「徹底解説」用途別のポータブル電源容量目安を紹介
ポータブル電源の購入を検討されている方の中には、「必要なポータブル電源容量目安を知りたい」という方もいらっしゃるのではないでしょうか。ポータブル電源にはさまざまな種類があり、その用途に応じて、バッテリー容量にも違いがあるのです。
例えば、日帰りキャンプなどで活用するポータブル電源をお探しの場合であれば、小型の冷蔵庫や扇風機などが活用できる容量のもので、手軽に持ち運べるタイプが良いでしょう。あるいは、防災や災害時の備えとしてポータブル電源を検討しているのであれば、災害発生時から復旧するまでの電力を確保するため、より大きい容量のものを選ぶことが目安になります。
そこでここでは、用途に応じたポータブル電源を選ぶために、電力容量や家電製品の消費電力・定格出力、用途にあったポータブル電源容量目安及びおすすめの製品など、詳しくご紹介していきます。
ポータブル電源容量目安を図るWとWh、定格出力とは?
・Wとは?
『W(ワット)』とは、電力を示す単位を指しています。
みなさんの中にも、電池で活用されている『V(ボルト)』、家庭で活用する『A(アンペア)』という単位を耳にされた方は多いのではないでしょうか。ちなみに、W(ワット)は電気がどのくらいの仕事をする力を持っているのか、その大きさを図るための単位で、次のような公式で示すことができます。
電力(W) = 電圧(V) × 電流(A)
『電圧(V)』は電気を押し出す力のことで、『電流(A)』は電気が流れる量のことを指しています。
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・Whとは?
『Wh(ワットアワー)』とは、ポータブル電源のバッテリー容量を示す重要な数値であり、『1時間あたりの消費電力』を指しています。例えば、キャンプにおいて消費電力が60Wの扇風機を2時間使用する場合の消費電力は、
60W × 2時間 = 120Wh
となり、120Whのバッテリー容量のポータブル電源が必要になります。
また、災害時において自宅にある冷蔵庫(520W)を3時間使い続けたい場合には、
520W × 3時間 = 1,560Wh
と計算でき、1,560Whのバッテリー容量を備えておく必要があります。
・定格出力とは?
『定格出力』とは、ポータブル電源が安定して出力できる電力量を知ることができ、用途に応じたポータブル電源選びには欠かせない重要な数値となっています。
ポータブル電源をよく活用されている家電製品の消費電力を見てみると、
- スマートフォン:18W
- 液晶テレビ:60W
- ヘアアイロン:200~500W
- ミキサー:300W
- 冷蔵庫:520W
- 電子レンジ:1160W
- 電気グリル鍋:1600W
などと記載されているのが分かります。
例えば、1160Wの消費電力である電子レンジをポータブル電源で活用したい場合、定格出力が500Wでは、電子レンジを作動させるために十分な電力を供給することができません。そのようなことから、ポータブル電源をどのようなシーンで活用することを想定しているのか考えてみることが大切です。
・「瞬間最大出力」(サージ出力)とは?
