1.一般家庭でできるコンセント配線の分岐方法
コンセントが足りない場合、家庭でもできる以下のような分岐方法があります。
・延長コードでコンセント配線を分岐する
・電源タップで口数を増やす
・分岐プラグでコンセントの口数を増やす
・【要資格】DIYで壁内配線から分岐させる
・専門業者に依頼してコンセントの配線(増設)工事をする
それぞれの特徴と注意点を理解して、自分の状況に合った分岐方法を選びましょう。
●延長コードでコンセント配線を分岐する
延長コードは遠い場所にあるコンセントまで電源を届ける便利なアイテムです。延長コードには以下のような種類があります。
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タイプ |
特徴 |
利用シーン |
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平型タイプ |
家具の下や隙間に通しやすい |
テレビ台やベッド下など狭いスペースに配線したいとき |
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丸型タイプ |
耐久性に優れている |
頻繁に抜き差しする場合や長期間使う場合 |
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耐熱タイプ |
熱を持ちやすい機器の近くでも安心 |
ヒーター・電子レンジなど発熱家電の周辺 |
延長コードの使用前には必ず容量を確認しましょう。一般的な延長コードの上限は1500Wまでで、容量を超えると発熱や火災のリスクが高まります。
たとえばドライヤー(1200W)を使う場合、他の機器を同時に接続すると容量オーバーになる可能性があります。
家具の下や壁沿いに這わせる際は、家具で踏みつけられて断線しないよう注意が必要です。
●電源タップで口数を増やす
電源タップは1つのコンセントから複数の機器に電源を供給できる便利なアイテムです。電源タップは以下のような種類があります。
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タイプ |
特徴 |
利用シーン |
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スイッチ付きタイプ |
個別に電源をオフでき、節電効果がある |
使わない家電をこまめに切りたいとき |
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USB付きタイプ |
スマホやタブレットを直接充電できる |
充電器を別途用意せずに済ませたいとき |
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雷ガード機能付き |
落雷時の電流から家電を保護できる |
パソコンやテレビなど精密機器を守りたいとき |
電源タップを使う際は、接続する機器の合計消費電力を計算します。パソコンやスマホ充電など消費電力の小さい機器であれば複数の接続が可能です。
ただし、ドライヤーや電子レンジのような高負荷機器との併用は避けてください。
●分岐プラグでコンセントの口数を増やす
分岐プラグは直接差し込むだけで、壁の2口コンセントを3口や4口に増やせる手軽なアイテムです。延長コードのようにコードが伸びないため、コンセントまわりをスッキリと保てます。
コンパクトな設計で、以下のような狭いスペースでも便利に使えます。
・洗面所やキッチンなど限られた場所
・テレビ周辺(レコーダーやゲーム機をつなぐ際に便利)
・デスクまわりの限られたスペース
一方で、消費電力の大きい機器との併用は危険です。電子レンジ(1000W)やヒーター(1200W)など高負荷の家電を接続すると、容量オーバーで発熱や発火の恐れがあります。
分岐プラグは消費電力の小さい機器専用として使用しましょう。
●【要資格】DIYで壁内配線から分岐させる
電気工事士の資格を持っている方は、壁内の電線から分岐させて新しいコンセントを増設できます。屋内配線の主な手順は以下のとおりです。
1.作業前にブレーカーを遮断する
2.既存のコンセントから渡り配線をおこなう
3.VVFケーブルを使い、壁内を通して新しい場所まで電源を引く
4.壁に穴を開けてパネルボックスを設置する
5.パネルボックスやプレートを取り付け、差し込み口を固定する
6.絶縁や接地処理をおこない、漏電や感電リスクを防止する
7.配線を正しく接続する
壁内配線は電気工事士の資格が必須で、無資格者が施工すると電気工事士法違反となります。
3万円以下の罰金または3月以下の拘禁刑又は科される可能性があり、感電や漏電、火災といったリスクも伴います。
資格を持たない方は、DIYで壁内配線は「専門知識として理解しておく内容」と考えてください。
●専門業者に依頼してコンセントの配線(増設)工事をする
専門業者に依頼すれば、安全かつ確実なコンセントの増設工事が可能です。一般的な工事の流れは以下のとおりです。
