太陽光発電で電気代を安くしたい!節約できる金額とコツを教えます
2022年から2023年にかけて、多くの電力会社で電気料金が値上げされました。太陽光発電を活用して電気をつくり、少しでも電気代を安くしたい方も多いのではないでしょうか。
太陽光発電の導入にあたり、節約できる電気代の金額を知ることは有効です。ご自宅の事情に合わせて、最適な太陽光発電の方法を選んでください。この記事では太陽光発電でどれだけ電気代を節約できるか、及び太陽光発電を電気代の節約につなげるコツやおすすめの太陽光発電製品も含めて、詳しく解説します。
屋根の太陽光発電で電気代をどれだけ節約できるか?
太陽光発電といえば、屋根に設置するソーラーパネルを思い浮かべる方は多いでしょう。太陽光発電が実際にどれだけの電気代を節約できるのでしょうか。ケースごとに分けて、詳しく確認していきましょう。
●設置型3kWの太陽光発電での固定買取制度(FIT)期間中の電気代
太陽光発電の発電量は、設置した機器のシステム容量に比例します。東京電力エナジーパートナーによると、全国平均の年間発電量はシステム容量1kW当たり1,215 kWhです。 3kWの機器を設置した場合、全国平均の年間発電量は3,645kWhとなります。
参考:東京電力エナジーパートナー「【【2023年版】太陽光発電で電気代はゼロになる?蓄電池やEVとの組み合わせも検証」
一方で電気の年間消費量は、環境省から公表されています。2020年における1世帯当たりの電気消費量は、年間で4,258kWhです。
ところで電気料金の単価と売電単価(太陽光発電の調達価格)は、以下のとおりとなっています。
項目 |
単価 |
出典 |
電気料金の単価 |
31円/kWh |
公益社団法人 全国家庭電気製品公正取引協議会「よくある質問 Q&A」 |
太陽光発電の調達価格 |
16円/kWh(2023年度) |
資源エネルギー庁「FIT・FIP制度 買取価格・期間等」 |
発電した電気をすべて自宅で消費(自家消費)すれば、電気料金を大きく下げられます。大容量の蓄電池を用意することで可能となるでしょう。しかし実際には、売電しながら自家消費もする家庭も多くなっています。2021年12月に資源エネルギー庁が公表した資料によると、住宅用自家発電の余剰売電比率は平均で69.4%です。
発電した電気を自宅で消費する割合は30.6%にとどまります。
この点を踏まえて、3kWの太陽光発電装置を設置した場合の電気代を以下に示しました。
ケース |
すべて自家消費 |
70%売電、30%自家消費 |
太陽光発電を導入しない場合の年間電気代 |
131,998円 |
131,998円 |
太陽光発電を併用した場合の年間電気代 |
19,003円 |
98,100円 |
年間の売電収入 |
無し |
40,824円 |
年間で節約できる金額の合計 |
112,995円 |
74,722円 |
年間の実質的な電気代(電気代-売電収入) |
19,003円 |
57,276円 |
「70%売電、30%自家消費」の家庭では、月平均で4,000円~5,000円の電気代がかかります。冬季になると電気料金の負担が重く感じることでしょう。
一方ですべて自家消費できれば、月平均で1,500円程度に抑えることが可能です。3kWの設備であれば、発電した電気をすべて自宅で使い切ったほうがお得となります。
●設置型5kWの太陽光発電での固定買取制度(FIT)期間中の電気代
太陽光発電設備の出力が5kWになると、全国平均の年間発電量は6,075kWhとなります。設置した場合の電気代を、以下にまとめました。
ケース |
すべて自家消費 |
70%売電、30%自家消費 |
太陽光発電を導入しない場合の年間電気代 |
131,998円 |
131,998円 |
太陽光発電を併用した場合の年間電気代 |
0円 |
75,501円 |
年間の売電収入 |
無し |
68,040円 |
年間で節約できる金額の合計 |
131,998円 |
124,537円 |
年間の実質的な電気代(電気代-売電収入) |
0円 |
7,461円 |
5kWの設備を使った場合は、どちらのケースでも電気代をほぼゼロに抑えることが可能です。日照時間が長い地域や節電に励んだ場合は売電できる電力量が増え、売電収入のほうが電気代より多くなるかもしれません。工夫しだいで、太陽光発電の収支をプラスにできる可能性があります。
●固定買取期間が過ぎると太陽光発電の電気代の節約額は大きく下がる
売電価格は固定買取期間が過ぎる「卒FIT」の状態になると、大きく下がります。大手電力会社の買取価格は、1kWh当たり7円~9円程度です。せっかく発電しても節約額は半分程度にまで落ち込むため、がっかりする方もいるのではないでしょうか。
なお地域によっては、1kWh当たり10円~14円程度で買い取る事業者もあります。しかし卒FIT後の収入が減ることに変わりはありません。
参考:新日本エネックス「【2023】卒FIT後の買取価格と業者比較を地域別に解説」
関連人気記事:太陽光発電のメリット・デメリットとこれからの将来性
電気代の節約は持ち運び型ソーラーパネルでも可能
電気代の節約は、持ち運び型ソーラーパネルも役立ちます。ここではJackery(ジャクリ)が提供する以下ポータブル電源・ソーラーパネルセットの製品を例に、節約できる金額を解説します。
・Jackery Solar Generator 2000 Plus|ソーラージェネレーター2000プラス
・Jackery Solar Generator 3000 Pro|ソーラージェネレーター3000プロ
●Solar Generator 2000 Plusで節約できる電気代
Jackery Solar Generator 2000 Plusは「SolarSaga 200W」を2枚使うことで、7時間で満充電にできます。ポータブル電源 2000 Plusの容量は、2042Wh(2.042kWh)です。電池残量が20%の状態から満充電にする操作を毎日繰り返した場合、年間で節約できる電気代は18,484円となります。
実際には晴れの日だけでなく雨の日もあるため、毎日フル充電できるとは限りません。晴れの日が年間の半分程度とすると、節約できる電気代の金額は年間で9,242円となります。
参考:ウェザーニューズ「2022年 晴れ率No.1は「山梨」 都道府県お天気ランキング」
●Solar Generator 3000 Proで節約できる電気代
Jackery Solar Generator 3000 Proは「SolarSaga 200W」を2枚使うことで、9.5時間で満充電にできます。ポータブル電源 3000 Proの容量は、3024Wh(3.024kWh)と多くなっています。
電池残量が20%の状態から満充電にする操作を毎日繰り返した場合、節約できる年間の電気代は27,373円です。実際には曇りや雨の日もあるため、節約できる金額はこれよりも少ないでしょう。晴れの日が年間の半分程度の地域では、年間で13,686円を節約できます。