『瞬間最大出力(サージ出力)』とは、瞬間的に出力できる最大電力のことを指しており、家電製品の起動時などに対応するために重要な数値となっています。
例えばエアコンのように、起動時に高い消費電力が必要な家電製品もあります。そのような消費電力に耐えるためにポータブル電源の中にも、定格出力1000W、瞬間最大出力2000Wという製品もみられます。
ただし、瞬間最大出力はあくまで瞬間的なものですので、定格出力を基準として選ぶことが大切です。
各種類電化製品の消費電力及びおすすめのポータブル電源容量目安
●キッチン家電
- ・ミキサー:120W~200W
- ・ジューサー:175W~300W
- ・コーヒーメーカー:450W~650W
- ・電気ポット:700W~1000W
- ・冷蔵庫:150W~500W
- ・電子レンジ:1300W
- アウトドアでのキャンプや災害・停電時の非常用電源としてポータブル電源を検討しているのであれば、キッチン家電の消費電力とポータブル電源の定格出力のバランスを見ておくといいでしょう。
ジューサーがあれば、ファミリーキャンプにおいてお子さまに美味しいフレッシュジュースを、またコーヒーメーカーがあれば、自然の中でひと時を楽しむことができるでしょう。
例えば、200Wのジューサーや450Wのコーヒーメーカーであれば、500W程度のポータブル電源で対応可能です。
また、災害時や停電時においては、復旧までの生活が課題となり、特に食品の品質を保つために冷蔵庫の使用が重要になります。
冷蔵庫の規模にもよりますが、一般的な消費電力は150W~500W程度で、仮に500Wであるなら1時間の稼働だけでも定格容量は500Whが必要になります。
1時間では災害時の対応としては不安であるため、例えば、1000Wh以上の容量を持つポータブル電源を選択して、ソーラーパネルなどでの充電も検討しておくことが大切です。
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●生活家電
- ●電気スタンド(LED):4W~10W
- ●扇風機:50W~60W
- ●電気毛布:50W~90W
- ●エアコン:45W~2000W
- ●洗濯機:500W~900W
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キッチン家電だけではなく生活家電も、キャンプや災害時には必要なアイテムになります。
キャンプにおいて言えば、夏場の日中であれば、扇風機があれば快適に過ごせますし、車中泊を考えているのであれば、電気スタンドがあれば便利です。また、冬キャンプで電気毛布を用意しておけば、快適に睡眠を取ることもできるでしょう。
生活家電との併用も考えると、1~2日程度であれば400~500Wh程度の定格容量を、2~3日程度の利用を考えているならば、700Wh程度の製品を用意しておきたいところです。
夏や冬場の停電や災害を考えるならば、エアコンの使用は不可欠になります。
エアコンは冷房よりも暖房の方が消費電力は高くなる傾向にあり、暖房で使用する場合には最大1000~2000W程度になるものもあります。そのようなことから少なくとも1000Wh程度の製品を用意するようにし、2000Wh程度の容量があれば安心でしょう。
●パソコンや周辺機器
- ●ノートパソコン:50W~120W
- ●デスクトップパソコン:150W~300W
- ●インクジェットプリンター:10W~60W
- ●無線LANアダプター:6W~15W
-
車中泊や車内でのリモートワークであればノートパソコンを活用するシーンがあるでしょうし、災害時においてはスマートフォンだけではなく、自宅のパソコンや周辺機器を活用することもあるでしょう。
ノートパソコンは充電して活用することもできますから、400Wh程度のポータブル電源であれば、3~5回程度の充電が可能です。
また、災害時にデスクトップパソコンや周辺機器を活用する場合には、短時間の使用であれば400Wh~500Wh程度の定格容量があれば問題ないでしょう。
ただ、家電との併用なども考えられることから、やはり災害を意識して検討する場合には1000Wh~2000Whのものを、さらにはソーラーパネルも用意しておきたいところです。
●屋外撮影に利用されるヘアアイロンなど
- ●電気シェーバー:10W
- ●ホットカーラー:45W~70W
- ●ヘアアイロン:150W~240W
- ●ドライヤー:600W~1200W
-
