1.室内用の蓄電池とは
蓄電池とは、バッテリーに電気を蓄えておき、使いたいタイミングで電化製品に給電できる装置を指します。室内用の蓄電池とは、家庭で発生する電気を効率的に蓄えることに特化した室内に設置する蓄電池です。
室内用の蓄電池を導入すれば、以下のようなことが実現できます。
・太陽光発電で蓄電した電気を夜間帯に使用して、電気代を節約する
・深夜の割安になった電気を蓄電池に溜めておき、電気料金が高い日中帯に使用する
・自然災害による大規模な停電時に、蓄電池から複数の家電を同時に動かす
・太陽光発電と組み合わせれば、二酸化炭素の排出量を削減できる
室内用の蓄電池は初期費用こそ高くなりますが、長期的に見ると高い節電効果が期待できます。災害による停電は3日〜1週間以上も続く可能性があるので、コンセントに頼らない室内用蓄電池の備蓄が欠かせません。
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2.蓄電池を室内に設置するメリット

室内に蓄電池を設置すると、外部環境からの影響がなくなります。蓄電池を長く使いたい方や、家の外装にこだわっている方には最適な選択肢と言えるでしょう。蓄電池を室内に設置するメリットは、以下のとおりです。
● 気温差による劣化が少ない
蓄電池を室内に設置すると、外部環境の影響を受けなくなり、温度変化による劣化を防げます。屋外に設置した場合、夏の猛暑や冬の極寒といった厳しい環境にさらされることで、蓄電池の寿命が短くなる可能性があるのです。
また、室内に設置すれば、豪雨や台風などが原因で蓄電池が水没するリスクも低くなります。蓄電池は決して安い買い物ではありません。電気代を節約するために導入したはずが、短命で買い替えになると余計なコストがかかります。
たとえ、故障していなかったとしても、屋外に設置した場合はメンテナンスが欠かせません。室内に設置すると、メンテナンス費用も最小限に抑えられるので、節電効果の影響を多大に受けられるでしょう。
● 停電・災害時も電気が使える
災害によって停電が発生した場合も、室内用の蓄電池から安心して電気を供給し続けられます。室内設置により、蓄電池が外部の衝撃や悪天候から保護されるため、非常時にも安定した電力供給が可能です。
一方で、屋外に蓄電池を設置していた場合は、雨・風・揺れといった災害による影響を直接受ける可能性があり、正常に蓄電池が動くとは限りません。一部が故障しているだけでも、安定した電力供給は難しくなり、火災や火傷などの二次災害が起きるリスクが高まります。
● 住宅の外観を損なわない
蓄電池を室内に設置すれば、住宅の外観を損ないません。特にデザイン性の高い住宅や、景観規制があるエリアでは、室内設置が美観を保つための賢明な選択肢です。
屋外に蓄電池を設置すれば、外観の見た目に統一性がなくなり、不格好に見えるケースもあるでしょう。目に見える場所に蓄電池がないことで、住まいの印象を損なうことなく、快適でスマートなエネルギー利用を実現できます。
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3.室内に蓄電池を設置するデメリット
室内に蓄電池を設置すると様々な恩恵を受けられる一方で、家庭によってはデメリットの方が目立ってしまう可能性があります。家庭の状況によって室内に設置するかを判断しなければ、後悔することにもなりかねません。
室内に蓄電池を設置するデメリットは、以下のとおりです。
●屋内設置のスペースが必要になる
蓄電池を室内に設置する場合、自宅のスペースを圧迫します。特に住宅が狭かったり、収納スペースが限られていたりする場合は、深刻な問題になるでしょう。
十分なスペースが確保できない場合、他の設備や家具の配置を見直す必要が出てくるため、住環境に悪影響を及ぼしかねません。また、たとえ広いスペースを確保できたとしても、安全上の観点から蓄電池の設置に向いていない可能性もあります。
蓄電池の設置に最適な条件をクリアした上で、十分なスペースを確保できなければ、室内への設置は難しいでしょう。自宅に蓄電池を設置できるかが気になる方は、専門業者に事前に診断してもらうと安心です。
● 蓄電できる容量に制限がある
