1.【連絡手段5選】災害時に家族へ生存を伝える方法
災害時に安心して家族と連絡を取る手段を5つ紹介します。
・災害用伝言ダイヤル
・災害用伝言板(web171)
・LINEでの安否確認方法
・携帯電話会社ごとの災害用伝言板サービス
・【デマ注意!】SNSでの災害情報確認
それぞれの要点を押さえていきましょう。
①災害用伝言ダイヤル
災害用伝言ダイヤルは、NTTが提供している緊急時用の録音機能です。次の方法で音声を録音・再生することができます。
・【171】を押す
・音声録音なら【1】、再生なら【2】を押す
・暗証番号ありの録音なら【3】、再生なら【4】を押す
・連絡を取りたい相手の電話番号を押す
・録音・再生が始まる
通常の録音は電話番号を知っている人全員が音声を聞けるため、不特定多数の人に声を聞かれたくない人は、暗証番号を身内と共有しましょう。
②災害用伝言板(web171)
災害用伝言板(web171)は、インターネット上で伝言を文章として登録・確認できる機能です。具体的な手順は次のとおりです。
項目 |
詳細 |
伝言の登録方法 |
● 災害用伝言板(web171)のホームページにアクセスする ● 自分の電話番号をハイフンなしで入力【確認】をクリックする ● ひらがなでの名前、自分の安否状況、伝言を入力する ● 【登録】をクリックする |
伝言の確認方法 |
● 同上 ● 相手の電話番号をハイフンなしで入力して【確認】をクリックする ● 伝言の内容を確認したら任意で返事を入力する |
1伝言の最大文字数 |
100文字 |
また、伝言登録時に相手へ通知する機能もあります。避難所のような人が多い環境で声を出したくない人は、災害用伝言板(web171)がおすすめです。
参考:NTT東日本「災害用伝言板(web171)ご利用方法」
③LINEでの安否確認方法
大規模災害発生時、LINEのホーム画面上には安否確認のアイコンが表示され、次の方法で親しい人と互いに安否を確認できます。
自分の安否を伝える場合 |
安否報告内容を編集・削除したい場合 |
相手の安否を確認する場合 |
● ホーム画面上部の【安否を報告】をタップする ● 【無事】か【被害あり】のどちらかをタップする ● コメントを入力して【安否を報告】をタップする |
● ホーム画面上部の【ステータスを編集】をタップする ● ステータスやメッセージを編集して【公開】をタップする ● 編集画面上部の【ステータスを削除】→【削除】をタップする |
ホーム画面の友だちリスト直下に表示される【安否確認】をタップする |
また、ホーム画面最上部にある【ステータスメッセージを入力】をタップすると、自分の安否状況を簡潔に表示できます。
④携帯電話会社ごとの災害用伝言板サービス
携帯電話会社は、災害用伝言板(web171)と似たサービスを無料で提供しています。伝言の最大登録件数など、いくつかの違いを紹介します。
携帯電話会社 |
最大登録件数 |
対応言語 |
最大文字数 |
ドコモ |
10件 |
日本語、英語
|
100文字 |
au |
10件 |
||
ソフトバンク |
80件 |
||
楽天モバイル |
10件 |
||
Y!mobile |
80件 |
スマホのホーム画面にアプリを増やしたくないという人は、契約会社ごとの伝言板サービスを活用しましょう。
⑤【デマ注意!】SNSでの災害情報確認
SNSは災害情報確認手段として活躍しますが、デマに注意しなければなりません。総務省によれば、能登半島地震が起きてからはX(旧Twitter)に次のようなデマが拡散されています。
・人工地震:約10万件
・窃盗団の出没:約200件
・偽の救助要請:約21,000件
・偽の寄付を募る支援要請:約350件
情報源を確認せずにデマを拡散してしまうと、被災地を混乱させてしまいかねません。
掲載された写真の現地を訪れて犯罪に巻き込まれるリスクもあります。閲覧数稼ぎを目的としたデマの複製も投稿されるため、SNSの情報収集は公的機関の発信を参照しましょう。