屋外撮影のために活用される家電製品をピックアップし、消費電力の目安を調べてみました。
それほど長い時間の使用を考えていない場合でも、ドライヤーを活用する場合には、ある程度の容量のポータブル電源は必要になります。ホットやターボでの運転時において消費電力は高くなる傾向があり、1000W~1200W程度にまで上昇します。
できる限り短時間でセットをしたいということであれば高出力のドライヤーが必要となるため、ポータブル電源も1000Wh~2000Whの定格容量を備えている製品を用意しなければなりません。
近年では省エネモデルのものも販売されており、そのような製品を活用すれば600W程度のものも見かけます。そのような省エネタイプを使用するならば、700Wh~1000Wh程度の定格出力を持つポータブル電源を選ぶといいでしょう。
●移動販売車に使われる家庭用小型冷凍冷蔵庫、LED電球、コーヒーグラインダーなど
- ●家庭用小型冷凍冷蔵庫:150~300W
- ●LED電球:40W~60W
- ●コーヒーグラインダー:150W~650W
- ●電子レンジ:1300W
- ●POSレジ:15W~20W
- ●ノートパソコン:50W~120W
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移動販売車での店舗営業の開業にあたって、ポータブル電力を活用して、営業に必要な設備を稼働させることを検討している方も多いのではないでしょうか。
飲食を提供する移動販売車であれば『キッチンカー』などと呼ばれることもありますが、店舗と同様に厨房機器が必要になります。
食材を保管するための小型冷蔵庫、車内外の灯り、食材を温めるための電子レンジ、コーヒーを淹れるためのコーヒーグラインダーなどの使用が考えられます。
また、簡易なPOSレジやノートパソコンの活用も考えられるでしょう。その中でも電子レンジは消費電力が高いために、ポータブル電源を活用するためには、定格容量1500Wh~2000Wh程度は必要になります。
活用シーンにあったポータブル電源容量目安とおすすめの製品を解説
①アウトドア(キャンプや車中泊)におすすめのポータブル電源容量目安
●1日~2日間ポータブル電源容量目安:400Wh~500Wh
日帰りキャンプや屋外でのリモートワーク、さらにはそのまま宿泊するようなケースであれば、400Wh~500Wh程度の容量を持つポータブル電源がおすすめです。1~2日くらいの活用であれば、それほど消費電力の高い家電製品は活用しないのではないでしょうか。
例えば、キャンプであれば、スマートフォンへの充電(18W)、扇風機(50W)、ミニ冷蔵庫(40W)、LEDライト(5W)、電気毛布(55W)などがあれば快適ですね。
400Whのポータブル電源を活用するならば、ミニ冷蔵庫でも8.5時間~12時間程度、電気毛布でも6時間程度の使用が可能です。
『Jackery ポータブル電源 400』は、定格容量400Whを備えており、1~2日くらいのキャンプやリモートワーク、車中泊では最適です。上記でお伝えしたような家電製品の使用はもちろん可能で、車中やキャンプ先でリモートワークするような場合でも、いくつかの製品を同時に活用できるため大変便利です。
例えば、スマートフォン(18W)を充電しながら、ノートパソコン(30W)や電気毛布(55W)を使用するような、4つのデバイスに同時に充給電することが可能です。
しかも、小型(約23㎝×15㎝×17㎝)で軽量(4.1㎏)、もちやすい丸みのあるハンドルも付いていますので、女性でも持ち運ぶのはとても手軽です。
●2日~3日間ポータブル電源容量目安:700Wh~
2~3日のキャンプを考えているのであれば、700Wh程度の定格容量を持つポータブル電源をおすすめします。2~3日の連泊であれば、扇風機や車載冷蔵庫、電気毛布、LEDランプなどのほかにも、快適に過ごすための、あれば嬉しい家電製品が使えるようになるからです。
ジューサー(175W)やコーヒーメーカー(450W)あれば、ファミリーキャンプで楽しいひと時を過ごせます。
食材を新鮮に保管するための、小型冷蔵庫(150W)を用意し、IH卓上コンロ(200W)を活用して調理すれば、食事時間もぐんとグレードアップしますよね。
『Jackery ポータブル電源 708』は、容量は708Wh、定格出力は500Wを備えており、2~3日くらいの連泊キャンプやファミリーキャンプにはぴったりです。
