災害時におすすめのポータブル電源|必要性と選び方のポイントを解説!
災害時は電気が使えない状態が長時間続くことが想定されます。こうした状況に備えるため、ポータブル電源を1台用意しておくと安心です。ポータブル電源は大容量・高出力・高性能であり、扇風機や電気毛布、冷蔵庫、電気ケトルなどへの給電も可能です。
この記事では、災害への備えにポータブル電源がおすすめの理由や選び方、おすすめのポータブル電源についてご紹介します。
災害への備えに「ポータブル電源」がおすすめの理由
ポータブル電源とは、リチウムイオン蓄電池といった充電式電池が内蔵された、大容量かつ持ち運び可能な蓄電装置のことです。家庭用コンセントのAC出力にも対応し、消費電力100W以上の家電も稼働可能です。モデルによってはパソコンや扇風機、小型のIH調理器、冷蔵庫なども充電できます。
ポータブル電源の類似商品であるモバイルバッテリーは、リチウムイオン蓄電池を内蔵したUSB出力メインの持ち運びしやすい充電器を指します。主にスマートフォンやタブレットなどの小型の電子機器類の充電に対応しています。
ポータブル電源とモバイルバッテリーを比較すると、ポータブル電源の方が大容量・高出力・高性能であるといえます。そのためポータブル電源はキャンプといったアウトドアはもちろん、災害時への備えとして役立ちます。
災害時にポータブル電源が役立つシーン
ポータブル電源があると、災害時にどのように役立つのか知っておきましょう。
【災害時にポータブル電源が役立つシーン】
①スマートフォンの充電
スマートフォンによって情報収集や連絡のやり取りが行えます。モバイルバッテリーでも充電可能ですが、充電可能回数が少ないため大容量のポータブル電源の方が安心でしょう。
②扇風機、サーキュレーターや電気毛布、エアコンへの使用
夏の酷暑や冬の寒さへの対策ができます。
③冷蔵庫の使用
冷蔵庫や冷凍庫の中の食材の腐食を防げます。
④電気ケトルや電子レンジの使用
手軽にお湯を沸かせられるため備蓄食材が食べられます。電子レンジも使用することで、災害時でもより幅広い食材を味わえるでしょう。
⑤水槽の停電対策
ヒーターやろ過システムなどの設備ダウンを防ぎ、熱帯魚を守ることができます。
このようにポータブル電源があれば、災害時でもできるだけ快適な日常生活が送りやすくなるでしょう。
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災害用のポータブル電源の選び方
①安全性に関する記載が明確か
ポータブル電源を選ぶ際は「防災安全協会推奨マーク」と「PSEマーク」の2つを確認しましょう。これらのマークがあるポータブル電源には、安全性に関する事項が記載されています。マークの概要は以下のとおりです。
-
・防災安全協会推奨マーク
一般社団法人防災安全協会が認定する、災害時に有効活用でき安全と認められる防災製品に付与されるマーク -
・PSEマーク
一般社団法人日本品質保証機構が認定する、ACアダプターの安全性を保証するマーク
ポータブル電源はさまざまなシーンで役立つ便利アイテムですが、安全性の高いものでなければ火災の原因となる可能性があります。安全に使用するためにも「防災安全協会推奨マーク」「PSEマーク」の有無は必ず確認してください。
ただしPSEマークはA102938Cアダプターの安全性を保証するマークのため、ACアダプター自体が付属されていなければマーク記載がありません。そのためACアダプターがないモデルにはPSEマークがありませんので注意しましょう。
②バッテリー容量の大きさ
ポータブル電源は、使いたい家電の消費電力にあわせてバッテリー容量の大きさを選ぶこともポイントです。家電の消費電力とポータブル電源の容量から、家電の使用時間は以下の計算式で算出できます。
【使用時間の目安】
ポータブル電源の電気容量(Wh:ワットアワー)÷ 電化製品の消費電力(W:ワット)
Wh(ワットアワー)は家電を使える時間、W(ワット)は使える家電の範囲を指します。例えば100Whのポータブル電源で10Wの電化製品は10時間使えますが、1,200W必要なドライヤーには1,200Wh以下のバッテリーは使えません。
災害時に使用が想定される家電のワット数目安は以下のとおりです。
【ワット数の目安】
- ・携帯の充電:20~30w
- ・扇風機:30~40w
- ・ヒーター:450~1,200w
- ・電気毛布:5~100w
- ・冷蔵庫:150~300w
災害時に使用する場合は複数の家電に対応できるよう、1,000Wh以上のポータブル電源を目安に選ぶと良いでしょう。Wh数が高いほど高額かつサイズも大きくなるため、使用シーンを想定しておくことが大切です。
③定格規格と周波数
定格規格とは、JISに基づいた条件のもとで機器を連続して運転した場合、その機器が安定して出力できる電力量のことを指します。例えば定格出力が1,000Wのポータブル電源の場合、バッテリーが保つ限り1,000Wの電力を出力し続けられます。ポータブル電源の容量はWhの単位で表記されるため、容量が1,000Whであれば1,000Wを約1時間出力できることになります。
周波数(Hz:ヘルツ)とは、電気の流れる方向が1秒間に変わる回数のことです。家庭用の電気は、電気の流れる方向が1秒間に何十回も変化しています。日本は静岡県の富士川と新潟県の糸魚川あたりを境にして、東側は「50Hz」、西側は「60Hz」が送電されています。周波数の違いを確認せずに誤って使用すると、器具の性能を低下させたり、火災の原因となったりするため注意しましょう。
定格規格や周波数は家電によって異なります。ポータブル電源は消費電力よりも定格電力が上回っているもので、かつどちらの周波数にも対応可能なものを選びましょう。
➃出力ポートの形状
ポータブル電源の出力ポートは「AC出力」「DC出力」「USBポート」の3種類に分けられます。
-
