1.マンションで地震が起きても避難が不要と言われる3つの理由
地震が発生すると「避難しなきゃ!」と思うかもしれません。しかしマンションでは以下の理由から、外へ出るより自宅に留まるほうが安全な場合もあります。
・ほとんどのマンションは耐震5強レベルでも倒壊しない強い建築基準
・避難所は衛生面・環境面・防犯面に問題がある
・エレベーターが使えなくなると移動が大変
それぞれ詳しく見ていきましょう。
①ほとんどのマンションは耐震5強レベルでも倒壊しない強い建築基準
マンションは厳しい耐震基準をクリアしており、強固な構造になっています。1981年6月1日以降に建築申請されたマンションは「新耐震基準」に基づいており、震度6強~7の地震にも耐えられる設計です。
参考:新・旧・現行 『耐震基準』とは | RENOVATION PORTAL(リノベーション協議会)
さらに高層マンションでは「免震」や「制震」(※1)といった技術を採用しており、揺れを最小限に抑える工夫がされています。
(※1)免震:建物と地盤の間に特殊な装置を設置して地震の揺れを建物に伝わりにくくする構造のこと
制震:建物内部に特殊な装置を組み込んで地震の揺れを吸収し、建物の振動を低減させる技術のこと
つまり、過去に類を見ないほどの大地震でない限り、マンションが倒壊する可能性は低いでしょう。
②避難所は衛生面・環境面・防犯面に問題がある
避難所は地域の全住民を収容できるわけではありません。以下は東京都の人口と避難所の収容人数をまとめたものです。
・避難所・福祉避難場所:約3,200か所/約1,600か所(※2)
・避難所の収容人数:320万人(※2)
・東京都の人口:約14,000万人(※3)
(※2)参考:避難所及び避難場所|東京都防災ホームページ
(※3)参考:東京都の人口(推計)-令和4年12月1日現在
この数字からも分かるように、東京都の人口に対して避難所の数や収容可能人数は十分とはいえないでしょう。
また多くの人が避難してくると、衛生環境は悪化しやすくなります。例えば2011年3月に起きた東日本大震災では、トイレが流れず使用できない避難所も多くありました。
参考:内閣府 防災情報 避難所における トイレの確保・管理ガイドライン
環境面でのストレスも避難所の課題の一つです。多くの人が密集するため、話し声や物音が気になり、十分に休めないことがあります。さらにプライバシーの確保が難しく、盗難や犯罪のリスクもあるため、防犯面においても細心の注意を払う必要があります。
③エレベーターが使えなくなると移動が大変
地震を検知した際や停電時にはエレベーターが停止し、避難時には階段を利用しなければなりません。
特に以下の人にとっては、階段を降りるのは大きな負担となります。
・高層階に住んでいる方
・高齢者
・子ども
・妊婦
荷物を持って階段を降りると、転倒のリスクが高まります。移動時の危険性も考えて、避難が必要かどうかを慎重に判断することが大切です。
このように、マンション特有の構造や避難所でのリスクを考慮すると、安易に避難所へ向かうのは適切ではない場合もあります。無理のない範囲で在宅避難を心がけることが、安全確保の第一歩です。
関連人気記事:マンションが地震で倒壊する可能性は?地震発生時の4つのリスクを解説
2.マンションにいても避難したほうが良い5つのケース|どこに逃げる?

