【企業向け】緊急連絡網の作り方は?無料テンプレートも配布

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小学校や中学校でお馴染みの「緊急連絡網」は、企業でも災害時の安否確認や事業継続において欠かせない仕組みです。しかし、多くの企業から「緊急連絡網を作っていない」「連絡網は作ったものの、実際に機能するか不安」という声も聞かれます。

 

この記事では、企業向けの緊急連絡網の作り方から運用方法まで、実践的なポイントを解説します。また、すぐに使える無料のエクセルテンプレートも配布していますので、ご活用ください。

目次

1.緊急連絡網の作り方のポイント|無料のテンプレートも配布

 

企業の緊急連絡網は小学校や中学校とは違い、より複雑な組織の構造を考慮する必要があります。部署間の連携、業務の優先順位など、企業特有の要素を踏まえて作成しなければいけません。 

ここでは、効果的な緊急連絡網を作成するための4つのポイントを解説します。

「緊急連絡先」を全員分かつ複数記載する

緊急連絡網でもっとも重要なのは「確実に連絡が取れること」です。そのため、従業員一人につき複数の連絡先を記載するのが基本となります。 

携帯電話番号(主要な連絡手段)

固定電話番号(自宅または実家)

メールアドレス

家族の連絡先(緊急時のみ使用) 

病院などの医療機関や24時間の交代制勤務を採用している企業では、勤務シフトに応じた連絡先の優先順位も設定しましょう。たとえば、夜勤中のスタッフには携帯電話を優先し、日勤帯の事務スタッフには内線電話を優先するなど、職種や勤務形態に応じた工夫が必要です。

連絡の順番をわかりやすくフローチャートでまとめる

緊急時には冷静な判断が難しくなるため、誰が誰に連絡するかを明確に視覚化してください。フローチャート形式でまとめると、一目で連絡の流れが理解できます。企業ごとに調整する必要はありますが、一般的な連絡フローは以下のとおりです。

1.災害発生を確認した最初の社員が上司に連絡

2.上司が部門長に連絡

3.部門長が経営陣に連絡

4.各部門長が部下に連絡を展開

このとき、各フローでの連絡人数を3~5人程度に限定すると、漏れなく効率的に情報を伝達できるでしょう。また、連絡が取れない場合の代替ルートも明記しておくことで、連絡の遅延を防げます。

緊急連絡網の発動条件を決める

緊急連絡網を発動するタイミングを明確に定めておかないと、軽微な事案でも全社員に連絡が回ってしまい、業務に支障をきたす可能性があります。以下のような条件を事前に設定しておきましょう。

震度5弱以上の地震が発生した場合

台風による警報が発令された場合

大規模な停電が発生した場合

交通機関が広範囲で停止した場合

社内で重大な事故が発生した場合

また、連絡網の発動権限を持つ責任者も明確に定める必要があります。経営層や総務部門の管理職が権限を持つケースが多いですが、夜間や休日の対応も考慮して複数名を指定しておくのがおすすめです。

【無料】エクセルで作る緊急連絡網のテンプレート

実際の緊急連絡網の作成例として、以下のような項目を含むエクセルテンプレートを用意しました。

社員番号・氏名

所属部署・役職

携帯電話番号(優先度1)

自宅電話番号(優先度2)

メールアドレス(優先度3)

緊急連絡先(家族など)

連絡順序(誰から誰へ)

備考(特記事項)

このテンプレートは無料でダウンロードできるので、自社の状況に合わせてカスタマイズしてご利用ください。フローチャート形式で、誰でも分かりやすいテンプレートとなっています。定期的な更新も忘れず、常に最新の情報を保つようにしましょう。

エクセルテンプレートをダウンロード

2.緊急連絡網の基本の連絡方法は何にすべき?|複数確保がポイント

 

緊急連絡網の基本の連絡方法は何にすべき?|複数確保がポイント

緊急時の連絡手段は、状況に応じて使い分ける必要があります。各連絡方法のメリット・デメリットを理解し、複数の手段を確保しましょう。

各見出しでは簡単にメリデメを表でまとめ、どのシーンに適しているか紹介

電話:確実性は高いが時間がかかる

メリット

デメリット

直接相手と話せるため確実性が高い

声で安否が確認できる

詳細な状況確認が可能

1件ずつかけるため時間がかかる

回線混雑で繋がりにくいことがある

記録が残らない

電話はもっとも基本的な連絡手段ですが、大規模災害時には回線が混雑しやすい欠点があります。重要な役職者や初動対応メンバーへの連絡に限定して使用するのがおすすめです。

メール:一斉配信できるがフィルタリングされるリスクも

メリット

デメリット

一斉配信で効率的

記録が残る

添付ファイルで詳細情報を送れる

迷惑メールフィルターに引っかかるリスクがある

開封確認が難しい

インターネット環境が必要

メールは一度に多くの人に情報を送れる便利な手段ですが、迷惑メールフィルターに引っかかるリスクがあります。そのため、確実に読まれるかは保証されません。重要な連絡は、他の手段と併用することをおすすめします。

SMS:ネットが使えなくても電話回線で連絡できる

メリット

デメリット

電話回線で送信可能

携帯番号があれば送信可能

開封の可能性が高い

文字数制限がある(70文字程度)

画像や添付ファイルが送れない

グループ送信・一斉送信できない

開封確認が難しい

電話回線を使うSMSは災害時でも比較的繋がりやすく、安否確認の成功率が高いです。ただし詳細な情報伝達には向かないため、「無事です」「出社可能」などの簡潔な連絡に使用すると良いでしょう。