省スペース化を重視している室内用の蓄電池は、屋外用と比べるとどうしても容量が少なくなります。一般的に容量6kWhを超える蓄電池のほとんどが、屋外用のタイプです。そのため、大容量を必要とする家庭やオフィスでは不便さを感じることがあるでしょう。
どうしても電力消費の多い電化製品を長時間使用するには、複数の蓄電池を組み合わせる必要が出てきます。特に大家族で3日〜1週間以上の停電対策を万全にしたい場合には、複数台の蓄電池を自宅に設置することになるでしょう。
住宅スペースをさらに圧迫する結果になるので、容量を重視している方に室内用の蓄電池は向いていません。まずは、家庭でどれだけの電力を消費しているのかを算出し、必要な容量を割り出した後に室内用か屋外用かを判断しましょう。
● 動作音が気になる
室内用の蓄電池から発せられる稼働音が気になる、というデメリットも存在します。蓄電池は、充放電を行っているときや、内部の冷却ファンが作動しているときなどに比較的大きな稼働音が発生します。
日中帯は特に気にならなかったとしても、辺りが静かになる夜間帯には不快に感じるケースもあるでしょう。寝室の近くに蓄電池を設置してしまうと、稼働音が深い睡眠を妨げる恐れもあります。
動作音が気にならない部屋から必要なスペースを捻出しなければならず、室内に設置できる条件はさらに厳しくなるでしょう。
4.蓄電池を室内に設置できる場所の条件とおすすめの場所を紹介

蓄電池は、室内であればどこでも設置できるわけではありません。安全性・効率性・快適性などを考慮した上で、最適な場所を見つける必要があります。最初に設置場所を誤ると、長期的に不便な思いをすることになるので注意してください。
蓄電池を室内に設置できる場所の条件とおすすめの場所を紹介します。
● 高温多湿になりにくい
蓄電池のような精密機器は、高温多湿な環境に弱い性質があります。高い湿度によって金属部品の腐食や絶縁性能の低下が起きてしまえば、蓄電池の劣化や故障にもつながりかねません。水はけの悪い場所は避け、風通しの良い場所を選びましょう。
また、高温環境は蓄電池が過熱するリスクがあり、寿命を縮める大きな原因になります。結果的に短命で買い替えが必要になると、費用対効果は十分に得られません。直射日光が当たらない涼しい場所を選ぶのがおすすめです。
● 床の積載荷重が十分にある
蓄電池を設置する場所の床は、強度が強くなければなりません。蓄電池は50kg〜200kg程度あるので、重さに耐えられなければ、床の変形や損傷を引き起こす恐れがあります。
特に、木造住宅や古い建物にお住まいの方は、床の耐久性を確認しておきましょう。専門業者から耐久性の低さを指摘された場合は、床の補強工事が必要になるケースもあります。
蓄電池は、容量が大きくなるほど重量も重たくなります。1台の容量は少なくても、複数台設置する場合にも注意が必要です。
● 運転音が気にならない
一般的な家庭用の蓄電池は、約35db〜40db程度の動作音を発するため、運転音が気にならない場所を選ぶ必要があります。40dbとは、深夜の市街地や図書館レベルの音です。日中帯は気になりませんが、静かな寝室の近くでは動作音がストレスになるでしょう。
寝室からできるだけ離れた位置に設置すれば、睡眠の妨げにはなりません。集合住宅で横の部屋に人が住んでいる場合は、壁の近くへの設置も避けた方が良いでしょう。
● 室内で蓄電池を設置するにおすすめ場所
室内に蓄電池を設置するのにおすすめの場所は、リビングです。調理家電や冷暖房機器、生活家電など、あらゆる電化製品が集結しているので、蓄電池から給電しやすくなります。
また、リビングには人が集まりやすく、寝室から離れている場合も多いので、稼働音が気になりません。ただし、大前提として蓄電池を設置できるだけのスペースが必要です。
室内用の蓄電池の大きさは、エアコン室外機1台分に相当します。設置スペースを確保できるかだけでなく、搬入経路を通過できるかも重要です。
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5.設置工事不要!室内で使えるJackery蓄電池
一般的な室内用の蓄電池は設置工事が必要になり、一度設置したら場所の変更は難しくなります。創業から13年間で世界販売台数500万台を突破した実績を誇るJackery(ジャクリ)のポータブル電源であれば、設置工事は一切必要ありません。