「マンションは耐震性があるから避難しなくても大丈夫」と安心しきるのは危険です。状況によっては速やかに避難したほうが安全な場合もあります。
・建物に大きな損傷がある場合
・火災やガス漏れの危険がある場合
・ライフラインの停止が長期間続く場合
・余震や二次被害の危険が高い場合
・自治体や管理会社から避難指示が出た場合
ここではマンションにいても避難が必要な5つのケースについて詳しく説明します。
①建物に大きな損傷がある場合
マンションにひび割れが入ったり、柱や梁などの構造部分に損傷が見られたりする場合は、建物の強度が著しく低下している可能性があります。倒壊のリスクも高まるため、管理会社や自治体の指示を待たず、早めにマンションの外に逃げるようにしましょう。
②火災やガス漏れの危険がある場合
火災の発生やガス管の破損が起こった場合は、マンション内に留まるのは危険です。速やかに屋外へ避難しましょう。
ただし煙や炎は下の階から上昇します。避難経路がふさがれている場合は屋上へ移動し、救助を待つのが安全です。
③ライフラインの停止が長期間続く場合
水道が止まると、トイレや飲み水の確保が難しくなり、衛生環境が悪化します。水を確保しようと屋外に出ても、電気が止まっていればエレベーターは使えず、階段を何度も上り下りしなければなりません。重たい水を持っての移動は大きな負担となります。
ライフラインの停止が長引く場合は、状況を見極めて避難を検討することが大切です。
④余震や二次被害の危険が高い場合
大きな地震の後は余震が続き、本震で損傷した建物が倒壊する恐れがあります。津波や土砂崩れなどの二次被害も考慮し、慎重に行動することが大切です。
津波発生時はマンションでも浸水や損壊のリスクがあり、安全とは限りません。また地盤が緩んだ地域では土砂崩れの危険が高まります。特に山の斜面や河川近くのマンションでは早めの避難が必要です。高台や津波避難ビルへ速やかに移動し、安全を確保しましょう。
⑤自治体や管理会社から避難指示が出た場合
地震発生後、自治体やマンションの管理会社から避難指示が出た場合も速やかに従ってください。指示は専門的な判断に基づいており、自己判断で留まるのは危険です。
また避難指示が出ていなくても、周囲の状況に不安を感じたら、避難を検討することが大切です。安全を最優先にし、早めの判断が身を守る鍵となります。
このようにマンションが倒壊していなくても、さまざまなリスクから避難が必要になる場合があります。状況を冷静に判断し、適切な行動を心がけましょう。
3.マンションで地震が起きたときの避難方法
マンションで地震が起きたときの避難方法を3つご紹介します。
・1階に逃げる
・マンション指定の避難場所を目指す
・状況に応じて地域の避難場所に移動する
順番に解説していきます。
●まずは1階に逃げる
揺れが収まったら安全を確認して1階へ移動しましょう。ただしエレベーターは地震で停止するため、使用せず階段を使うのが基本です。建物の損傷が大きい場合や火災の危険がある場合は、1階に避難したあと速やかに屋外へ避難しましょう。
●マンション指定の避難場所を目指す
多くのマンションでは、地震時の避難場所が指定されています。駐車場や中庭などの広いスペースが一時避難場所として設定されていることが多いため、事前に確認しておくことが大切です。避難場所では管理会社や自治体の指示を待ち、周囲の状況を把握しましょう。
●状況に応じて地域の避難場所に移動する
マンションの損傷が激しい場合やライフラインが長期間停止する可能性がある場合は、地域の指定避難所への移動を検討しましょう。特に、火災や津波の危険がある場合はマンション内に留まらず、速やかに指定避難所や高台へ避難することが重要です。避難時は、最低限の荷物を持ち、周囲の状況を確認しながら慎重に移動してください。
これらをしっかり理解しておけば、どのような状況でも冷静に対応できます。いざという時のためも必ず覚えておきましょう。
4.身の安全を守る!マンションで地震が起きた場合の4つの行動

マンションで地震が起きた際に取るべき4つの行動について詳しく解説します。
・落下物から頭を守る
・火の元を確認する
・玄関や非常口を確保する
・大地震発生時には水を流さない
順番に見ていきましょう。