関連人気記事:おすすめの安否確認システム7選|機能やメリット・無料のシステムも紹介
2.スマホが使えない!災害時に携帯以外の3つの連絡手段

災害時に携帯以外の手段で連絡を取る方法を3つ紹介します。
・公衆電話で伝言を登録する
・避難所の掲示板で被災者情報をチェックする
・テレビ・ラジオ・行政無線など被災者情報を聞き取る
スマホが使えない場合の備えとして、覚えておきましょう。
①公衆電話で伝言を登録する
スマホ以外で連絡したい場合は、公衆電話で伝言を登録しましょう。公衆電話はNTTから独自の電力供給を受けているため、停電が起きたとしても電話が通じます。回線混雑の影響も受けないため、災害時の連絡手段としてうってつけです。
公衆電話には2種類あるため、それぞれの使い方を解説します。
項目 |
アナログ式 |
デジタル式 |
平常時の使い方 |
受話器を取って硬貨・テレホンカードを入れ、電話番号を押す。 |
|
停電時の使い方 |
基本的に平常時と同じ ※テレホンカードは使用不可 |
|
110(警察)、118(海上保安)、119(消防、救急)への通報 |
受話器を取って緊急通報ボタンを押した後、電話番号を押す。
|
受話器を取って電話番号を押す。 |
災害発生時の使い方 |
受話器を取って硬貨・テレホンカードを入れ、電話番号を押す。 ※通話後に硬貨・テレホンカードは返却 |
硬貨・テレホンカードを使わず、受話器を取って電話番号を押す。 |
公衆電話は撤去が進んでいるため数が少ないですが、NTTのホームページで住所・駅名などを入力して所在地を検索できます。お近くの公衆電話を調べておきましょう。
②避難所の掲示板で被災者情報をチェックする
スマホ・ラジオ・パソコンなどが使えないときは、避難所の掲示板で被災者情報をチェックするのがおすすめです。例えば、東京都品川区のマンションでは災害発生時、エントランスにさまざまな情報を掲示します。
・住民の安否確認情報
・非常食の配給
・自室以外の一次的な避難場所
・介添えが必要な居住者の把握
・居住者の資格・技術・得意作業など
避難所の掲示板には安否情報だけでなく、住民同士で助け合うための情報が充実しています。直近の災害情報を知りたい場合は、避難所の掲示板を確認してみてください。
③テレビ・ラジオ・行政無線など被災者情報を聞き取る
災害時には、テレビ・ラジオ・行政無線が発信する被災者情報を聞き取りましょう。家庭のさまざまな状況に備えて、国はFAXや屋外の拡声器を通して災害情報を伝えます。
ただし、地震発生後には建物の倒壊や津波から素早く避難しなければなりません。災害時に放送を聞くときは、安全な場所で落ち着いてからにしましょう。
参考:総務省「防災行政無線とは・市町村防災行政無線のデジタル化」
3.災害時のスマホの維持に!ポータブル電源を非常用電源として準備しよう

家族・友人・職場への連絡、災害情報の収集など、スマホは災害時の必需品です。しかし、20,000mAhの大容量モバイルバッテリーでも、スマホの充電回数は4~5回と長く持ちません。
そこでおすすめなのが、大容量・高出力のポータブル電源です。持ち運び可能なバッテリー装置であり、一例としてJackery(ジャクリ)の製品なら最小モデルでも充電回数は約8回。
モバイルバッテリーよりは大型ですが、AC電源(コンセント)が使えるため、スマホ以外にもさまざまな家電に給電できます。停電になっても、冷蔵庫での食料保存やエアコンによる体温維持、電子レンジでのレトルト調理などができます。
Jackery(ジャクリ)のポータブル電源は以下の実績や性能を誇ります。
・10年越えの長寿命
・図書館と同じレベルの静音性
・防災製品等推奨品マーク取得済み
・13年間で販売台数500万台オーバー
・個人から家族まで対応したラインナップ
容量と出力を幅広いレベルでそろえているため、個人での携帯用から大人数での複数機器充電まで対応可能です。