チャットツール・LINE:少人数ならもっともラクな方法

メリット

デメリット

リアルタイムでやり取り可能

グループチャットで情報共有が簡単

既読確認機能がある

プライベートツールを使う場合、セキュリティ面での懸念がある

チャットツールは日常的に使い慣れている人が多く、操作が簡単です。ただし、個人用のLINEなどを企業の連絡手段として使用するのは、情報漏洩などのリスクがあります。可能であれば会社専用のチャットツールを導入しましょう。個人用のLINEなどを使う場合は、あくまで災害用の連絡手段に用途を限定するのがおすすめです。

関連人気記事:災害時にLINEは繋がる?使うデメリット3選や安否確認のポイントを解説

安否確認システム・アプリ:複数拠点のある企業はほぼアプリ1択

メリット

デメリット

自動で安否確認を送信

集計・レポート機能が充実

GPS機能で位置情報も把握可能

導入・運用コストがかかる

事前登録が必要

システム障害のリスク

ある程度規模が大きく、複数拠点を構える企業は安否確認システムを導入しましょう。初期投資は必要ですが、拠点をまたいで一斉に安否確認の連絡と集計ができます。「迅速に復旧して事業を継続する」という観点から、導入しておくべきツールです。

関連人気記事:おすすめの安否確認システム7選|機能やメリット・無料のシステムも紹介

3.緊急連絡網運用時の注意点

 

緊急連絡網は作成して終わりではありません。トラブル防止と実際のスムーズな運用に向けた準備が必要です。ここでは、運用時に気をつけるべき3つのポイントを解説します。

個人情報保護の対策をする

緊急連絡網には従業員の個人情報が多く含まれるため、以下のような適切な管理が必要です。

パスワード付きのエクセルファイルで保存

アクセス権限を必要最小限に限定

印刷物は施錠できる場所に保管

退職者の情報は速やかに削除

年に1回は情報の棚卸しを実施

個人情報保護法にもとづき、収集する情報の利用目的を明確にし、本人の同意を得ることも忘れてはいけません。緊急連絡網への記載について、入社時に同意書を取得しておくと良いでしょう。

集計や報告の方法もマニュアル化しておく

緊急時には、単に連絡を回すだけでなく、その結果を上長に集計・報告する必要があります。以下のような項目をマニュアル化しておきましょう。

安否確認の集計方法(エクセル、専用システムなど)

報告のタイミング(1時間ごと、3時間ごとなど)

報告先と報告内容のフォーマット

未確認者への追加連絡の手順

最終報告書の作成方法

これらを事前に決めておくことで、混乱した状況でもスムーズに情報をまとめることができます。ちなみに安否確認システムを導入しておけば、自動集計されるので集計作業の必要は基本的にありません。

「つながらなかった時のルール」を決めておく

「つながらなかったらどうすればよいか」のルールが明確でないと、連絡が滞って安否確認や業務の復旧が遅れてしまいます。以下のようなルールを設定しましょう。

3回電話してつながらない場合は次の連絡先へ

30分待っても返信がない場合はSMSを送信

それでも連絡が取れない場合は上司に報告

最終的には緊急連絡先(家族)に連絡

最低でも年に1回は緊急連絡網のテストを実施し、実際に機能するか確認するのがおすすめです。改善点があれば速やかに修正することで、より「スピーディーかつ確実に連絡が取れる」緊急連絡網が完成します。

4.円滑な緊急連絡のために「ポータブル電源」で停電対策しよう

 

緊急連絡網を確実に機能させるためには、通信機器の電源確保が不可欠です。大規模災害時には停電が発生することも多く、充電切れで連絡が取れなくなるケースも少なくありません。

そこで、持ち運べる非常用電源「Jackery(ジャクリ)ポータブル電源」を用意しておけば、停電時でも以下のようなオフィスの機器が動きます。

スマホの充電

ノートパソコンの稼働

Wi-Fiルーターの稼働

非常用照明の点灯

ラジオやテレビでの情報収集

そのほかにも電気毛布で暖を取ったり、ケトルでお湯を沸かしたりすることも可能。従業員の身の安全を守りつつ、オフィス内での避難生活のストレスを軽減できます。

さらに、ソーラーパネルと組み合わせれば、長期間の停電にも対応可能です。企業の防災対策として、各部署に1台ずつ配備しておくことで、緊急時の最低限の通信インフラを確保できます。緊急連絡網とあわせて導入し、より確実な安否確認体制を構築しましょう。

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まとめ

 

企業における緊急連絡網は、災害時の安否確認や事業継続において極めて重要な役割を果たします。改めて重要なポイントをまとめると以下のとおりです。

従業員一人につき複数の連絡先を記載する

フローチャートで連絡順序を明確化する

発動条件を明確に定める

複数の連絡手段を組み合わせる

個人情報保護に配慮した運用を行う

定期的にテストを実施して改善する

本記事で提供している無料のエクセルテンプレートも活用し、自社の防災対策を強化してみてください。

また、停電対策としてJackery(ジャクリ)ポータブル電源を導入すれば、より確実な連絡体制を構築できます。スマホ・パソコン・ルーターなどオフィス機器の使用はもちろん、従業員の命と生活を守るための暖房器具や調理器具の動作もカバー。非常用電源として、オフィスに最低1台備えておきましょう。

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