①AC出力ポートで使用できる主な製品:家庭用の電気製品
ノートパソコン、扇風機、ミニ炊飯器、ジューサーなど -
②DC出力ポートで使用できる主な製品:車載専用の電気製品
車載用冷蔵庫、自動車エアーポンプなど -
③USB出力ポートで使用できる主な製品:モバイル製品の充電
スマートフォン、タブレット、USB扇風機、USBライトなど
ポータブル電源の代表的な出力ポートは以下のとおりです。
- ・100V AC出力ポート 1口~6口
- ・USB-A2.0 ポート
- ・USB-A3.0 ポート
- ・USB-A QC(クイックチャージ)対応 ポート
- ・USB Type-C ポート
- ・USB Type-C PD(パワーデリバリー)対応 ポート
- ・シガーソケット
- ・DC(直流)ポート
- ・Qi対応
ポータブル電源の最大の特徴であるAC電源出力ポートは、以下のポイントをチェックしましょう。
- 1.3層コンセント(アース端子付き)を挿せるタイプのコンセントか
- 2.ACコンセントの数
- 3.コンセント1つあたりの出力ワット数(定格出力)
- 4.機器トラブルが少ない正弦波か
- 5.出力周波数(50hz/60Hz)切替可能か
- 6.出力電圧(100V/110V)
⑤電源以外の機能
ポータブル電源は電源以外にも、以下のとおり災害時に役立つ機能を搭載している商品もあります。
【災害時にポータブル電源の役立つ機能】
-
・ソーラー充電
日中に太陽光で充電しておけば、停電が長引いても使用時間を延長できます。 -
・ライト機能
停電の際もランタン代わりに使用できます。 -
・パススルー充電
本体を充電しながら、家電に給電できる便利機能です。バッテリー切れのときも安心です。
停電が長引くことも想定して、ソーラー充電やライト機能、パススルー充電機能などが備わったポータブル電源を選ぶようにしましょう。
災害時におすすめのポータブル電源
No.1 とにかく超大容量のポータブル電源【Jackery ポータブル電源 2000 Pro】
1,500Wh以上と超大容量のポータブル電源がほしい方は「Jackery ポータブル電源 2000 Pro」がおすすめです。1,500whの家電は電気グリル鍋(1,600W)、1,500Whに近い家電はエアコン(1,150W)、電子レンジ(1,160W)などが挙げられます。災害時に複数の家電を使用することを考慮すると、超大容量のポータブル電源があれば心強いでしょう。
「Jackery ポータブル電源 2000 Pro」はIH調理機やドライヤー、ホットプレートなどの高出力家電も屋外で使用可能です。サーキュレーターやポータブルクーラー、電気毛布、ホットヒーターなども使用できるため、夏や冬の災害時でも安心です。災害や停電になった場合もほぼすべての家電を動かせます。
家庭用コンセントを使えば最速2時間でフル充電可能で、ソーラーパネル使用でもフル充電まで2.5時間しかかかりません。フロント部分にはLEDライトが搭載されており、停電時にも手元を照らせます。本体を充電しながら給電するパススルー充電機能も備わっています。専用のシステムにより過充電や過放電の防止に加え、4つの温度センサーで異常発熱が防止できるため安心・安全に使用できます。
安全性に関する記載・マーク |
あり(防災安全協会推奨マーク) |
バッテリー容量 |
2,160Wh |
定格出力 |
2,200W |
対応周波数 |
50Hz/60Hz |
出力形状 |
(例)シガーソケット、USB-C |
その他の機能 |
(例)ライト、ソーラー充電 |
大きさ |
約384x269x307.5mm |
重さ |
約19.5kg |
No.2 コスパ重視のポータブル電源【Jackery ポータブル電源 1000】
さまざまな端末に対応できるポートがあり、かつ安全性が確保されている1000Wh以上のポータブル電源の価格相場は15万円前後です。そのため10万円台前半の商品であれば、コストパフォーマンスが高いと言えるでしょう。
ポータブル電源を初めて購入する方は、コスパを意識した商品がおすすめです。そこでおすすめの商品が「Jackery ポータブル電源 1000」です。
「Jackery ポータブル電源 1000」は1000Wの出力電力と2000Wのピーク電力に対応しており、ドライヤーやヒーターなどの消費電力が大きい製品でも利用できます。また以下のように電力出力ポートが豊富なため、多種多様な電化製品の充電に役立ちます。
- ・USB-A端子(2口)
- ・USB-C端子(2口)
- ・シガーソケット(1口)
- ・一般的な家電で使用できるAC100Vコンセント(3口)
スマートフォンやタブレットを急速に充電できる「Quick Charge」が搭載されているため、災害時でも安心して電子機器を利用できるでしょう。さまざまな電化製品に対応できるポータブル電源のため、コスパ重視の方におすすめです。
安全性に関する記載・マーク |
あり(防災製品等推奨品マーク、PSEなど) |
バッテリー容量 |
1,002Wh |
定格出力 |
1,000W |
対応周波数 |
60Hz |
出力形状 |
USB-A(2口)、USB-C(2口)、シガーソケット |
その他の機能 |
ソーラー充電 |
大きさ |
約332×233×243mm |
重さ |
約10.6kg |
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まとめ
災害時のポータブル電源の必要性や、おすすめの災害用ポータブル電源を解説しました。この記事で紹介した1,000Wh以上のポータブル電源は、携帯の充電や冷蔵庫の稼働など、災害時に大きく役立ちます。その中でも大容量のものからやコストパフォーマンスに長けたものなど、ポータブル電源によって特徴は多種多様です。ぜひこの記事を参考に、災害時に備えらえるポータブル電源を探してみてください。