1.配線ルートや設置場所を確認する
2.調査結果をもとに業者が見積もりを提示する
3.契約を結び、施工を開始する
4.工事完了後、通電確認を実施する
5.問題がなければ工事完了
既存コンセントの差込口を増やすだけなら比較的安価で、新しい場所にコンセントを新設する場合でも5,000〜30,000円程度で施工できます。工事時間は30分〜1時間程度で済むケースがほとんどです。
業者に依頼するメリットは安全性と保証です。正確な配線と施工で火災リスクを抑えられ、工事後のアフターケアも受けられます。
2.【有資格者向け】コンセント配線のやり方とつなぎ方の基本

コンセントの配線作業は電気工事士の資格が必要な作業です。ここでは有資格者向けに、3つの配線方法と注意点を解説します。正しい手順と知識を身につけ、安全な施工を心がけましょう。
●1口コンセントのつなぎ方|白線と黒線の位置を正しく合わせる
1口コンセントを安全に取り付けるためには、正しい手順に沿って作業を進めることが重要です。
作業の流れは以下のとおりです。
1.ブレーカーをOFFにして感電を防止する
2.VVFケーブルの外装を処理し、ゲージに合わせて各線の被覆を規定長にする
3.白線(接地側W/N)と黒線(非接地側L)を正しい位置に結線する
4.結線後に絶縁処理をおこなう
5.端子のネジをしっかり締め、電線が抜けないか確認する
6.ブレーカーを戻して通電確認をおこなう
7.テスターで電圧を測定し、正常に動作するか確認して完了
白線と黒線を逆に接続すると極性が反転し、機器の誤作動や故障の原因となる場合があるため注意が必要です。
VVFケーブルの被覆を剥く際は、コンセント裏面のストリップゲージに合わせて規定の長さに調整し、端子にしっかりと固定してください。
●2口コンセントのつなぎ方|送り配線と渡り配線の違いを理解する
2口コンセントでは、送り配線と渡り配線の2つの方法があります。両者の特徴は以下のとおりです。
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項目 |
送り配線 |
渡り配線 |
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特徴 |
・既存コンセントの端子を利用して次のコンセントへ配線を延長 ・配線がシンプルで壁内のスペースを有効活用できる |
・既存コンセントから新たなケーブルを引き出して分岐 ・複数のコンセントを一度に増設しやすい |
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注意点 |
・端子の締め付け不足や接触不良に注意 ・極性(白線=接地側、黒線=非接地側)の確認 |
・分岐点での絶縁処理や電線の太さに注意 ・ブレーカー容量を超えないように管理 |
複数のコンセントを接続する場合、ジョイント部分の処理が甘いと接触不良や発熱の原因となるので注意が必要です。
配線作業では各コンセントの消費電力を計算し、回路全体で15A(1500W)を超えないように計画を立てましょう。
●アース付きコンセントのつなぎ方|緑の線を正しく接地する
アース付きコンセントでは、緑色のアース線を接地端子に接続します。アース線は漏電が発生した際に電気を地面へ逃がす安全装置で、感電や火災を防ぐ役割を果たします。
接地端子にアース線を挿入したら、指定のトルクでネジを締めて確実に固定してください。締め付けが弱いと接触不良により接地効果が失われます。
導体サイズは使用する機器の規格に準拠したものを選び、太さが不足しないよう注意しましょう。施工後はアーステスターで接地抵抗を測定し、規定値以下であることを確認してから使用します。
3.コンセント配線で起こりやすいトラブルと対処法
コンセント配線のトラブルは放置すると火災や感電事故につながる危険があります。家庭で起こりやすい2つのトラブルについて、原因と対処法を解説します。
●ブレーカーが頻繁に落ちるときの確認手順と対策
家庭用の1つのコンセントで使用できる電力の上限は1500Wです。この上限を超えると、過負荷を防ぐためにブレーカーが自動で電気を遮断します。
電子レンジやドライヤー、エアコンなど消費電力の高い家電は、専用コンセントで使用するのが理想です。同じ回路に複数の高負荷機器を接続すると、すぐに容量オーバーになります。
対策は、家電を別の部屋のコンセントに分散させて使用する方法です。不具合が解消されない場合は、電気工事士に相談して配線を確認し、状況に合わせて専用回路を増設してもらいましょう。
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●コンセントやコードが熱を持つときの原因と防ぎ方
コンセントやコードが熱を持つ主な原因は以下のとおりです。
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原因 |
防ぎ方 |
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コンセント内部のバネが劣化 |
