USB PDとは?対応機器ごとの見分け方やデメリットをわかりやすく解説

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「USB PD対応って書いてあるけど、結局どれを選べばいいの?」このような疑問や不安を感じていませんか?充電器やケーブルなど対応機器の見分け方がわかれば、もっと安全で快適な充電環境が手に入ります。

 

本記事ではUSB PDの基本から対応機器ごとの見分け方、デメリットをわかりやすく解説します。安全面や耐久性を知って、無駄な出費やトラブルを未然に防ぎましょう。

目次
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1.USB PDとは?特徴と従来のUSB充電との違いをわかりやすく解説

USB PDは、従来のUSB充電と比較して何が違うのでしょうか。ここではUSB PDの特徴と、従来のUSB充電との違いをわかりやすく解説します。

「USB Power Delivery」の略で、従来のUSB充電より急速充電ができる

USB PDとは「USB Power Delivery(パワーデリバリー)」の略で、従来のUSB充電規格よりも高出力での急速充電が可能な規格です。従来のUSB充電では、以下のような電力供給しかできませんでした。 

USB2.0:最大2.5W(5V/500mA)

USB3.0(3.2 Gen1):最大4.5W(5V/900mA)

USB BC1.2:最大 7.5W(5V/1500mA) 

その点現在最新のUSB PDは、最大240W(48V/5A)まで電力を供給できます。

最大240Wまで給電できるため、ノートパソコンも充電できる

USB PDは、最大240W(48V/5A)までの高出力に対応しています。これによりノートパソコンなど、大きな電力を必要とするデバイスの充電も可能です。 

従来のUSB PD規格は上限100W(20V/5A)程度であり、ノートパソコンよりも中〜小型機器向けが中心でした。現在はMacBookなど多くのノートパソコンがUSB PD対応のUSB-Cポートを搭載しています。充電器やケーブルの組み合わせが適切であれば、従来のACアダプターを使わずUSB-Cケーブル1本での充電が可能です。 

ただしすべてのノートパソコンが240W給電に対応しているわけではありません。対応する充電器やケーブルなどを揃えることが必要です。

ケーブルやコネクタが「Type-C」に統一されているため、持ち物を減らせる

USB PDは充電に使用するケーブルやコネクタが「Type-C」に統一されているため、充電に使用する持ち物を減らせるようになります。 

従来はデバイスごとに、Micro USBや独自端子などのケーブルを持ち歩く必要がありました。しかしUSB PD対応機器が増えた現在では、Type-Cケーブル1本で済むようになっています。旅行や出張、災害時の備えとしてもケーブルが1種類で済むのは大きなメリットです。

2.USB PD対応機器の見分け方【充電器・ケーブル・モバイルバッテリー・スマホ・ノートパソコン】

USB PD対応機器の見分け方【充電器・ケーブル・モバイルバッテリー・スマホ・ノートパソコン】

USB PD対応かどうかを見分けるポイントは、製品の種類ごとに異なります。ここでは、以下の5つのデバイスの確認方法をわかりやすく解説します。 

充電器

ケーブル

モバイルバッテリー

スマホ

ノートパソコン 

機器選びで失敗しないためにも、1つずつチェックしてみてください。

USB PD対応充電器の見分け方

USB PD対応充電器を見分けるポイントは、以下の3つです。 

本体やパッケージに「USB PD」「Power Delivery」と書いてある

USB Type-Cポートがある

出力表に「5V」「9V」など複数の電圧の記載がある 

「USB PD」または「Power Delivery」の表記があれば、USB PD規格に準拠した製品です。Type-C経由で電力を供給するため、Type-Aポートのみの充電器は間違いなく非対応です。

また、スペック表の「出力」に複数の電圧が記載されていれば、機器に応じた可変出力に対応している証拠となります。

USB PD対応ケーブルの見分け方

USB PD対応ケーブルを見分けるポイントは、以下の3つです。 

パッケージに「60W対応」「100W対応」など電力数の記載がある

「eMarker」が内蔵しているケーブルか確認する

端子形状が「USB-CtoC」になっている 

パッケージに「60W対応」「100W対応」などの電力表記があるのは、高出力充電に対応している証です。また60W以上の給電には「eMarker」と呼ばれるICチップが内臓されているため、確認しましょう。