消費電力が500Wまでの家電製品に対応でき、家庭で活用している一般的な製品の使用が可能ですので、ワンランク上の快適なキャンプになるのではないでしょうか。
AC100Vコンセントが2口、USB-Aが2口、シガーソケットが1口、USB-Cが1口、Quick Charge3.0を搭載していますので、最大6つのデバイスに同時に給電ができます。例えば夜間において、スマートフォン(18W)を充電しながら、家族みんなの電気毛布(55W)を使用するようなシーンが考えられます。
しかも、小型(約30㎝×19㎝×19㎝)で軽量(6.8㎏)と大容量ながらもコンパクトに設計されているのも嬉しいですね。
②防災用におすすめのポータブル電源容量目安
防災時や停電時においては、1000Wh以上のポータブル電源を備えておくことをおすすめします。
その理由として、
- ●冷蔵庫やエアコンなど命を守るための家電製品を使う必要がある
- ●家庭用家電製品の中には消費電力が高いものもある
- ●大規模災害のケースでは復旧まで2~3日かかるケースもある
- といったものが考えられます。
特に停電時の状況を考えると、復旧するまでの間には、自宅の家電製品についてはポータブル電源を活用することが想定できます。特に食材を新鮮に確保するための冷蔵庫、熱中症や体調不良を防ぐエアコンの使用は欠かすことはできません。
ただ、これらの製品は消費電力が高い傾向があるため、1000Wh以上の容量を持つポータブル電源を備えておくことで、うまく活用できるようになります。
家庭用の冷蔵庫であれば500Wまで、エアコンは最大700W程度のものが多くみられますので、1000Wh以上の容量があれば安心です。
さらには、大規模の災害や停電の場合には、復旧に2~3日かかるケースもあることから、ポータブル電源への充電のために、ソーラーパネルを用意しておくようにしましょう。
『Jackery Solar Generator 2000 Pro』は、大容量2160Wh、2200Wの定格出力を持つポータブル電源『Jackery Solar Generator 2000 Pro』と、充電可能なソーラーパネル『SolarSaga 200』のセットとなっています。
大容量・高出力、しかも最大瞬間出力は4400Wですから、一般家庭で活用している家電製品は問題なく稼働が可能です。
家庭用の大型冷蔵庫(520W)なら75時間、リビングに設置されているエアコン(1150W)なら2時間、稼働させることができますので、災害時でも落ち着いて対処することができるでしょう。
さらにはソーラーパネルで急速充電ができますから、日中にポータブル電源の充電をしておけば、災害時でも電力不足の心配は解消できます。
セットされているソーラーパネル『SolarSaga 200』であれば、満充電(0%から100%)のために必要な所要時間は15時間、ソーラーパネルを6枚設置すれば最速2.5時間での充電が可能です。
出力は、AC100Vコンセント3口、USB-A(2口)、USB-C(2口)さらにはシガーソケット(1口)が搭載されており、同時に8つの家電製品に電力を供給できますので、家族みんなで電力を活用することができます。
使い方はとても簡単で、スイッチを押せばすぐに電力の供給ができますから、災害時のような切迫した状況でも、落ち着いて稼働させることができるでしょう。
まとめ
ポータブル電源にはさまざまな容量の製品が販売されているため、どのような用途で活用し、どのような家電製品を活用するのかによって必要なポータブル電源容量目安を確認してから購入することが大切です。
例えば、日帰りキャンプや家族での連泊キャンプの場合であれば、400~700Wh程度の容量を持つポータブル電源を活用すれば、必要な家電製品が活用でき、さらにはコンパクト設計なので手軽に使用することができます。
また、大規模災害が発生した際の非常用電源として使用する場合、大容量の1000~2000Wh程度のポータブル電源を活用すれば、停電時でも安心して電力供給が可能です。このように、用途を想定してポータブル電源を選んでおけば、とても便利に快適に、活用できるのです。
Jackery(ジャクリ)のポータブル電源であれば、高出力・大容量だけではなく、安全性も高く、さらにはソーラーパネル『Jackery Solar Generator』とのセットもお得に提供されているためおすすめです。ぜひ記事を参考にして、用途別のポータブル電源選びに活用してみてください。
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