①落下物から頭を守る
地震の揺れによって、家具が倒れたり、本棚の中の物が落下したりする可能性があります。頭を強く打つと大けがにつながるため、揺れを感じたらまず頭を守ることを優先しましょう。
・机の下に身を隠す
・丈夫なカバンやクッションで頭を覆う
・窓ガラスや棚の近くから離れる
落下物による被害を防ぐには、家具の固定や扉付き収納の活用が有効です。揺れで物が飛び出さないよう専用の器具を取り付けましょう。
②火の元を確認する
地震が発生すると火災のリスクが高まります。コンロやストーブを使用している場合は、揺れが収まった後に速やかにガスの元栓を閉めましょう。
ただし揺れが強い場合は、無理に火の元を確認しに行くのは危険です。状況を見極め、安全を最優先に行動してください。
③玄関や非常口を確保する
マンションでは、地震の揺れによって玄関ドアが歪み、開かなくなることがあります。大きな地震が発生した際はすぐに玄関のドアを開けて出口を確保しましょう。
また、非常口や避難経路を事前に確認し、家族と避難計画を共有しておくことも重要です。あらかじめ確認しておけば、緊急時にも落ち着いて避難できるでしょう。
④大地震発生時には水を流さない
大きな地震が発生すると、給水設備や排水管が損傷している可能性があります。損傷した状態で水を流すと、階下への水漏れや汚水の逆流につながることもあります。
管理会社や自治体から指示があるまでは、トイレや洗面台の水は流さないようにしましょう。万が一に備えて、飲料水の備蓄やポータブルトイレの準備をしておくと安心です。
上記のポイントを押さえておけば、地震が来た時も安心して行動ができます。身の安全を守るためにも、しっかりと把握しておきましょう。
5.マンションでの地震対策!準備しておくべき4つのアイテム
マンションで準備しておくアイテムを以下4つご紹介します。
・水や保存食
・ポータブルトイレやウエットティッシュ
・ラジオ
・ポータブル電源
どれもマンションでの生活に欠かせない必需品です。万が一に備えて、早めに準備しておきましょう。
①水や保存食
水は1人1日3Lを目安に、最低1週間、可能なら2週間分を備えましょう。災害時はライフラインの復旧に数日かかるため、一般的に3日分の備蓄が推奨されます。しかし、マンションではエレベーターが停止すると階段移動が必要になり、大きな負担となります。そのため負担を減らすためにも、2週間分を備えておくと安心です。
保存食も2週間分が理想ですが、保管が難しい場合はローリングストックを活用しましょう。ローリングストックとは、普段食べるものを少し多めに買い置きし、消費しながら補充する方法です。この仕組みを取り入れれば、省スペースでも無理なく非常食を備えられます。
②ポータブルトイレやウエットティッシュ
地震で排水管が損傷するとトイレが使えなくなるため、ポータブルトイレを備えておきましょう。ポータブルトイレも2週間分あると安心です。
またウェットティッシュやアルコール除菌シートもあると便利。水が使えなくても手や食器を拭くことができ、衛生を保てます。
③ラジオ
ラジオは停電時の情報収集に役立つアイテムです。電池式や手回し式のラジオを用意しておけば、停電時でも確実に使えます。
「情報収集はスマホで十分では?」と思うかもしれませんが、地震発生時はスマホ回線の通信障害が起こることもあります。ラジオがあればスマホが万が一使えなくなった際にも、安心して情報収集が可能です。
④ポータブル電源
ポータブル電源は持ち運び可能な大容量バッテリーです。複数のポートが搭載されているため、さまざまな機器や家電を同時に使用できます。照明を使いながらスマホを充電することも可能。夜間でも明かりがあれば、動画を視聴しながらリラックスでき、不安を和らげることができるでしょう。
またポータブル電源の容量はさまざまで、エアコンや冷蔵庫を動かせる大容量タイプから、スマホやパソコンの充電に特化したコンパクトなものまで選択肢は豊富にあります。自分に合ったものを備えておくことで、マンションでの避難生活をより快適に過ごせるでしょう。
関連人気記事:マンションの地震対策は大丈夫?行動と備えを知って命を守る対策を
6.Jackeryのポータブル電源があれば、停電時でも電気が使えて安心!