参考:Total Phase「USB Type-CケーブルのEマーカーとは何か?どのように機能するのか?」 

USB PD対応モバイルバッテリーの見分け方

USB PD対応モバイルバッテリーを見分けるポイントは、以下の4つです。 

本体やパッケージに「USB PD」「Power Delivery」と書いてある

出力(OUT)ポートがUSB Type-Cになっている

出力表に「5V」「9V」など複数の電圧の記載がある

「30W」「45W」など高出力の表記がある 

「30W」や「45W」などの高出力表記があれば、タブレットやノートPCの充電にも対応できるモバイルバッテリーの可能性が高いです。

USB PD対応スマホの見分け方

USB PD対応スマホを見分けるポイントは、以下の4つです。 

公式サイトや取扱説明書に「USB PD対応」と書いてある

充電しているとき画面に「急速充電」や「高速充電」の表示が出る

最大出力(20W・25Wなど)の記載がある 

メーカーの公式サイトや取扱説明書に「USB PD対応」などの記載があれば、対応機種と判断できます。また製品ページに「最大25W対応」などの記載がある場合も、USB PDの仕様範囲に該当する出力であるためUSB PD対応スマホの可能性が高いです。

USB PD対応ノートパソコンの見分け方

USB PD対応ノートパソコンを見分けるポイントは、以下の3つです。 

製品のパッケージや取扱説明書に「USB PD対応」と記載されている

メーカーの公式サイトの製品ページで、USB PDに対応しているものか確認する

自分で調べてもわからない場合は、直接メーカーに問い合わせる 

製品のパッケージや取扱説明書、メーカーの公式サイトなどで「USB PD対応」と記載があればUSB PD対応と判断できます。自分で調べて判断できないときは、購入前にメーカーへ直接問い合わせて確認してみてください。

3.安全面や耐久性が不安?USB PD充電のデメリット

USB PDにはメリットだけではなく、安全面や耐久性に関するデメリットも存在します。ここでは、USB PD充電における代表的なデメリットを紹介します。

高出力充電は熱がこもりやすく、発煙や発火のリスクがある

USB PDは最大240Wという高出力に対応しているゆえに熱がこもりやすく、発煙や発火のリスクがあります。実際にモバイルバッテリーや充電器に関する火災事故の発生例が報告されています。

参考:nite『モバイルバッテリー「6.高温下に放置して発火」』 

充電中にスマートフォンを使用したり狭い場所で充電したりすると、熱がこもりやすくなりますので要注意です。

充電すればするほどバッテリーの劣化が進んでしまう

USB PD対応機器は、充電すればするほどバッテリーの劣化が進みやすくなります。高出力・短時間での充電は発熱を伴いやすく、劣化が加速します。使用頻度が多いスマートフォンやノートパソコンは、とくにバッテリーの寿命が短くなりやすい電子機器です。

対応機器やケーブルの選定が難しい

すべてのUSB Type-C製品がUSB PDに対応しているわけではないため、対応機器やケーブルの選定が難しいです。 

たとえば見た目が同じUSB-C端子でも、以下のようなものが市場には混在しています。 

USB PDに対応していない充電器

最大出力が低くてノートPCを充電できないモバイルバッテリー

eMarkerが非搭載で100W出力できないケーブル 

またスマートフォン側はPD対応であっても、充電器やケーブルが非対応であれば急速充電は作動しません。すべての機器がUSB PDに対応している必要があるため、組み合わせによっては想定通りの速度で充電できないケースもあります。

安全基準を満たしていない粗悪品の可能性がある

安全基準を満たしていない粗悪品が市場に出回っている点には要注意です。とくに格安の充電器やケーブルの中には、必要な安全設計や保護機能を備えていないものも存在するといわれています。 

