する最大の電力です。すべての機能を最大限に活用した場合に、定格消費電力まで達する可能性があります。一方で消費電力は、電化製品が実際に消費する電力量を指します。
エアコンや冷蔵庫などを使う場合、定格消費電力と消費電力は異なります。これらの電化製品は、状況によって出力が自動的に変わるためです。機種ごとの目安となる値は、資源エネルギー庁が公表する「省エネ機能カタログ」をもとに算出するとよいでしょう。
まとめ
ポータブル電源を使用するうえで、定格出力についての理解は欠かせません。
特に、アウトドアで使用する場合は、定格出力について何も知らないと、ポータブル電源を持って行った先で、使おうと思っていた電化製品が使えないという事態にもなりかねません。
このような事態を防ぐためにも、ポータブル電源の購入前に、この記事で紹介した方法で、しっかり対策しておきましょう。
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