さらに、ソーラーパネルとのセットならコンセントなしでポータブル電源を充電できます。災害時の停電や避難所での長期生活など、充電設備がない環境でも家電を継続使用できるメリットがあります。ポータブル電源とソーラーパネルのセットで、長期的な災害対策を整えましょう。
関連人気記事:災害時にはポータブル蓄電池が便利!おすすめする3つの理由と選び方を解説
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4.災害時の対策は必須!命を守る8つの防災知識
災害時に重要な8つの防災対策をまとめました。
・災害用伝言サービスを体験する
・家具が倒れないように固定する
・1週間分以上の非常食を用意する
・公共機関で正確な情報を集める
・地域ごとの防災アプリを活用する
・津波避難施設・ビルを把握しておく
・商業施設や公的機関では誘導員の指示を待つ
・ハザードマップで安全な避難経路を調べておく
それぞれ詳しく解説します。
●災害用伝言サービスを体験する
いざというときに迷わず使えるように、災害用伝言サービスを体験しておきましょう。平常時には災害用伝言サービスは使用できませんが、以下の日時で体験できます。
・毎月1日,15日 00:00~24:00
・正月三が日(1月1日00:00~1月3日24:00)
・防災週間(8月30日9:00~9月5日17:00)
・防災とボランティア週間(1月15日9:00~1月21日17:00)
災害時には不安が大きくなり、落ち着いた行動を取るのが難しくなります。少しでも使い方に慣れておけば、周りに気を配る余裕を持てるでしょう。
●家具が倒れないように固定する
地震による被害は家具の転倒に巻き込まれたケースが半分近くを占めるため、防災対策には家具の固定が欠かせません。
寝室や子どもが集まる部屋に家具を置くなら、できるだけ背の低い家具を置いて、転倒のリスクを抑えましょう。家具を固定する方法として次の道具がおすすめです。
・L字型金具:タンスや食器棚の天井部を固定する
・粘着マット:棚やテーブル上のテレビを固定する
・ガラス飛散防止フィルム:窓や食器棚のガラスの飛散を防ぐ
家具やガラスが住宅に散らばれば足をケガするだけでなく、移動に時間をかけ過ぎて建物の倒壊や津波から逃げ遅れるかもしれません。
関連人気記事:地震の備えとして家具にできる7つの対策|防災グッズと二段構えで万全
●1週間分以上の非常食を用意する
災害時用の非常食は最低3日分、できれば1週間分以上は用意しましょう。行政の救助開始まで72時間が目安とされていますが、東日本大震災ではライフラインの復旧まで以下の日数がかかっています。
・電気:6日
・水道:4日
・ガス:34日
とはいえ、大量に非常食を抱えると消費期限が過ぎてしまうため、非常食を効率的に備蓄するためにはローリングストック法がおすすめです。
ローリングストック法とは、非常食が無くならない程度に食べつつ補充する方法。消費期限切れを止めるだけでなく、口に合わない非常食を調べることもできます。
災害時に食べ物の好みを気にするのは贅沢かもしれませんが、非日常の生活はストレスを溜めてしまいます。少しでも心身への悪影響を減らすためにも、食べやすい非常食を用意しましょう。
関連人気記事:災害時に非常食になるもの10選!いざという時に備えて安く買い揃えよう
●公的機関で正確な情報を集める
災害対策として、公的機関での正確な情報収集が重要です。X(旧Twitter)・Instagram・FacebookなどのSNSでは、災害時に本当かどうか怪しい情報があふれます。なかには、まったく関係のない場所の写真や、現在では生成AIで作成した写真もあります。
SNSには誤情報や危険をあおる投稿が多いため、まずは内閣府や地元市役所などの正確な災害情報を集めましょう。
●地域ごとの防災アプリを活用する
アプリで情報収集するなら、地域ごとの防災アプリがおすすめです。居住地に特化した防災アプリなら、ハザードマップなどよりも精度が高い防災情報を集められます。