下記の特徴をもつ「Jackery(ジャクリ)」のポータブル電源があれば、突然の地震が来ても確実に電力を確保できます。
・低自然放電技術を搭載し、100%充電の状態でも1年後の放電はわずか5%。長期間の備蓄に最適
・最短60分でフル充電可能な高速充電対応。災害時に充電がなくても短時間で電源を確保できる
・業界トップクラスの軽量&コンパクト設計で持ち運びが簡単。収納しやすく必要な時にすぐ取り出せる
・「防災製品等推奨品認証」を取得しており、安全性と信頼性が証明されている
Jackery(ジャクリ)のポータブル電源は、低自然放電技術ソリューションを搭載しており、「いざという時に充電がない…!」という事態を防ぎ、長期間の備蓄が可能です。
中でも特におすすめなのが、「Jackery Solar Generator 1000 New 100W ポータブル電源 ソーラーパネル」。業界トップクラスの軽量設計で重さはわずか10.8㎏。持ち運びしやすく、家の中や避難所でも快適に使用できます。停電時でもスマホの充電を40回以上、電気毛布の使用が20時間程度可能で、充電切れを気にせず連絡が取りながら寒い時期も暖かく過ごせます。
災害対策にJackery(ジャクリ)のポータブル電源を備えておくのはいかがでしょうか。
7.マンションに地震が起きた際のよくある質問
マンションで地震が起きた際のよくある質問をまとめました。
●地震がきたらマンションのどの階が潰れやすい?
一般的に、耐震基準を満たしたマンションは地震で簡単に崩れることはありません。しかし1階が駐車場や店舗になっている「ピロティ構造」の建物は、過去の地震で損壊しやすい傾向が見られています。
ピロティ構造とは1階部分が壁で囲まれず、柱だけで支えられた開放的な建築様式のこと。壁が少ないため揺れに弱く、強い地震で倒壊のリスクが高まる可能性があります。
実際に阪神淡路大震災で倒壊した建物の中にはピロティ構造のものも多くみられました。
そのためピロティ構造の1階やその付近に住んでいる場合は、耐震補強の有無を確認し安全対策を考えることが重要です。
●地震がきたらマンションは折れる?
大きな揺れでひび割れや亀裂が入ることはあるものの、耐震性の高い建物が突然真っ二つに折れることはほぼありません。ただし耐震基準によって損傷や倒壊のリスクは異なります。
耐震基準 |
震度5程度 |
震度7程度 |
旧耐震基準(1981年5月以前) |
倒壊しない |
基準なし(倒壊リスクあり) |
新耐震基準(1981年6月以降) |
軽度なひび割れ程度 |
倒壊しない |
1981年以降の新耐震基準で建てられたマンションは、大地震にも耐えられる構造です。反対に1981年5月以前の「旧耐震基準」で建てられたマンションは、震度7クラスの地震で倒壊のリスクが高まる可能性があります。大地震が不安な場合は、耐震性の高い住まいへの引っ越しを検討するのも一つの選択肢です。
●津波がきたらマンションにいても避難したほうがいい?
津波の危険がある場合はマンションから離れ、高台や指定避難所へ避難することが推奨されています。津波が直撃すると1階や地下が浸水し、建物自体が損傷する可能性があります。特に、大規模な津波では建物の強度に関係なく流されるリスクもあるため注意が必要です。
避難が難しい場合はできるだけ上層階へ移動し、安全を確保しながら状況を確認するようにしましょう。
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まとめ
地震発生時、マンションでの避難は状況に応じて判断してください。耐震性の高い建物なら自宅避難が可能ですが、火災・津波・建物損傷がある場合は速やかに避難しましょう。避難時はエレベーターを使わず、階段を利用し、安全に移動することが大切です。また避難所は収容人数に限りがあるため、自宅での備えを万全にしましょう。
Jackery(ジャクリ)のポータブル電源なら、自然放電が少なく持ち運びも簡単で非常用電源に最適。あらかじめ充電しておけば、突然の停電時もすぐに対応でき、好きな部屋で使用できます。災害対策として、Jackery(ジャクリ)のポータブル電源を検討してみてはいかがでしょうか?