劣化したコンセントは早めに交換する |
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定格容量超過 |
消費電力を確認し、1500W以内で使用する |
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コードの劣化 |
傷んだコードは使わず新しいものに交換する |
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コードを束ねて使用 |
束ねずに伸ばして使う |
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コードの根元が折れ曲がる |
無理に折らず、ゆとりを持たせて配線する |
発熱の主な原因は、プラグの接触不良や定格容量を超えた使用、コードの劣化など誤った使い方です。トラブルを防ぐために正しく使うことが大切です。
発熱が続く場合は直ちに使用を中止し、電気工事業者に点検を依頼しましょう。
4.コンセントの配線をスッキリ見せるやり方

まとまりのない配線は部屋の印象を損ねる原因になります。ここでは、配線をスッキリさせる3つの方法を紹介します。
●配線カバーやモールでケーブルを隠す
配線カバーやモールは、壁や床に沿ってケーブルを通し、空間をスッキリ見せられる便利な製品です。壁際に這わせれば配線が視界に入りにくくなり、部屋全体がスッキリと見えます。
色やデザインは部屋のインテリアに合わせて選べます。白い壁なら白色、フローリングなら木目調といったように、周囲に馴染む色を選ぶとより自然に仕上がるでしょう。
賃貸住宅でも使いやすいテープ固定型なら、壁に穴を開けずに取り付けられます。粘着テープで貼り付けるだけなので、退去時に剥がしても跡が残りにくく安心です。
●ケーブルの長さを調整してまとめる
余分なケーブルは束ねて短く見せると、配線まわりがスッキリします。以下の整理用アイテムを活用すれば、必要な長さだけ出して、余ったケーブルはまとめて収納できます。
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アイテム |
特徴 |
活用シーン |
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ケーブルクリップ |
取り外しが簡単で、頻繁に抜き差しする機器に便利 |
PC周辺機器やスマホ充電ケーブルの整理 |
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結束バンド |
複数のケーブルを一度にまとめられる |
本数が多いケーブルをスッキリ束ねたいとき |
束ねる際は、熱がこもらないよう緩めに巻くのがポイントです。とくに消費電力が高い家電のケーブルをきつく束ねると、熱が蓄積して発火リスクが高まります。
●ケーブルボックスで電源まわりを整理する
ケーブルボックスは電源タップや余ったケーブルをまとめて収納できる箱型のアイテムです。電源タップごと箱に入れれば、コンセントまわりのごちゃつきが一気に解消されます。
蓋付きのボックスならホコリの侵入を防げるため、トラッキング火災のリスクも軽減できます。定期的な掃除の手間も省けて、安全性と利便性を両立できるでしょう。
デザイン性の高いボックスを選べば、インテリアに溶け込んで生活感を隠せます。木製や布製など、部屋の雰囲気に合わせて選びましょう。
5.Jackery(ジャクリ)のポータブル電源があれば、どこでもコンセントを増設&配線をスッキリできる

コンセントの配線問題を解決するなら、Jackery(ジャクリ)のポータブル電源がおすすめです。ポータブル電源とは持ち運びできる大容量バッテリーで、壁のコンセントがない場所でも家電を使用できます。
延長コードや配線モールを這わせたり、配線工事をしたりする必要がないため、手間はかからず部屋の見た目もスッキリ保てます。さらに、室内だけでなくさまざまなシーンで活用できるのが魅力です。
・キャンプや車中泊:テント内や車内で照明・扇風機・電気毛布などを使用できる
・ベランダやガーデニング:屋外でコーヒーメーカーや電動工具を使える
・ワーケーション:カフェや公園でノートPCやモバイルモニターを長時間使用できる
・防災・停電対策:冷蔵庫やスマホの充電、照明の確保など緊急時の電源として活躍
・DIYや屋外作業:電動ドリルやサンダーなどの工具を電源のない場所で使える
・イベントや撮影:屋外での音響機器やカメラ機材の電源確保に便利
Jackery(ジャクリ)のポータブル電源は、全世界で500万台以上の販売実績を誇る信頼のブランドです。コンセント増設や配線の見直しを検討しているなら、Jackery(ジャクリ)のポータブル電源で快適な電源環境を整えましょう。
6.コンセント配線についてのよくある質問
コンセント配線についてよくある質問とその回答をまとめました。
●100vのコンセントの繋ぎ方は?