一般の蓄電池より軽くてコンパクトなので、室内の使用したい場所まで気軽に持ち運べます。耐久性と放熱性に優れた素材を採用し、BMSやNCM制御機能も搭載しているので、安全性が高いです。
業界最大クラス25%の発電効率を有するJackery(ジャクリ)のソーラーパネルを使えば、日中帯に蓄電した電気で生活できます。リン酸鉄リチウムイオン電池を採用しているので、10年以上も自宅の停電対策や節電対策として活躍します。
さらに、Jackery(ジャクリ)のポータブル電源が災害時に大活躍する主な理由は、以下のとおりです。
・UPS機能・パススルー機能を搭載し、停電時に20ms以内で電気供給源を切り替える
・自然放電率が低く、災害発生の直後から使用できる
・防災製品等推奨品認証やフェーズフリー認証など、防災に特化した認証を受ける
室内用としてJackery(ジャクリ)のポータブル電源の導入を、ぜひ検討してみてください。
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6.室内用の蓄電池に関するよくある質問
最後に、室内用の蓄電池に関するよくある質問を紹介します。蓄電池の設置場所や、室内用・屋外用のどちらにするかで検討されている方は、ぜひ参考にしてみてください。
● 蓄電池を室内に設置する際に必要な面積は?
蓄電池の設置に必要な面積は、約80cm幅です。設置場所だけでなく、搬入経路も考慮しなければなりません。エアコン室外機1台分の大きさが通れるスペースを確保しましょう。
設置場所を決める際には、蓄電池のスペース以外に以下の点にも注意が必要です。
・高温多湿になりにくいか
・床が蓄電池の重さ50kg〜200kg程度に耐えられるか
・運転音が気にならないか
蓄電池は設置場所の環境次第で、寿命が決まると言っても過言ではありません。高温多湿な場所に置いておくと、バッテリーの消耗は早くなり、故障・劣化のリスクも高まります。工事不要でコンパクトかつ軽量な蓄電池を導入したい方は、ポータブル電源を選びましょう。
● 設置が不向きな場所に蓄電池を置くリスクは?
蓄電池を適さない場所に設置してしまうと、蓄電池内部の温度が上昇し、バッテリーの劣化を早める可能性があります。また、床の積載荷重が不足している場所では、重い蓄電池が設置場所を圧迫し、床材の損傷につながります。
さらに、運転音が気になる場所に置くと、精神的なストレスを助長し、快適な睡眠は望めません。近隣住民との騒音トラブルに発展する可能性もあります。
● 蓄電池の設置に関して消防法で定められている?
消防法では、蓄電設備は壁面より3m以上離して設置するよう定められています。ただし、火災予防に効果があるキュービクル式蓄電池や、JIS C 4412等の安全対策に適合した蓄電設備を設置する場合は、3m未満での設置が可能です。
一般的な17.76KWh以下の蓄電池は規制の対象外ですが、20KWh以上の蓄電池を購入する場合は、多くの届出書類を提出する必要があるので注意してください。消防法は2024年1月に改正され、より大容量の家庭用蓄電池が設置できるようになりました。
● 太陽光からの蓄電に必要なパワーコンディショナーとは?
室内に設置する蓄電池と併せて、太陽光発電ができるソーラーパネルを導入しようと検討している方は多いのではないでしょうか。住宅で太陽光から蓄電池に充電するためには、パワーコンディショナーが必要です。
パワーコンディショナーとは、直流電気を交流電気に変換する機器を指します。一般的なソーラーパネルで作る電気は直流のため、そのままでは交流に対応した家電を使用できません。パワーコンディショナーがあれば、発電した電気の98〜95%を使用できます。
まとめ
室内用の蓄電池は、気温差による劣化が少なく、災害時にもフル稼働できる点が魅力です。ただし、設置できる場所にはいくつかの条件があります。設置条件に適していなければ、蓄電池の劣化や故障を招きかねません。
工事不要で手軽に蓄電池を導入したい場合は、ポータブル電源を選びましょう。この記事で紹介した室内用蓄電池の設置条件を参考に、用途に合った蓄電池を導入してください。
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