安全性の高い製品の目安は、以下です。 

PSEマーク(日本国内で必須)がついている

メーカー公式サイトや認証情報の記載がある

実績のあるメーカーや販売元から購入する

※PSEマーク:電気用品が日本の電気用品安全法の安全基準を満たしていることを示す日本のマーク

USB PDのメリットを活かすためにも、安全性に配慮された正規品を選ぶようにしましょう。

4.USB PD対応の「Jackery Explorer 100 Plus」「Jackery ポータブル電源 240 New」なら、安全性や耐久性も高くて安心

USB PD対応の「Jackery Explorer 100 Plus」「Jackery ポータブル電源 240 New」なら、安全性や耐久性も高くて安心

USB PDは便利な一方で、発熱やバッテリー劣化など安全性や耐久性への不安がつきものです。そこでおすすめなのが、コンセントが使える持ち運び可能な蓄電池「ポータブル電源」です。 

そのなかでもJackery(ジャクリ)」は13年間で500万台を販売した実績があるリーディングブランドで、以下のモデルはUSB PD対応です。 

Jackery Explorer 100 Plus

・手の平サイズで、飛行にも持ち込める唯一のJackery製品

・約2,000回サイクルの長寿命

Jackery ポータブル電源 240 New

・ACコンセント出力も搭載

・約4,000回サイクルの長寿命



またJackery(ジャクリ)のポータブル電源は以下のような特徴があります。 

BMSで、バッテリーの電圧・電流や温度を常に自動管理

耐久性と放熱性に優れた素材を使用

PSEや防災製品等推奨品認証などを取得 

安全性や耐久性も高い「Jackery(ジャクリ)のポータブル電源」があれば、万が一の災害時にも重宝します。この機会に導入してみてはいかがでしょうか。

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5.USB PDに関するよくある質問

USB PDに関するよくある質問とその回答をまとめました。

USB PDの規格にはどんな種類があるのか、一覧で見れますか?

以下のとおり、USB PDの規格には最大60Wに対応する「SPR」と最大240Wに対応する「EPR」の2種類があります。

USB PD規格

利用可能な電流と電圧

PDP範囲

SPR

・3A:5V、9V、15V、20V

・5A:20V

・15〜60W

・60〜100W

EPR

・3A:5V、9V、15V、20V

・5A:20V

・5A:28V、36V、48V

・15〜60W

・60〜100W

・100〜240W

※PDP:USB PD規格において、供給できる最大電力(W)

対応する電圧・電流を理解しておくことで、スマホからノートパソコンまで最適な充電環境を選べます。

USB PD対応のスマホを一覧で見れますか?

USB PD対応スマホの具体的な一覧を提示する公的なリストはないため、一覧で見られません。以下の方法で確認するのが一般的です。

メーカー公式サイトの製品仕様ページで確認する

取扱説明書・同梱の仕様表で確認する

製品レビューサイトや比較サイトを参照する

信頼できる情報源を自分で確認しましょう。

USB PD対応ケーブルの選び方や注意点は?

USB PD対応ケーブルを選ぶ際は、機器が必要とする電力(W数)に対応しているかを確認しましょう。パッケージに「60W対応」「100W対応」などの記載があるものを選んでみてください。とくに「eMarker内蔵」の表記があるものは、60Wを超える高出力に対応したケーブルの可能性が高いです。

さらに、端子形状は「USB-CtoC」であることが必要です。USB-A端子のケーブルは USB PD非対応なので注意しましょう。

まとめ

USB PDは最大240Wまでの高出力に対応し、従来のUSB充電より急速充電ができます。その一方で安全性や耐久性で課題があるため、正しい知識を身につけて安全かつ快適な充電環境を整えることが必要です。

USB PD対応のポータブル電源があれば、安全性や耐久性の課題も解消します。Jackery(ジャクリ)のポータブル電源を導入し、いつでも好きな場所で安心して充電できるようになりましょう。

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