例えば「東京都防災アプリ」なら、マンション向けの防災情報の閲覧や避難経路のシミュレーションが可能です。
「〇〇市 防災アプリ」と検索すると、各市町村が公開している防災アプリをダウンロードできます。居住地に合った災害対策で安全性を高めましょう。
●津波避難施設・ビルを把握しておく
津波から素早く避難するために、津波避難施設・ビルを把握しておきましょう。津波の危険性があるエリアや津波避難用の施設には、以下のマークが提示されています。

引用:政府広報オンライン「災害時に命を守る一人ひとりの防災対策」
これらのマークを覚えておけば、旅行先の慣れない場所でも津波から避難しやすくなります。
●商業施設や公共機関では誘導員の指示を待つ
災害時に駅・空港・百貨店・遊園地などの商業施設や公共機関にいた場合は、誘導員の指示を待ちましょう。慌てて出入口に殺到すると避難が遅れてしまったり、将棋倒しが起きてしまったりするリスクがあります。
人ごみに入ってしまえば、知人・家族とはぐれてしまうかもしれません。誘導員の声を聞き逃さないためにも、落ち着いて待機しましょう。
●ハザードマップで安全な避難経路を調べておく
安全な避難経路を調べるためには、国が公開しているハザードマップを見るのがおすすめです。住所を入力すると、居住地について災害の種類ごとの危険エリアを確認できます。確認できる主な情報は次のとおりです。
・津波のリスク情報
・高潮のリスク情報
・洪水のリスク情報
・土砂災害のリスク情報
・道路防災情報
・土地の特徴や成り立ち
自分が住んでいる場所の危険性を調べ、防災知識を深めましょう。
関連人気記事:ハザードマップを元に防災環境を見直そう
5.災害時の連絡手段についてよくある質問
災害時の連絡手段についてよくある質問をまとめました。
・災害時に携帯で連絡する手段はありますか?
・災害時にスマホやラインが使えないときの連絡手段はありますか?
・南海トラフなど大きな地震が起きた際に連絡手段は何が使えますか?
連絡手段の不安をなくして、災害時に迷わず動けるようにしましょう。
●災害時に携帯で連絡する手段はありますか?
衛星携帯電話を使えば、災害時でも回線混雑の影響を避けて固定電話やスマホとの通話が可能です。
ただし、付近に高い建物がない場所でなければ通話がつながりにくくなり、地域によっては利用に制限がかかる場合もあります。月額料金もかかるため、災害対策を安く済ませたい人は、無料で使えるLINEや災害伝言板ダイヤルがおすすめです。
●災害時にスマホやラインが使えないときの連絡手段はありますか?
災害時にスマホやLINE以外で連絡する手段としては、以下の例が挙げられます。
・公衆電話
・避難所の掲示板
・テレビ・ラジオ・行政無線など
災害時の公衆電話は基本的に無料で使えますが、機種によっては小銭やテレホンカードが必要です。使い方がわからない人は、この記事の前半にある「公衆電話で伝言を登録する」を読んでおきましょう。
●南海トラフなど大きな地震が起きた際に連絡手段は何が使えますか?
南海トラフなどの巨大地震が起きた際には、次の連絡手段が使えます。
・災害用伝言ダイヤル
・災害用伝言板(web171)
・携帯電話会社ごとの災害用伝言板サービス
・SNS
・LINE
SNSは誤情報やデマの投稿が目に入る可能性があります。落ち着いて連絡を取りたい人は、他の連絡手段を使いましょう。
まとめ
この記事では、災害時に役立つさまざまな連絡手段を紹介しました。災害が起きるとスマホでの連絡は難しくなり、携帯以外の連絡手段が欠かせません。
災害用伝言ダイヤルなどの連絡手段は、訓練用に開放された特定の日時のみ利用可能です。使い方に慣れておくのも重要ですが、LINEのような日常的に使うアプリなら、非常時でも落ち着いて使えます。
東日本大震災のような大規模災害が起きると、ライフラインの復旧まで時間がかかります。停電時でもスマホや冷蔵庫などの家電を長期間使えるように、ポータブル電源を用意しておきましょう。