100vコンセントは、白線を接地側(WまたはN)、黒線を非接地側(L)に接続します。
・白線:接地側(電気が戻る側)
・黒線:非接地側(電気が流れる側)
配線ルールを間違えると、極性が反転して機器の誤作動や故障の原因となります。ただし、作業は電気工事士の資格が必要で、無資格者は施工できません。
誤配線は感電や火災のリスクを伴うため、知識として理解するだけに留め、作業は有資格者に依頼しましょう。
●コンセント配線図は家庭でも確認しておいた方がいい?
配線図は主に業者が使用するため確認の必要はありませんが、以下のような内容を理解しておくと安心です。
・単線図:電気の流れを簡略化した図
・複線図:実際の配線を詳細に示した図
業者とのやり取りでは、どこにどう配線するかを説明してもらう際に配線図の知識があると理解しやすくなります。
増設や修理を依頼する前に、自宅の配線状況を把握しておけば、見積もりや工事内容の確認もスムーズに進むでしょう。
●配線の色(黒・白・緑)は何を意味していますか?
配線の色には、安全のため以下のような役割が決められています。
・黒線:非接地側(電気が流れる線)
・白線:接地側(電気が戻る線)
・緑線:アース線(漏電時に電気を逃がす線)
黒線には常に電気が流れており、白線は電気が戻っていく道筋です。緑線は漏電が発生した際に電気を地面へ逃がす安全装置として機能します。
色分けルールは世界共通ではありませんが、日本国内では統一されているため、配線作業では必ず守ってください。
●1つのコンセントから渡り配線でいくつまでコンセントは増設できますか?
渡り配線で複数のコンセントを増設できますが、合計消費電力が1500Wを超えないよう注意しましょう。
一般家庭の1回路で使える電力は1500W(15A)までが目安で、超えてしまうとブレーカーが落ちたり発熱したりします。
増やしすぎると火災リスクも高まるため、接続する機器の消費電力を計算してから増設します。高負荷の家電を使う場合は、専用回路の設置を検討すると安全です。
●壁の中の配線がわからない場合、どう調べればいいですか?
壁の中の配線を調べる方法は以下のとおりです。
・専門業者は配線探知器などの専用器具で配線ルートを確認できる
・配線図を見て大まかな位置を理解する
壁内の配線を誤って傷つけると感電や漏電の危険があります。DIYで壁に穴を開けて確認するのはリスクが高いため、コンセント増設や配線確認が必要な場合は電気工事士に相談してください。
まとめ
コンセント配線の分岐方法には、延長コードや電源タップ、壁内配線のような専門的な工事までさまざまな選択肢があります。
消費電力1500Wを超えないよう注意し、発熱や火災のリスクを避けるには正しい使い方が欠かせません。また、配線をスッキリ見せるには、配線モールやケーブルボックスの活用も有効です。
Jackery(ジャクリ)のポータブル電源なら、工事不要で好きな場所に電源を確保でき、配線の悩みを解決できます。防災対策と快適な暮らしを両立できる心強いアイテムとして、早めに導入しましょう。
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